2014年10月3日金曜日

日本製品ボイコットに失敗した中国:1~9月の対日貿易赤字は1兆1000億円

_


レコードチャイナ 配信日時:2014年10月3日 4時13分
http://www.recordchina.co.jp/a94983.html

日本製品ボイコットに失敗した中国、対日貿易赤字は続く―中国メディア


●9月29日、BWCHINESE中文網は記事「データが解き明かす真実、中国の対日制裁は空振りだったのか?」を掲載した。写真は2012年、日本製品ボイコットを呼びかけるポスター。

 2014年9月29日、BWCHINESE中文網は記事
 「データが解き明かす真実、
 中国の対日制裁は空振りだったのか?」
を掲載した。

 2012年の日本政府による尖閣諸島国有化は日中の経済関係に大きな打撃を与えた。
 2012年の日中貿易は3449億ドル(約37兆8000億円)と史上最高額を更新したが、
 2012年には3.9%の減少となった。
 2013年にはさらに5.1%減少し3125億ドル(約34兆3000億円)にまで落ち込んでいる。

 注目は
 中国が119億9000万ドル(約1兆3100億円)の対日貿易赤字を記録している
ことだろう。
 中国の対日貿易赤字は2013年のみならず一定期間継続しているが、政治的な問題とは別に
 中国が日本の製品に依存していることを示している。
 反日デモでは日本製自動車を破壊する行為もあったが、
 「経済的な手段で日本に制裁を」
と望む中国民衆の願いは現実とはかけ離れたものであったことを示すものとなった。



レコードチャイナ 配信日時:2014年10月2日 22時8分
http://www.recordchina.co.jp/a95019.html

日中関係が悪化しても、日本の良い所を否定することはできない―中国メディア

 2014年9月30日、日中経済協会は22日から27日まで、200人以上からなる「史上最大規模」の代表団を中国に派遣した。
 筆者は同協会が22日に開いたレセプションに出席し、日本のビジネス関係者が両国の経済貿易関係の発展に寄せる期待と熱意をひしひしと感じた。
 環球時報が伝えた。(文:馮昭奎(フォン・ジャオクイ)中国社会科学院日本研究所研究員)

 日中両国の経済交流と人的往来は互恵・ウィンウィンの事業であり、両国政府は共にこれを奨励し、政治の冷え込みが経済・文化交流にもたらす悪影響をできるだけ減らすべきだ。
 全体的に見て、両国の社会はこのことを良く理解している。

近頃、「日中のどちらがより多く損をしたか」について議論し合っている人がいるが、こんなことをして何になるのだろう?どちらにせよ両国ともに敗者であり、両方のご機嫌をとった「第三者」が漁夫の利を得ただけだ。特に米国は、中国の発展をけん制し、日本の勢力を削いでより「言うことを聞かせる」という、戦略面での実益を得た。

 現在の中国の製造業は「規模は大きいが強くはない」との見方が一般的だ。
 コア技術の対外依存度が高く、
ハイエンドチップの80%は輸入に頼っている。
 中国は世界の産業チェーンの中でもロー・ミドルエンドに位置する。
 一方の日本は産業チェーンのミドル・ハイエンドに位置するため、
 日中の経済貿易関係の冷え込みが、中国にマイナス影響をもたらすことは明白だ。

 我々は、日中関係が悪化しているからといって、日本の良い点を認めないわけにはいかない。
 中国人の多くは日本の近代化の成果を肯定的に見ており、日本のことを、「環境汚染・資源不足を解決し、食の安全、社会秩序、国民の資質を高めた優等生」と認め、中国はこれからも日本の長所と発展の経験から学ぶべきと考えている。
 このような声は、たとえ両国の摩擦が激しくなっても排斥されることはなかった。

 日本政府観光局の統計によると、2014年上半期に日本を訪れた中国本土の観光客数は前年同期比88.2%増の100万9200人に達した。
 日本が中国から近く、円安で旅行代やショッピングがお得になったこともあるが、日本の質の高いサービス、環境衛生、社会文明、国民の友好的な態度なども、中国の訪日旅行客が大幅増となった重要な原因だ。

 国連気候変動サミットがこのほど開かれた。
 潘基文(パン・ギムン)国連事務総長の言葉の通り、「気候変動は数十億人に影響をもたらす、我々の時代における最も重要な問題」だ。
 日中両国はすでに、環境分野で密接な協力関係にある。煙霧対策、大気・水汚染対策、気候変動への対応、福島原発の件を受けた原発安全の強化などはすべて、日中の経済貿易協力の重要な内容、ひいては中心的な課題に据えるべきだ。
 これらは日中の互恵・ウィンウィンの事業であると共に、「我々の時代における最も重要な問題」の解決に貢献することにもなる。こうした意義から見ても、筆者は「政冷経熱」の日中関係が再び訪れることを期待している。

(提供/人民網日本語版・翻訳/SN・編集/武藤)



レコードチャイナ 配信日時:2014年10月14日 18時35分
http://www.recordchina.co.jp/a95686.html

中国、1~9月の対日貿易赤字は1兆1000億円
―中国税関総署

 2014年10月13日、中国税関総署の報道官は記者会見で、今年1~9月までの対日貿易赤字が634億元(約1兆1089億円)だと明らかにした。
 新華社が伝えた。

 1~9月までの輸出と輸入を合わせた日本との
 貿易総額は、0.4%増の1兆4300億元(約25兆122億円)
だった。
 日本向け輸出は0.6%増の6845億元(約11兆9711億円)、
 日本からの輸入は0.2%増の7479億元(13兆742億円)
だった。

 税関総署の報道官は
 「日本との貿易では一定の変動状況が現れている」
とした上で、
 「両国間の貿易が安定的に成長し、貿易関係の改善傾向が強固なものとなることを心から期待している」
と述べた。



レコードチャイナ 配信日時:2014年10月21日 7時52分
http://www.recordchina.co.jp/a96061.html

日本で紙おむつを買い占める中国人、
中国の消費者はどう考えているのか?―中国メディア

 2014年10月20日、中国国内での転売を目的に、日本製紙おむつを買い漁っている中国人の行動が日本で大きな問題になっていることについて、中国の消費者はどう考えているのだろうか。
 中国メディア・騰訊網が伝えた。

 今月15日、兵庫県警は調理師資格で入国しながら、実際には紙おむつの大量購入を専門に行っていた中国人の男3人を入国管理法違反で逮捕した。
 彼らはわずか5日間で267店舗を回り、990パックの紙おむつを購入していた。

 ここ数年、中国人による紙おむつの買い占めが日本各地で頻繁に発生しており、一般消費者の手に入らない状況が発生している。
 「日本製品ボイコット」と言いながら、愛する子供のためには日本製紙おむつを購入する中国人の親が多いからだ。
 特に花王のメリーズは大人気で、親たちにとっては「おむつ界のiPhone」だという。
 その結果、中国市場には密輸されたメリーズや模造商品がいっぱいだ。

 花王のメリーズは中国・安徽省でも生産されている。
 だが、中国の母親たちは国産メリーズを信用していない。
 あまりにも多くの偽物が出回っているため、日本で直接買い付けられた本物の日本製メリーズにこだわる。
 こうした状況が中国人による紙おむつの買い占めを生むのだ。

 ネット上には
 「非難する若者たちよ。あなたも親になったらきっと分かる。
 自分の子供に安心安全なものを与えたいという親の気持ちが」
 「偽物があふれている中国に問題がある」
という声が多く寄せられている。



レコードチャイナ 配信日時:2014年10月22日 16時9分
http://www.recordchina.co.jp/a96156.html

訪日中国人観光客が急増=9月は6割増の24万人
=3カ月連続で国別トップ―今年250万人超、年間記録更新へ

 2014年10月22日、日本政府観光局(JNTO)の発表によると、今年9 月の訪日外国人客数は、前年同月比26%増の109 万9 千人で、これまで9 月として過去最高だった2013 年(86 万7 千人)を23 万2 千人上回った。
 1 月から9 月の累計では、前年同期比26%増の973 万7 千人となった。
 旅行需要喚起のためのプロモーションのほか、新規路線就航や増便による航空座席供給量の拡大、大型クルーズ船の寄港などが、訪日観光客数の増加に寄与した。

 国別では、
1].中国が7月、8月に続き3カ月連続トップで、前年同月比58%増の24万6100人。
2].韓国(21万7700人)、
3].台湾(22万800人)、
4].香港(6万9800人)、
5].タイ(3万1100人)
の順。
 中国は1 ~9 月の累計で前年同期比80%増の178万8600人となり、既に年間の過去最高記録(2012 年=142 万5 千人)を大幅に上回っている。
 中国国慶節長期休暇があった10月も多くの中国人観光客が訪日しており、年間で250万超に達する勢いだ。



2014年11月28日 07時44分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
http://www.yomiuri.co.jp/national/20141128-OYT1T50006.html

愛国的でないと言われても…増える中国人観光客



 【北京=五十嵐文】
 約3年ぶりの日中首脳会談が今月実現しても本格的な関係改善が見通せない中、日本を訪れる中国人観光客が増え続けている。

 背景には、円安や消費税の免税対象拡大などの理由だけでなく、「政治と旅行は別だ」と割り切る富裕層や中間層の若い世代が多いことがある。

 「日本で中国人だと知れたら襲われるのではないか」

 北京市にある中堅の「北京環球美景国際旅行社」。
 日本部の責任者によると、2012年9月の日本政府による沖縄県・尖閣諸島の国有化から約半年は、こんな問い合わせが相次いで、日本旅行の申し込みは「ほぼゼロ」になった。
 今年は毎月の申し込みが1000人を超え、現地のバスやホテルが確保しにくいという。

 日本政府観光局によると、尖閣諸島国有化を機に激減した中国人観光客は昨秋から回復に転じ、今年10月末には前年同期比80・3%増の201万1800人となり、過去最多の12年の142万5100人を上回った。

 日本旅行の人気について、中国の旅行業界では
 「欧米に比べて短期間で訪問できる先進国。
 清潔で安全、サービスの良さが理由だ」
との声が多い。

 メーカー勤務の男性(37)は
 「政治環境がどうであれ、行ってみなければ永遠に相手を理解できない」
という。

 とはいえ、中国国内では日本旅行への抵抗感も根強い。
 今年夏、日本を旅行した北京の会社員(39)は帰国後、同僚から「愛国的でない」と批判された。

 9月に訪日した北京の会社員(32)は「中日関係が良くない今は行かない方がいい」と止める父親に対し、「国家と個人は関係ない」などと説得した。





【描けない未来:中国の苦悩】




_

2014年10月2日木曜日

不気味な中国の譲歩:その思惑は、裏で画策されている戦略は何?

_


レコードチャイナ 配信日時:2014年10月2日 9時9分
http://www.recordchina.co.jp/a95037.html

日本と中国、ついに首脳会談実現で合意=両国関係者が証言―英紙

 2014年9月30日、英紙フィナンシャル・タイムズは11月に北京で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議期間の首脳会談実現で日中両国が合意したと報じた。
 10月1日、台湾Nowニュースが伝えた。

 フィナンシャル・タイムズによると、日中両国の政府関係者及び研究者が首脳会談実現で合意したと認めているという。
★.中国は首脳会談の前提条件として尖閣諸島に領有権紛争があることを認めるよう求めてきたが、
 安倍首相はこの点については譲歩せず、
★.代わりに今後は靖国神社に参拝しないことを条件にした
という。

 また中国本土の研究者によると、中国当局や官制メディアが尖閣問題で日本を批判するトーンが下がっているという。
 先週には日中の国防関係者が米ワシントンで顔を合わせ、衝突回避のメカニズム構築について意見を交換した。



レコードチャイナ 配信日時:2014年10月3日 8時31分
http://www.recordchina.co.jp/a94949.html

日中の安全保障体制構築、直面する4つの課題―中国専門家

 2014年9月30日、中国国際戦略研究基金会学術委員会の張沱生(ジャン・トゥオション)委員長は今月29日、「第10回北京-東京フォーラム」で、日中両国は危機の管理・制御を適切に行い、不意の交戦や軍事衝突を回避しなければならないと語った。

 張委員長は、サブフォーラムの議論の成果を総括し、双方は2つの非常に重要な共通認識を達成したと指摘した。

 第一に、双方はいずれも、両国が最近、海洋問題のハイレベル協議を再開したことは非常に重要なことだと認識している。
 今回の対話では、両国の防衛部門の海上緊急連絡メカニズムの協議を再開しなければならないという重要な共通認識が達成された。
 これは、東シナ海地域の危機管理の強化に対して非常に重要な役割を発揮するものとなる。

