2014年8月24日日曜日

日本という国があってよかった、中国は幸せだ!:「日本はもはや中国人の想像とかけ離れている」

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レコードチャイナ 配信日時:2014年8月24日 3時10分
http://www.recordchina.co.jp/a93040.html

日本という国があってよかった、中国は幸せだ!―中国ネット

 2014年8月21日、中国の作家で文学博士の陳希我(チェン・シーウォー)氏が書いた
 「日本の存在は、中国にとって大きな幸せだ」
と題した記事が、中国のブログサイト・網易博客に掲載されている。以下はその内容。

 「日本はいい国?悪い国?」という質問ほど幼稚なものはない。
 「悪い国だ」と言えば、相手は安心する。
 だが、「いい国だ」と答えれば、相手の顔色が変わる。
 中国では親日派=売国奴なのだ。

 「日本は昔の恩を忘れて中国を侵略した」と中国人は考える。
 中国人は歴史的角度からでしか日本を見ることができない。
 例えば「日本の文化は中国に由来する」と中国人は主張するが、
★日本の良いところは「中国から来た」と言い、
★悪いところは「日本独自のもの」と主張する
のだ。

 日本は中国に対し罪もあるが功労もある。
 日清戦争で日本は中国を侵害したが、最も責めを負うべきは当時の中国の統治者だ。
 彼らの頑迷さが中国を失敗に導いたのだ。
 客観的にみれば、日清戦争は中国を刺激して変革へ導いた。
 日本は中国にとって非常に重要な「刺激要素」として存在している。
 日本の存在があることは中国にとって幸運なことなのだ。

 日中戦争では確かに日本は中国を侵略した。
 だが当時の中国の統治者は独裁者であり、まともな政治が行われていなかった。
 南京事件の犠牲者30万人をめぐって論争が起こっているが、中国の指導者が数千万人の中国人を殺したことについては言及されることはない。

 1980年代に中国が大きく変わろうとした際、最も協力してくれたのが日本だ。
 今、日本を憎悪する中国人はこうした日本の功績を決して認めようとはしない。
 中国人の日本人に対する態度は
 「グチばかりこぼす女
のようだ。
 「私にひどいことをした。だから償え!」
と叫んでいる。
 中国人に必要なのは、自分を強く持ち、自己の尊厳を再び確立することにあるのではないだろうか。



サーチナニュース 2014-08-31 20:55
http://news.searchina.net/id/1542176

中国は日本よりも40年遅れている=中国メディア

 中国メディアの捜狐財経はこのほど、第2次世界大戦後の日本と中国は似たような経済発展を遂げてきたとし、
 「十数年にわたる高度経済成長の末に国内総生産(GDP)で第2位の座を手にしたことなど、共通点は多い」
とする一方、
 「各種データから中国は日本より約40年遅れていることが分かる」
と論じた。

 記事は、日本がGDPで世界第2位の経済大国になったのは1968年だったとし、中国は1978年から経済成長を続け、2010年に世界第2位になったと紹介。
 さらに、中国は経済成長とともに世界における地位も上昇し、重要度も増していると主張した。
 また、
 「中国は日本経済への依存度が低下する一方で、日本の中国経済への依存度はますます高まっている
と主張しつつも、
 「中国が日本より42年遅れでGDP世界2位になったように、中国は今なお日本に大きく後れをとっており、ほかの指標でも約40年遅れていることが分かる」
と論じた。

  続けて、日本人と中国人の平均寿命を比較し、
 「日本は戦後の衛生環境の改善によって寿命が大きく伸びた」
と紹介。
 中国人の2010年の平均寿命が74.8歳であることを指摘したうえで、日本人の平均寿命が74.8歳だったのは1976年のことだとし、
 「平均寿命では中国は日本に34年の遅れがある」
と論じた。

 さらに、中国の2010年の乳幼児死亡率は13.0%であり、日本の乳幼児死亡率が13.1%と同水準だったのは1970年のことだと指摘、「やはり40年も遅れている」と主張した。
 また、農業など第一次産業がGDPに占める割合について、中国は2013年に10%、日本は1968年に10.1%で「45年もの差がある」と指摘した。
  そして、家計の消費支出に占める飲食費の割合であるエンゲル係数については「47年もの開きがある」と紹介。
 記事は、中国は経済の規模においては日本を超えたとしながらも
 「社会の発展度合いにおいては日本との差は今なお大きい」
と主張し、中国政府はGDPばかりでなく、日本社会との「差」を正視してもらいたいものだと論じた。
(編集担当:村山健二)



レコードチャイナ 配信日時:2014年8月22日 5時40分
http://www.recordchina.co.jp/a93005.html

日本の恐ろしさは靖国や尖閣にはない!と主張
=「日本はもはや中国人の想像とかけ離れている」―中国ネット

 2014年8月21日、中国のインターネット上に、中国は日本とどれだけ差があるのかについて記された文章が掲載され、注目を集めている。 
 以下はその概要。

日本について話すとき、中国のインターネットでは2つの論調がある。
●1つは民族主義を前面に出した「骨の髄まで“小日本”を憎む」というもの。
●もう1つは比較的冷静に「日本はアジア唯一の先進国だ」と見るものだ。
 では、中国はどれだけ日本に後れを取っているのだろうか。

■まず森林面積だ。
 日本は67%を誇り世界屈指。
 一方、中国はわずかに12%だ。
 泣くに泣けないのが、中国はこのような状況に至ってもなお、商業伐採をやめないことだ。
 2013年、日本は自国で消費する割りばしの98%を輸入しているが、中国はその99.1%をまかなっている。

■日本は水資源も豊富だ。
 しかもその透明度や清潔度においても世界最高の水準である。
 しかし、中国には世界平均の4分の1の水資源しかなく、自然の水はそのほとんどが汚染されているか、汚染の危機に瀕している。

■大気汚染は中国のほぼ全土で深刻な状況だ。
 世界190カ国あまりの大気汚染が深刻な10の都市に、中国から4都市がランクインしている。

■教育面でもそうだ。
 日本の識字率は100%である。
 小中学校を卒業した人の割合は日本が100%であるのに対し、中国は32.7%である。
 高校卒業になると、日本は96.8%、中国は14%
 大卒者の割合は日本が48%なのに対し、中国はわずかに8%である。

■ノーベル賞の数も比較してみよう。
 2013年までに、日本は19人のノーベル賞受賞者を輩出している。
 そのうち、物理学、化学、生物医学など自然科学の分野では16人も受賞者がいる。
 中国はこの分野での受賞者はいない。

■日本経済を語るとき、「中国はGDPで日本を追い抜いた」とよく言われるが、多くのネットユーザーは「貧富の差」を意識していない。
 貧富の差を測る数値としてジニ計数というものがある。
 簡単に言うとこの数値が大きいほど貧富の差が大きく、社会が安定していないということだ。
 中国の2013年のジニ計数は0.47で、世界の警戒水準の0.44を超えている。
 一方、日本はわずか0.26であり、もはや中国人が想像できる世界とは大きくかけ離れている。

 日本の恐ろしさは靖国参拝や尖閣諸島(中国名:釣魚島)、台湾問題にあるのではなく、
 理性のある国家管理や
 成熟した社会システム、
 国民の高い素養、
 深く練られた国際競争戦略
のなかにこそあるのだ。



【描けない未来:中国の苦悩】





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業績不振にあえぐ韓国企業::韓国ネット「韓国の未来は大変」

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●(写真は海外網の28日付報道の画面キャプチャ)


サーチナニュース 2014-08-29 21:05
http://news.searchina.net/id/1542148

「対話は条件ありき」の朴大統領 
対話姿勢が日本や北朝鮮との関係発展を阻害=韓国英字メディア

 中国共産党機関紙・人民日報の海外版である海外網は28日、韓国の英字紙The Korea Timesが朴槿恵大統領の1年あまりの外交政策について分析する記事を掲載したことを伝え、
 「一定の評価をする一方で問題も少なくない」、
 「北朝鮮および日本との外交において、朴槿恵大統領が設定した前提条件が関係の発展を阻害した」
と論じたことを紹介した。

 記事は、The Korea Timesが
 「朴大統領は内政に比べて外交で高い評価を得ている」
とする一方、外交手腕が特に優れていたわけではなく、
 単純に内政の手腕があまりにもお粗末だったからと批判した
ことを紹介。
 続けて、朴大統領の内政のお粗末さは経済回復の遅れや民主主義の後退、旅客船沈没事故の処理のまずさに露骨に現れていると論じたと伝えた。  

  続けて、韓国の外交が苦境に立たされている最大の理由について、
 「朴大統領がどのような対話についても前提条件を設けたこと」
と指摘。  
 北朝鮮については核の放棄、日本については歴史認識を改めない限りは対話は行わないとした朴大統領の考え方は
 「間違ってはないないが、朴大統領の要求が通るわけがない」
と批判したうえで、 
 北朝鮮は核開発を進め、
 日本も以前は認めていた慰安婦問題を否定し始めるなど逆効果になったと批判し、The Korea Timesが「朴大統領は日本と北朝鮮との会談の準備を整えたうえで、理路整然としたロジックと熱意で説得する必要がある」と論じたことを紹介した。
(編集担当:村山健二)



レコードチャイナ 配信日時:2014年8月24日 6時30分
http://www.recordchina.co.jp/a93096.html

業績不振にあえぐ韓国企業::韓国ネット「韓国の未来は大変」
「日本に技術使用料を払っているようじゃ…」

 2014年8月20日、韓国紙・中央日報によると、韓国の製造業が中国の追撃で業績不振に陥っている。
 半導体の材料は日本に依存している。

 韓国大手化学企業・カプロは昨年1127億ウォン(約113億円)の営業赤字を出した。
 中国が同社の製品を買わなくなったからだ。
 サムスンも中国スマホ市場で中国メーカー・小米(シャオミ)に1位の座を奪われてしまった。

