2014年12月25日木曜日

韓国を追い抜いた中国技術の実力(2):韓国企業、中国でシェア急落、食い物にされて帰還できず

_

 スマホ市場をみれば分かるが、
 個の製品は時間とともにその市場は飽和する。
 そして、『白物化』する
 昔、IBMはパーソナルコンピュータを開発したが、そのスペックをすべてオープンにしてこの業界から撤退した。
 これにより、パソコンは部品を買ってくればだれにでも組み立てられる商品になった。
 以降、パソコンはIBMスペックの上に乗って発展していくが、IBMはサヨナラして、それを中国のレノボが引き継いでいる。
 スマホも同じような経緯をたどるであろう。
 今、スマホはだれにでも製造可能な白物家電である。
 市場が飽和すれば、あとは安売り戦争に突入する
ことになる。
 それにしがみつくのは危険この上ない。
 『大衆技術は陳腐化する』
 大衆製品は市場の発展とともにその技術は陳腐化する。
 陳腐化した技術を
 『白物技術』
という。
 まはや誰でもが、もはやスマホは白物になったことを確信している。
 これには、明日への希望は何もない。


2014年12月25日15時14分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=194507&servcode=100&sectcode=120

【時視各角】スマートフォンをプラモデルのように作れば…

  近頃のように口をあんぐりと開けるようなニュースがあふれる中、唯一外信に乗って入ってきた 「小さなニュース」の1つが目についた。
 フィンランドのサーキュラー・デバイス(Circular Devices)が
 「パズルフォン(Puzzle Phone)」という組み立て式スマートフォン(モジュラースマートフォン)を来年4-6月期に発売するという発表だった。
 モジュラーフォンは言葉どおりカメラ・液晶・バッテリーといった各種機能のモジュールを“プラモデル”のように直接組み立てて作るスマートフォンだ。

  このようなモジュラーフォンのアイデアは、今春グーグルが発表した「Araプロジェクト」以来、いち早く実現される印象だ。
 グーグルは来年1月、つまり来月50~100ドル程度のモジュラースマートフォンキットを出すと明らかにした。
 グーグルの発表と類似するように、中国のZTEも組み立て式スマートフォン「エコ・メビウス」の試作品をリリースし、ノキア出身者が共同創業したフィンランドのスタートアップ企業もモジュラーフォンを発売すると発表した。
 またグーグルは、各部品間のインターフェースやソフトウェアなど生産に必要なすべての技術を公開することにした。
 望めば誰でも部品を作って供給してほしいということだ。
 中小企業や奇抜な開発者のアイデアが加わわれば独創的なデザインの簡単なスマートフォンキットが出続ける可能性があるということだ。

  スマートフォン市場の場合、性能はさらに加わることもなく発達し、プレーヤーは増えて製品は平準化された。
 一時は羨望の的だったスマートフォンは、もはや日常生活用品になりつつある。
 どんな製品でもこの頃は市場のパラダイムが変わる変曲点だ。
 もちろんモジュラーフォンがポスト・スマートフォン時代の主役になると予断はできない。

  モジュラーフォンについて韓国内の専門家やスマートフォンメーカーの担当者はすっきりしない。
 実験的で市場成長には限界があるというのが共通した意見。
 「デザインや快適性も重要だが、組み立てフォンがこうした欲求を満たすことができるだろうか」。
 「スマートフォンは機能よりも文化を享受する商品という点でプレミアムフォン戦略は依然として有効だ」。
 多数の消費者は冒険よりも安全性と便宜性を追うという点で、複雑なスマートフォンを自ら作ろうと立ち向かう冒険は一部のマニア層にとどまる可能性もあるとも述べた。

  ところが人は不思議なことに、古臭ければ洗練しようとするが、洗練の頂点から再び古臭さを懐かしがる復古主義に回帰する。
 その上「独特な私のもの」を探す消費者が増えている。
 また組み立て商品は妙な魅力がある。
 先週末、私はモジュール形態の机を買って組み立てた。
 我が家のかなりの小さな家具は私が組み立てたものだ。
 手頃な価格で順番に組み合わせるだけだが、とにかく自分の手で作った家具は、見てくれが悪くても素敵で、これらが家のあちこちにあれば我が家が愛しくないわけがない。
 人間は自ら必要な物を作ろうとするホモ・ファベール(Homo Faber)的な欲求があって組み立て製品は現代人にこうした欲求の断面を充たしてくれる。