 第二に、双方はいずれも、危機管理が非常に重要であるとの認識で一致した。
 これは、北東アジア地域の平和と安全を守るための最も重要な保証であり、偶発的衝突や軍事衝突を避ける最も重要な道具である。
 中国側は、安全保障体制を構築するには4つの課題を処理しなければならないと認識している。
 第一に領土や海洋権益の紛争、
 第二に核拡散問題、
 第三に海上ルートの安全、
 第四に非伝統的安全保障問題
である。

 張委員長は、北東アジアでは現在、安全保障について主に次の3つの方面の配置がなされていると指摘した。
 第一に米国の二国間の軍事同盟体系、
 第二に各種のパートナーシップや二国間・多国間の国防対話、
 第三に大国の協調
である。
 これらの3つの方面をめぐって、中国側は、その寛容性を拡大することを求めている。
 安全保障体制は、イデオロギーによって構築するべきではない。日米同盟とそれ以外との間の関係を適切に処理すると同時に、各種のパートナーシップや多国間の安全体制を大きく強化する必要がある。

 フォーラムに参加したゲストは、日中米露という4つの大国がこの地域に重要な責任を持っており、4カ国が連携と協力を強め、安定した関係を築くことは、地域の安全保障に対して非常に重要な意義を持っていると強調した。
 張委員長はこれについて、
 「もちろん大国はここで責任を負っているが、大国主義を取るべきではなく、小国の役割も十分に発揮しなければならない」
と指摘した。

 張委員長は最後に、
 「中国側は議論の中で日本の集団的自衛権の解禁に対して憂慮を示し、日本側はこれに回答した。
 中国がアジア版のモンロー主義を取り、地域の安全秩序を主導して米国を追いだそうとしているのではないかという日本側の質問について、中国側の代表もはっきりとした回答を行った」
と指摘した。

(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/武藤)



レコードチャイナ 配信日時:2014年10月2日 9時49分
http://www.recordchina.co.jp/a94981.html

チベット自治区高官、ダライ・ラマの中国帰国受け入れを示唆―中国

 2014年9月29日、米ラジオ局ボイスオブアメリカ中国語版サイトは記事
 「中国共産党がダライ・ラマの帰国を許す可能性も、五台山参拝を口実に」
を掲載した。

中国・チベット自治区の呉英傑(ウー・インジエ)副書記は英紙タイムズの取材に答え、中国共産党とダライ・ラマ側代表との対話は順調に進んでいるとコメントした。
 五台山参拝を口実とした中国訪問が許可される可能性もあるという。
 その際、中国の国家指導者と会談し完全な帰国が許されることも考えられるという。
 ただしチベットが中国の一部であると認め、独立活動をやめることが条件になるともコメントしている。

 ダライ・ラマは一貫して中国との対話に前向きな姿勢を表明しており、また仏教の聖地である五台山の訪問を望んでいるとも発言している。
 9月18日には習近平(シー・ジンピン)国家主席のインド訪問に言及し、前任者よりも実務的でオープンだと発言したほか、父の故・習仲勲(シー・ジョンシュン)氏とは個人的な交友があり、時計を贈ったこともあるとのエピソードを明かしている。




レコードチャイナ 配信日時:2014年10月19日 10時28分
http://www.recordchina.co.jp/a95948.html

「日中ハイレベル経済対話再開」日本メディアのスクープを中国官製メディアが報道

 
●17日、環球時報は記事「麻生太郎副総理、APEC財務相会合で中国閣僚と会談へ」を掲載した。「日中ハイレベル経済対話再開」との日本経済新聞のスクープを紹介した。資料写真。

 2014年10月17日、環球時報は記事
 「麻生太郎副総理、APEC財務相会合で中国閣僚と会談へ」
を掲載した。

 日本経済新聞は、日中両政府が「日中ハイレベル経済対話」の再開で合意したと報じた。
 10月21日、22日に北京市でアジア太平洋経済協力会議(APEC)財務相会合が開催される。
 日本からは麻生太郎副総理・財務相が出席。
 麻生氏と中国の汪洋(ワン・ヤン)副首相が会談し、日中ハイレベル経済対話の再開で合意する見通しだという。
 また11月に北京で開催されるAPEC首脳会議期間中の日中首脳会談実現に向けた最終調整の機会になると指摘している。

 一方、環球時報は、
 「関係改善は日中両国に利益になるが、そのためには日本側が実質的な行動によって関係改善と発展の条件を作り出すことが前提」
との中国政府の主張を紹介している。




【描けない未来:中国の苦悩】




_

産経新聞ソウル支局長の出国禁止、6回目延長で2カ月に: 「迷走する韓国検察当局」の醜体

_

●9日、韓国検察は、朴大統領の名誉を毀損したとして、産経新聞の加藤達也前ソウル支局長を在宅起訴した。これについて、韓国のネットユーザーはさまざまなコメントを寄せている。写真はセウォル号事件について謝罪する朴大統領。


レコードチャイナ 配信日時:2014年10月2日 6時49分
http://www.recordchina.co.jp/a95024.html

産経新聞ソウル支局長の出国禁止、
5回目延長で55日に
=韓国検察当局、産経側の強硬姿勢に苦慮―中国紙

 2014年10月1日、今晩報によると、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領について書いた記事が名誉毀損になる疑いがあるとして、韓国検察当局が産経新聞の加藤達也ソウル支局長を捜査している問題で、
 韓国側は同支局長に対する出国禁止令を5度にわたって延長し、
 禁止期間は同日までで55日
に達している。

 韓国法務省は8月7日、同支局長に対して10日間の出国禁止を命令。
 以後5度にわたって延長し、9月30日までで禁止期間は55日に達している。
 検察当局は8月に2度出頭を命じ、同支局長は弁護士、通訳とともにソウル中央検察庁で事情聴取を受けた。

 韓国側は海外メディアへの圧力をかけつつ、起訴回避を図ろうとしているとみられるが、
 産経新聞側が強硬姿勢を崩していないことから、妥協点を見出すのに苦慮している
ものとみられる。



レコードチャイナ 配信日時:2014年10月4日 0時14分
http://www.recordchina.co.jp/a95132.html

韓国検察、産経支局長の出国禁止をまた延長
!韓国ネット「惨めだ」「民意を代弁してくれた人になんて仕打ちを」 


●2日、韓国メディアによると、韓国検察は産経新聞の加藤達也ソウル支局長への出国禁止処分を延長すると通告した。
 出国禁止の延長はこれで6度目となる。これについて、韓国のネットユーザーはさまざまなコメントを寄せている。写真は朴大統領。

 2014年10月2日、韓国メディアによると、朴槿恵(パク・クネ)大統領への名誉棄損の疑いで、産経新聞の加藤達也ソウル支局長を捜査する韓国検察が、3度目の事情聴取を行い、出国禁止処分を延長すると通告した。
 出国禁止の延長は、これで6度目となり、
 加藤支局長は2カ月近く出国できない状態が続いている。

このような状況に、韓国のネットユーザーはさまざまなコメントを寄せている。

「あと何回延長するつもりだろう。深刻な人権侵害だ」
「あと10回は呼ばれるだろうね」
「この辺でやめておこう。日本からの報復が怖い」

「無駄なことに時間を使ってないで、国民の生活をもっと真剣に考えて」
「国民の言いたいことを、韓国メディアの代わりに言ってくれた人になんてひどい仕打ちをするんだ」
姫を守るために全身全霊を傾ける韓国検察が惨めで恥ずかしい」

支局長を呼んで、賄賂でも渡しているのかな?」
韓国に人権はないのか?日本人をばかにしているとしか思えない」
「日韓関係に悪影響を及ぼす産経新聞。ちょっとは反省させた方がいい」



朝鮮日報 記事入力 : 2014/10/03 10:54
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/10/03/2014100301041.html

【コラム】産経支局長を処罰してはならない理由

 日本のB級メディアはわれわれが考えている以上に低質だ。
  最近日本で発行されている雑誌の韓国批判報道には驚かされることが増えた。

 週刊誌の代表格である週刊文春は昨年、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の女らしさに触れた記事を掲載した。
 記事は朴大統領について
 「人から愛された経験が少ないのではないか」
 「大人の彼氏が必要だ」
などと皮肉ったものだ。
 週刊新潮は
 「身内に犯罪者 『朴槿恵大統領』孤独な夜」
との記事に
 「弟は麻薬使用で5回逮捕、妹は詐欺で有罪」
などという脇見出しを付けた。

 浅田真央に勝ったという理由でフィギュアスケートのキム・ヨナも人格攻撃にさらされる。
 ある夕刊紙はキム・ヨナが実力で勝る理由を「お尻が大きいからだ」とするあきれた記事を掲載した。
 安倍首相の前任の野田佳彦前首相は朴大統領を
 「女学生のような『言いつけ外交』をやって日本を批判している」
と見下したこともあった。
 朴大統領が女性である点を狙って、言葉による暴力に及んだ格好だ。

 産経新聞ソウル支局長による朴大統領の「空白の7時間疑惑」報道が論議を呼んだ。
 この記事も単純に掲載されたものではない。
 女性をいじめることに快感を覚えるサディズムといえるだろう。

 最近日本のB級メディアの韓国攻撃を見ると、変態のようなサディズム傾向が漂うケースが多い。
 元従軍慰安婦のおばあさんを侮辱する政治家の発言しかり、女性大統領にけちをつける報道しかりだ。
 産経ソウル支局長の記事もその延長線上にある。

 問題の記事はセウォル号沈没事故当日の朴大統領の行動を巧妙にスキャンダルに結び付けたものだ。
 産経の支局長は証券業界関係者の話として「(うわさは)朴大統領と男性との関係に関するものだ」と書いた。
 「“大統領とオトコ”の話」という表現も使った。メ
 ディア報道と証券街のうわさをつぎはぎして、男女の問題というトーンを漂わせた。
 大統領としてというより、一人の女性を卑劣に中傷しようという悪意まで感じる。

 もちろん記事の内容は事実とは異なった。
 セウォル号事件直後の7時間、朴大統領は青瓦台(大統領府)にいたことが確認された。
 産経の支局長が相手として名指ししたチョン・ユンフェ氏もその時間に他の人物と会っていた。
 虚偽の事実を根拠に他国の大統領を性的に侮辱したといえる。
 朴大統領本人はもちろん、その記事を見た韓国人が感じた侮辱の度合いも大きかった。

 検察が産経支局長を刑事立件して取り調べるのは当然だ。
 市民団体の告発があった以上、
 検察は当然名誉毀損(きそん)に当たるかどうかを判断しなければならない。
 検察は産経支局長を出国禁止とし、数回にわたり取り調べた。
 問題の記事を韓国語に翻訳した翻訳者の自宅も捜索された。

 しかし、これが限界といえそうだ。
 検察の捜査はそろそろ終えた方がよい。
 産経支局長の態度がいくら腹立たしくても、起訴まで持ち込むのは無理だ。
 国民感情を満足させられるかもしれないが、失うものの方が大きいからだ。

 まず、法理の面で確実に有罪判決が下される保障はない。
 問題の記事は明らかに虚偽事実の流布による名誉毀損罪の要件に当てはまる。
 しかし、裁判所の判例はメディアの記事について幅広い報道の自由を認めている。
 たとえ虚偽報道でも「事実と信じ得る相当の理由」があれば責任を問われない。

 従って、産経支局長を処罰するには、支局長が虚偽であることを知りながら報じた点を立証しなければならない。
 しかし、検察がそうした証拠を確保したとは聞いていない。
 その上、産経支局長を起訴するというならば、「大統領の恋愛」をうんぬんした薛勲(ソル・フン)国会議員(新政治民主連合)も取り調べないとバランスが取れない。
 薛議員はおとがめなしで、産経支局長だけを起訴すれば公正性をめぐる論議は避けられない。

 それよりも国益という観点で損害が大きい。
 当事者の産経新聞は今回の事件を大々的に報じ、迫害されたメディアというイメージを演出している。
 普段産経とはスタンスが正反対の朝日新聞も今回の問題に関しては韓国検察を批判し、産経を支持している。

 実際に起訴となれば、日本国内の反韓の流れがさらに強まるのは明らかだ。
 国際世論も決して韓国に有利とはいえない。
 ジャーナリスト団体の「国境なき記者団」は起訴に反対する声明を出した。
 国際社会は今回の事件を言論の自由の問題だと捉えている。
 ともすると、韓国は言論弾圧国だというイメージが生じかねない。

 起訴の是非を検討中の検察は朴大統領の「感情」を意識しているはずだ。
 最近朴大統領は「大統領に対する侮辱的な発言は度が過ぎている」と述べ、自身に対する中傷に不快感を示した。
 発言は産経の記事だけを指したものではなかろうが、検察の捜査指針として働いた可能性が高い。