 これについて、韓国のネットユーザーは辛辣なコメントを寄せている。

●「あほらしい!何が市場競争だ!
 こんなに不動産価格が高騰してるのに。
 政府ができるのは為替レートの調整だけだ」
●「韓国人は大学入試や入社試験のために青春を犠牲にしている。
 なぜなら工場なんかで働くのは家族の恥だと考えているからだ。
 工場が閉鎖されるのも当たり前」

●「サムスンだって、独自の技術なんて持ってないだろ。
 技術開発に金を使わないで、土地活用に力を入れてきた企業が世界の一流企業になれるわけがない。
 小米はそのうちテレビも生産するようになるさ」
「サムスンの最近の反中親日報道には何の意図があるんだ?」

●「技術力がなく、コピーしかできない企業はつぶれるに決まってる。
 韓国に本物のエコノミストなんかいない
●「デパートには外国製品ばかり。
 韓国のすべての中小企業がつぶれたら、韓国の将来は大変なことになる」

●「韓国の大企業が自国民に高値で販売して稼いだ金は、最後には外国の株主の懐や技術使用料として日本企業に流れ込むんだ。
 それなのに政府は外国企業に対する優遇策を行っている。
 韓国人はそのうちスッカラカンになるぞ」




サーチナニュース 2014-08-25 21:17
http://news.searchina.net/id/1541584

「韓国社会は不安」と国民の4割 
「性的暴行など4大社会悪」根絶目指す政策に「懐疑的」=韓国

 中国メディアの中国新聞社は25日、韓国の亜洲経済を引用し、韓国安全行政部が2013年7月から14年6月にかけて、毎月19歳以上の韓国人1000人、中高生1000人、専門家100人を対象に安全に関する体感度合いについて調査を実施したことを紹介。
 同調査で韓国人回答者の4割が「韓国社会は不安定」だと回答したと伝えた。

  記事は、調査結果として、
★.韓国社会が安定しているとの回答が13年上半期に行われた同調査より4.6%減の「23.9%」にとどまったことを紹介。
★.反対に、韓国社会は不安定との回答は同9.5%増の「39%」に達したと伝えた。

  さらに、韓国社会が安定しているとの回答は、旅客船セウォル号の沈没事故をきっかけに急激に減少したと紹介。
 事故によって4月の同回答の割合は3月に比べて18.5%も減少する一方、社会が不安定だとの回答は47.7%にまで急増したと報じた。

  報道によれば、同調査では、朴槿恵(パク・クネ)大統領が提唱した「性的暴行・校内暴力・家庭内暴力・食の安全問題」という4大社会悪の根絶についても半数以上が懐疑的な見方を示した。
   記事は、朴槿恵大統領のもとで韓国政府が推進している「4大社会悪の根絶」政策に対して「韓国国民から疑問の声が多く寄せられている」とし、家庭内暴力と校内暴力が改善されたとの回答はそれぞれ47.3%、49.5%にとどまり、前回の調査よりそれぞれ1.3%減、2.9%減になったと紹介した。

韓国社会は安定している:24%
韓国社会は不安定である:39%


レコードチャイナ 配信日時:2014年8月28日 9時9分
http://www.recordchina.co.jp/a93326.html

世界のハイレベルな人材が、“韓国を嫌う”のはなぜか―韓国メディア

 2014年8月27日、韓国・亜洲日報によると、韓国現代経済研究院が先ごろ発表した在韓外国人の人材の現況に関する資料で、韓国で働く外国人のうち、専門職人材の割合が経済協力開発機構(OECD)の平均を大きく下回っていることが分かった。
 中国新聞網が伝えた。

 韓国で働く外国人のうち、専門職人材の割合は12.2%で、
 英国(47.4%)、メキシコ(51.9%)、ニュージーランド(45.8%)
などと大きな差があった。

 2013年12月、グリーン気候基金(GCF)は韓国仁川松島に事務所を構えた。
 通常であれば、国際機関はグローバルでハイレベルな人材に人気の職場だが、応募者が極端に少なく、GCFは人材不足に陥ることになった。
 韓国政府関係者は、
 「ほかの原因もあるだろうが、
 韓国での仕事に興味を持つ先進国のハイレベルな人材は非常に少ない。
 その上、勤務地はソウルではない」
と話す。

 このような現象は大企業や政府機関に限ったことではない。
 ソウル大学は2011年に15億ウォン(約1億5000万円)の年俸でノーベル経済学賞を受賞したトーマス・サージェント教授を招いたが、教授は任期の半分を終えたところで米国に帰国してしまった。
 ソウル大学側は否定しているが、サージェント教授が帰国した理由は韓国での生活になじめなかったからだという。
 ある大学教授は
 「世界レベルの学者をとどめておくには、学校は本人と家族に良好な生活環境を用意しなければならない。
 しかし、韓国はこの点が十分ではない」
と話している。

 分析によると、外国の人材の場合、意思疎通や子どもの教育環境のほかに、
 韓国特有の組織文化も大きな影響を与えているという。
 あるヘッドハンティング企業の関係者は
 「サムスン電子も外国人の人材を積極的に採用しているが、本部であれ現地法人であれ、
 ハイレベル人材の多くはみな韓国の組織文化に耐えられずに辞めていく
と話す。

 米国の就職サイトには韓国企業への批判コメントが多数存在する。
 「○○社で働く時間はまるで地獄にいるよう」
 「××社は軍隊のよう。上司の言うことには無条件で服従しなければならない。理由を聞くこともできない」
といった声が並び、さらには韓国企業が募集をかけている目的は
 「(社内の)席を埋めたいだけだろう」
とのコメントまである。

 このほか、韓国へ留学する学生も減少傾向にある。
 現代経済研究院のデータによると、留学生の数は2009年の5万7244人から、2013年には4万9762人に減少した。
 同研究院は
 「留学生の減少は、卒業後に韓国にとどまって働く人材の流失を意味する。
 長期的な視点でこの問題を解決する必要がある」
としている。



レコードチャイナ 配信日時:2014年8月29日 12時45分
http://www.recordchina.co.jp/a93427.html

韓国の経済規模・競争力は日本の4分の1
=韓国ネット「笑える分析…」「日本人はきちょうめんで真面目だから当然」

 2014年8月29日、韓国の全国経済人連合会はこのほど、
 「韓国は経済規模、競争力の両面でいまだ日本の4分の1にすぎない」
と発表した。
 日本の国内総生産(GDP)は韓国の4倍、外貨取引量は8倍、海外直接投資は3.7倍、政府開発援助(ODA)は6.7倍もあるという。
 さらに、科学技術、研究開発分野でも両国の差は明らかだと指摘した。

これを受け、韓国のネットユーザーはさまざまなコメントを寄せている。

「日本を批判してばかりいないで、日本から学ぼう」
「日本は昔からずっと韓国より上にいるよ」
「韓国の製造業は単純作業が主だから、中国に奪われる可能性が高いことが問題だ。
 日本の産業は高付加価値化し、製薬業、金融業にまで進んでいる。
 韓国のすべての銀行総資産でも、日本の上位3行の銀行総資産に勝てないだろう」

「昔は多くの子どもたちが科学者を夢見ていた。
 いつから子どもたちはみんな同じ夢を持つようになったんだろう。
 アイドル、医者、公務員も必要だけど、韓国にはもっと多くの科学者が必要だ。
 結局、国の基礎は科学だから」
韓国は先進国で、日本の産業はガラパゴス化していると思っている人が多い。
 IT、電子、家電が産業のすべてではないのに」

「韓国だけでは自動車1台すら造れない」
「韓国の会社は労働者に犠牲を強いる環境だ。
 いまだにこんな一昔前の考えを強要しているのに、先進国になれるわけない」
「笑える分析だな。実際は20分の1くらいだよ。
 韓国が一丸となって20年間頑張って働けば4分の1になれるかも。
 根拠のない自信で自分たちを高評価することは国、個人を滅ぼす近道になる

「日本は韓国よりも先に経済成長した国だし、経済規模もかなり違う。
 まだ発展途中の韓国と比べるな。国民のやる気をそぐだけだ」
日本は人口が韓国よりも2倍以上多いし、大企業中心の韓国と違って、安定した中小企業が多い。さらに国民性もきちょうめんで真面目だから当然の結果だよ



レコードチャイナ 配信日時:2014年9月3日 10時46分
http://www.recordchina.co.jp/a93637.html

韓国経済の先行きに暗雲
=専門家「中国経済が回復するまで低迷は続く」―海外メディア

2014年9月1日、ロイターによると、韓国政府が発表した8月の輸出額(暫定値)が市場の予想を下回ったことが分かった。中国メディア・新民網が伝えた。

韓国の8月の輸出額は、前年同月比0.1%減の463億ドル(約4兆8615億円)で、市場の予想を下回った。
一方、8月の輸入額は同3.1%増の429億ドル(約4兆5045億円)で、貿易黒字額は34億ドル(約3570億円)となり、7月の貿易黒字額24億ドル(約2520億円)をやや上回った。

ロイターは、韓国は世界7番目の輸出国で、かつ貿易データを毎月発表する国の中では最大の輸出経済体であるため、韓国が発表するデータは世界全体の貿易動向をいち早く把握するためのデータとして、国際市場から大きな注目を集めているとしている。

 アナリストは
 「中国は韓国の最大の輸出相手国であり、中国経済が緩やかな成長から回復するまでは、韓国の輸出は安定せず、低迷が続くだろう」
と語り、韓国経済の前途は楽観視できないだろうと予測する。
 韓国は中国に対する輸出が全体の約25%を占めており、米国やEU(欧州連合)、日本などに対する輸出を大きく上回っている。


レコードチャイナ 配信日時:2014年9月4日 5時30分
http://www.recordchina.co.jp/a93683.html

韓国の国際競争力、2010年以来、最低に
=「何が問題なの?」「“失われた10年”じゃなく…」―韓国ネット

 2014年9月3日、世界経済フォーラム(WEF)の
 2014年国家競争力評価の結果、 韓国は144カ国中26位
となり、前年に比べ1ランク下がり、2010年以来、最低となったことが明らかとなった。