  その上、3Dプリンタが大衆化する日も遠くない。
 デザインさえすれば金型がなくても物をコピーできるようになる。
 技術的な環境も取りそろった。技術とホモ・ファベールの欲求やトレンドが重なれば個人製作あるいは小さな攻防のオーダーメードデザイン・スマートフォンが浮上する時代が開かれる可能性もある。

  製造業者の担当者に尋ねた。
 「万一このような市場が大きくなれば韓国内のスマートフォンメーカーはどうなるだろうか」。
 彼は答えた。
 「正直、答えは見えない。それでもスマートフォンは大量生産体制が有利だ」。
 彼らの展望が正しいことを願う。
 しかしコダックもデジタルカメラを無視したし、ノキアもスマートフォンがこれほど早く広がるとは思わず没落の道を進んだ。
 モジュラーフォンは主人公ではないかもしれない。
 しかしすでに市場は新たなスマートフォンを要求し始め一時、携帯電話の最強者だったノキアの国フィンランドまで出て新たなスマートフォン概念を市場に提示し始めたということが、なぜか脳裏に残る。
 このようなデリケートな時期に韓国の核心産業が、この頃韓国社会全般に広がっている「過去回帰型」あるいは「元の場所に戻る」思考が伝染して躊躇することがないことだけを望む。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/12/23 11:43
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/12/23/2014122301618.html

中国ベンチャーの3万円台スマホ、韓国最高級品と同レベル
主要部品は韓国製とほぼ同じ、性能もギャラクシーS5に劣らず

 「OnePlus One(ワンプラスワン)」は今年5月、中国の新設ベンチャー企業「OnePlus」が初めて発売したスマートフォン(多機能携帯電話端末)だ。
 価格は35万ウォン(約3万6000円)程度と、サムスン電子のスマートフォン「ギャラクシーS5」(販売価格89万ウォン=約9万2000円)の半分以下だ。
 だが、韓国スマートフォンメーカーのハードウェア開発責任者の助力を得てこの製品を分解し、テストしたところ、品質や性能は韓国最高級スマートフォンのギャラクシーS5やLG電子の「G3」に全く劣らないことが分かった。

 まず、外装の品質からして「合格点」だった。
 金属やセラミックなどの高級素材は使われていないが、プラスチックを精密に加工して高級感を出している。
 主要部品は韓国製スマートフォンとほぼ同じものを使っていた。
 スマートフォンの頭脳の役割を果たすアプリケーションプロセッサ(AP)は米クアルコムの最高級品「スナップドラゴン801」で、ギャラクシーS5やG3と同じ部品だ。

 記憶装置のRAMはサムスン電子の製品で、3ギガバイト(GB)を搭載している。
 ギャラクシーS5(2 GB)よりも容量が大きい。
 RAMの容量が大きいほど、インターネット検索やアプリケーション(アプリ、応用プログラム)の速度が速くなる。

 日本製の電子部品も多く内蔵されていた。
 データ記録用のフラッシュメモリーは東芝、カメラのセンサーはソニーの製品だった。
 液晶画面もジャパンディスプレイの5.5インチ高解像度(フルHD)製品を使っていた。
 主な部品のうち、中国製品はカメラの駆動部分に使われていたサニーの部品だけだった。
 サニーは高い技術力を認められ、米グーグルのタブレットPCにも主要部品を供給している。

 性能も韓国の製品に負けていない。
 2種類のスマートフォン性能評価プログラムを10回以上繰り返して実施した結果、ギャラクシーS5とほぼ同等の性能を示した。
 製品テストに参加した専門家は
 「設立から1年もたっていない会社がこれほどレベルの高い製品を出すとは驚きだ。
 高級部品を使いながらも価格を35万ウォンに抑えているのだから、韓国企業が価格面で太刀打ちするのは厳しそうだ」
と話している。


朝鮮日報 記事入力 : 2014/12/24 11:05
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/12/24/2014122401155.html