 朴大統領にとっては耐え難い侮辱だったはずだ。
 大統領という地位でなくても、女性、それも未婚女性に男性とのスキャンダルをでっち上げること以上の名誉毀損はない。
 韓国の国民が感じた侮辱も到底言葉に表せるものではない。

 質が悪いごみは無視するのが上策だ。
 町内のごろつきのような卑劣な挑発をまともに相手にしていたら、われわれの品格が低下してしまう。





レコードチャイナ 配信日時:2014年10月9日 15時21分
http://www.recordchina.co.jp/a95452.html

朴大統領疑惑報道の産経前支局長を在宅起訴
=「韓国は本当に民主国家か?」「言論の自由は?」―中国ネット

  2014年10月8日、産経新聞の朴槿恵(パク・クネ)大統領に関する記事をめぐり、ソウル中央地検は記事を書いた加藤達也前ソウル支局長を在宅起訴した。
 同ニュースに中国ネットユーザーがコメントを寄せている。

 産経新聞は8月3日掲載の記事で、韓国・朝鮮日報の記事などを引用し、「セウォル号」が沈んだ当日、朴大統領が7時間にわたって所在不明だったと指摘。
 「男性との密会」をほのめかせた。
 これに対し韓国では批判の声が多く聞かれ、韓国当局は加藤氏を出国禁止とし、調査を進めた。

 今回の在宅起訴では、産経の記事が「虚偽の事実を強調し、名誉を毀損(きそん)」としている。
 日本メディアの報道によると、韓国政府の在宅起訴に国内外から「報道の自由、表現の自由」を憂慮する声が聞こえているという。
 一連の騒動に関しては中国でも注目を集めており、ネットにはコメントが寄せられている。

「一部の日本メディアは政府にコントロールされている。
 政府が政治的に目的を果たせなかった際に、メディアは他国指導者を攻撃するツールとして利用されているのだ」

「韓国はやりすぎだろ」
「韓国人は実に奇妙」

「産経の記事は韓国メディアの報道を引用したものだ。
 国内メディアが伝えているくらいだから、朴大統領の疑惑もあながち虚偽とは言えないと思う」

「言論の自由はなくなったのか?」
「韓国人よ、産経の記事は朝鮮日報の報道を引用したにすぎない。
 これに問題があるのか?」

「民主国家は言論の自由と公正な法律が存在するはずだろ、朴大統領の批判は元をたどれば自国メディアの報道からだ」


レコードチャイナ 配信日時:2014年10月9日 15時30分
http://www.recordchina.co.jp/a95454.html

産経前ソウル支局長の在宅起訴に批判の声も
=韓国ネット「判決が楽しみだ」
「ばかみたいに騒いだせいで…」

 2014年10月8日、韓国メディアは、韓国検察が同日、朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉を毀損(きそん)したとして、産経新聞の加藤達也前ソウル支局長を在宅起訴したと伝えた。
 在宅起訴した理由について検察は
 「産経新聞の記事は、客観的事実ではない。事実確認をせずに、何の根拠もなく大統領の名誉を棄損した。
 また、それについて反省の意を示していない」
などと述べた。

 大統領に関するうわさを報じた外国人記者が起訴されるのは初めてであり、今回の起訴が「言論の自由を侵害する」として、国内外のメディアや団体から批判が相次いでいる。

これについて、韓国のネットユーザーはさまざまなコメントを寄せている。

「国際的に恥をさらした」
「言論弾圧国家になって満足?」
「日本人だからって厳しく処分する韓国人が情けない」

「韓国メディアの日本に対する記事の方がよっぽどひどいと思うけど?」
「世界中が『朴大統領の7時間』を知りたがっている。
 ばかみたいに騒いだからだ」
「裁判所が『7時間』について明らかにしてくれるってこと?」
「最初にそのうわさを報じたのは朝鮮日報でしょ?
 なんで放っておくの?」

「セウォル号事件のあとに、虚偽のうわさを流した韓国人が懲役1年だったけど、今回は何年が言い渡されるか楽しみだ」
「表現の自由を盾に、言いたい放題言いやがって
 …表現の自由が他人の名誉、権利を傷付けてもいいのか?」

「故意にうその情報を流すことは、言論の自由ではない」
「ここは韓国だよ?もっと厳しく処罰しろ」
「韓国の怖さを思い知らせてやらないと」









朝鮮日報 記事入力 : 2014/10/10 09:09
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/10/10/2014101000777.html

産経前支局長の被疑事実、裁判で立証困難との見方も
産経前ソウル支局長起訴をめぐる論点

 今年4月のセウォル号沈没事故当日、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の動静に空白の時間帯があるといううわさを報じ、韓国検察当局に情報通信網法に基づく名誉毀損の罪で在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(48)について、韓国国内で「表現の自由」の侵害ではないかという論争が起きている。

■青瓦台の意向くむ?

 大統領に対する名誉毀損の罪で外国のジャーナリストが起訴されたのは今回が初めてで、加藤前支局長に対する検察の捜査はわずか2カ月で終結した。

 韓国大統領府(青瓦台)の尹斗鉉(ユン・ドゥヒョン)広報首席秘書官は今年8月7日、産経新聞のウェブサイトに同月3日に掲載された加藤前支局長記事について、「民事・刑事上の責任を最後まで追及する」と表明し、検察は5日後に加藤前支局長に出頭を命じた。
 加藤前支局長がそれに応じなかったため、出国禁止措置が取られた。

 その後、検察は8月18、20日、10月2日に加藤前支局長に出頭を求めて事情聴取を行い、最終的に在宅起訴を決めた。

 検察は8月以降、加藤前支局長に対する出国禁止措置を6回延長するなど、最終局面まで対応に苦慮したとされる。
 起訴して裁判で有罪を立証することも可能だが、特別な事情に配慮して起訴を見送る起訴猶予にすることも検討されたもようだ。

 しかし、大統領府が8月に厳正な対応方針を示して以降、加藤前支局長に対する姿勢に変化を見せておらず、検察の起訴はある程度予見されたものだとの分析も聞かれる。

 朴大統領の「空白の7時間」疑惑について、
 「朴大統領がセウォル号事故当日、青瓦台内にいた」
という青瓦台の説明と一致する捜査結果を検察が明らかにしたことをめぐっては、
 「青瓦台の意向に沿ったのではないか」
と指摘する声もある。

 検察は青瓦台から朴大統領が事故当日、
 青瓦台内にいたという書面での資料提出を受けたが、青瓦台関係者に対する聴取は行わなかったとされる。


■裁判で立証困難との見方も

 検察は加藤前支局長が根拠もなく、女性である朴大統領に不適切な男女関係があるかのように虚偽の事実を摘示し、大統領の名誉を毀損したと判断している。

 また、加藤前支局長が
▲.当事者への事実確認など必要なプロセスを踏まず、
 証券街の情報誌や政界消息筋など信頼できない情報を報道の根拠とし、
 具体的な取材の根拠を示さなかった点
▲.23年間の記者生活や4年近い韓国での特派員生活で韓国事情を熟知している点
▲.被害者に謝罪や反省の意思を示していない点
―なども総合的に考慮し、処罰が必要だと判断した。

 しかし、
 検察が今後の裁判過程で加藤前支局長の被疑事実を立証するのは容易ではない
との見方が当初から出ている。

 検察は加藤前支局長が朴大統領の動静に関する疑惑が事実ではないことを明らかに知りながら、故意に記事を書いたとの点を裁判で立証する必要がある。

 加藤前支局長は裁判で
 「公益のための目的で疑惑を取り上げただけであり、
 朴大統領の名誉を毀損するために記事を書いたわけではない」
と主張する可能性が高い。

 同時に、加藤前支局長の報道内容も全て朴大統領の私生活に関するものだと見なすには境界があいまいだと指摘されている。

 朴大統領の空白の7時間疑惑を私生活ではなく、大統領の公務遂行に関する問題と見なす余地も残されているためだ。
 また、公職者の場合公務と私生活を明確に区分するのは困難だとの指摘もある。



_

2014年10月1日水曜日

不動産経営者の夜逃げラッシュ:危うさを増す中国経済の崩壊の影

_


WEDGE Infinity 日本をもっと、考える   2014年10月01日(Wed)  石平
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4255

「不動産経営者の夜逃げラッシュ」が招く中国経済の崩壊

今年6月27日に掲載した
 『破滅へ向かう中国経済 四面楚歌の習近平 政治介入する軍』
では、中国における不動産バブルの崩壊がすでに始まったことを実例に基づいて克明に記述したが、それ以降の数カ月間で崩壊は確実に進んでいる模様である。

■「早く売り捌いた方が良い」

 8月1日の中国指数研究院の発表によれば、今年7月の全国100都市の新築住宅販売価格が前月比で0.81%下落し、4月、5月以来3カ月連続の下落となっているという。
 そして9月19日に中国国家統計局が公表した数字を見ると、8月に全国の主要都市の70都市のうち、不動産価格が下落したのは68都市にのぼる。

 その中で、たとえば8月25日に新華通信社が配信した記事によると、全国の中小都市では各開発業者による不動産価格引き下げの不毛な競争が既に始まったという。
 開発業者が競ってなりふり構わず価格競争に走れば、
 それはすなわち不動産価格総崩れの第一歩
であることは誰もが知るところであろう。

 8月23日、山東省済南市にある「恒生望山」という分譲物件が半月内に25%程度の値下げを断行したことで、値下げ以前の購買者が抗議デモを起こした。
 9月3日には、広東省珠海市のある分譲物件は値段が一夜にして4分の1も急落したとのニュースがあった。
 そして9月15日、大都会の北京市では一部の不動産物件で30%以上の値下げが断行されたと報じられている。
 この一連の動きは、「総崩れ」が既に目の前に迫ってきていることの前兆であろう。

 こうした中で、不動産バブルの崩壊は不可避とする声があちこちから聞こえてきた。

 9月3日、新華指数公司首席経済学者の金岩石氏は
 「中国の9割の都会で不動産バブルが崩壊する」
と警告した。
 また11日には、中国最大の自動車ガラス製造企業・福躍硝子集団のオーナー会長曹徳旺氏は、香港フェニックステレビの番組で
 「不動産バブルの崩壊は時間の問題だ」
と言って投機のために不動産を持った人に「早く売り捌いた方が良い」と薦めた。
 そして27日、高名な経済学者で北京天則経済研究所理事長の茅于軾氏は、
 「中国の不動産価格は今後、半分以下に落ちるであろう
と断言した。

 中国国内の実状をよく知る人々のリアリティある発言からも、
 どうやら
 史上最大規模の不動産バブルの崩壊はいよいよ、目の前の現実となってきている模様
である。

■不動産バブル崩壊で中国経済はどうなるか

 不動産バブル崩壊の最大の原因は、今年2月26日に掲載した『既に始まった中国史上最大の不動産バブル崩壊劇』で指摘した通りのものだ。
 要するに、
★.2000年代に入ってからこの十数年間、中国政府はずっと、お札をバンバン刷って金融緩和を行い、
★.民間の不動産投資の拡大を刺激するような方策で経済の高度成長を支えてきた。
 しかしこのような節度のない経済政策の結果、市場に流通する貨幣が溢れすぎて「流動性過剰」という現象が生み出された。
 一方で、過剰になった貨幣の多くは不動産投資に流れ込んで価格を高騰させてバブルを膨らませた。

 市場に流通している貨幣が溢れすぎると、それが当然インフレの発生=物価の高騰を招くこととなり、食品を中心とした物価の高騰が目の前の現実となる。
 と、それが原因で社会的不安が高まることを危惧した中国政府は一転、貨幣の供給を抑制する金融引き締め政策を実施した。

 そして2011年からの金融引き締めの中で、不動産開発業者に対する銀行からの融資が激減する。
 一方、多くの商業銀行は2013年の秋頃から、個人住宅ローンに対する貸し出しを停止するという断固たる措置に踏み切った。

 そこから始まったのがすなわち、
 不動産物価の販売不振→開発業者の資金繰り難→不動産在庫の値下げ処分→価格の下落
という悪循環であるが、そのたどり着くところはすなわち不動産価格の総崩れ、要するに
 不動産バブルの崩壊
である。

 問題は、不動産バフルが崩壊した後に中国経済がどうなるのかであるが、現在、
 全国の不動産投資のGDP (国内総生産)に対する貢献度が16%
にも達しているから、バブル崩壊に伴う不動産投資の激減は当然、GDPの大いなる損失、すなわち経済成長のさらなる減速に繋がるに違いない。
 しかも、
 バブル崩壊の中で多くの富裕層・中産階級が財産を失った結果
 成長を支える内需はますます冷え込み、経済の凋落によりいっそうの拍車をかけることとなろう。