 WEFは企業の最高経営責任者(CEO)を対象としたアンケート調査と統計を合わせて国家競争力順位を付けている。

 韓国は、
 「基本要因」(20位)では、前年と同じだったが、
 「効率向上」(23→25位)と
 「革新と成熟度」(20→22位)
は順位が下がった。
 「マクロ経済」(9→7位)、
 「市場規模」(12→11位)、
 「金融市場の成熟度」(81→80位)
など3つの部門は順位が上昇したが、
 「保健および初等教育」(18→27位)、
 「労働市場の効率性」(78→86位)
など7つの部門で順位が下がった。

 政府関係者は、
 「今後の経済革新3カ年計画、規制改革、異常個所の正常化などを強力に推進して国家競争力を高め、国民が体感する成果を創出するように努力する」
としている。

このような現状に、韓国のネットユーザーから多くの意見が寄せられている。以下はその一部。

「雇用なき成長と負の二極化のおかげだね」
「今回の政権は失敗だね」
労働時間は世界で1、2位なのに、生産性は86位?
 何が問題なの?情けない大韓民国」
「国の危機がもう一度来ないといけないようだ。
 危機が来たら、気を引き締めて生活できるだろう」
朴大統領のおかげで、失われた10年じゃなくて、退化する10年になっちゃったね

ついに李明博(イ・ミョンバク)政権の5年間の業績が現れ始めたね」
「26位でも高すぎる順位だ」
「国民が一つにならないといけないのに、いつも争っている姿を見るとため息だけが出てくる。
 分裂する国は、絶対に立ち上がれない」

「セヌリ党が民主主義よりも重要視した経済発展、その結果がこれですね。よく分りました」
「成長中心政策に誘導しようと、餌を撒くメディア戦略の一つが国家競争力に関連する報道だ。
 しかし、この報道はセヌリ党が無能だということだけを証明しているじゃないか?」


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2014年8月15日金曜日

軍を叩き直そうとする習近平:腐敗させた江沢民:改革に失敗した胡錦濤

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●ロイターより


ロイター 2014年 08月 19日 12:48 JST
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPKBN0GJ06Z20140819

中国軍の腐敗に高まる懸念、日清戦争開戦から120年機に

[北京 19日 ロイター] - 東・南シナ海をめぐり周辺国との緊張が高まる中国で、軍の腐敗に対する懸念が高まっている。
 現職・退職幹部や国営メディアからは、あまりの堕落ぶりに戦争になっても勝てないのではないかとの疑念も出ている。

政府系メディアはここ数カ月、人民解放軍ではびこる汚職と、軍の腐敗が120年前の日清戦争における中国の敗北につながったことを関連付けた記事を相次いで掲載。
 ステルス戦闘機の開発や2012年の空母就役など、急速な軍の近代化を考えれば懸念はつきものだが、2件のスキャンダルが軍の腐敗体質をあらためて浮き彫りにした。

 中国は6月、賄賂を受け取ったとして、軍制服組最高幹部だった徐才厚・元共産党中央軍事委員会副主席の党籍を剥奪し、軍法会議にかけると発表した。

これより前には、徐氏に近い谷俊山・元総後勤部副部長も汚職で起訴された。
 関係筋がこれまでにロイターに語ったところによると、谷氏はお金の見返りに軍内のポストを与えたり、軍が保有する土地の開発契約に絡んで利益を得たりしたとされる。

 軍高官らが懸念するのは、中国で長年にわたり公然の秘密となっている幹部ポストの売買だ。
 こうした悪弊が優秀な人材の排除につながっているとされる。

上海に拠点を構えるオンラインニュースサイト「澎湃新聞」が先週伝えたところによると、軍の元幹部で論客として知られる羅援氏は「腐敗幹部が現れ続ければ、軍にいくらお金を投じても足りないだろう」と指摘。
 「徐才厚や谷俊山のような腐敗幹部が吸い上げたお金は数億もしくは数十億元になる。これでどれだけの戦闘機がつくれるのだろうか。腐敗を取り除かなければ、戦う前に敗れるだろう」
と話した。

ロイターは徐氏や谷氏と接触することができず、コメントを得られなかった。

人民解放軍の腐敗についてコメントを求めたが、国防省から回答は得られなかった。



 WEDGE Infinity 日本をもっと、考える  2014年08月15日(Fri)
  小原凡司 (東京財団研究員・元駐中国防衛駐在官)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4113?page=1

軍を叩き直そうとする習近平
腐敗させた江沢民、改革に失敗した胡錦濤

中国民用航空局は、2014年7月20日から8月15日まで、上海など12の空港を発着する航空便を25%減らすよう国内航空会社に求めた。
対象になったのは、東シナ海に面する南京、済南両軍区内にある空港が中心である。
この発着便削減は、日本では、日米などを想定した軍事演習を控えた措置ではないかと見られている。

 実際に中国人民解放軍は、2014年7月から大規模な実弾演習等を開始しており、空港の発着便削減はこの演習の影響を受けているのだ。
演習のために民間航空機の運航に影響が出るのは今に始まったことではない。
中国の空域は空軍が管理している。
地域によって低空域は民間に開放されたが、航空路を飛行する民間の急患輸送機が数日待たされることもあると聞く。
 しかし、ここまで大規模な規制は聞いたことがない。

■3カ月という期間も異例の長さ

 演習全体の期間は航空機発着制限の期間をはるかに超え、約3カ月と異例の長さである。
 また、規模も大きい。中国の国営メディアよると、7月15日以降、総参謀部の計画に従って、南京、瀋陽、広州、北京、成都、済南の6つの軍区から、長距離ロケット、砲兵、防空旅団等、陸軍の10個部隊が、全員全装備で、順次6つの訓練基地に赴き、実弾演習等を実施するという。

 しかし、この中国メディアの表現は、一つのシナリオに基づいた応用訓練を報道したものではない。
 演習参加部隊は、それぞれの訓練基地に展開して、個別に基礎的な訓練を行っていると言っているのだ。
 シナリオを用いた応用訓練であれば、長くても1カ月程度というのが一般的である。

 また、中国のインターネットや報道などで公開されている「陸軍の演習の様子を撮影した」とされる写真の中には、射撃する戦車の砲塔の上やキャノン砲の傍らで、手に持った赤い手旗を上げている姿が写っているものが数枚ある。

 これは、日本でも射撃訓練を行う際に見かける光景で、「自分の車両或いは砲が射撃する」ことを周囲に示し、危険を回避するよう注意喚起するための動作である。
 陸軍の各部隊は、少なくとも、長期にわたる演習期間の初期には、射撃等の個別訓練を、順に行っているのだと言える。

■「戦えるようになれ、勝てるようになれ」

 中国の報道によれば、今回の演習の目的は、習近平指導部が求める実戦能力の向上を図ることにある。
 日本では、8月15日の終戦記念日、9月11日の日本政府による尖閣諸島購入、9月18日の柳条湖事件等、中国にとって敏感な日が続く時期に演習を実施することについて、日本を牽制する狙いがあると言われるが、中国の報道もまた本音を述べている。

 2012年12月、党総書記、党中央軍事委員会主席に就任したばかりの習近平主席は、広州軍区を訪れ講和を行った。
 講和で用いられた「戦えるようになれ、勝てるようになれ」という言葉は、現在では人民解放軍でスローガンとして繰り返し用いられる。

 習主席が、主席就任早々、
 「戦えるようになれ」と号令しなければならなかったのは、人民解放軍が戦える状態にないからに他ならない。
 少なくとも、中国指導部はそのように認識している。
 しかも、指導部と言うのは、習近平指導部だけではない。

 胡錦濤前主席は、既に、人民解放軍が戦える状態にないことに危機感を有していた。
 そして、実際の努力も行っている。
 2006年6月、人民解放軍全軍軍事訓練会議に出席した胡錦濤は、「厳しい訓練を実施してこそ強軍になる」と述べ、「実戦の必要性から出発し、困難で厳しい訓練を実施せよ」と号令をかけた。

 また、
 「機械化条件下の軍事訓練から情報化条件下の軍事訓練への転換を自覚的、自主的に進めなければならない」
とも述べている。
 指示は「機械化から情報化への転換」に限定しているが、要は、「自分で考えて訓練しろ」と叱っているのだ。
 そして、胡錦濤は同年10月に「訓練大綱」を発布した。
 当時の中国メディアは、「人民解放軍の訓練は歴史的転換を遂げた」と報じている。

■軍に腐敗を蔓延させた江沢民

 胡錦濤が「実戦的な訓練をしろ」と号令をかけなければならない状態に人民解放軍を陥れたのは江沢民だ。
 中国軍関係者によれば、江沢民が
 「訓練で死者を出してはならない」
と指示したことから、各部隊は、これ幸いと、真剣に訓練をしてこなかったのだという。

 江沢民時代は、人民解放軍にも腐敗が蔓延した。
 江沢民は、軍に自らを支持させる代わりに、厳しいことを言わず、それどころか、汚職増大の土壌を提供したのだ。
 多くの軍人は、訓練をおろそかにし、不正蓄財に精を出した。
 当時、中央軍事委員会副主席の座にあった胡錦濤は、この様子に危機感を持ったからこそ、自らが主席になった際に軍を叩き直そうとしたのだ。

 しかし、である。
 「歴史的転換」は、それまでと同じ表面的な粉飾でしかなかった。
 それまでも、白字でスローガンを書いた赤い横断幕を掲げたその前で陸上戦闘訓練を行っている写真などが報道されている。
 また、浮上した潜水艦から発射された魚雷が水面を跳ねていく写真が報道されたこともある。
 訓練としては全く意味のない行為だが、ただ単に、訓練していることをアピールするために、滑稽な写真を報道することになったのだ。