【社説】中国格安スマホの襲来、革新的な製品で活路開け

 LG系列の格安スマートフォン(多機能携帯電話端末)会社のメディアログが9月30日、中国の華為(ファーウェイ)製スマートフォンの販売を始めた。
 中国のスマートフォンメーカーが韓国で正式に製品を販売するのは今回が初めてとなる。
 華為の製品はサムスン電子の最新製品に比べカメラ機能がやや劣るものの、そのほかの性能はほぼ同レベルだ。
 価格は50万ウォン(約5万1000円)台前半で、韓国製品の半分にすぎない。

 産業研究院によると、米国や韓国のスマートフォン技術レベルを100とすると、中国の技術力は90程度だという。
 中国は大手メーカーの製品をOEM(相手先ブランドによる生産)で手掛け、短期間でスマートフォン製造技術を蓄積した。2007年に米アップルが「iPhone(アイフォーン)」を初めて発売したとき、スマートフォンはそれまでの携帯電話の概念を覆す革新的な製品だった。
 サムスン電子はほかのメーカーに先駆けiPhoneの追い上げに乗り出したおかげで、市場をアップルと二分し、世界トップのメーカーに上り詰めることができた。
 だが、今やスマートフォンは基本技術さえあれば簡単に作れる製品になっている。

 スマートフォン製造の主導権が中国に移るのは避けられない。
 足元の市場を中国メーカーに奪われる事態になるかもしれない。
 韓国メーカーの課題は既存の市場を守ることではなく、スマートフォンの次のアイテムを開拓することだ。
 米国企業の競争力は、スマートフォン、3Dプリンター、電気自動車など革新的な製品を次々と出せる能力に由来している。
 サムスン、LG、ひいては韓国経済の活路も、ここに見いだすべきだ。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/12/24 11:01
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/12/24/2014122401094.html

韓国企業が世界最大の中国市場から締め出されるワケ

 9月5日、欧州最大の家電見本市「IFA 2014」が開かれたドイツ・ベルリンの「メッセ・ベルリン」。
 16万平方メートルに達する広い展示場に各国の家電・IT(情報技術)企業1500社余りがブースを構えた。
 面積が最も大きかったのはサムスン電子(8730平方メートル)で、
 次いでソニー(4000平方メートル)、
 LG電子(2657平方メートル)
と続いた。
 ブースの面積は世界市場での各社の「領土」の広さを象徴的に示しており、サムスン電子とLG電子は世界大半の市場でトップクラスに立っているというわけだ。

 ところが、中国市場に目を転じると話は変わってくる。
 9月16日午後、中国の北京市朝陽区にあるカルフールの家電売り場。
 前面中央の最も目に付きやすい場所には中国企業の創維(スカイワース)製の4Kテレビ6台が展示されていた。
 すぐ後ろにはやはり中国企業の長虹と海信(ハイセンス)、TCLのテレビがそれぞれ6台ずつ並んでおり、サムスン電子のテレビは売り場左手の隅に3台あるだけだった。
 LG電子のテレビは1台もなかった。
 サムスン電子とLG電子は世界テレビ市場で1、2位のメーカーだが、中国では地元企業に押され4位と10位にとどまっている。
 中国の中心部となる北京の目抜き通りの片側を覆っていたLG電子の広告パネルも、昨年撤去された。

 韓国企業がじわじわと中国市場から締め出されている。
 LG電子(携帯電話事業)、潤滑油事業を手掛けるSKルブリカンツ、スーパーのイーマートなどは赤字に耐え切れず、全面的または部分的に撤退した。
 中国は今や、単一国としてはスマートフォン(多機能携帯電話端末)、テレビ、重機、自動車などでいずれも世界1位の市場となっている。
 だが、韓国企業はテレビや家電、重機分野ですでに中国企業に押され、スマートフォンも今年に入り中国企業に逆転された。

 世界市場では善戦している韓国企業が、どうして中国では劣勢に立たされているのだろうか。
 その答えは、カルフールでテレビを見て回っていた買い物客、呉大兵さんの言葉にある。
 「デザインがすっきりしていること以外、特に品質に差はなさそうなのに、
 5000元(約9万円)も高いサムスンのテレビを買おうとは思わない」

 中国には、自国の市場に深く根を下ろした多くのメーカーがある。
 ずば抜けた技術や品質、差別化されたサービスがなければ、恐るべき価格競争力を持つ中国企業にはかなわないということだ。


朝鮮日報 記事入力 : 2014/12/24 11:03
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/12/24/2014122401128.html