 しかし問題の深刻さは、それだけにとどまらない。
★.不動産バブルの崩壊に伴って
 その次にやってくるのは、全国規模の金融危機の発生
なのである。

■「邯鄲恐慌」で「経営者夜逃げラッシュ」

 不動産バブルの崩壊に伴う金融危機の発生、それは一体どういうことなのか。
 実はこの原稿を書いている9月29日現在、中国河北省の邯鄲市という中規模都市で吹き荒れている「邯鄲恐慌」の嵐が、この事情を端的に物語っている。

 今、全国のマスコミを騒がしている「邯鄲恐慌」は、今年7月下旬、邯鄲市内最大の不動産開発業者である「金世紀房地産公司」で起きた経営者の夜逃げ事件から始まった。

 金世紀房地産公司という会社は2000年頃から邯鄲市で不動産の開発を始めて、以来十数年間、オフィスビルや綜合商業施設、分譲マンションなど100件以上の不動産開発を手掛け、邯鄲市最大の不動産開発業者に成長した。
 一時は資産総額100億元(1800億円相当)の大企業として邯鄲経済界に君臨していた。

 しかし7月下旬、この大企業のオーナー経営者である史虞豹氏が突如、すべての連絡を絶って家族と共に夜逃げした。
 地元財界を代表する経営者が29億元の負債を踏み倒してのこの逃亡事件は、邯鄲市全体に大きな衝撃を与えた。

 しかし衝撃はそれだけにとどまることはなかった。
 この夜逃げ事件に誘われるように、それからわずか1カ月の間で、「卓峰地産」、「万聚地産」、「武安銀信集団」、「華北錦魁地産」など、名の知られた不動産開発会社の経営者たちが続々と逃げ出して身をくらませたり、あるいは自らの倒産を宣言したりした。
 邯鄲市の経済界を揺るがした「経営者夜逃げラッシュ」の発生である。

■山ほどの不動産在庫を抱えて

 なぜ邯鄲市の不動産開発業者たちは競うように逃げ出すような事態となったのか。
 その背景にあるのは当然、本稿の冒頭から記述した不動産バブル崩壊の全国的広がりである。

 邯鄲市というのは人口160万人程度の中規模都市であるが、一時は500軒もの開発業者が群がり不動産の開発を行い、需要をはるかに超える大量の不動産物件を生み出した。
 しかし今年になってから全国的に不動産が売れなくなり、邯鄲の開発業者たちは山ほどの不動産在庫を抱えるようになった。
 2013年の1年間、邯鄲市での不動産販売面積は355万平米程度であったが、
 現在積み上った市内の不動産在庫はその10倍近くの3480万平米に上るという。

 地元の開発業者たちの資金繰りが苦しくなっていることは言うまでもないが、それは結局、彼らの「夜逃げラッシュ」を促した原因の一つとなった。

 しかし、彼らには夜逃げするのではなく別の選択肢もあったはずだ。
 手持ちの不動産在庫を大幅に値下げして売り捌いて資金を回収すれば生き残る道はあるのではないか――。
 しかし現実には、この最後の道すら彼らには残されていないのである。

 というのも、今になって判明したことであるが、彼らがこの数年、不動産の開発を進めるために闇金融から驚くべきほどの高い利息で大量のお金を借りていたからである。

 たとえば前述の金世紀房地産公司の場合、抱えている29億元の借金のうち、実は15億元ほどが闇金融からの借金である。
 それ以外の夜逃げした開発業者たちも多かれ少なかれ、闇金融からカネを借りていた。
 地元銀行による試算では、彼らの借金総額は約92億元(約1700億円相当)に上っているという。
 しかも、邯鄲の闇金融では、その年間利息は一律30%という吃驚仰天の高い利息がついているのである。

 開発業者たちがこれほどの高い金利で闇金融から借金しなければならない最大の理由は、やはり前述のように、政府による金融引き締めの中で正規の銀行がリスクの高い不動産開発に融資しなくなったことにある。
 正規の銀行がカネを貸してくれないため、やむを得ず闇金融に手を出したわけである。

 しかし問題は、闇金融からあれほどの高い金利で資金を借りると、開発業者たちに残される唯一の道はすなわち、不動産価格が暴騰し続け、年間利息30%の借金を返済できるほどの儲けを得ることである。
 暴利があるうちは何とかやっていけるが、一旦不動産が売れなくなると、巨額の負債を抱えて高い利息の返済に追われる開発業者たちが直ちに悲鳴を上げることなる。
 その際、たとえば手持ちの不動産在庫を値下げして売り捌いたとしても、闇金融からの借金とその高い利息の返済に足りることはない。
 だとすれば、いっそのこと、借金そのものを踏み倒して夜逃げするのが最善策となる。

■一般市民も抗議行動に

 このように邯鄲市の不動産開発業者の夜逃げラッシュは始まったわけであるが、彼らに大量の資金を貸している闇金融にとって致命的な打撃となろう。
 しかも、闇金融が融資に使う資金の多くは一般市民から調達したものが多いため、貸し出しのカネが踏み倒されると、闇金融に出資している個人投資家たちはいっせいに財産を失うこととなる。

 たとえば邯鄲の場合、闇金融に出資している民間人は市民の1割以上であるとの試算もある
 金世紀公司から始まった開発業者たちの夜逃げラッシュは当然、邯鄲市全体に未曾有の大混乱を引き起こした。
 一夜にして全財産あるいはその大半を失った一般市民たちは連日のように抗議行動を起こし、市政府を包囲して「金を返せ」を合言葉に暴動寸前の大騒ぎを演じてみせた。
 邯鄲市そのものは今、世紀末のような騒然とした雰囲気である。

 その一方、夜逃げした開発業者たちが正規の銀行からの借金まで踏み倒しているため、各商業銀行は大変苦しい立場となり、これまでよりいっそうの貸し渋りに走っていることは言うまでもない。
 そしてそれはまた、不動産市場のいっそうの低迷と開発業者たちのさらなる資金難を招くこととなり、今後夜逃げラッシュはますます盛んになることが予想される。
 そうすると、正規の金融も闇の金融と共によりいっそうの苦境となって、破綻への道を一直線に走ることになる。

 つまり、
 不動産バブルの崩壊の後にやってくるのは金融破綻である
ことを、邯鄲の実例がわれわれに教えているのである。

■「影の銀行」の破綻で経済破綻は免れず

 もちろん、邯鄲で起きていることは邯鄲だけの問題ではないはずだ。
 今年3月26日、中国新華通信社傘下の『経済参考報』は、中国の金融事情に関する記事を掲載した。
 金融市場で大きなシェアを占める「信託商品」は、
 今年から来年にかけて返済期のピークに達し、約5兆元(約82兆円)程度の貸し出しが返済期限を迎える
ことになるという。

 ここでいう「信託商品」とは、正規の金融機関以外の信託会社が個人から資金を預かって企業や開発プロジェクトに投資するものであるが、高い利回りと引き換えに元金の保証はまったくないリスクの高い金融商品
 中国の悪名高いシャドーバンキング(影の銀行)の中核的存在をなすのはまさにこれだ。

 問題は、返済期を迎えるこの5兆元規模の信託投資がきちんと返ってくるかどうかである。
 申銀万国証券研究所という国内大手研究機関が出した数字では、
 全国の信託投資の約52%が不動産開発業に投じられている
という。
 そう、邯鄲の実例でも示されているように、
 シャドーバンキングという名の闇金融の主な融資対象の一つは結局不動産開発業者なのである。

 そしてこれこそが、信託投資だけでなく、中国経済全体にとっての致命傷となる問題なのだ。

 本稿の冒頭からも克明に記してきたように、今の中国で、不動産開発業はまさに風前の灯火となっている。
 バブルが崩壊して多くの不動産開発業者が倒産に追い込まれたり深刻な資金難に陥ったりすると、信託会社が彼らに貸し出している超大規模の信託投資が踏み倒されるのは必至である。
 邯鄲ですでに起きていることがそれを実証している。

 そして前述のように、信託投資の不動産業への貸し出しはその融資総額の約半分にも達しており、今後広がる不動産開発企業の破産あるいは債務不履行はそのまま、信託投資の破綻を意味する。
 それはやがて、信託投資をコアとする「影の銀行」全体の破綻を招くこととなろう。

 しかし融資規模が中国の国内総生産の4割以上にも相当する「影の銀行」が破綻すれば、経済全体の破綻はもはや避けられない。
 中国経済はただでさえ失速している最中であるが、今後において、不動産バブルの崩壊とそれに伴う金融の破綻という二つの致命的な追い打ちがいっせいにかけられると、
 中国経済は確実に「死期」を迎える
こととなろう。



サーチナニュース 2014-10-01 16:03
http://news.searchina.net/id/1544815?page=1

中国で住宅ローンの金利を引き下げ、2戸目に対しても条件緩和
・・・不動産業界低迷に対処策

 中国人民銀行(中央銀)と銀行分野を所管する政府部門の中国銀国監督管理委員会(銀監会)は30日、住宅ローンの金利基準の引き下げを発表した。
  これまで厳しい制限があった1世帯が2戸目の物件を購入した場合のローンも「1戸目のローンが返済済だった場合には1戸目と同じ基準で扱う」とした。
  政府が低迷する不動産業界のてこ入れ策に乗り出した。

  中国では人民銀行が人民元の貸出基準金利を定めている。
 現在は6カ月以下の貸出で年利5.60%、6カ月1日以上1年未満が6.00%などとなっており、5年1日以上30年以下が6.55%だ。
  住宅ローンの場合には基準金利に対する一定の割合を示し、金利の下限としている。
 1戸目の住宅物件購入について、これまで基準金利の0.85倍としていた下限を、新たに0.7倍とした。
 個別の貸出については「銀行業を営む金融機関はリスク状況にもとづき自主的に確定すること」とした。
  住宅ローンについては頭金の比率も定められているが、これまでの30%を据え置いた。
  中国では、不動産物件に対する投機的動きを抑えるため、1世帯が2戸以上の住宅物件を購入することを厳しく制限していた。
 多くの地方では購入そのものを認めなかったが、不動産市場の冷え込みを受け、北京、上海、広州といった一部大都市以外では、2戸目の物件購入が解禁された。
 住宅ローンでも2戸目以降の物件購入に対しては厳しい基準が設けられているが、新たな通達では「1戸目の物件についてローン返済が終わっている世帯が、居住条件を改善する目的で新たな住宅物件の購入についてローンを申請した場合、銀行業を営む金融機関は1戸目の物件に対する政策基準を適用する」とした。
  不動産代理業大手の中原地産の張大偉首席アナリストは「これまでの10年間近く、一般消費者が住宅物件を買う際に最大のキーポイントとなっていたのが、ローン関連の動向」と指摘。
 今回の規制緩和は市場の予想よりもはるかに大きかったとして、
 「この政策は市場に対する信頼を高め、価格下落を食い止める可能性がある。
 ただし、市場がどの程度の回復を見せるかは、今後政策で、どのようなシグナルを発し続けるかによる。
 再び全面的な規制緩和を行えば、不動産市場はかなり急速に立ち直るかもしれない」
と述べた。
 ただし業界からは、在庫圧力が極めて大きいため、住宅ローンの金利引き下げの効果は限定的との見方も出ている。
 2009年にも同様のパターンがあったとして
 「2014年末までは不動産業界は低迷を続ける」
との声もある。
 在庫圧力が高く販売量も低下していることから、企業側は成約1件あたりの利ざやを減らしても全体としての利益を確保せねばならないので
 「以価換量(価格をもって量に転換する)」との方策を採用せざるをえず、不動産価格は当面低迷を続ける」
との見方もある。



サーチナニュース 2014-10-14 12:01
http://news.searchina.net/id/1545796?page=1

中国不動産市場、住宅物件在庫が前年比23.8%増=研究機関調べ

 不動産関連の調査・研究・発表を行っている上海易居房地研究員は13日、中国全国の35都市における9月の不動産市場の状況リポートを発表した。
 新築商品住宅の在庫合計(床面積)は同月末の時点で前月比4.0%増、前年同月比では23.8%増の2億8013平方メートルに達したという。
  35都市中31都市で、在庫が前年同月よりも増えた。
 増加率が特に大きかったのは
南昌市(江西省)の前年同月比99.3%増、
温州市(浙江省)の60.3%増、
九江市(江西省)の60.1%増
った。
 在庫の減った4都市のうちでは、太原市(山西省)の減少率が前年同月比27.1%で大きかった。