 胡錦濤の指示を受けた各部隊は、こぞって、いかに実戦的な訓練をしたかをアピールしようとしたが、これも滑稽な訓練の様子を呈することになってしまった。
 いや、この時は滑稽では済まなかった。
 「実戦的」をアピールするために、けが人が出るとは思えない訓練でも、けが人を続出させたのだ。

 結果として、胡錦濤は、
 「訓練は、実戦的でなければならないが、安全でもなければならない」
と、指示を出し直さざるを得なくなった。
 笑い話にもならない。
 人民解放軍では、訓練の質と安全を両立させることを「双赢(二つの勝利―Win-Winの意)」とも呼んだ。
 そして、2008年7月に「人民解放軍安全条例」が発布されるに至ったのである。

 結局、胡錦濤は江沢民の影響から逃れることはできなかった。
 中央軍事委員会副主席の座には、依然、徐才厚が居座り、江沢民の影響力が残っていることを厳然と示していた。
 胡錦濤が軍内に影響力を及ぼすことは難しかったのである。

■「訓練の実戦化」をやり直す習近平

 2014年3月21日、人民解放軍総参謀部は、中央軍事委員会が示した「軍事訓練の実戦化の水準を高めることに関する意見」を徹底させるため、
 「强军必兴训 实战先实训(訓練をしっかりしてこそ強軍になる。
 実際に戦うためには先に実戦的な訓練が必要である)」
と通知を出した。
 胡錦濤が掲げた「强军必须兴训治训务必从严(厳しい訓練を実施してこそ強軍になる)」というスローガンと、同じ表現である。

 これは、習主席が進めようとすることが、胡錦濤が進めようとしたことと同様であるということを意味している。
 胡錦濤が達成できなかった「訓練の実戦化」をやり直すという意味なのである。

 そして、人民解放軍の大規模演習が始まった。
 開始されたのは、徐才厚が党籍はく奪処分を受けた後の7月である。
 各軍種及び大軍区の高級将校たちとは既に手打ちもできている。
 習主席は、江沢民の影響を排除し、軍内をある程度掌握したからこそ、厳しい訓練を人民解放軍に強要することが出来るようになったとも言える。

■改革は成し遂げられるか

 軍内の腐敗が正されて予算が適正に執行され、本気で訓練を重ねれば、人民解放軍は、本当に手ごわい軍隊になるだろう。
 しかし、またもや、「しかし」である。
 これまで、中国ではこうした改革が成功した試しはない。
 現在でも、面従腹背の状況は改善されていない。

 2014年7月16日に開かれた国務院の幹部会議で、李克強首相が、各省庁及び地方の幹部に怒りをぶちまけた。
 「いくつかの地方や部門は仕事の手配は重要そうにやるが、実施するときは手軽にやる」、
 「困難にあうと避けて通る」、
 「なまけたり、手を抜いたりする」、
 「形だけ実行する者がいる」
等の李克強首相の表現は、中国指導部の指示に対する各部の面従腹背ぶりを示すものだ。

 人民解放軍も例外ではない。
 軍は、自ら「ようやく真面目に訓練するようになった」とは言えないだろう。
 出来る段階にないものを出来ているように見せる可能性もある。
 この段階で統合演習などを実施したとしても、結局、中身を伴わない表面的なものに過ぎない。
 しかし部隊は、中央に自らの功績をアピールするために、「高度で困難な訓練」を実施したと誇張しがちなのだ。

 また、面子のために演習の本当の目的を言えないとすると、別の理由を付けてくるかも知れない。
 対日牽制である。
 したがって日本は表向きの理由に過度に反応する必要はない。
 必要とされるのは、人民解放軍の「訓練の実戦化」がどの程度実現されるのか、現在展開されている演習を注意深く見守ることだろう。



JBpress 2014.08.22(金)  宮家 邦彦
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41549

中国は今の人民解放軍で本当に戦えるのか
自衛隊と人民解放軍の違い

 日清戦争から120年の今年に入り、中国では解放軍内の不正・腐敗が有事の戦闘能力に及ぼす悪影響を懸念する声が高まっているという。
 8月19日付北京発ロイター通信記事は、解放軍幹部・国営メディアなどで、
 「戦争になっても勝てないのではとの疑念も出ている
とまで報じている。

 一方、日本の自衛隊についても新しい発見があった。

 実のところ、この原稿は御殿場からの帰りの車内で書いている。
 陸上自衛隊の富士総合火力演習のリハーサルと国際活動教育隊を見学させてもらったのだが、なるほど自衛隊もやるものだと感じた。
 という訳で、今回のテーマは「日中もし戦わば」である。

■中国国内の懸念


●陸上自衛隊による東富士演習場による実践演習〔AFPBB News〕

 例によって、関連報道・事実関係をまとめてみたい。まずはネット上で拾ってきた中国内の論調から始めよう。

 今年7月は日清戦争開戦120周年だ。

 中国共産党の機関紙「人民日報」や人民解放軍の機関紙「解放軍報」などでは同戦争の敗因分析が活発に行われているらしい。
 各種報道を読む限り、中国側はこの件につき共産党・軍主導で組織的かつ大規模なキャンペーンを張っているようだ。

 こうした背景には、今も軍にはびこる不正・腐敗や海洋主権確保能力に対する習近平総書記の危機感があるとの見方が根強い。

 だがこれとは別に、党内・軍内・学会には
 1894年当時圧倒的に優勢とされた清帝国が日本に敗れた理由、その教訓に学ぶべきだとの論調が少なくないという。
 少し具体例を挙げよう。

●甲午(日清)戦争に敗れた真の原因は、清朝の政治体制・官僚制度・軍隊が腐敗・堕落していたからである。(光明日報)

●明治維新後に「殖産興業」を進め、西側資本主義の社会制度を導入した日本に対し、清が1860年代に展開した「洋務運動」は社会制度に触れず、改革の効果も日本に及ばなかった。(社会科学院研究者)

甲午戦争の敗勢は、根本的に清の内政・外交の全面的な失敗が引き起こした。
 今日の中国も当時と同様、全面的な改革が歴史的任務であり、改革の成否が国家の未来を決める。(第一財経日報)

●海洋権力の喪失が近代中国の落後を加速させた。海洋強国を建設する歴史的使命は、既に現代中国人の双肩にかかっている。(人民解放軍後勤学院教授)

■ロイター通信の記事

 こうした中国内の状況を8月18日付北京発ロイター通信記事は次のように伝えている。

●東・南シナ海をめぐり周辺国との緊張が高まる中国で、最近人民解放軍の不正・腐敗に対する懸念が高まっている。

現職・退職幹部や国営メディアからは、あまりの堕落ぶりに戦争になっても勝てないのではないかとの疑念も出ている。

●中国政府系メディアはここ数カ月、人民解放軍ではびこる汚職と軍の腐敗が120年前の日清戦争における中国の敗北につながったことを関連付けた記事を相次いで掲載している。

軍の腐敗体質は、谷俊山・元総後勤部副部長と徐才厚・元共産党中央軍事委員会副主席の収賄容疑という2件のスキャンダルにより改めて浮き彫りにされた。

軍高官らが懸念するのは、中国で長年にわたり公然の秘密となっている幹部ポストの売買だ。
 こうした悪弊が優秀な人材の排除につながっているからである。

●軍の元幹部で論客として知られる羅援氏は「腐敗幹部が現れ続ければ、軍にいくらお金を投じても足りないだろう」と指摘した。

●同幹部は、「徐才厚や谷俊山のような腐敗幹部が吸い上げたお金は数億もしくは数十億元になる。
 これで何機の戦闘機が作れるのだろうか。
 腐敗を取り除かなければ、戦う前に敗れるだろう」と述べた。

■イラク正規軍と同じ病根

 このロイター記事を読んで、筆者は思わず唸ってしまった。
 「これじゃ、イラク正規軍と同じじゃないか」。

 これにはちょっと注釈が必要であろう。
 筆者の念頭にあるのは、6月10日にイスラム過激派組織「イラクとシャムのイスラム国(ISIS)」がイラク北部の同国第2の都市モスルを占領した事件だ。

 2011年末に米軍がイラクから撤退した際、イラクには米軍が巨額の軍事費を投入し、8年間手塩をかけて育て上げた正規軍が存在した。

 イラク中から優秀な人材を集め、人種や宗派に関係なく養成したベストの人材を管理職に登用した。
 恐らく当時新イラク軍はアラブ諸国で最も強力な軍隊だったろう。

 そのイラク国軍の精鋭部隊を当時のヌーリー・マリキ首相が滅茶苦茶にしてしまった。
 国防相を兼任していた同首相は、人事権を濫用してスンニー系・クルド系の優秀な各部隊司令官をことごとく更迭し、同首相に近い無能のシーア派軍人を任命したからだ。

 もちろん、彼ら目的は贈収賄によるイラク国軍の私物化である。
 米軍撤退後3年にして、イラク国軍は不正・腐敗に塗れた「汚れた軍隊」に成り下がってしまったのだ。

 当然、各部隊の兵士たちはやっていられない。
 こんな汚れた連中のために命を賭ける気などさらさらないからだ。

 そこにISISがシリアからイラク北部に帰ってきた。
 イラクは数日間の戦闘でモスルを守る正規軍6個師団の兵員と装備を失った。

 6個師団と言えば正規軍全兵力の約4分の1だが、理由は戦死ではない。
 下級兵士の大半は軍服を脱いで実家に帰ってしまった。
 イラク正規軍は戦わずして「蒸発」したのである。

 この話、限りなく人民解放軍の現状に近いのではないか、と懸念するのは筆者だけではなかろう。

 中国の識者の中には、
 「19世紀末当時の清朝の軍隊に存在する問題はその多くが今と似ており、それはコネを利用する点や、派閥、腐敗等が含まれる
といった辛辣な意見もあるようだ。

