『
WEDGE Infinity 日本をもっと、考える 2014年10月01日(Wed) 石平
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4255
「不動産経営者の夜逃げラッシュ」が招く中国経済の崩壊
今年6月27日に掲載した
『破滅へ向かう中国経済 四面楚歌の習近平 政治介入する軍』
では、中国における不動産バブルの崩壊がすでに始まったことを実例に基づいて克明に記述したが、それ以降の数カ月間で崩壊は確実に進んでいる模様である。
■「早く売り捌いた方が良い」
8月1日の中国指数研究院の発表によれば、今年7月の全国100都市の新築住宅販売価格が前月比で0.81%下落し、4月、5月以来3カ月連続の下落となっているという。
そして9月19日に中国国家統計局が公表した数字を見ると、8月に全国の主要都市の70都市のうち、不動産価格が下落したのは68都市にのぼる。
その中で、たとえば8月25日に新華通信社が配信した記事によると、全国の中小都市では各開発業者による不動産価格引き下げの不毛な競争が既に始まったという。
開発業者が競ってなりふり構わず価格競争に走れば、
それはすなわち不動産価格総崩れの第一歩
であることは誰もが知るところであろう。
8月23日、山東省済南市にある「恒生望山」という分譲物件が半月内に25%程度の値下げを断行したことで、値下げ以前の購買者が抗議デモを起こした。
9月3日には、広東省珠海市のある分譲物件は値段が一夜にして4分の1も急落したとのニュースがあった。
そして9月15日、大都会の北京市では一部の不動産物件で30%以上の値下げが断行されたと報じられている。
この一連の動きは、「総崩れ」が既に目の前に迫ってきていることの前兆であろう。
こうした中で、不動産バブルの崩壊は不可避とする声があちこちから聞こえてきた。
9月3日、新華指数公司首席経済学者の金岩石氏は
「中国の9割の都会で不動産バブルが崩壊する」
と警告した。
また11日には、中国最大の自動車ガラス製造企業・福躍硝子集団のオーナー会長曹徳旺氏は、香港フェニックステレビの番組で
「不動産バブルの崩壊は時間の問題だ」
と言って投機のために不動産を持った人に「早く売り捌いた方が良い」と薦めた。
そして27日、高名な経済学者で北京天則経済研究所理事長の茅于軾氏は、
「中国の不動産価格は今後、半分以下に落ちるであろう」
と断言した。
中国国内の実状をよく知る人々のリアリティある発言からも、
どうやら
史上最大規模の不動産バブルの崩壊はいよいよ、目の前の現実となってきている模様
である。
■不動産バブル崩壊で中国経済はどうなるか
不動産バブル崩壊の最大の原因は、今年2月26日に掲載した『既に始まった中国史上最大の不動産バブル崩壊劇』で指摘した通りのものだ。
要するに、
★.2000年代に入ってからこの十数年間、中国政府はずっと、お札をバンバン刷って金融緩和を行い、
★.民間の不動産投資の拡大を刺激するような方策で経済の高度成長を支えてきた。
しかしこのような節度のない経済政策の結果、市場に流通する貨幣が溢れすぎて「流動性過剰」という現象が生み出された。
一方で、過剰になった貨幣の多くは不動産投資に流れ込んで価格を高騰させてバブルを膨らませた。
市場に流通している貨幣が溢れすぎると、それが当然インフレの発生=物価の高騰を招くこととなり、食品を中心とした物価の高騰が目の前の現実となる。
と、それが原因で社会的不安が高まることを危惧した中国政府は一転、貨幣の供給を抑制する金融引き締め政策を実施した。
そして2011年からの金融引き締めの中で、不動産開発業者に対する銀行からの融資が激減する。
一方、多くの商業銀行は2013年の秋頃から、個人住宅ローンに対する貸し出しを停止するという断固たる措置に踏み切った。
そこから始まったのがすなわち、
不動産物価の販売不振→開発業者の資金繰り難→不動産在庫の値下げ処分→価格の下落
という悪循環であるが、そのたどり着くところはすなわち不動産価格の総崩れ、要するに
不動産バブルの崩壊
である。
問題は、不動産バフルが崩壊した後に中国経済がどうなるのかであるが、現在、
全国の不動産投資のGDP (国内総生産)に対する貢献度が16%
にも達しているから、バブル崩壊に伴う不動産投資の激減は当然、GDPの大いなる損失、すなわち経済成長のさらなる減速に繋がるに違いない。