  35都市の9月における新築商品住宅物件の供給量は床面積合計で前月比37.8%増、前年同月比1.5%増の2859万平方メートルだった。
 一方で成約量は前月比2.3%増、前年同月比9.0%減の1778万平方メートルだった。

  中国では10月に、住宅物件や自動車、家電製品の売り上げが増加する場合が多い。
 1日の国慶節(建国記念日)に始まる大型連休があり、家族そろって現物を見たり相談して購買しやすくなるからだ。
 そのため、不動産関連企業は前月の9月に多くの物件を売り出して10月に備えるが、今年(2014年)の場合には、9月における売れ行きが思惑以上に悪かったことが、在庫量を押し上げることになった。
  中国では
 北京、上海、広州(広東省)、深セン(同)の「全国的に大きな影響力を持つ大都市」を一線都市、
 (浙江省)、南京(江蘇省)など省都や省都に準じるとみなせる影響を持つ都市を二線都市、
 それに続く都市を三線都市
と呼んでいる。
   35都市中、
 一線都市における新築住宅物件の在庫は前月比8.8%増、前年同月比39.6%増の3794万平方メートル、
 二線都市では同3.5%増、21.8%増の2億167平方メートル、
 三線都市では同2.2%増、21.1%増の4052万平方メートル
だった。
 都市規模に関係なく、新竹住宅物件の在庫量は前月比でも前年同月比でも増加した。  
 特に一線都市では在庫が8カ月連続で増加し、しかも9月には伸び幅が増加した。
 中国では不動産市場の落ち込みに対応するため、二線、三線都市では住宅ローンの適用規制を緩和したが、一線都市ではこれまで通りの規制を続けている。
 そのため、一線都市における不動産市場を立て直すには中央銀行(中国人民銀行)の何らかの意思表示が必要と考えられる。

**********

◆解説◆
   中国では各地政府が主に低所得層を対象に財政支援をするなどで供給している住宅を「保障住宅」と呼んでいる。
 それに対して、市場原理にもとづき供給・販売される住宅を「商品住宅」と呼んでいる。
 商品住宅について政府は、住宅ローンの条件設定、土地供給量で市場の安定を図っている。
   中国の消費者は、値下がり傾向が見えると買い控えをし、値が上がると判断すれば、急いで購入する傾向が強い。
 一方では政府側が「値崩れを食い止める政策」を打ち出すと、多くの人が一斉に「買い」に走るなど、消費者の市場動向や政策に対する反応は、かなり敏感だ。



レコードチャイナ 配信日時:2014年10月27日 1時35分
http://www.recordchina.co.jp/a96277.html

中国も日本と同じ道をたどってしまうのか?―中国ネット

 2014年10月23日、中国のインターネット上に、中国が日本のバブル崩壊と同じ道をたどるのではないかと懸念する文章が掲載された。

 バブル崩壊後の10年は日本経済にとって長い悪夢だった。
 ここではそれを「10年の痛み」と呼ぶことにする。
 1985~1991年の6年間で、日本の6大都市の地価は3倍になった。
 その後、バブルがはじけて地価が下がり続け、銀行は莫大な不良債権を抱えた。
 これにより、日本は長年、発展のチャンスを失い、大きな代価を支払うこととなった。

 しかし今、自分たちの国を見ると、日本の「10年の痛み」が起きたプロセスと非常によく似ていることに驚く。
 グローバル社会において、“歴史は繰り返す”は一国の中だけの話ではない。
 私たちは日本のバブル経済の発展のプロセスにおいて、以下のミクロ的な要因に注意を払わなければならない。

 まず、人々が地価は絶対に下がらないと信じて不動産を買ったこと。
 日本で1987年1月、1988年1月、1990年6月、およびバブル崩壊後の1992年4月に行われた世論調査では、それぞれ65.2%、66.0%、67.2%、52.8%の人が「不動産所有は安心で利がある」と回答している。

 次に、人々は金利は変わらないと信じており、企業は非常に簡単に銀行から融資を受けられたこと。
 借り手は金利が上がったときの利息のことなど考えず、貸し手も金利上昇のリスクを忘れた。
 資金繰りが厳しくなったら、手持ちの不動産を売れば解決できると甘く考えていた。

 最後に、企業と個人の不動産投資が盛んだったこと。
 バブル期には大量の資金が不動産に流れ込んだが、多くの不動産会社は専門家ではなかった。
 これにより、バブル崩壊後に大量の焦げ付きが出たのだ。

 このほかにも、いくつかの細かい要因があるが、上記の3つこそ中国が最も参考にするべきポイントだと考える。
 もし、基本的な観察能力を持っていればはっきりとわかるはずだ。
 この3つが、今まさに私たちの目の前に存在するということが。




【描けない未来:中国の苦悩】





_

中国の水危機:壮大な新運河、「南水北調」プロジェクト、北京で給水開始




2014.10.01(水)  The Economist
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41834

中国の水危機:壮大な新運河
(英エコノミスト誌 2014年9月27日号)

巨大な新運河は中国の深刻な水不足を解決しない。
中国北部の水不足懸念広がる、
北京は3か月まとまった雨なし


●中国の水危機は、同国の発展と安定を脅かしている〔AFPBB News〕

 間もなく、長江から北へ首都・北京まで続く全長1200キロの運河への水門が開かれ、中国屈指の土木プロジェクトの中核要素が完成する。

 新たな水路は、世界最大の引水構想の一部に過ぎない。
 これまでに運河建設と、運河に水を送る中国中部の貯水地拡張への道を開くために、30万人以上の人が住まいを追われた。

 だが、政府は急いでおり、こうした住民の苦情を気にも留めてこなかった。

■深刻な水不足、運河開通も一時しのぎ

 中国の指導者たちは、すでに何百億ドルもの資金を投じた「南水北調」プロジェクトは、国の発展と安定を脅かす水問題を解決するために極めて重要だと考えている。
 北京周辺の穀倉地帯では、1人当たりの水の量がニジェールやエリトリアといった極めて乾燥した国々と同程度しかない。

 水の過剰使用で数千もの川が消滅した。
 地下水面が低下し、川が干上がるにつれて、手に入る水の量が急激に減っている。
 残っているわずかな水は多くの場合、汚染がひどく、工業用水にさえ使えない。

 世界銀行は、中国の水危機は主に健康被害のために、中国に国内総生産(GDP)比2%以上のコストをもたらしていると述べている。
 このため北京に新たに水が供給されることは、政府関係者に大きな安心を与える。
 実際、水不足があまりに深刻なため、過去に首都移転のようなドラスチックな解決策を提案した人もいたくらいだ。

 だが、中国の水問題は今後も解決されないままだ。
 新たな運河は引水計画の2本目の水路だ。
 中国東部で昨年水門が開けられた1本目の運河は、中国南部から1400年前に建設された京杭大運河に沿って北部の平野へ水を運ぶ。
 水の需要が急増し続け、汚染が蔓延したままの状況では、どちらの運河も一時的な暫定措置にしかならないだろう。


 中国の水危機は、派手な巨大プロジェクトで解決することはできない。
 水危機の責任は、水に富んだ南部と乾燥した北部の間の供給量のミスマッチと同じくらい見当違いの政策にある。
 必要なのは、もっとコンクリートを使った土木構想ではなく、水管理に対する新たなアプローチだ。

■料金を請求しろ

 解決策はシンプルだ。
 中国は水に適切な値段をつけるべきなのだ。
 水の料金は最近少し上昇したが、水が乏しい場所でさえ、水道料金はばかみたいに安く、その結果、莫大な無駄が生じている。

 北京は、水を大量に消費する、エリートのためのゴルフ場に囲まれている。
 一般家庭は、水に価値があることをほとんど認識していない。
 計画立案者は水のコストを考慮せず、そのため地方政府は水を大量に使う企業を砂漠地帯に誘致し、役人は干ばつに見舞われやすい地域を巨大な新都市の建設地に指定する。

 水が不足している地域で水の価格を引き上げれば、そのような地域への投資を思いとどまらせることになるだろう。

 食糧の自給自足に対する毛沢東主義の固執が問題を悪化させている。
 2億人が住む乾燥した北部の平野地帯は、小麦やトウモロコシなど、水を大量に使う穀物を生産している。
 この地帯で消費される水の7割近くが農業に使われている。
 中国が自立的な考えを捨て、食糧の輸入を増やすべき時が来ている。

 中国共産党は昨年、水や土地、電力などの資源の配分で市場原理が決定的な役割を果たすのを認めると宣言した。

 共産党が水でそれを実践すれば、多くの恩恵を得られるだろう。
 開発はこれまでより環境に優しいものになり、中国は水を国中に運んだりするよりも生産的なプロジェクトに資本と優れた工学スキルをつぎ込める。
 さらに、すべての人が大金を節約できるだろう。

© 2014 The Economist Newspaper Limited. All rights reserved.
英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。
英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。
Premium Information



レコードチャイナ 配信日時:2014年12月31日 10時0分
http://www.recordchina.co.jp/a845.html

「南水北調」プロジェクト、北京で給水開始=水不足の根本的な解決にはならず―米紙


●25日、長江流域から北部に水を引く「南水北調」は、一大国家プロジェクトとして推進されているが、数々の論争も呼んでいる。中央ルートの完成から2週間が経過し、北京での給水が始まった。写真は重慶の三峡ダム付近にある世界最大のドリーネ(溶食凹地)。

 2014年12月25日、米紙ニューヨーク・タイムズは、
 「中国の南水北調プロジェクトの水が北京へ」と
題した記事を掲載した。
 中国南方地域から約1300キロを旅してきた水が、北京の蛇口から出てくることになる。

 長江流域から北部に水を引いてくるという「南水北調」は、一大国家プロジェクトとして推進されているが、数々の論争も呼んでいる。
 その中央ルートの完成から2週間が経過し、北京での給水が始まった。

 南水北調中央ルートにより、北京は年間需要量の3分の1がまかなわれるという。
 だが、専門家からは、高コストのプロジェクトは長期的な解決案にはならないとの指摘がある。
 首都の人口増加や経済成長にともなって水の需要も増大し、汚染によって利用可能な水源も減少している。
 北京は今後もきわめて深刻な水不足と向き合うことになる。

 水利部(省に相当)の研究者は、新たに引かれる水は首都の水不足をある程度緩和するが、汲み上げ過多の地下水の不足を補うことは難しいと指摘する。
 南水北調中央ルートの完成以前、北京では毎年36億立方メートルの水を消費していたが、その半分近くは地下水だ。
 1998年以降、北京の地下水位は毎年約13メートルのペースで低下しており、研究者は
 「北京は約60億立方メートルの水を地下に戻さなければならない」
と語る。
 これは南水北調だけでは解決できない不足量であり、根本的な解決のためは節水と北京の人口を抑制するしかない。
 昨年、中国工程院(工学アカデミー)の王浩(ワン・ハオ)氏は
 「北京の地下水が空になろうとしている。
 地下水位は一年で90メートルも低下した」
と警告した。

 だが、これは容易なことではない。
★.理由の一つとして挙げられているのが水道管の老朽化だ。
 北京を含めた大都市の水道管網は老朽化が進み、常に漏水している状態で、大規模な改修の必要性が指摘されているが、ほとんど何の対策も取られていないという。
★.もう一つの理由は、水道料金が安すぎることだ。
節水を推進するため、水利部の研究者は、水道料金を少なくとも現在の倍にする必要があると指摘しているが、今のところそのような計画が検討されたことはないという。




【描けない未来:中国の苦悩】






_

「金融ハブ」香港の自治に懸念浮上―中国の強硬姿勢で

_

●道路に座り込んで警察と対峙(たいじ)する民主化デモ隊 Associated Press



ウオールストリートジャーナル By SHEN HONG and DANIEL INMAN 原文(英語) 
2014 年 10 月 1 日 12:23 JST
http://jp.wsj.com/news/articles/SB11426559292233444529604580187131836533028?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesFirst

「金融ハブ」香港の自治に懸念浮上―中国の強硬姿勢で

 【上海】香港での民主化要求の抗議行動に対処するうえで、中国指導部は大きな要因によって制約される可能性がある。それは、中国の金融システム近代化計画において香港が果たしている重要な役割だ。

 中国は近年、金融自由化のテストケースとして香港を利用してきた。具体的には、厳重に管理された中国の人民元の国際貿易と投資への利用拡大実験を香港に容認した。

 香港の中国へのエクスポージャーは、法の支配への定評と併せて、一大国際金融センターとしての急成長につながった。

 しかし最近の中国の動きは、香港の現在の地位に対する懸念を生じさせている。中国は6月に白書を発行し、香港に対する中国の権限を主張し、香港の行政官は、判事を含め、中国への愛国心を示さねばならないとした。この白書は、ここ数日間の抗議行動の背景にもなっている。