 彼らは、
 「拡張と現代化(明治維新)の時期の日本軍隊は規律と責任感を強めたため、清朝の北洋艦隊を粉砕できた」
と考えている。
 清朝軍隊とイラク正規軍と人民解放軍。これら3つの軍隊組織には、気味が悪いほどの共通点がある。
 だが、三者の共通点はこれだけではない。

■急激に拡大した軍の弱点

 もう1つの重要な共通点は「軍隊の急激な拡大と近代化」だ。
 イラク正規軍もたった8年間で米軍と同じ最新装備を持つ近代的軍隊に変貌を遂げた。
 見てくれは確かに変わったが、中身は同じイラク兵士だ。
 そんな複雑な装備を一朝一夕で使いこなせるようになるはずはないのである。

 最新兵器を持つ新しい部隊の数が急激に増えても、全体の戦闘能力は直ちに向上しない。
 それどころか、新装備、新編成、新戦術に完熟するにはざっと5年10年の時間がかかる。
 そもそも、既に不正・腐敗で大幅に士気が低下していたイラク軍は、保持する装備品ほど強力な軍隊ではなかったのだ。

 このことは現在の人民解放軍にも言えることだろう。

 最近、南シナ海や東シナ海で米海軍や海上自衛隊・航空自衛隊に対する様々な嫌がらせが起きている。
 このように短期間で急激に拡大しながら
 兵員の練度が追いつかない未熟な軍隊ほど危険
なものはないのである。

 日清戦争直前、日本の陸上部隊は国軍として編成・装備が統一され、訓練・士気ともに高く、質的に清国軍を大きく凌駕していた。

 これに対し、清国本来の正規軍である八旗と緑営の軍制は乱れ、精神的にも腐敗堕落し、阿片戦争、太平天国の乱などを通じて、もはや軍隊として機能しなくなっていたという。

 さらに、当時の
 日本海軍は清国艦隊に総隻数、総トン数、巨大戦艦などの面で劣っていたものの、
 部隊の士気、技能、指揮統率面で清国海軍よりもはるかに優れていた。
 これに対し、数で勝る清国海軍には旧型艦艇が多く、訓練・士気ともに劣り、指揮権も訓練も統一されていなかったそうだ。

■陸上自衛隊の練度の高さ

 夕方まで御殿場にある陸上自衛隊国際活動教育隊で訓練を見学していた。
 PKO(平和維持活動)活動に投入される隊員の訓練のレベルは筆者の想像を超えていた。

 例えば、自動小銃への実弾の装填・抜弾訓練だが、2人の隊員が代わる代わる、一つひとつの確認動作をお経のように唱えながら装填・抜弾を繰り返していた。

 中東では米国、英国、豪州など各国軍隊の実弾装填・抜弾作業を何度も見てきたが、これほど美しい動きは見たことがない。
 これはもう単なる装填・抜弾動作ではなく、「茶道」、「華道」のような「様式美」のレベルに到達している。
 これこそ実弾の「装填道」と「抜弾道」、中国人には絶対無理だと思った。

 たまたま居合わせた豪州軍人にも聞いてみたが、豪州でこれほど深く(in depth)装填・抜弾動作を訓練することはないという。

 陸上自衛隊の人に聞いたら、
 「それはそうでしょう、でも日本人がやると、どうしても様式ができてしまうのです」、
と笑っていた。
 これが日本の自衛隊の士気と規律の根源だと実感した。

 もちろん、120年前と同じことが繰り返されるとは思わない。
 一番良いのは日中がお互いに衝突しないことだろう。

 現在の人民解放軍がイラク正規軍レベルだとも言わない。
 しかし、120年前の清朝軍レベルのままである可能性は十分ある。
 現在の中国国内の議論が建設的な結論に至ることを期待したい。


サーチナニュース 2014-08-11 13:25
http://news.searchina.net/id/1540194

中国軍内部に動揺・対立か・・・「政治上の自由主義を防げ」と指示

 中国人民解放軍内の政治査察機関である同軍総政治部がこのほど、
  「国防と軍改革を深める教育宣伝の提要」
を配布したことが分かった。
 同提要には、
 「勝手に議論をするな」、
 「政治上の自由主義を防げ」
などという内容が盛り込まれている。
 中国軍内部で政治路線などについて、動揺あるいは対立が広がっている可能性がある。

  総政治部は政治委員(政治将校)制度を通じて、軍の統制を行う。
 軍の宣伝、思想、政治、組織、規律などを実施し、軍事法院(軍事裁判所)や軍事警察も所管している。
 現在のトップは2012年10月就任の第14代の張陽上将(大将)。
 第12代の徐才厚主任(在任:2002年11月-04年9月)は中央軍事委員会副主席を務め2012年に引退したが、2014年6月30日、収賄などの不正行為で党籍を剥奪され、検察部門に訴追されることが決まった。

  総政治部が配布した「提要」は中国語で約1700文字、日本語に翻訳すれば3000文字以上にはなる、かなり長文だ。
  「提要」は、習近平中央軍事委員会主席(国家主席、共産党総書記)が国防と軍の改革を極めて重視しており、自らが組織を配置し、自らが指導して推進しているなど、改革の推進を強く求めた。
 改革については、制度改革や現代戦に勝利するためにも、
 「改革を積極支持せよ。意識をもって改革に身を投じよ」
などと繰り返し主張したが、改革の具体的な内容をとりわけ明示しているわけではない。
  ただし、軍人に対して
■. 「思想上、政治上、行動上において一貫して、党中央と中央軍事委員会、主席(習近平)と密接に一致させよ」、
■. 「政治上は一貫して、しっかりと覚醒し、政治規律、組織紀律、機密保持の紀律を厳守し、人々を誤らせ、改革を妨害する間違った言論を一貫して受け入れるな」、
■. 「勝手に議論をするな。
 噂に耳を傾けるな、信じるな、広めるな。
 政治上の自由主義を断固として防げ」
と、上部に対する服従を求めた。
  さらに
■. 「部隊の将兵にとっては、大局に服従し、指揮に従い、自分の任務を完遂し、本来の職務をしっかりとやることが、改革を深める力強い支持なる」
と、職務に専念することを求めた。

  中国軍が内部向けに配布する文書で、共産党や中央軍事委員会、同委主席への服従を求めることは通例だが、同「提要」では、「間違った言論」、「政治上の自由主義」などの用語を多用し、
 統制に服さない雰囲気を警戒する雰囲気が、とりわけ濃厚だ
  習近平国家主席は、2008年に国家副主席に就任したことで、胡錦濤前主席の後継者の地位を確定した。
 それ以前には、胡前主席と政治的立場が近い、李克強首相を後継者とみなす声が強かっただけに「大逆転」などとも評価された。
  習国家主席は、共産党長老や軍の支持を得て、中国における最高権力者の地位を得たとされる。
 しかしここにきて、軍内において政治方針についての動揺や考え方の対立が拡大している可能性がある。

 **********

◆解説◆ 
  習近平主席については、政権発足後1年半ばかりが経過しても
 「思想の本質や、何ををやりたいのかが、あまりはっきりわからない」
という点がある。
 ナンバー2の李克強首相については比較的明快だ。
 李首相は経済分野について、規制緩和による経済体質の改革を図っている。
 李克強首相が政権内において目指す“演じどころ”は、かつて国有企業改革で手腕を振るった朱鎔基首相と似ているといってよい。
  李首相にとって最大の障害は「既得権益層」ということになる。

 一方で、習近平政権が実施している「腐敗撲滅」の対象は、「既得権益層の中でも特に極端な人物」となるので、両首脳の「利害関係」は合致する。
  李首相とは違って「やりたいこと」がなかなか見えない習近平主席だが、就任以来、「人事の問題」を通じての政権掌握を重視しているように見える。
 就任の経緯からは、長老や軍から「コントロール」されやすい政権になりかねないが、腐敗撲滅運動で、長老らの過度の干渉に対する「報復手段」を確立しつつある格好だ。

  習政権はこれまでに、共産党中央政治局の周永康前常務委員や、徐才厚中央軍事委員会前副主席を、腐敗問題で断罪した。
 両氏ともすでに引退しており、中国のこれまでの慣例を打破し「引退した最高指導層経験者の責任を問う場合もある」ことを示したことになる。
 言い方を変えれば、「長老でも容赦しない」という意志表明でもある。

  腐敗撲滅運動は、国民の支持を強めることにもつながるという点でも、権力基盤の確立には有効だ。
 習主席は、内政において重要な経済については、李首相に「ほぼ丸投げ」状態とみてよいだろう。
 気になるのは今後、どのような方針で外交に臨むかということだ。
 これまでのところ習主席は「中国の夢」などという用語を使い、自国民の優越感を“くすぐる”手法を採用している。
 同手法は一般大衆からの支持獲得という点では有効だが、自国の優越性を印象づけた場合、国外との協調路線を取りにくくなるという“副作用”が生じやすい。 
 中国の場合にはこの“副作用”がとりわけ強く出現することが多く、
 「自国の正しさ」、「自国の強さ」に言及すると、
 個別の案件について「外交にはつきものの譲歩による“落としどころ”」を模索した場合、
 共産党や政府は「軟弱外交」と大きな非難を浴びることになる。
  さらに、協調路線に対する国内批判が高まったことが「政敵に利用」されることもある。

   中国ではこれまでも、内部の権力争いが国としての外交方針を左右する傾向が強かった。
 習近平主席も外交について「思想上の本音」にはあまり関係なく、強硬姿勢またはポーズをとり続ける可能性がある。
  その場合、外交問題で中国と対立した諸問題について、
①.「筋道論を貫いて中国と対決を続ける」のか、
②.「形式的には中国側に“面子(メンツ)”を持たせ、実質的にはこちらが多くを得る」のか、
いずれの“作戦”を採用するかの判断が必要となる。