しかも、
バブル崩壊の中で多くの富裕層・中産階級が財産を失った結果、
成長を支える内需はますます冷え込み、経済の凋落によりいっそうの拍車をかけることとなろう。
しかし問題の深刻さは、それだけにとどまらない。
★.不動産バブルの崩壊に伴って
その次にやってくるのは、全国規模の金融危機の発生
なのである。
■「邯鄲恐慌」で「経営者夜逃げラッシュ」
不動産バブルの崩壊に伴う金融危機の発生、それは一体どういうことなのか。
実はこの原稿を書いている9月29日現在、中国河北省の邯鄲市という中規模都市で吹き荒れている「邯鄲恐慌」の嵐が、この事情を端的に物語っている。
今、全国のマスコミを騒がしている「邯鄲恐慌」は、今年7月下旬、邯鄲市内最大の不動産開発業者である「金世紀房地産公司」で起きた経営者の夜逃げ事件から始まった。
金世紀房地産公司という会社は2000年頃から邯鄲市で不動産の開発を始めて、以来十数年間、オフィスビルや綜合商業施設、分譲マンションなど100件以上の不動産開発を手掛け、邯鄲市最大の不動産開発業者に成長した。
一時は資産総額100億元(1800億円相当)の大企業として邯鄲経済界に君臨していた。
しかし7月下旬、この大企業のオーナー経営者である史虞豹氏が突如、すべての連絡を絶って家族と共に夜逃げした。
地元財界を代表する経営者が29億元の負債を踏み倒してのこの逃亡事件は、邯鄲市全体に大きな衝撃を与えた。
しかし衝撃はそれだけにとどまることはなかった。
この夜逃げ事件に誘われるように、それからわずか1カ月の間で、「卓峰地産」、「万聚地産」、「武安銀信集団」、「華北錦魁地産」など、名の知られた不動産開発会社の経営者たちが続々と逃げ出して身をくらませたり、あるいは自らの倒産を宣言したりした。
邯鄲市の経済界を揺るがした「経営者夜逃げラッシュ」の発生である。
■山ほどの不動産在庫を抱えて
なぜ邯鄲市の不動産開発業者たちは競うように逃げ出すような事態となったのか。
その背景にあるのは当然、本稿の冒頭から記述した不動産バブル崩壊の全国的広がりである。
邯鄲市というのは人口160万人程度の中規模都市であるが、一時は500軒もの開発業者が群がり不動産の開発を行い、需要をはるかに超える大量の不動産物件を生み出した。
しかし今年になってから全国的に不動産が売れなくなり、邯鄲の開発業者たちは山ほどの不動産在庫を抱えるようになった。
2013年の1年間、邯鄲市での不動産販売面積は355万平米程度であったが、
現在積み上った市内の不動産在庫はその10倍近くの3480万平米に上るという。
地元の開発業者たちの資金繰りが苦しくなっていることは言うまでもないが、それは結局、彼らの「夜逃げラッシュ」を促した原因の一つとなった。
しかし、彼らには夜逃げするのではなく別の選択肢もあったはずだ。
手持ちの不動産在庫を大幅に値下げして売り捌いて資金を回収すれば生き残る道はあるのではないか――。
しかし現実には、この最後の道すら彼らには残されていないのである。
というのも、今になって判明したことであるが、彼らがこの数年、不動産の開発を進めるために闇金融から驚くべきほどの高い利息で大量のお金を借りていたからである。
たとえば前述の金世紀房地産公司の場合、抱えている29億元の借金のうち、実は15億元ほどが闇金融からの借金である。
それ以外の夜逃げした開発業者たちも多かれ少なかれ、闇金融からカネを借りていた。
地元銀行による試算では、彼らの借金総額は約92億元(約1700億円相当)に上っているという。
しかも、邯鄲の闇金融では、その年間利息は一律30%という吃驚仰天の高い利息がついているのである。
開発業者たちがこれほどの高い金利で闇金融から借金しなければならない最大の理由は、やはり前述のように、政府による金融引き締めの中で正規の銀行がリスクの高い不動産開発に融資しなくなったことにある。
正規の銀行がカネを貸してくれないため、やむを得ず闇金融に手を出したわけである。
しかし問題は、闇金融からあれほどの高い金利で資金を借りると、開発業者たちに残される唯一の道はすなわち、不動産価格が暴騰し続け、年間利息30%の借金を返済できるほどの儲けを得ることである。
暴利があるうちは何とかやっていけるが、一旦不動産が売れなくなると、巨額の負債を抱えて高い利息の返済に追われる開発業者たちが直ちに悲鳴を上げることなる。