雨と雷のなか民主化求めるデモ隊
スライドショーを見る

 現在の抗議行動に対する中国の反応は、こうした中国自身の動きの文脈でみると分かる。批判者たちは、そうした中国の動きは香港に対する支配強化をこっそり実現する企てとみている。1997年に香港が中国に返還された際、50年間は香港に高い自治権を付与するとした約束とは裏腹だ。

 厳しい取り締まり、とりわけ中国本土の力による取り締まりが断行されれば、中国は香港の司法制度に介入しているとの見方が強まりかねない。それは金融ハブ(中心地)としての香港の地位を損なう、と一部のエコノミストや投資家は言う。

 ロンドンに本拠を置くマクロ経済調査会社キャピタル・エコノミクスのエコノミスト、ジュリアン・エバンズプリチャード氏は「香港の警察と司法が完全には独立していないと見られれば、それは金融センターとしての香港の役割への信頼を損なうことになるだろう」と述べた。

 そうなれば中国の入口で西側スタイルのビジネス環境を提供しているとして香港を好意的にみてきた銀行や金融会社を失望させかねず、ひいては国際金融システムと中国との相互作用に影響が出ることになる。

 香港在住の人々の中には、香港の役割はそれとは無関係に、将来的に低下すると恐れている向きもある。中国当局が本土で一層の市場改革を容認しているためだ。上海を2020年までに国際金融の中心地にする計画もそこには含まれる。

 現時点で上海は後れを取っている。これは香港が信頼できる司法制度を持ち、金融上の経験に富んでいるため、香港でのビジネスが比較的容易であることも一因だ。中国の資本管理も上海の足を引っ張っている。人民元の流れに対する中国の厳しい管理体制が国境を越える資金の流出入を難しくしているためだ。

 香港のJPモルガン・アセット・マネジメントでアジア市場を担当するチーフストラテジストの許長泰氏は「中国の資本収支管理は依然として、香港がリードを維持する決定要因になっている」と述べた。

 それは、中国の指導者たちに一つの難題を残す。中国指導部は抗議行動を妨害したい。だが、香港の司法制度に干渉している兆候を見せれば、外国金融会社はシンガポールのような他の金融センターに去ってしまうだろう、とエバンズプリチャード氏は指摘する。

 それは上海の金融センター化を目指している中国にとって容認できない状況だ。1年前、中国は自由化政策を実験するため、上海に自由貿易試験区を開設した。しかし投資家たちは失望している。期待された政策、例えば外国企業に人民元建て債券の発行を上海の試験区で認めたり、中国国内の資本市場に対するアクセスを拡大したりするなどの政策が実現していないからだ。

 英国は1997年に香港を中国に返還した。その際、中国は返還後の50年間、香港に高度な自治を約束した。返還前でさえ、中国の国営企業は香港の株式取引所に上場を開始し、必要とする巨額の資本を調達した。中国のほとんどの大手国営銀行、エネルギー企業、そして通信大手はいずれも香港に上場している。

 香港は、中国企業の成長を助けただけでなく、厳しい時期に中国が香港市場から資金を調達するのを可能にした。例えば中国信達資産管理は、中国が不良債権処理を目的に設立した「バッドバンク」4社のうちの1社で、中国の大手貸付機関から不良債権を引き受けているが、昨年12月には中国の金融システムに対する懸念が高まる中、香港で新規株式公開(IPO)を実施し、25億ドル(約2700億円)を調達した。

 香港はまた、人民元を国際通貨に格上げさせる取り組みの中で中心的な役割を演じてきた。中国はまず、人民元のオフショア取引を2009年に香港で認めた。その後、シンガポール、ロンドン、パリといったその他の金融センターで人民元の取引を認めた。

 近年、香港はいわゆる「ディムサム・ボンド(点心債)」の発行の中心地となった。これは人民元建ての債券だが、中国本土以外で発行されている。上海の発展を目論む中国でさえ、その指導者たちは香港の助けを当てにしている。

 例えば中国は、香港の大勢の投資家たちを取り込み、上海の株式市場を発展させたいと望んでいる。上海市場は新株の供給過剰やインサイダー取引で苦境にあるからだ。当局は10月中に、あるプログラムを導入する見通しだ。これは、海外投資家が香港を通じて上海の株式を取引することを可能にさせ、また国内投資家の香港市場へのアクセスを拡大させるものだ。

 チャイナ・イーグル・アセット・マネジメントのマネジングディレクター、ユミン・イン氏は「金融部門において、香港は多大な利点を持っているということだ」と述べた。



ウオールストリートジャーナル By ANDREW BROWNE 原文(英語)
2014 年 9 月 30 日 19:00 JST
http://jp.wsj.com/news/articles/SB11426559292233444529604580185672023251414?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesThird

香港でも「妥協なし」か―強まる中国の強硬姿勢


 中国の習近平国家主席は2年前に就任してから、チベットの尼僧による焼身自殺からウイグル族によるテロ攻撃に至るまで数え切れないほど多くの抗議・抵抗活動に直面してきた。

 習政権に果敢に盾突いた人々には、大富豪のブロガーや草の根弁護士、市民社会活動家、ジャーナリスト、聖職者、アーティストなどがいる。

 そしてほぼすべての場合において、穏やかな批判であろうが凶暴な行動であろうが反抗の程度にかかわらず、中国政府は一様に強硬な対応を取り、妥協の余地は全くなかった。

 こうした反中国グループに加わろうとしているのが黄之鋒(ジョシュア・ウォン)さん(17)だ。黄さんは学生団体「学民思潮(スカラリズム)」の設立者の1人で、香港の普通選挙実施を求める活動で先頭に立っている。学民思潮はこれまでに座り込みデモを主催し、現在はそのメンバーが大規模な街頭デモに参加している。黄さんは警察に40時間余りにわたり拘束されていたが、高等法院(高等裁判所)の命令で28日遅くに解放された。

 黄さんは先ごろ行われた香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)とのビデオインタビューで「われわれ学生は市民的不服従以外に方法はないと考えている」と述べた。

 就任以降の習主席の対応からみて、香港各地の機能をまひさせている黄さんや学民思潮、あるいは群衆が、妥協はしないという中国政府の原則の例外になりそうな気配はほとんどない。

 おそらく本当に問うべき問題は、香港でどのような駆け引きが行われるかではなく、中国政府が厳しい対応に乗り出してきた時にそれがどのような形になるかだろう。

 香港の民主化運動の先行きは暗い。中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会は8月、17年に香港の次期行政長官を自由選挙で選ぶことへの要求が高まる中で、少なくとも何らかの譲歩を示すチャンスがあった。だが、引き続き中国政府寄りの指名委員会が事前に候補者を選ぶこととし、民主活動家が立候補する論理的可能性までも排除した。

 強硬策によって中国政府が望む結果が得られない場合は、さらに攻撃の手を強めるという、まさに習主席の手法だ。

 中国政府は、宗教・文化・雇用の各面で厳しい制約を受けているウイグル族が不満を抱えている新疆ウイグル自治区や、東南アジアの近隣諸国にもこの手法を使っている。中国は、領有権をめぐり南シナ海に積極的に進出したことでフィリピンやベトナムなどの抵抗に遭ったが、かえって攻勢を強めた。

 中国政府が香港に強硬姿勢を取るのは、真の民主主義の拡散を恐れているためだとよく言われる。しかし共産主義体制はこうした拡散を驚くほど免れてきた。

 民主的な西側諸国に留学した学生たちが中国に戻った後、自由化を要求するという予測は今のところ間違っている。時として、母国から離れることは中国共産党に対する学生の忠誠心を強めるだけにすぎないこともあった。

 むしろ、本当に習政権が懸念しているのは、完全な民主主義によって香港を制御しきれなくなり、不安定な状況が国内の他の地域に広がることだ。

 このため、香港の民主化運動は危険をはらんでいる。

 ただ、民主化運動は分裂しつつある。民主化運動「占領中環(オキュパイ・セントラル)」の当初の指導部は学生などの他の団体に先を越されたようだ。今は別の団体が抗議デモのスケジュールを設定したり、デモ参加を呼び掛けたりしている。

 話し合いで解決したいと思っても、中国政府の交渉相手や、交渉相手が誰の代弁者となるかなどがもはや曖昧となっている。

 中国政府は事態の収拾がつかないと判断したら、香港の機動隊がデモ隊を警棒で殴ったり、催涙スプレーを浴びせたりするよりはるかに強硬な対応を取るとみる政治アナリストもいる。最悪のケースは中国人民解放軍による戒厳令の発令だ。

 中国政府は今のところ、人気のない香港の梁振英・行政長官への明確な支持を表明するのを避けており、抗議活動への対応を検討する余地が残っている。香港の政府高官にとって中国政府の最優先事項は、何としてでもデモ隊を街頭から排除し、社会の安定を保つことだが、梁長官はこれができていない。

 しかし、デモ隊の要求は梁長官の辞任だけにとどまらない。17年の香港行政長官選挙に関する全人代の決定を中国政府が覆し、自由選挙での長官選出を認めることを求めているが、これらが実現する見込みはほとんどない。

 学民思潮の設立者の1人である黄さんにはさらに多くの要求事項がある。スニーカーとしわくちゃのTシャツを身に着けた黄さんは、貧富の差によって二極化が進み、無能な政権にうんざりしている香港社会の身近な問題を鋭く指摘した。

 ビデオインタビューで「なぜ豆腐と豚バラ肉煮込みの弁当は50香港ドルもするのか」「なぜ(鉄道の)東鉄線は毎週、運行に問題が起きるのに、運賃は上昇の一途をたどっているのか」などと語った。

 自身の将来については、「何事も犠牲が伴う。痛みなくして得るものなしだ」と言う。犠牲の大きさは今後数週間のうちにもっとはっきりするかもしれない。そして、たとえ得るものがあるとしても、その中身は極めて不透明だ。



ウオールストリートジャーナル By JEFFREY NG and KEN BROWN 原文(英語)
2014 年 10 月 1 日 12:55 JST
http://jp.wsj.com/news/articles/SB11426559292233444529604580187181345060488?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesThird

香港デモ勝利の歴史、今回との違いは-中国政府が標的

 中国に盾突いても勝ち目はない、というのが通説だ。しかし、香港の学生は1997年の英国から中国への主権返還以降、2度勝利を収めている。

 2003年、市民の自由を脅かすとして物議を醸した国家安全保障法案の撤回を香港政府に求め、50万人の市民が街頭デモを繰り広げた。1989年の天安門事件以来最大のデモで、政府は直ちに引き下がった。法案はその後も再提出されておらず、当時の香港行政長官は最終的に辞任した。

 2012年前、高校生たちは現地校への「愛国的教育」の導入計画を阻止する闘いで勝利した。その高校生の多くが今、市内の通りを封鎖し、民主化の闘いを続けている。

 しかし、現在の香港と中国政府の対立は状況が異なっており、より大きな利害がかかっている。これまでの勝利はいずれも中国の指導部が弱体化している期間に得たもので、抗議の矛先も中国政府に向けられたものではなかった。

 香港大学の張賛賢教授(政治学)は「抗議運動がさらに拡大すれば香港と中国の中央当局との関係は崩壊の危機にさらされることになる」との見方を示す。

 12年に高校生が勝利したときは、胡錦濤国家主席と温家宝首相の退任の数カ月前で、しかも中国指導部は元重慶市トップをめぐる薄熙来騒動のさなかにあった。03年のデモ発生当時は胡氏も温氏もまだ比較的就任間もないころだった。

 さらに重要なのは、過去の対立では中国政府を直接標的にしていなかったため、香港政府とデモ隊の間で妥協を図らせ、中国指導部は関与しなかったとみられることだ。

 張教授は「現在の政治危機ではデモ隊は中国政府が同意しそうにないことを要求している」と指摘する。

 こうした対立は香港と中国の緊張を最も目に見える形で示している。その背景として、香港住民の間には中国政府に対する根強い不信感がある。発端は英国が1980年代初頭に中国への主権返還を決定したときにまでさかのぼる。

 住民の多くはもともと共産党統治下の過酷な生活から逃れようと香港に避難してきており、共産党に主権が戻る見通しになったことに当時、香港の多くがたじろいでいた。

 カナダやオーストラリアなど外国に数万人が移住する一方で、中国は警戒する経済界や現地政治団体の支持を得ようと大規模なPR作戦に乗り出し、彼らに体制維持を約束した。

 しかし、1980年代を通じて得た信頼は天安門事件で失われた。100万人を超える住民が街頭デモを展開し、弾圧を非難した。これほどの大規模なデモ行進が香港で行われたことはいまだにない。