【描けない未来:中国の苦悩】




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2014年8月14日木曜日

韓国の外交は危機的状況?:国民感情に訴えかける“ショー外交”を演じる政治家

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サーチナニュース 2014-08-14 05:48
http://news.searchina.net/id/1540504

韓国の外交は危機的状況? 
「原因は日本だ!」と外交専門家=香港メディア

 香港メディアの中国評論新聞網は11日、韓国メディアの中央日報が外交専門家30名を対象に韓国の外交について意見を聞いたことを紹介、専門家からは「韓国の外交における危機は日本が原因」との意見が多く寄せられたことを伝えた。

  記事は、韓国の外交は「現在、危機に陥っている」とし、日韓関係において2012年8月に当時の李明博大統領が竹島(韓国名:独島)を訪れて以降、日本と韓国の2国間による首脳会談は1度も行われていないと指摘した。
  さらに、外交専門家からは「韓国の外交における危機は日本が原因」との回答が多く寄せられたと伝え、「一刻も早く解消すべきリスク」との指摘もあったと報じた。
 特に、冷え込んだ日中関係が韓国にもたらすリスクを指摘する専門家は30人中14人に達したことを紹介、一方で日中関係が改善したとしても韓国にとってはマイナスの影響を与えるとの意見もあったという。

 また記事は、韓国の外交にとって最大の“リスク要素”も日本だとの意見が多かったことを紹介、延世大学の教授の意見として、
 「仮に日韓関係が良好であれば、日中関係がどういう状況であろうと韓国は影響を受けないが
現在のように冷え込んだ日韓関係のもとで日中が首脳会談を行えば、韓国の外交にとって大きな圧力になる
と伝えた。
   続けて同教授は、韓国の外交について
 「国家間の外交は歴史問題や安全保障問題という一部の問題だけで左右されるべきでない」
として問題があることを指摘した。
 一方記事は、米国の専門家から、日中関係および日韓関係は互恵の関係にあるべきとの意見が挙がったことも伝えた。



レコードチャイナ 配信日時:2014年8月14日 13時34分
http://www.recordchina.co.jp/a92623.html

「日韓関係の改善必要」専門家70%も、国民は5%だけ
「親日の専門家?」「反日は洗脳」―韓国ネット

13日、日韓関係の改善が至急の課題と考える専門家が70%に達する一方、そう考える国民は5%しかいないことが明らかとなった。
 このような現状に、韓国のネットユーザーから多くの意見が寄せられている。

2014年8月13日、このところ緊張状態が続く日韓関係について、韓国では専門家と国民の間でその認識に大きな差があることがわかった。

●.韓国・中央日報によると、取材に応じた専門家30人のうち21人は朴槿恵(パク・クネ)政権の外交政策の中で最も大きな失策として「対日関係の悪化」を挙げ、関係改善が必要との認識を示した。

●.一方、中央日報と韓国のシンクタンク・峨山政策研究院による全国の成人男女1000人を対象としたアンケート調査の結果では、
 「朴政権が外交的に協力を強化すべき国」として日本を選んだ回答者は4.9%にすぎず、
 北朝鮮(10.6%)をも下回った。

報道は、これほどの対日感情の悪化は、韓国政府の対日外交が国民の認識に影響を与えた結果だと指摘している。
 このような現状に、韓国のネットユーザーから多くの意見が寄せられている。以下はその一部。

「(取材に応じたのは)親日の専門家じゃないのか?」
「専門家って呼ばれる人たちは日本のロビー活動家だろう?」

「専門家の実名を明らかにしよう。
 こいつらは富裕層だろうし、親日の末裔(まつえい)じゃないのか?
 大多数の国民が経済的、地政学的な試練に耐えてでも日本は北朝鮮に次ぐ敵だと思っている」

「日本?被害のみを与えてきた異民族。
表と裏がある異民族。永遠の宿敵。
決して信じません」

「日朝関係は韓国を意識したもの」

「例えば、自衛隊が竹島(独島)周辺にまでやって来て侵略したとしても、言葉だけで防御する大韓民国。
 これが、この国の限界なのか?
 独島問題は他の問題とは違って、絶対に譲ることができない問題だ。
 政治家は、腹立たしいことを国内だけで議論するんじゃなくて、その力を国際舞台で使ってくれ」

「日本とは、好き嫌いの問題じゃなくて、実利的な次元で接しないといけない宿命の関係にある。
 韓国の立場では安部首相は大バカ者だけど、日本の立場では非常に有能だ」

「反日感情を持っているバカどもをじっくりと観察すると、完全に無知か、人間性が良くない連中だ。
 洗脳教育を受けたやつらは、知識もなく日本の悪口を言うのが愛国だと勘違いしている」



サーチナニュース 2014-08-15 05:48
http://news.searchina.net/id/1540624

日本との協力強化 必要性を認識する国民は5%足らず=韓国

 韓国メディア・中央日報の中国語電子版は13日、韓国国内の専門家の7割が「日韓関係を速やかに改善する必要がある」と認識しているのに対し、日本との協力強化の必要性を認識する国民はわずか5%足らずにとどまっていることが明らかになったと報じた。

  記事は、韓国の専門家30人中21人が
 「日韓関係悪化は朴槿恵(パク・クネ)政権外交の最大の失策であり、改善が必要」
と認識し、日中関係の悪化も「韓国が直面している脅威だ」」との見解を示したことを紹介。
 そのうえで、このほど国内の成年男女1000人を対象に実施したアンケート調査において、「朴政権が外交上で協力を強化すべき国」として日本を挙げた回答者がわずか4.9%と、北朝鮮の10.6%よりも低くなったことを伝えた。
  また、
●日中関係の悪化が韓国に悪影響を与えるとの回答も18.2%にとどまり、
●プラスの影響があるとの答えが38.5%に達したとした。

 アンケートではこのほか、
●6割以上の国民が「日朝関係の改善は韓国にとってマイナス」と認識し、
●「日米、日中関係の改善がマイナス」との答えもそれぞれ約5割
に達したことが明らかになった。

 記事は、この結果についてアンケート調査に携わった研究機関の責任者が
「政府の外交政策が一般人の意識に与えた影響の結果だ」
とし、
「もしこの意識が根付くようなことがあれば、政府にとってはかえって大きな政治的負担となる」
との見解を示したことを伝えた。
  また、韓国の成均館大学の教授が
「今の対日外交は、政府の政策が国民の反日感情に依存しているところに問題がある。
 日本にかんする問題が発生すると、政府責任者は国民感情に訴えかけるショー外交を行う」
と解説、別の教授は
 「対日外交において、たとえ国内の政治的立場や指導者自身の政治哲学から譲歩をしなかったとしても、大局を把握することができ、かつ実用性のある重大な選択をしなければならない」
と語ったことを併せて紹介した。



サーチナニュース 2014-08-21 21:05
http://news.searchina.net/id/1541283

「中韓との関係、改善急ぐ必要ない」 
日本企業、投資分散で依存度低下=中国

 中国メディアの参考消息は18日、共同通信が日本企業を対象にアンケートを行ったことを紹介し、
 「日中関係や日韓関係の改善を急ぐ必要はないとする回答があった」
と伝えた。
 さらに、英国メディアのBBCが同アンケートの結果について、
 「日本企業が投資を分散させたことで中韓への依存度合いが低下し、中韓との関係悪化を危惧(きぐ)する必要性がなくなったため」
と論じたことを紹介した。

 記事は、共同通信が日本企業106社を対象にアンケート調査を実施したことを紹介し、BBCが
 「対象企業のほとんどが中国や韓国で事業を展開している企業だ」
と指摘したと伝えた。
  さらにアンケートの調査結果として、
 「日中関係や日韓関係の悪化によって経済に影響が出ないよう希望する」
との回答や、
 「関係の改善を急ぐ必要はないが、冷静な判断のもと関係の修復を希望する
との回答があったと紹介。

  記事ではBBCが、
 「小泉純一郎氏が首相だった2001年から06年の時期は、悪化した日中関係は“政冷経熱”と形容され、政治的には冷え込みつつも、経済的なつながりは強固であったため、日本企業は中国との関係を改善するよう熱望していた」
と紹介したことを伝えた。

 また、2012年の尖閣諸島(中国名:釣魚島)国有化をきっかけに中国で起きた反日デモなどによって
 「中国の反日感情は投資リスクと認識された
と指摘したと報じた。
 続けて、
 「現在は日本企業の多くが領土や歴史をめぐる対立がなく、人件費も安い東南アジアへのシフトを進めている」
と伝えたとし、
 「日本企業は対中直接投資を減少させ、東南アジアへの分散投資を行っている」
と指摘、日中関係は今、政治・経済ともに冷え込んだ「政冷経冷」の状態にあると論じたことを紹介した。




JB Press 2014.08.26(火)  玉置 直司
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41560

日韓関係も「政冷経冷」超円高修正、
世界景気の影響に外交関係悪化が追い討ち



毎日のようにソウル中心部の明洞(ミョンドン)あたりをうろうろしているが、めっきり日本人の存在感が薄くなった。訪問者数だけでなく、経済関係も縮小しているのだ。
 明洞は向かいにロッテホテルやロッテ百貨店、ウエスティン朝鮮ホテル、さらにソウル市庁もあり、ソウルでも最大の観光スポットだ。

 2年ほど前までは、あちこちで大声で話す日本人観光客を見かけた。
 ところが、最近は、圧倒的な数の中国人ばかりが目立つ。
 近くに百貨店や大型免税店があるためか、大型観光バスでどんどん乗り付け、午後になると歩くのも困難なほどだ。
 日本人は、その間をちょこちょこと歩いているという感じになった。

■消える日本語の看板、まるで「中国人街」の様相に

 明洞の化粧品、みやげ物店も、日本語に代わって中国語の表示がドカンとある。
 ただでさえ急増している中国人だが、2014年の統計を見ると、韓国を訪問する日本人は減少しており、その差はますます広がっているのだ。