その際、たとえば手持ちの不動産在庫を値下げして売り捌いたとしても、闇金融からの借金とその高い利息の返済に足りることはない。
だとすれば、いっそのこと、借金そのものを踏み倒して夜逃げするのが最善策となる。
■一般市民も抗議行動に
このように邯鄲市の不動産開発業者の夜逃げラッシュは始まったわけであるが、彼らに大量の資金を貸している闇金融にとって致命的な打撃となろう。
しかも、闇金融が融資に使う資金の多くは一般市民から調達したものが多いため、貸し出しのカネが踏み倒されると、闇金融に出資している個人投資家たちはいっせいに財産を失うこととなる。
たとえば邯鄲の場合、闇金融に出資している民間人は市民の1割以上であるとの試算もある。
金世紀公司から始まった開発業者たちの夜逃げラッシュは当然、邯鄲市全体に未曾有の大混乱を引き起こした。
一夜にして全財産あるいはその大半を失った一般市民たちは連日のように抗議行動を起こし、市政府を包囲して「金を返せ」を合言葉に暴動寸前の大騒ぎを演じてみせた。
邯鄲市そのものは今、世紀末のような騒然とした雰囲気である。
その一方、夜逃げした開発業者たちが正規の銀行からの借金まで踏み倒しているため、各商業銀行は大変苦しい立場となり、これまでよりいっそうの貸し渋りに走っていることは言うまでもない。
そしてそれはまた、不動産市場のいっそうの低迷と開発業者たちのさらなる資金難を招くこととなり、今後夜逃げラッシュはますます盛んになることが予想される。
そうすると、正規の金融も闇の金融と共によりいっそうの苦境となって、破綻への道を一直線に走ることになる。
つまり、
不動産バブルの崩壊の後にやってくるのは金融破綻である
ことを、邯鄲の実例がわれわれに教えているのである。
■「影の銀行」の破綻で経済破綻は免れず
もちろん、邯鄲で起きていることは邯鄲だけの問題ではないはずだ。
今年3月26日、中国新華通信社傘下の『経済参考報』は、中国の金融事情に関する記事を掲載した。
金融市場で大きなシェアを占める「信託商品」は、
今年から来年にかけて返済期のピークに達し、約5兆元(約82兆円)程度の貸し出しが返済期限を迎える
ことになるという。
ここでいう「信託商品」とは、正規の金融機関以外の信託会社が個人から資金を預かって企業や開発プロジェクトに投資するものであるが、高い利回りと引き換えに元金の保証はまったくないリスクの高い金融商品。
中国の悪名高いシャドーバンキング(影の銀行)の中核的存在をなすのはまさにこれだ。
問題は、返済期を迎えるこの5兆元規模の信託投資がきちんと返ってくるかどうかである。
申銀万国証券研究所という国内大手研究機関が出した数字では、
全国の信託投資の約52%が不動産開発業に投じられている
という。
そう、邯鄲の実例でも示されているように、
シャドーバンキングという名の闇金融の主な融資対象の一つは結局不動産開発業者なのである。
そしてこれこそが、信託投資だけでなく、中国経済全体にとっての致命傷となる問題なのだ。
本稿の冒頭からも克明に記してきたように、今の中国で、不動産開発業はまさに風前の灯火となっている。
バブルが崩壊して多くの不動産開発業者が倒産に追い込まれたり深刻な資金難に陥ったりすると、信託会社が彼らに貸し出している超大規模の信託投資が踏み倒されるのは必至である。
邯鄲ですでに起きていることがそれを実証している。
そして前述のように、信託投資の不動産業への貸し出しはその融資総額の約半分にも達しており、今後広がる不動産開発企業の破産あるいは債務不履行はそのまま、信託投資の破綻を意味する。
それはやがて、信託投資をコアとする「影の銀行」全体の破綻を招くこととなろう。
しかし融資規模が中国の国内総生産の4割以上にも相当する「影の銀行」が破綻すれば、経済全体の破綻はもはや避けられない。
中国経済はただでさえ失速している最中であるが、今後において、不動産バブルの崩壊とそれに伴う金融の破綻という二つの致命的な追い打ちがいっせいにかけられると、
中国経済は確実に「死期」を迎える
こととなろう。
』
『
サーチナニュース 2014-10-01 16:03
http://news.searchina.net/id/1544815?page=1
中国で住宅ローンの金利を引き下げ、2戸目に対しても条件緩和