 以来、香港の民主派政治団体は急速に規模を拡大。段階的に改革を進めたがっていた中国政府に反発し、迅速な民主的改革を訴えている。返還からわずか10年後、中国は行政長官の直接選挙を2017年から実施することを決定。ただし、候補者の選出方法については、あいまいさを残していた。

 近年では中国の好景気や新富裕層の登場も香港との緊張を招く原因となっている。

 住民の多くは、買い物や観光、不動産の購入に中国本土から香港へと押し寄せる人たちに包囲されていると感じている。中流階層住民のほとんどに手が出ない水準にまで居住用不動産価格が高騰しているのは、外資保有規制にもかかわらず、中国本土の買い手からの需要が旺盛なためだとみる住民もいる。



ウオールストリートジャーナル By Josh Chin 2014 年 9 月 30 日 08:49 JST
http://jp.wsj.com/news/articles/SB11426559292233444529604580184830209723088?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesThird

香港民主化デモ、知っておきたい5つのこと

 香港では28日、民主化を求める抗議参加者たちが街頭に殺到して幹線道路を封鎖し、普段人々で賑わう主要な地区をマヒ状態にした。当局による催涙弾などの実力行使に対し、抗議参加者たちはゴーグルを着用したり、差した傘を自衛の道具にしたりして抵抗した。抗議行動への参加者は翌29日にさらに増え、中国政府にとっては1997年に香港が英国から返還されて以来、最大の政治的な難題になっている。以下は、香港で何が起きているのか、なぜそうなったかを説明する5つの事情だ。

1].人々はなぜ抗議しているのか

 大ざっぱに言えば、抗議運動は香港の完全な民主化への要求だ。具体的には、中国政府が8月、香港のトップである行政長官を選ぶ2017年の選挙候補者の選択を制限する決定を下した。これに対し香港の民主派は、この決定を撤回するよう要求している。

2].香港の現行政治制度はどうなっているのか?

 「1国2制度」という原則と、「基本法」と呼ばれるミニ憲法の下で、香港は、外交関係と国防を除き「高度の自治」を与えられている。実際には、行政長官は、北京派議員と財界指導者で構成される委員会によって指名されており、中国政府に恩義を受けている。一方、基本法では、次回選挙では「直接(普通)選挙」を認めるとしてきた。

3].選挙投票が認められているなら、人々はなぜ不満なのか?

 中国政府は、行政長官に出馬する候補者は誰でも「愛国的」で「香港とこの国(中国)を愛していなければならない、と述べている。それが、行政長官を現在指名しているのと同じ1200人の委員会に対し、候補者を指名する力を与えている。民主化活動家は、この取り決めは、どの候補者も指名されて中国政府に恩義を感じることになるだろうと述べ、香港が享受している相対的自由を一段と損なうと主張している。活動家たちは、2017年の選挙で「純粋な選択」を望んでいる。つまり、直接投票による指名だ。

4].誰が抗議運動を組織しているのか?

 それは必ずしもすべて明確ではない。先週、大学生と中高生が民主化支援のため授業をボイコットした。行政府庁舎周辺での学生と警官隊の衝突のあと、金融街・中環(セントラル)を封鎖して民主化を求めようという急進的民主派団体「中環占拠」が参加した。しかし、自然発生的に至るところで抗議行動が起きているようで、香港市内の多くの地区を占拠している。

5].抗議行動が成功する公算はあるのか?

 中国政府は、たとえ譲歩するとしても、それほど大きく譲歩する公算はほとんどない、と多くのアナリストはみている。抗議運動参加者の人数は何万人にも上っているが、世論調査では香港市民700万人の大半は、経済界の多くの有力者たちを含めて、中国本土と公然と対立することには反対している。米国や英国など他の諸国もまた関与に消極姿勢だ。ある種の妥協は依然として可能だ。だがそれがどのようなものになるかについてコンセンサスはほとんどない。



ウオールストリートジャーナル 2014 年 10 月 2 日 08:25 JST
By Enda Curran, Chester Yung and Gregor Stuart Hunter 原文(英語)
http://jp.wsj.com/news/articles/SB11102303130114484576704580188813861017070?mod=WSJJP_hpp_RIGHTTopStoriesThird

香港政府、力によらずデモ収束を待つ方針に―中国が指示


●学生グループのリーダー、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏(中央) REUTERS

 【香港】
 香港政府は民主化を求め激化したデモについて、自然に鎮静化するか、民衆の支持がなくなるまで待つ新方針を決めた。
 事情に詳しい関係者が明らかにした。

 香港の梁振英行政長官の辞任を要求して数万人の住民が参加しているこのデモを平和的に解決しようとするこの方針は、北京の中国政府からの指示によるものだと、この関係者は明らかにした。

 「北京が(梁長官に)指示した。発砲はならぬ」、
 「平和的に終結させなければいけない」
との内容だった、と同関係者は述べた。

■デモは祝日にかけて拡大

 これとは別に香港政府の高官は、政府が民主派運動「占領中環(オキュパイ・セントラル)」の指導者らと対話する用意があるが、それは民主化の諸要求を和らげることが条件だと語った。
 同高官は
 「デモ参加者が梁行政長官の辞任を要求し続けるのであれば、対話が行われる可能性は極めて小さい」
と述べた。

 「占領中環」の指導部は今後も梁長官の辞任を要求し続ける姿勢を崩していない。
 また、別の香港政府高官は梁長官がデモの激化に応じて辞任することはないと述べた。

 実際、催涙ガスを使ってデモを解散させるという香港政府の当初の計画は裏目に出た。
 解散するどころかデモ参加者は街の新たな箇所に拠点を築いてしまったからだ。

 このため「新戦略は混乱が起きないよう監視しながらデモを続けさせ、その結果起こる不便が『占領中環』に対する世論を批判的なものにするか、指導部にデモの中止を決断させるのを待つ」というものだ、と最初の関係者は述べた。さらに「世論が変わるのを待つ余裕はある」とした。

 香港政府の行政長官府はコメントを控えている。
 一方、中国の祝日週間となる国慶節(建国記念日)初日にあたる1日は、北京の中国外務省やその香港マカオ事務弁公室の電話が鳴り続けた。

 国慶節を前に高まっていたデモに対する懸念は、1日はやや和らいだ。
 デモ隊が占拠した多くの場所が時間の経過とともにお祭り的な色彩を帯び始め、無料の散髪やマッサージを提供する参加者も出てきた。
 気温が上がる日中には、いつものように参加者が減り、夕暮れとともにまた増えた。
 コーズウェイ(銅鑼)湾のデモ隊が占拠した地区では即席のバンドが結成されてビートルズの曲を演奏した。



_

香港民主派デモ:天安門以来の難局に直面する中国

_



2014.10.01(水)  Financial Times By Gideon Rachman
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41853

香港民主派デモ:天安門以来の難局に直面する中国
(2014年9月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 香港市街で行われている大規模なデモは、中国政府にとって、北京の天安門広場とその周辺で民主化運動を鎮圧した1989年以降で最大の政治的難局になっている。

 今回の香港のデモと、25年前の北京のデモとの間には不気味な類似点があり、中国共産党指導部は大いに動揺しているに違いない。

■天安門と香港のデモの類似点と相違点


●9月29日に香港で行われた民主化要求デモで、警察の発射した催涙ガスから逃げる参加者ら〔AFPBB News〕

 まず、今回もデモを主導しているのは民主的な改革を求める学生たちだ。
 また、今回も中央政府当局は事態を掌握できていないため、弾圧か屈辱的な譲歩かのどちらかを選ばねばならない状況に直面する恐れがある。

 さらに、今回もまた、
 究極的には中国政府における共産党の権能と権限が問われる
ことになっている。

 ただ、2014年の香港と1989年の北京との間には大きな違いもある。
 まず、この25年の間に中国はとても豊かで強い国になった。

 また中国政府当局は、「中環(セントラル)占拠」運動の旗印の下で始まった今回のデモが、1989年の中国の学生たちによる抗議行動よりも「オキュパイ・ウォールストリート(ウォール街を占拠せよ)」という尻すぼみになった運動の方に似ることを期待することだろう。

 そして中国当局には――選ぶ道次第ではあるが――1989年当時よりも裁量の余地がある。
 なぜなら香港は首都ではなく、英国から中国への香港返還を支えた「一国二制度」という統治方式により特別な地位を付与されている地方都市だからだ。

■香港は民主主義に向けた次の一歩を踏み出せるか?

 この統治方式の下で香港は、出版の自由と司法の独立を謳歌し続けている。
 どちらも中国本土には存在しない自由だ。
 そのため今は、香港が民主主義に向けた次の一歩を踏み出し、北京の政府による候補者の事前審査なしで行政長官を選ぶことができるようになるか否かが問題になっている。

 もしここで中国共産党が聡明さを発揮するなら、香港が民主的な改革の試験台になるのを容認することだろう。

 同様な改革を求める動きが中国本土で直ちに引き起こされることがないように香港で民主的な改革を進めようという場合、一国二制度という統治方式は――香港が裕福で洗練された都市であることも手伝って――まさにうってつけである。
 繁栄する民主的な香港は、中国国内のほかの地方や都市で同様な改革を少しずつ進める際のモデルになるかもしれない。

 残念ながら、北京の中央政府はそれとは逆の道を進む方針を固めているように見える。
 中国国内での民主主義の盛り上がりにつながりかねないことは認められないし、共産党の表明した希望があからさまに軽視される状況も容認できない、というわけだ。

 中国政府はそう判断することで、香港の抗議行動の参加者と対決する道を選んでいる。
 デモ参加者が解散しなければ、中国政府が暴力的な介入を行うリスクが明らかに高まる。

■中国政府の変節

 中国がこの道に進む必然性はなかったし、今日でもない。
 1997年の返還後の数年間、中国は実に巧みで洗練されたやり方で香港を扱っているかに見えた。

 出版の自由は維持され、司法は立法府や行政府からの独立を保っていた。
 中国政府は、心を揺さぶる天安門追悼集会が毎年6月4日に開催されることすら容認している。

 香港のベテラン民主活動家、マーティン・リー(李柱銘)氏は4年前、中国が香港に自由の維持を大幅に認めていることについて「うれしい驚き」を覚えていると筆者に語ってくれた。
 ところが今年に入って再会した時、李氏の見方は完全に変わっており、中国政府は香港の民主主義を否定して司法の独立性も低下させるつもりでいるようだと警鐘を鳴らしていた。

 この4年間にいったい何があったのか。
 ひょっとしたら、北京の共産党が以前よりも強引かつ不寛容になったのかもしれない。
 あるいは、香港に本物の民主主義が芽生えるようなことをするつもりなど全くなかったのかもしれない。

 今後数日間、世界の人々の目は香港市街に注がれることになるだろう。
 しかし、中国本土の一般市民の反応も重要になる。
 中国政府が最も恐れているのは、
 民主化を求めるデモが本土に広がること
だからだ。

 中国政府は、中国の公式メディアやインターネット上で香港からの報道をブロックしようとしている。
 抗議行動が続けば、中国本土の市民と香港の市民との間にある潜在的な敵愾心も利用しようとするかもしれない。

 香港では、本土の市民が粗野な侵入者として描写されることが時折ある。
 そして本土では、香港の市民が植民地時代を懐かしむ、愛国心のない甘やかされた子供として描写されることが時折ある。

 香港の抗議行動がエスカレートしたら、中国のナショナリストのメディアは、
 香港市民は真の中国人以下の存在だ
という考え方を持ち出してくるかもしれない。
 その場合、香港に対する中国の公式的な反応は、ウクライナでのデモに対するロシアの反応を想起させるものになるかもしれない。

■ロシアによるクリミア併合と同様の悪影響も

 ロシアと中国では、ウクライナ人と香港人はおとなしくしている限り兄弟として受け入れられる。
 しかしいったん歩調を乱せば、あっという間に評価が逆転して西側の帝国主義の手先だと指弾されかねない。

 もちろん、香港は中国の主権が及ぶ地域の一部だがウクライナは独立国だという違いはある。
 しかし、香港の抗議行動に暴力的な結末がもたらされれば、ロシアによるクリミア併合がロシアと西側の普段の関係を破壊した時とほぼ同様な確実さで、中国と西側諸国との関係も崩れることになるだろう。

 中国政府は今、次の一手を考えているところだ。
 香港のために、中国のために、世界経済のために、そして国際政治の安定のために、正しい対応を取ることが極めて重要だ。

© The Financial Times Limited 2014. All Rights Reserved. Please do not cut and
paste FT articles and redistribute by email or post to the web.



