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サーチナニュース 2014-12-30 21:01
http://news.searchina.net/id/1555585?page=1
中国の2014年注目軍事ニュース
「空軍が外国機に警告」、「海軍が世界に進出」など=中国メディア
1月:空軍が平行飛行で外国機に警告、
2月:中越が双方の国防省にホットライン開設で同意。
3月:今年の国防予算は12%の成長――。
南方日報がまとめた、2014年における月ごとの「軍事大ニュース」
の小見出しに、こんなことばがならんだ。
必ずしも「強硬路線を示すもの」とは限らないが、中国が軍事面で極めて活発な動きを見せてきたことが、よく分かる。
まずは、1-6月の上半期分をご紹介しよう。
●.南方日報が「1月の大ニュース」に選んだのは、防空識別圏の話題だ。
「空軍が平行飛行で外国機に警告」では、空軍がみずから設けた防空識別圏でパトロールを「常態化」させたと説明。
同圏に侵入した外国機にを警戒・監視し、識別すると同時に、平行して飛行して証拠を確保し、通話による警告を行った
とした。
なお、中国は13年11月に防空識別圏を設けて以来、(同圏内で)指示に従わない全ての航空機に、軍当局が防御的緊急措置をとるとしていたが、
★.航空当局が各国向けに通知した航空情報から、前記該当を12月28日までに削除したことが分かった。
国際的な摩擦を恐れて「引っ込めた」との見方がある。
●.2月は中越による双方の国防省を結ぶ電話回線の「ホットライン」の開設合意を選んだ。
軍事面における相互信頼と、戦略についての意思疎通を促進するためという。
●.3月のニュースは、自国の国防費が前年比12%増の1320億ドルに達したこととした。
中央政府・財政部が同月5日に、全国人民代表大会に同年の国防予算草案を提出した。
同案が承認されたことで、2014年の国防費が決定した。
なお、中国の会計年度は1-12月だが、政府予算は3月の人民代表大会で決まる。
●.4月は、山東省青島市で開催された西太平洋海軍フォーラム(シンポジウム)を挙げた。
なお、中国海軍は同フォーラム開催期に、米露の軍艦も招待した閲艦式を開催する予定だった。
同閲艦式には日本の自衛隊艦船を招待しなかったことで、注目を集めた。
しかし中国海軍は4月中旬になり、閲艦式の開催を取りやめた。
理由として、3月8日にマレーシア航空機が行方不明になったことを挙げた。
米国海軍は日本の自衛隊艦船が招待されなかったことを不快として、艦船の派遣見送りを検討されていたとされる。
フォーラムには海上自衛隊の河野克俊幕僚長が出席した。
●.5月のニュースとしては、中国艦隊がアフリカを歴訪したことを挙げた。
同月5日から6月20日までの日程で、チュニジア、セネガル、コートジボワール、ナイジェリア、カメルーン、アンゴラ、ナミビア、南アフリカの8カ国を訪問した。
南アフリカ以外への訪問は初めてだった。
●.6月には、米海軍がハワイ周辺海域で開催した環太平洋合同演習(Rimpac、リムパック)に参加したことを選んだ。
同演習には、米海軍、米沿岸警備隊、海上自衛隊、陸上自衛隊、オーストラリア海軍、韓国海軍、中国海軍、インド海軍、フランス海軍、ノルウェー海軍、チリ海軍、メキシコ海軍、シンガポール海軍、ニュージーランド海軍、コロンビア海軍、インドネシア海軍、ブルネイ海軍の艦船や部隊が参加した。
海上自衛隊は1980年から連続して参加、中国海軍の参加は初めてだった。
●.7月のニュースとしては、同月22日、外国人記者に初めて、中国の軍関連学校を取材させたことを挙げた。
中国人民解放軍装甲兵工程学院を中国内外の記者が取材した。同学院側の学生100人あまりが、展示・説明を行った。
●.8月には、海軍と空軍が初めての試みとして模擬空戦訓練を行ったことを挙げた。
海軍は東海艦隊(東シナ海艦隊)部隊と所属の戦闘機数機が参加したという。
●.9月の話題としては、自国の潜水艦が初めて、インド洋に進出したことを挙げた。
中国の潜水艦がインド洋に出たことが確認されたのは初めてという。
中国海軍はソマリア沖の海賊被害に対処するために軍艦を派遣しているが、派遣艦隊の「護衛」との名目で潜水艦も出動した。潜水艦はスリランカのコロンボ港に寄港した。中国の潜水艦が他国に寄港したのは初めてという。
同寄港はインドを刺激した。
インドと中国の両政府は安定した平和共存関係を目指しているが、両国は過去に領土を巡って戦争したことがあり(中印国境紛争。
1962年に中国軍がインド側実効支配地域に侵入して開戦)、現在も領土問題で対立している。
中国はインドと対立するパキスタンと親密な関係を早くから構築し、スリランカについては同国で2009年まで続いた内戦で、政府側に軍事援助を行い関係を強化した。
●.10月の話題としては、国防部の楊宇軍報道官が同月30日の定例記者会見で、日本の防衛関連部門と、海や空での偶発的な衝突を防ぐ「海上連絡メカニズム」の構築に向け協議していると発表したことを挙げた。
協議はいったん中断したが、安倍首相と習近平国家主席が11月10日に会談した際に、双方が「協議加速」を確認したことを受け、中国側の申し出により、1月中旬の協議再開の方向で調整中という。
●.11月のニュースとしては、米中双方が、重大な軍事行動を起こす場合、および、海と空においての「安全に関連する行為」についての準則について、覚書を交わしたことを挙げた。
中国政府・国防部は2つの覚書について
◆.相手の戦略意図を相互理解する
◆.戦略的な信頼関係と危機管理能力の増強
◆.リスクを予防する
――ことを目的とする重要な措置と説明した。
●.12月のニュースとしては、南スーダンの平和維持のために歩兵大隊を派遣したことを取り上げた。
中国軍による平和維持活動は1990年のカンボジアへの部隊派遣が初めてだった。
解放軍の南スーダン派遣もすでに始まっていたが、兵力700人の歩兵大隊の派遣は、はじめと言う。
同大隊には女性による小隊13人も含まれている。
海賊対策やその他の平和維持活動のための海外出動は、国際的な“評価”を得るとの外交上の目的もあるが、実際には「訓練になり、さまざまな問題点の洗い出しもできる格好の機会」との側面がある。
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