・・・不動産業界低迷に対処策
中国人民銀行(中央銀)と銀行分野を所管する政府部門の中国銀国監督管理委員会(銀監会)は30日、住宅ローンの金利基準の引き下げを発表した。
これまで厳しい制限があった1世帯が2戸目の物件を購入した場合のローンも「1戸目のローンが返済済だった場合には1戸目と同じ基準で扱う」とした。
政府が低迷する不動産業界のてこ入れ策に乗り出した。
中国では人民銀行が人民元の貸出基準金利を定めている。
現在は6カ月以下の貸出で年利5.60%、6カ月1日以上1年未満が6.00%などとなっており、5年1日以上30年以下が6.55%だ。
住宅ローンの場合には基準金利に対する一定の割合を示し、金利の下限としている。
1戸目の住宅物件購入について、これまで基準金利の0.85倍としていた下限を、新たに0.7倍とした。
個別の貸出については「銀行業を営む金融機関はリスク状況にもとづき自主的に確定すること」とした。
住宅ローンについては頭金の比率も定められているが、これまでの30%を据え置いた。
中国では、不動産物件に対する投機的動きを抑えるため、1世帯が2戸以上の住宅物件を購入することを厳しく制限していた。
多くの地方では購入そのものを認めなかったが、不動産市場の冷え込みを受け、北京、上海、広州といった一部大都市以外では、2戸目の物件購入が解禁された。
住宅ローンでも2戸目以降の物件購入に対しては厳しい基準が設けられているが、新たな通達では「1戸目の物件についてローン返済が終わっている世帯が、居住条件を改善する目的で新たな住宅物件の購入についてローンを申請した場合、銀行業を営む金融機関は1戸目の物件に対する政策基準を適用する」とした。
不動産代理業大手の中原地産の張大偉首席アナリストは「これまでの10年間近く、一般消費者が住宅物件を買う際に最大のキーポイントとなっていたのが、ローン関連の動向」と指摘。
今回の規制緩和は市場の予想よりもはるかに大きかったとして、
「この政策は市場に対する信頼を高め、価格下落を食い止める可能性がある。
ただし、市場がどの程度の回復を見せるかは、今後政策で、どのようなシグナルを発し続けるかによる。
再び全面的な規制緩和を行えば、不動産市場はかなり急速に立ち直るかもしれない」
と述べた。
ただし業界からは、在庫圧力が極めて大きいため、住宅ローンの金利引き下げの効果は限定的との見方も出ている。
2009年にも同様のパターンがあったとして
「2014年末までは不動産業界は低迷を続ける」
との声もある。
在庫圧力が高く販売量も低下していることから、企業側は成約1件あたりの利ざやを減らしても全体としての利益を確保せねばならないので
「以価換量(価格をもって量に転換する)」との方策を採用せざるをえず、不動産価格は当面低迷を続ける」
との見方もある。
』
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サーチナニュース 2014-10-14 12:01
http://news.searchina.net/id/1545796?page=1
中国不動産市場、住宅物件在庫が前年比23.8%増=研究機関調べ
不動産関連の調査・研究・発表を行っている上海易居房地研究員は13日、中国全国の35都市における9月の不動産市場の状況リポートを発表した。
新築商品住宅の在庫合計(床面積)は同月末の時点で前月比4.0%増、前年同月比では23.8%増の2億8013平方メートルに達したという。
35都市中31都市で、在庫が前年同月よりも増えた。
増加率が特に大きかったのは
南昌市(江西省)の前年同月比99.3%増、
温州市(浙江省)の60.3%増、
九江市(江西省)の60.1%増
った。
在庫の減った4都市のうちでは、太原市(山西省)の減少率が前年同月比27.1%で大きかった。
35都市の9月における新築商品住宅物件の供給量は床面積合計で前月比37.8%増、前年同月比1.5%増の2859万平方メートルだった。
一方で成約量は前月比2.3%増、前年同月比9.0%減の1778万平方メートルだった。
中国では10月に、住宅物件や自動車、家電製品の売り上げが増加する場合が多い。
1日の国慶節(建国記念日)に始まる大型連休があり、家族そろって現物を見たり相談して購買しやすくなるからだ。