中国で韓国企業は痛い目、日・台企業は成功のワケ

台湾の流通企業、17年間河南省1カ所に集中
日本、高級品戦略で現地企業との競争回避

 中国市場で苦戦する韓国企業が続出している中、台湾や日本の企業は中国でサクセスストーリーを生んでいるケースが多い。
★.今年上半期の中国に対する投資額は、
 台湾(31億ドル=約3400億円)、
 韓国(28億ドル=約3070億円)、
 日本(24億ドル=約2632億円)
の順で、3カ国で差はあまりないが、結
 果はまるで違っていた。
 勝負を分けたのは「選択と集中」、そして「徹底的な調査と準備」だった。

 1997年に河南省鄭州市にデパート第1号店をオープンして以来、17年間にわたり同省だけで展開している台湾の流通企業「デニス(DENNIS)」がその代表的な例だ。
 同社は現在、河南省だけでデパート16店舗、大型スーパー44店舗、コンビニエンスストア118店舗を展開している。
 2012年の総売上高は134億元(約2393億円)に達した。
 「河南省は中国中部の内陸にある新興市場として浮上するだろう」
と判断、選択・集中戦略を駆使したのだ。

 1980-90年代から中国に進出し始めた日本企業は、中国市場でシェアNo.1にこだわらず、高級品集中戦略を取った。
 中国であらゆる階層をターゲットにすると、現地企業との競争で勝てる見込みがないと考えたのだ。
 カジュアルファッションのユニクロ、医療・計測機器メーカーの島津製作所、流通企業のイトーヨーカドーなどがそうした戦略を取っている。

 2002年に初めて中国に進出したユニクロは当初、低価格品戦略を展開して各店舗で赤字を出し苦戦した。
 そのため05年からは価格を引き上げ、中国の新中産階級層を新たなターゲットにしたところ、同年に8店舗だった店舗数は現在260店舗を突破した。
 ユニクロは20年までに中国に1000店舗以上をオープンさせると豪語するほど快調に飛ばしている。



レコードチャイナ 記事入力 : 2014/12/24 11:04
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/12/24/2014122401134.html

中国人従業員が独立起業、到底かなわず

 「毎年売上高が半減していて、持ちこたえる自信がなくなった。
 結局11年で韓国に帰ってきた」

 貴金属加工業者「ファッションチェーン」のイ・ヨンギル代表は
 「事業がやりやすかった中国が、事業が非常に困難な国へと変わった」
と嘆く。
 イヤリングやネックレスなどをデザイン、生産する同社は、2001年に中国山東省青島市に本社を移転し、中国に進出した。
 当時は中国政府が外国人投資を誘致するため、法人税の5年間免税、工場賃貸料値下げなどの優遇策を講じていた時代だった。

 当初の従業員数が約300人だった中国工場は、06年には約700人が働く工場へと成長した。
 売り上げも2,000万ドル(約22億円)に膨らんだ。
 しかし、それがピークだった。業績は下降線をたどり、5年後の2011年には売上高が10分の1に減少した。
 結局は青島工場を閉鎖し、全羅北道益山市に帰ってきた。

 イ代表は韓国にUターンした理由について、
 「7-8年ほどすると、工場で働いていた中国人が独立し、同じような貴金属工場を設立した。
 うちよりもはるかに安い価格で似たような商品を作ったため、到底競争することができなかった」
と話した。

 人件費も大幅に上昇した。
 中国の所得水準や教育水準が上昇し、貴金属加工業といった単純労働の職場で働く中国人が大幅に減ったためだ。
 為替も悪材料だった。
 中国に進出した01年には人民元相場が1ドル=8.26元だったが、最近は同6.17ドルまで上昇した。
 人民元高が続き、世界市場での価格競争力が大きく低下した。

 中国の地方政府の態度も10年間で一変した。
 イ代表は
 「前日まで操業していた工場も、翌日にマンションを建てると言われれば、撤収を余儀なくされる」
と語った。
 万一、政府の命令に従わなければ、税務調査の対象になるか、労働法、環境規制などで多額の罰金を取られる。

 イ代表は
★.「中国市場を攻略するには、製造業よりサービス業のような第3次産業が望ましい。
★.中国に進出した中小企業数千社の中には、
 韓国にUターンしたくても条件が整わずに帰ってこられない企業が多い」
と指摘した。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/12/24 11:02
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/12/24/2014122401106.html