2014.10.01(水)  Financial Times By Tom Mitchell in Beijing
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41850

中国政府、香港民主化デモの報道規制に苦慮
(2014年9月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 中国政府は9月29日、民主化推進を求める香港の活動家たちによる市民的不服従の共同キャンペーンに対して一歩も引かないという誓いを貫いた。

 「困難は多少あるかもしれないが、国はそれらに対する準備ができており、中央政府も準備ができている」。
 中国の全国人民代表大会(全人代=国会)委員長の張徳江氏は8月末、香港のビジネス街を混乱させるという民主派団体「和平占中(オキュパイ・セントラル)」の脅しに暗に触れ、全人代の香港代表団にこう語った。

■強硬姿勢を貫く中国政府

 先週末に何万人もの抗議者がまさにそれを実行し、香港警察との衝突を招くと、中国政府は、同政府が「違法集会」と呼ぶものに反対する立場と、エスカレートする危機に対処する香港政府の能力に対する信頼を改めて繰り返した。

 だが、2017年に予定されている香港行政長官選挙で候補者を選抜することを決めた中国政府の判断を支持する人々でさえ、週末に香港の街頭で噴出した怒りに驚きを表した。

 「『市民的不服従』という言葉は香港で起きていることを表していない。
 いま起きているのは暴動だ」。
 深圳大学の香港問題の専門家、張定淮氏はこう話す。

 「中央政府はすでに意見を表明しており、この運動を抑制しようとする香港の取り組みを支持する。
 私の見るところ、学生の行動は衝動的で、これを煽っている人々がいる。
 中央政府の決定は変えることができない」

■ソーシャルメディアを相次ぎ遮断

 中国本土の検閲当局は、香港での事態の展開に不意を突かれたように見える。
 政府は当初、中国のツイッターに相当する微博(ウェイボ)上で「オキュパイ・セントラル」およびそれと関連する言葉を禁止した後、通常は中国でアクセス可能なフェイスブック傘下の写真共有サイト「インスタグラム」へのアクセスを遮断した。

 また、検閲当局は9月29日、ユーザーが友人や知人の個別グループと対話したり、文書を共有したりできる騰訊控股(テンセント)のメッセージングサービス「微信(ウィーチャット)」に投稿された香港関連の記事も遮断した。

 だが、同サービスのユーザーは、監視システムに察知されるキーワードを付けずに抗議行動の写真や動画ファイルを投稿することで検閲を逃れることができた。

 隣接する広東省の奥深くまで電波が届く香港のテレビ局では、進展する抗議行動の生放送が中国のケーブルネットワーク事業者によって遮断された。
 こうした事業者はBBCやCNNなどの国際的なテレビ局からの衛星放送も遮断することができる。

 だが、中国本土では、セットトップボックスを設置することによって、インターネット上で遮断されることなく香港や諸外国の数百ものチャンネルをストリーミングできるテレビ視聴者が増えている。

■香港のデモへの支持が中国本土に広がる恐れ

 北京の政府関係者は、香港の抗議行動への支持を表明するデモが中国本土に波及しかねないことを特に懸念している。

 「我々は香港の人々によるこうした愛国的な行動を支持する」
と言うのは、フー・ボセンさん。
 彼は、香港の抗議運動への支持を表明する横断幕を掲げた一団の写真を先週投稿した十数人の上海市民の1人だ。

 政府系新聞や他の伝統的メディアを抑え込む中国政府の取り組みはもっと効果的で、大半のメディアは辛辣な解説や社説の文脈の中だけで香港での出来事に言及した。

© The Financial Times Limited 2014. All Rights Reserved. Please do not cut and
paste FT articles and redistribute by email or post to the web.



ロイター 2014年 10月 1日 12:45 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0HQ2VF20141001?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0

アングル:香港デモに中国から称賛と反感、「第2の天安門」警戒も

[香港 1日 ロイター] -
 香港で数万人が参加する民主化要求デモは、1997年の英国からの返還以来で最大規模となる中、中国本土から香港を訪れている人たちは、称賛と反感が入り混じった思いで状況を見つめている。

 北京から観光目的でやってきたという29歳の女性は「人生で初めて政治を身近に感じた」とし、「これは香港にとって歴史的瞬間だ」と語った。
 中国は1日からの国慶節(建国記念日)の連休に入り、香港にも本土から多くの旅行者が訪れている。

 この女性は、デモの様子を映した写真を友人たちとシェアし、インターネットにも投稿する予定だという。
 「最初はかなり怖かったが、今はデモを強く支持している。
 いつの日か、中国(本土)でもこうしたことが起きると信じている」
と語った。

 ただ、それはまさに中国政府が避けたいことでもある。
 共産党指導部は、民主化要求の声が本土にも広がることを警戒しており、香港のデモに関するニュースやソーシャルメディアでのコメントを厳しく検閲している。

 今回のデモは1997年の香港返還以来で最大規模となっただけでなく、中国政府にとっては、
 1989年の天安門事件以来で最大の政治的難局
となっている。

 四川省の成都から来たという20代半ばの女性は、天安門事件は幼かったため記憶にないと話す。
 また中国では「愛国主義教育」により、若者の多くが天安門事件などの反政府デモについて限られた知識しか持っていない。

女性は
 「こういった運動を目にするのは初めて。
 現場は非常に整然と統制が守られている。
 思っていたような混乱状態とは違う」
と印象を口にした。

 今回のデモは中国政府に対し、2017年の香港次期長官選挙で完全な民主的選挙を実施するよう求めており、梁振英・現行政長官の辞任も要求している。

 中国政府は香港には「一国二制度」の原則を適用し、本土では見ることのできない自治と自由を与えているが、今回のデモは違法行為だと非難。
 本土から訪れている人たちの中にも、法律を破るのは正しいやり方ではないという意見はある。

 香港科技大学の博士課程で学ぶ男性は
 「彼らの要求は支持するが、目標を達成するための過度に強引な行動は支持しない。
 法を犯すのは良くないことだからだ」
と述べた。

 また、中国政府から受けた恩を忘れた香港の住民に幻滅したとの声も聞かれる。

 広東省の深センから買い物目的で1日に香港入りしたという女性は、デモ隊が民主的選挙を求めるのは「本土に対して礼を欠く行為」だと非難。
 「中国政府は香港に大きな発展をもたらしたにもかかわらず、彼らはそれを認めていない」
と憤りを見せた。

 中国国民の多くは、天安門事件での政府の厳しい弾圧姿勢に衝撃を受け、何十年に及ぶ共産党政権下での不安にも疲れ、革命的大衆運動という考えにはためらいを感じている。

 本土育ちで現在は香港で慈善団体を運営している女性は、今回のデモが暴徒化した場合、中国政府が強硬な手段に訴える可能性があると警戒する。

 「共産党にはそれを実行する力がある。
 これまでも見てきたし、また繰り返されるだろう。
 もっと根の深い問題があり、それを正すには何世代もかかる。
 1つのデモでは解決しない」
と語った。

(Donny Kwok記者、Yimou Lee記者、翻訳:宮井伸明、編集:伊藤典子)

*見出しの体裁を整えて再送します。



朝日新聞デジタル 2014年9月29日00時12分
http://www.asahi.com/articles/ASG9X53D2G9XUHBI00T.html

数万人、香港中心部を占拠 行政長官選挙巡る抗議活動

 香港政府のトップを選ぶ2017年の行政長官選挙をめぐり、中国側が示した改革案に抗議を続ける民主派や学生らは28日、数万人で香港中心部を占拠した。
 民主派は10月1日に占拠を計画していたが、抗議活動の盛り上がりを受けて前倒し。
 当局も催涙弾を使うなどして排除に乗り出したが、現場は夜遅くまで混乱した。

 28日未明、香港の政府庁舎近くの広場で、学生らの抗議に加わった占拠運動リーダーの戴耀廷氏が「あらゆる資源をこの民主運動に投入する」と占拠の前倒しを宣言。
 午後からは、数万人が政府庁舎周辺に集結し、香港中心部を貫く幹線道路を埋め尽くした。
 夜には周辺の道路も完全にストップさせ、「候補者は自分たちで選ばせろ」「民主主義を返せ」などとシュプレヒコールをあげた。

 警察当局はしばらく状況を見守っていたが、夕方以降は強硬な姿勢に転換。
 催涙スプレーを使ったり、催涙弾を撃ち込んだりしたため、一帯は騒然となった。
 さらに、プラスチック弾の銃を持った警官らも抗議を続ける人たちを威嚇した。
 学生らはゴーグルやマスクを着け、抗議を続けた。

 「一国二制度」の下、高度な自治が認められている香港では、次回17年の長官選から1人1票の「普通選挙」が導入される予定。
 だが、中国側が先月末、事前に2~3人の候補者に絞り込む仕組みを提示したため、民主派は「中国寄りの人物しか立候補できない」と強く反発してきた。

 抗議の輪は、26日から政府庁舎前で活動を続けてきた学生ら70人以上が逮捕され、急速に広まった。

 両親と一緒に来たという大学3年の女性は
 「学生を逮捕するなんておかしい。
 政府はまず私たちの声を聞くべきだ。
 政府が力で抑える以上、私たちが怒りを表すのはこういう方法しかない」
と訴えた。



サーチナニュース 2014-09-29 10:29
http://news.searchina.net/id/1544533?page=1

香港で「天安門事件か!?」の声
・・・デモ隊に催涙弾発射、
メディア「香港人は人となるのか、奴隷となるのか」

 香港で警察が28日夜、市街地中心部を占拠するデモ隊に催涙弾を撃ち込んだ。
 デモ隊は、2017年の香港特別区行政区長官選出で、民主的選挙の実施を求めていた。
 デモ参加者からは
 「私は、6.4(1989年の天安門事件)の現場にいるのか!?」
などの声が出た。
 「香港人は人となるのか、奴隷となるのか」
と報じるメディアもある。
 これまで香港の行政長官選出は、選挙委員により行われてきた。
 選挙委員会は業界団体や組合、さらに香港選出の中国全国人民代表大会代表(全人代議員)や全国政治協商会議の委員で構成されている。
 大陸寄りの考えを持つ人が多数だ。

 2017年の長官選出について、民主改革派は、2017年の長官選出に対し、西側諸国と同様の自由な普通選挙実施を求めてきた。
 中国政府は、立候補者を選挙委員会が選ぶ方式にすることと決めた。
 中国大陸側の政策や考え方に反対する人は、事実上、立候補できないことになった。
  民主派は香港中心部の中環(セントラル)を10月1日に占拠すると表明していた。
 しかし26日から政府庁舎前で抗議活動を続けていた学生ら約70人が逮捕されたことで、態度を硬化。
 28日には前倒しでセントラル占拠することを宣言した。
 その後、多くの人が駆けつけ、数万人がセントラルを埋め尽くした。
  警察側は当初、状況を見守っていたが夕方ごろからデモ隊排除の具体的動きを見せはじめた。
 日が暮れた後には催涙弾を次々に発射。警官隊とデモ隊の衝突が発生し、けが人も出た。

 「一部警察官は歩兵銃を持っており、実弾による威嚇射撃をした」
との情報も流れた。
 デモ隊指揮部では、警察が実弾を撃ったとの情報に接し、一時は「参加者の安全確保」を理由に撤退を指示したがその後、同情報について事実が確認できないとして、占拠の継続を決めた。
 占拠継続を知ったデモ隊は、大いに気勢を上げたという。
  デモ隊側に十数人の負傷者が出た模様。
 警察は明け方ごろになっても、デモ隊の完全な排除に成功していないとされる。
  中国大陸寄りの論調である香港文匯報は、
 「警察側は多数回にわたり警告したが、デモ側の暴力がエスカレート」
として、警察側の動きを肯定的に紹介した。
 ただし、デモ側から「学生は暴徒ではない」などの叫び声が出たことや、催涙弾によりデモ隊は一時散開するが、再び結集するなどの状況も紹介した。
   民主化支持のアップル・デーリーは、
 「鎮圧恐れず。6万人がセントラル占拠し梁辞職を叫ぶ」
と題する動画を配信した。
 「梁」とは現職の梁振英行政長官を指す。
  同動画は私は、6.4(1989年の天安門事件)の現場にいるのか!?」などのデモ参加者の声を紹介。
 さらに
 「官の圧迫に民が反発。しかし北京のセントラル占拠に対する態度は、依然として強硬」、
 「香港人は人となるのか奴隷となるのか」
などの字幕をかぶせ、警察がデモ隊に次々の催涙弾を発射する様子を紹介した。





【描けない未来:中国の苦悩】


_