 2014年の1月から6月まで、韓国を訪問する日本人数はずっと前年同月実績を下回った。
 1~6月の訪問者数は116万3200人で前年同期比13.1%減だった。
 7月の日本人訪問者数も17%減。
 1~7月の累計でも、13.7%減の133万6000人だった。

 これに対して中国人の激増ぶりは衰えを見せない。
 1~7月の韓国への訪問者数は、前年同期比45.8%増の336万2000人に達した。
 この期間に韓国を訪問した全外国人の45.8%が中国人だった。

 韓国を訪問する外国人数は、日本より一歩先の2012年に1000万人を突破した。
 このままのペースで進むと、2015年にも中国人の訪問者数だけで1000万人を超える可能性がある。
 中国人観光客が無査証(ノービザ)で訪問できる済州島の一部やソウル中心部は、もう中国人街なのか、という錯覚に陥るほどだ。

 わずか2年前の2012年まで、韓国を訪問する外国人の最大シェアを握っていたのは日本人だった。
 そんなことが想像もできないほどの「日本人の存在感低下」だ。

 一方で、日本を訪問する韓国人の数も2014年になってずっと減り続けた。
 1月こそ、前年同月比9%増の25万5000人になったが、2月から5カ月連続して前年同月比割れとなった。
 1~6月の累計の訪問者数は、前年同期比3.3%減の127万6000人だった。

 ほかの統計をあたってみたら、訪問者数だけではなかった。
 2014年に入って、日韓間の貿易額もほぼ一貫して減り続けているのだ。
 韓国から日本への輸出額は、2014年1月に前年同月比20.1%減の28億1000万ドルとなったが、それ以降も、3月と4月を除いてマイナスが続いている。

■日本の対韓輸出が2ケタの減少、直接投資も減少

 逆に、日本からの輸出額はもっと大きな落ち込みだ。
 1月には前年同月比20.1%減の40億2000万ドルだったが、2月以降もマイナスが続いている。
 1~6月の累計で見ると、韓国から日本への輸出は161億9000万ドルで前年同期比5.4%減。
 一方で、日本から韓国への輸出額は、同12.2%減の267億8000万ドルだった。

 日韓間の貿易は、ずっと韓国の大幅な赤字だった。
 日本からの輸出がより減少したことで、1~6月の「韓国の対日赤字額」も105億9000万ドルと最近にない水準になった。

 それだけではない。
 日本から韓国への直接投資も減少している。
 日本から韓国への直接投資金額は、2013年には前年比40.8%減の26億9000万ドルになった。
 2014年になっても減少が続いている。
 1~6月の直接投資金額は、11億4882万ドルで、前年に比べて2億ドルほど減少している。

 なぜこんなことになっているのか。
 1つは、超円高の修正だろう。
 日本人の訪問者、特に観光客が目に見えて減り始めたのは、超円高の修正で、韓国旅行が「割高」になったことの影響が大きい。

 日本人客が多い大手ホテルの幹部は、
 「毎年何度か宿泊していただいたお客様の訪問ががくんと減った。
 調べたら、やはり、『高くなった』という理由が多いようだった」
という。

★.日本向けの輸出が減少していることも、超円高修正、ウォン高の影響があるはずだ。
★.もう1つは、世界景気の先行きが不透明で、韓国での投資など経済活動が活発でないことが言える。

 韓国での企業活動が活発でないと、日本からの設備や部品、材料の輸入が鈍るのだ。
 だが、果たしてそれだけなのか。

■日韓の「外交梗塞」が経済にじわり影響

 韓国の大手経済紙「毎日経済新聞」は8月14日付の1面トップと3面全部を使って
 「韓日外交梗塞(こうそく)・・・打撃を受ける経済」
という記事を掲載した。
 「韓国と日本が経済的に遠くなっている。
 歴史問題などを巡って政治的に冷たい関係になっているが経済的にも冷え込んでいる」
などと報じた。

 同紙は、日本でも韓国製のスマートフォンやラーメンなどの販売も影響が出ていると報じた。
 この中で、日本駐在の韓国企業支店長の
 「日韓関係が良かった時には韓国の食品に対する高感度が高かったが、関係が悪化してからは韓国製品の底辺を広げる契機がなくなった」
というコメントを紹介している。
 「日韓の政治的な関係が悪化しても、経済関係は大丈夫」。
 つい数年前まで、日本と韓国の企業人の間では、こんな声が強かった。
 だが、「ここ2~3年間の関係悪化は、じわじわと経済分野にも影響を与えている」(韓国在住の日本企業幹部)という声をよく聞くようになった。

 では、経済関係はこのままさらに冷え込むのか。
 ある韓国紙デスクは
 「経済分野に限らず、日韓関係がこのままで良いと考える声は韓国でも少ない」
と述べた上で、
 「韓国側に関係改善に向けた兆候も出ている」
と話す。

■朴槿恵大統領、日韓国交正常化50周年に向けて関係改善に意欲?

 このデスクは
 「朴槿恵(パク・クネ)大統領が、最近、来年が日韓国交正常化50周年であることに何度か言及した。
 関係改善への意欲の表れだ」
と期待する。
 韓国メディアによると、8月22日に次期駐日大使の信任状を受けるために青瓦台(大統領府)を訪れた柳興洙(ユ・フンス)氏に対して、朴槿恵大統領は
 「来年は日韓国交正常化50周年の年であり、(日本に)行ってうまくやって下さい」
と語ったと報じた。

 つい最近発表になった7月の韓国人の日本への訪問者数は25万600人で前年同月比2%増となった。
 日本の観光業界関係者は
 「セウォル号事故の影響で海外旅行自粛の風潮があったが、ようやく動き出した。
 8月以降もさらに増えるはずだ」
と予測する。

 日本企業の新規投資意欲も、一気に衰えたという雰囲気も感じられない。
 もちろん、
 「経済関係が徐々に遠くなっているのは単に日韓関係のせいだけではない」
との指摘もある。

 外交関係でも、政治と経済は密接な関係にある。
 政治関係が冷え込めば経済にも影響が出る。
 一方で、経済が冷え込めば、政治関係を改善させようという動きも出てくる。

 日韓首脳会談が実現するのかなど政治的な関係に注目が高いが、実は経済面での関係がどうなるのかも、大いに気なる。


サーチナニュース 2014-07-16 03:31
http://news.searchina.net/id/1537809?_ga=1.102663940.468241381.1389395454

日本は韓国を「捨てた」・・・韓国教授が主張、反日的態度が鮮明すぎた=香港メディア

 香港メディアの中国評論通信社は15日、韓国外国語大学国際関係学部の黄載皓教授に対して取材を行ったことを紹介し、黄載皓教授が「中韓関係がポジティブな関係だとすれば、日韓関係はネガティブな関係」、
 「韓国の反日的態度が鮮明すぎたため、日本は韓国を完全に捨てた」
と話したことを伝えた。

 記事は、安倍晋三首相の行動を見る限り、
  「日本はあくまでも中国に対抗する道を歩むと決めたのだろう」
と黄教授が語ったことを紹介。
 さらに、2010年に中国の経済規模が日本を超えて以来、
 「日本は国際舞台や外交上で軽視されることが多かったが、安倍氏が首相になってから他国は日本に明るさを見出した」
と述べたと伝えた。

  続けて黄教授は、
 欧州や東南アジアでは「歴史問題」がないため、日本はとても歓迎されていると指摘し、
 歴史問題を気にしているのは中国と韓国だけであり、
 「中韓の人びとは“多くの国が日本をないがしろにしている”と思っているが、実は、そう思っているのはわれわれだけだ」
と述べた。

  続けて、現在の日韓関係について、黄教授は「われわれが案じているのは米国との関係」と語り、
 安倍首相が「日韓関係悪化の責任は韓国にあるとして、米国に圧力をかけさせている」と主張。
 さらに、安倍首相は韓国が中国と接近することを見抜いていたと指摘し、「安倍首相は聡明だ」と語った。
 記事は黄教授が
 「韓国の外交には態度が鮮明すぎるという問題がある
と述べたことを伝え、外交には「曖昧さ」も求められるとの見解を示したことを紹介。
 続けて、
 韓国の反日的態度が鮮明すぎたため、日本は韓国を「完全に捨てた」
との見方を示した。



レコードチャイナ 記事入力 : 2014/09/30 10:00
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/09/30/2014093001192.html

韓国大統領の資源外交、79案件のうち56件は実績ゼロ
十数年でおよそ450億円がどぶに

 ここ十数年の間に大統領が海外を歴訪した際、資源開発などを目的に訪問先の政府とさまざまな覚書を取り交わし、韓国政府はそれらに基づいて巨額の投資を行ってきたが、
  実際は現時点で4300億ウォン(現在のレートで約450億円)の損失が発生
していることが分かった。

 国会産業通商資源委員会所属で与党セヌリ党の金漢杓(キム・ハンピョ)議員が29日に公表した産業通商資源部(省に相当)の資料によると、
 韓国政府は2003年以降、大統領の海外歴訪の際に石油やガスといった資源開発に向けて79件の覚書を取り交わした
が、そのうち
 71%に当たる56件は何の実績もないまま終わっていた。
 ロシア、ウズベキスタン、フィリピンなどで取り交わした7件のケースを見ると、韓国石油公社と鉱物資源公社は探査や試掘のために4300億ウォンの資金を投じたが、最終的に事業として成立し得ないことが分かりどれも中断していた。

 79件の覚書のうち、実際に資源を確保できたのは18件
しかなかった。
 政権ごとに見ると、
 盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権では26件中10件、
 李明博(イ・ミョンバク)政権では49件中8件
でしか成果が出ていなかった。
 現政権ではこれまで4件の覚書を取り交わしたが、今のところ事業として成立しているものは1件もない。
 なお、覚書を取り交わす際に予想された実績と実際の実績の割合は
 石油が7.2%、
 レアメタル0%、
 ガスは50%
だった。