そのため、不動産関連企業は前月の9月に多くの物件を売り出して10月に備えるが、今年(2014年)の場合には、9月における売れ行きが思惑以上に悪かったことが、在庫量を押し上げることになった。
中国では
北京、上海、広州(広東省)、深セン(同)の「全国的に大きな影響力を持つ大都市」を一線都市、
(浙江省)、南京(江蘇省)など省都や省都に準じるとみなせる影響を持つ都市を二線都市、
それに続く都市を三線都市
と呼んでいる。
35都市中、
一線都市における新築住宅物件の在庫は前月比8.8%増、前年同月比39.6%増の3794万平方メートル、
二線都市では同3.5%増、21.8%増の2億167平方メートル、
三線都市では同2.2%増、21.1%増の4052万平方メートル
だった。
都市規模に関係なく、新竹住宅物件の在庫量は前月比でも前年同月比でも増加した。
特に一線都市では在庫が8カ月連続で増加し、しかも9月には伸び幅が増加した。
中国では不動産市場の落ち込みに対応するため、二線、三線都市では住宅ローンの適用規制を緩和したが、一線都市ではこれまで通りの規制を続けている。
そのため、一線都市における不動産市場を立て直すには中央銀行(中国人民銀行)の何らかの意思表示が必要と考えられる。
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◆解説◆
中国では各地政府が主に低所得層を対象に財政支援をするなどで供給している住宅を「保障住宅」と呼んでいる。
それに対して、市場原理にもとづき供給・販売される住宅を「商品住宅」と呼んでいる。
商品住宅について政府は、住宅ローンの条件設定、土地供給量で市場の安定を図っている。
中国の消費者は、値下がり傾向が見えると買い控えをし、値が上がると判断すれば、急いで購入する傾向が強い。
一方では政府側が「値崩れを食い止める政策」を打ち出すと、多くの人が一斉に「買い」に走るなど、消費者の市場動向や政策に対する反応は、かなり敏感だ。
』
『
レコードチャイナ 配信日時:2014年10月27日 1時35分
http://www.recordchina.co.jp/a96277.html
中国も日本と同じ道をたどってしまうのか?―中国ネット
2014年10月23日、中国のインターネット上に、中国が日本のバブル崩壊と同じ道をたどるのではないかと懸念する文章が掲載された。
バブル崩壊後の10年は日本経済にとって長い悪夢だった。
ここではそれを「10年の痛み」と呼ぶことにする。
1985~1991年の6年間で、日本の6大都市の地価は3倍になった。
その後、バブルがはじけて地価が下がり続け、銀行は莫大な不良債権を抱えた。
これにより、日本は長年、発展のチャンスを失い、大きな代価を支払うこととなった。
しかし今、自分たちの国を見ると、日本の「10年の痛み」が起きたプロセスと非常によく似ていることに驚く。
グローバル社会において、“歴史は繰り返す”は一国の中だけの話ではない。
私たちは日本のバブル経済の発展のプロセスにおいて、以下のミクロ的な要因に注意を払わなければならない。
まず、人々が地価は絶対に下がらないと信じて不動産を買ったこと。
日本で1987年1月、1988年1月、1990年6月、およびバブル崩壊後の1992年4月に行われた世論調査では、それぞれ65.2%、66.0%、67.2%、52.8%の人が「不動産所有は安心で利がある」と回答している。
次に、人々は金利は変わらないと信じており、企業は非常に簡単に銀行から融資を受けられたこと。
借り手は金利が上がったときの利息のことなど考えず、貸し手も金利上昇のリスクを忘れた。
資金繰りが厳しくなったら、手持ちの不動産を売れば解決できると甘く考えていた。
最後に、企業と個人の不動産投資が盛んだったこと。
バブル期には大量の資金が不動産に流れ込んだが、多くの不動産会社は専門家ではなかった。
これにより、バブル崩壊後に大量の焦げ付きが出たのだ。
このほかにも、いくつかの細かい要因があるが、上記の3つこそ中国が最も参考にするべきポイントだと考える。
もし、基本的な観察能力を持っていればはっきりとわかるはずだ。
この3つが、今まさに私たちの目の前に存在するということが。
』
【描けない未来:中国の苦悩】
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