韓国企業、中国でシェア急低下

 中国江蘇省蘇州市の斗山インフラコア工場は、2011年に完成し、掘削機を年間約1万台生産する能力を備えているが、今年1月から操業を全面的に中断し、現在は部品センターとして使われるばかりだ。
 同社は中国での販売台数が3年前のピーク時に比べ40%激減し、かつて中国市場でトップの18%あったシェアが半分以下の8%、業界5位にまで落ち込んだ。

 これに対し、2006年にシェア1%余りだった地場の三一重工業が昨年時点でシェア13.9%を握り、トップシェアに躍り出た。
 三一の製品は同じクラスの斗山の製品に比べ最大で約30%安い。
 売上高の7%を研究開発に投じ、品質も劣らない。
 建設設備業界関係者は
 「流通網にアフターサービス能力も備えた中国メーカーの攻勢に韓国企業は事実上なすすべがない」
と話した。
 中国市場で敗退を繰り返している韓国企業の一断面だ。

■韓国大手企業の中国事業悪化相次ぐ

 1991年に北京支社を設置後、エネルギー、通信、サービス、コンテンツ、半導体、携帯電話生産、スマート都市開発などに数兆ウォンを投資したSKグループは今年に入り、SKルブリカンツの潤滑油事業中国本部を廃止した。
 SKネットワークスが上海に置いていた靴小売り業者の株式は全て売却された。
 SK綜合化学は昨年初め、湖北省武漢市にエチレンプラントを完成させたことが成果に数えられていたが、これも最近は生産過剰で不振に陥っている。

 SKグループ周辺からは
 「20年間以上、中国市場に投資してきたが、残ったのは北京市内の長安街にある35階建てのSKチャイナビルだけだ」
という自嘲混じりの声も聞かれる。

 鉄鋼業も同様だ。
 韓国鉄鋼大手ポスコの場合、張家港工場で790億ウォン(約82億円)、青島工場で174億ウォン(約18億円)、大連工場で99億ウォン(約10億円)、広東工場で209億ウォン(約22億円)など中国国内の事業所の大半で赤字が相次いだ。

 1993年中国に参入し、2000年代半ばまで好調だったLG電子の業績も散々だ。
 「フィセン」ブランドのエアコンは世界シェア1位(販売台数ベース)だが、今年8月現在で中国のエアコン市場では10位圏外に転落した。

 デロイト・コンサルティングのキム・ギョンジュン代表は
 「格力、美的など地場8社と三菱電機など日本メーカー2社がエアコン市場の10位までを占める中、
 サムスン電子とLG電子がいずれも10位圏内にも入れないのは、
 韓国の大企業の中国市場攻略が大きく誤っていたことの反証だ」
と指摘した。

■中国政府の自国企業優遇

 9月15日、記者は山東省青島市を訪れた。
 家電大手、ハイアール(海爾)の本社向かい側では建物の撤去作業が盛んに行われていた。
 工事現場の関係者は
 「ここにあった韓国企業Sスポーツとその従業員はみんな消えた」
と語った。

 1991年に中国の地方政府から50年間の土地使用権を獲得して進出したSスポーツは、青島市政府から
 「法律が改正され、賃貸期間が最長20年に変更された」
と一方的に通告され、工場を郊外に移転せざるを得なくなった。
 青島韓国人会の関係者は
★.「現地政府の自国企業優遇と流通業者の土地占有などで事業環境が苦しい。
 2006年に6000社余りあった韓国企業が今では2500社余り
に減少した」
と語った。

 こうした状況で
 韓国企業の危機管理対応能力の不足も問題
として挙げられる。
 例えば、中国でのLG電子のエアコン事業没落は、06年に「中古エアコンを新品のように包装し直して販売している」という現地従業員の発言に対する現地法人の対応が3カ月遅れたことが原因とされる。

 漢陽大のホン・ソンテ教授は
 「韓国企業は中国で短期成果主義大都市中心の進出に執着し、失敗を繰り返している」
と指摘した。

 産業研究院(KIET)のチョ・チョル博士は
 「中国では人口1億人を超える省も多い。その1%を顧客として確保しても100万人になる巨大市場なのだから、地方に特化した専門人材を育成し、細かい戦略を立てるべきだ」
と提言した。




_