日本の中国への技術移転は、
高速鉄道を「中国独自の新技術」と中国当局が宣伝した時点で終了
した。
以降、大掛かりな技術移転には日本の企業が二の足を踏むようになる。
苦労して技術移転に務めたのに対しての、中国当局の反応があまりにも勝手すぎることに嫌気がさしたためであろう。
パクっておいて「自前の技術だ!」
と言われれば不愉快になるのはしかたあるまい。
よって、
いまの日本の中国への投資はサービス業を主体としている。
先端技術の移転はない。
あるいは、
日本は家電とは後進国が成長するための完成技術
とみなして、その分野から撤退している。
パナソニックもソニーもシャープもその切り捨てに何のためらいもない。
半導体も基本の製造設備の中核は抑えているが、あとはご自由にと開放している。
今の先端秘術は放出しない。
中国はそのため、日本が止めた技術をドイツから入れようとやっきになっている。
しかし、数年もたてばその先端技術は完成技術になる。
とすれば、その技術は放出される。
日本はその更に上をいく技術に挑むことになる。
古い技術すなわち完成化された技術は、
発展途上の国のためにどんどん放出されるべきである。
それが日本が発展国を後押しする力になる。
すなわちハード技術をソフト化して発展の一助とするのが日本のグローバル化する世界への仕事でもある。
テレビドラマでみるような内容は、日本が先進技術開発のためにオープンにした完成化した技術の問題をあたかも日本の空洞化のように取り扱っただけのものに過ぎないと思える。
なんでもかんでも抱え込むというのは技術革新にとって足かせになるだけである。
古い技術はどんどん開放して、そうすることによって追ってくる人たちの励みすべきである。
その追いかけくるパワーを感じることによって日本はさらなる未知の技術に挑戦すべきなのである。
つまり、技術の開放は新技術の背中押しになるはずだと思えるのだが。
「空洞化」などと大声で言っていること自体が、すでに技術が過去のものになり、新しい技術をのぞ望んでいることを理解している、ということである。
空洞化するような技術は新興国に供与して、その国の発展を願うべきである。
『
レコードチャイナ 配信日時:2014年12月19日 16時15分
http://www.recordchina.co.jp/a99303.html
日本といえば電子産業、中国といえば高速鉄道に!
中国が欧州市場への進出に注力―独メディア
2014年12月17日、独ラジオ放送ドイチェ・ヴェレ(中国語サイト)によると、中国はハンガリー、セルビアと3カ国共同でベオグラードとブダペストを結ぶ高速鉄道を建設することで合意し、間もなくベオグラードで開催される中・東欧16カ国首脳会議の期間中に最終的な合意文書への署名が行われる。
中国の高速鉄道は現在まで海外での建設は実現させていないが、このベオグラード-ブダペスト高速鉄道を皮切りに、欧州バルカン半島地域やメキシコ、トルコ、イランなど20余りに上る海外市場への進出を加速させようとしている。
すでにシンガポールやシベリアを横断する高速鉄道路線などで交渉が進められており、米国でのプロジェクトにも積極的に応札している。
中国は高速鉄道を利用した外交を展開しており、中国工程院の鉄道専門家は、
「腕時計といえばスイス、
機械はドイツ、
電子産業は日本だが、
将来的には『高速鉄道は中国』と言われるようになるだろう」
と自信を見せた。
中国の高速鉄道は、その価格の安さを最大の武器に独シーメンスのICEや日本の新幹線の強力なライバルになりつつある。
中国の高速鉄道は2007年に運用が始まったばかりで、技術的には譲るものの、中国政府は鉄道メーカーの南車と北車を合併させ、競争力をさらに高めようとしている。
』
高速鉄道は早晩、白物家電と同じように「完成した技術」になる。
高速鉄道は投下する資本が半端ではない。
その点が中国の強みになる。
技術的には時間とともに過去のものになってしまう。
資本については今の時点では中国に絶対的な強みがあるが、技術的にはそれを越えられるかという部分で、技術立国としての価値が出てくる。
蒸気機関車が電車へ、電車が高速鉄道へ、そして高速鉄道が何に進展するのか、
歴史の波は予測不可能なほどに、ドラマチックに動いている。
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