【描けない未来:中国の苦悩】


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2014年8月13日水曜日

日本の13年の対中投資:2/3に激減、中国の在留邦人減少、日本企業の中国離れ鮮明に

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レコードチャイナ 配信日時:2014年8月13日 6時10分
http://www.recordchina.co.jp/a92495.html

日本の13年の対中投資、関係悪化で大幅減
=「世界最大の市場を恥知らずの日本に提供するな」―中国ネット

11日、日本貿易振興機構がまとめた「世界貿易投資報告」によると、
 13年の日本の中国向け直接投資は前年比32.5%減少
した。
 一方、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けは同2.2倍に急増。
 ASEAN向けが中国向けの2.6倍になった。

 2014年8月11日、日本貿易振興機構(ジェトロ)がまとめた2014年版「世界貿易投資報告」によると、
 13年の日本の中国向け直接投資は前年比32.5%減の91億ドル(約9300億円)だった。
 一方、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けは同2.2倍の236億ドル(約2兆4119億円)に急増した。
 環球時報(電子版)が伝えた。

 12年は中国向けがASEAN向けを上回っていたが、13年は逆転して差が2.6倍まで広がった。
 日本メディアは日中関係の悪化や中国での人件費上昇がその背景にあると指摘した。

 このニュースに、中国のネットでは
 「世界最大のマーケットを、恥を知らず徳も信用もない国に提供し、利益を上げさせる必要はない」
 「日本は中国での日本製品ボイコットを回避するため、東南アジア経由で中国に輸出しようとしている」
などのコメントがみられた



レコードチャイナ 配信日時:2014年8月20日 8時10分
http://www.recordchina.co.jp/a92884.html

日本の対中投資がASEANに分散、
日中関係は「政冷経熱」から「政冷経冷」へ―英メディア

2014年8月19日、英BBCウェブサイトは、日本メディアが発表したアンケート調査で、日本企業の中国へ依存する心理が弱まっている一方、東南アジア諸国連合(ASEAN)に投資が向かっていることが明らかになったことについて、「日中関係は“政冷経冷”の状態となった」と伝えた。
環球網が伝えた。

データによると、
 日本の2013年の対外直接投資は過去5年で最高となる1350億ドル(約13兆8500億円)
に達した。
そのうち、ASEANへの投資が236億ドル(約2兆4200億円)で過去最高を記録。
一方、対中投資は2012年から3割減の91億ドル(約9330億円)にとどまった。

報道は、
「2001~2006年の小泉政権期に日中関係が悪化し、政治関係では冷め、経済関係は熱い“政冷経熱”の状態となった。
2012年に日本が尖閣諸島(中国名:釣魚島)を国有化したことによる反日デモの影響や中国への投資リスク、コスト上昇などの状況も手伝い、カンボジアやラオス、ミャンマーなどの東南アジア諸国連合(アセアン)諸国に投資が分散していった。
その結果、日本では“政冷経冷”の状況と言われるようになった」
と伝えている。



レコードチャイナ 配信日時:2014年8月20日 9時6分
http://www.recordchina.co.jp/a92838.html

中国の在留邦人減少、日本企業の中国離れ鮮明に―海外メディア

2014年8月19日、日本メディアが実施した日本の主要企業106社を対象に行ったアンケート調査によると、日本企業は中国依存を弱めており、ASEAN(東南アジア諸国連合)への期待が高まっている。
英BBCの報道を環球時報が伝えた。

調査によると、昨年の日本の対外直接投資は過去5年で最高を記録。
特に対ASEAN直接投資は236億ドル(約2兆4200億円)と新記録となった。
一方で対中投資は3割減少し、91億ドル(約9336億円)にとどまった。
日本企業にとって中国はもはや必ず利益のあがる投資市場ではなく、政治リスクの大きい危険な場所だ。
中国は依然として経済成長を続けているものの、日本企業の視線はより高い成長率が見込まれ、親日的な南アジアへと注がれている

仏AFPは
 「日中に領有権問題が発生してから、中国の在留邦人は1割ほど減少した
と報道。
このところ日中関係改善の兆しが見えている原因のひとつに、
 日本の対中投資に中国が期待しているとする分析
もなされている。
だが、ドイチェ・ヴェレは
日本の対中投資は中国のGDPに比して少ないため、日本の投資が東南アジアに向かっても中国全体の発展には影響はない
との専門家の意見を紹介している。



レコードチャイナ 配信日時:2014年8月26日 10時28分
http://www.recordchina.co.jp/a93184.html

日中の経済貿易協力、「顕微鏡」でなく「望遠鏡」で見よ―中国紙

2014年8月25日、経済・貿易関係の短期的な冷え込みは、長期的な発展の見通しの暗さを意味していない。
日中両国の経済貿易関係を見るには、マクロ経済の発展という観点から出発してその長期的発展を「望遠鏡」で見通すべきであり、目の前の問題を「顕微鏡」で覗きこむべきではない。
両国の経済貿易分野の協力の可能性は大きく、経済貿易の協力は拡大していく傾向にある。
両国の経済界は、経済貿易関係の持続的で安定した健全発展を推進するために連携すべきだ。経済日報が伝えた。

近年、日本政府による尖閣諸島の「国有化」実施や安倍首相の靖国参拝(今年8月15日には代理人を介して祭祀料を奉納)などを原因として、日中両国の政治関係には深刻なダメージが加えられ、経済貿易関係にも多少の影響をもたらし、両国間の貿易と投資はどちらも減少している。
中国商務部(商務省)の最新データによると、今年1月から7月までの日本の対中投資は28.3億ドル(約2900億円)で、前年同期から45.4%減少した。
だが短期的な冷え込みは、長期的な発展の見通しの暗さを意味してはいない。
両国の経済貿易関係を見るには、マクロ経済の発展を出発点として、その長期的発展を「望遠鏡」で見通すべきであり、目の前の問題を「顕微鏡」で覗きこむべきではない。

長期的に見れば、日中両国は互いにとって重要な経済貿易パートナーである。
国交正常化以来、両国の経済貿易協力は緊密さを高め、深みを増してきた。
貿易額は1972年の10億ドル(約1000億円)から2011年の3449億ドル(約35兆9000億円)に拡大し、40年間で340倍の成長を実現した。
世界経済一体化の加速と中国経済の急成長に伴い、日中両国の経済関係は
「こちらにそちらがいる、そちらにもこちらがいる」
「切れないし、分けられない」
などと形容されるようになっている。
双方の経済貿易発展の分析は、「点」ではなく「線」に基づいて行わなければならない。
両国の経済貿易関係の発展とそれぞれの経済発展の傾向から考えれば、日中両国は経済貿易において大きな協力の可能性を持っており、経済貿易の協力は今後もさらに拡大していく傾向にある。

●.第一に、日中両国の経済は強い補完性を持っている。
両国は発展段階と経済構造がそれぞれ異なるため、幅広い協力の可能性が双方にある。
資源面では、両国の協力は互いに補い合う長所を持っており、相互利益の実現が十分に可能である。
繊維産業を例に取れば、中国は、原材料や人材、資本などで絶大な強みを持っている。
また消費水準が向上していることで、高級繊維製品への中国の消費者の需要も高まっており、市場の潜在力も期待できる。
日本は、新繊維の研究開発や応用技術で高い実力を誇る。
両国の協力は、新たな技術の新たな製品へとすばやく応用することを可能とし、その利益は相互的なものである。
日中両国の相互補完性が高い具体的な分野としては、環境経済や近代農業、自動車産業などが挙げられる。
自動車分野を見ると、中国の自動車消費は世界で最も大きな潜在力を持ち、中国市場の開拓は、日本の自動車メーカーにとって、国内で直面する生産力過剰や市場飽和などの問題を解決することにつながる。
農業分野では、耕地資源に限りがある日本は食糧自給率が40%と低いのに対し、広い国土を持つ中国は農産品の供給が豊富で、中国の農産品は日本の輸入需要を満たすものとなる。

●.第二に、中国のさらなる成長は日本の経済発展にとっての大きなチャンスとなる。
国際金融危機による低迷から日本経済はまだ脱しておらず、「アベノミクス」の効果も楽観できない状況を迎えている。
理論的にはどの国・地域も経済発展の周期の制約を受けざるを得ない。日本経済が1960年代に活発な青年期を迎え、1980年代に実力ある壮年期を迎えたとすれば、21世紀に入ってからの日本は余命短い老年期に入ったと言える。
中国経済は日本と比べれば、成長と発展の余地がまだ大きく、ちょうど青年期・壮年期にあると言える。
西部大開発や新型都市化などの戦略にも後押しされ、未発達地区の発展や都市人口の増加で消費市場は今後も拡大を続けると見られる。
日本企業にとっては大きなビジネスチャンスであり、日本経済に新たな活力を注ぎ込む源となり得る。

日中両国の経済貿易協力の動向は、アジア全体の経済発展にも影響を及ぼす。
世界経済は、絶え間ない構造調整の段階にあり、欧米などでは地域経済の一体化が進んでいる。
こうした状況下で、中国と日本は世界第二と第三の経済国であり、アジア経済の一体化においてこのアジアの二大国が果たす役割は極めて大きい。
地域発展という観点から言っても、両国の連携は、アジア全体の経済一体化を推進し、経済的な外部リスクに対するアジア地区の防御能力を高めるものとなる。

日中関係は現在、「政治も冷え込み、経済も冷え込んでいる」。
だが両国の財界人らは、双方の経済貿易が長期的に発展するとの見込みを持っており、協力の意向は依然として高い。
日本国際協力銀行の調査によると、中国市場は、日本企業の長期的なビジネス発展にとって2番目に高い潜在力を持っている。
日本開発銀行のデータによると、
70%以上の日本の大手メーカーは中国投資を緩めようとはしていない。
中国での投資を減少させている日本企業は多くが中小企業であり、日立やトヨタなどの大企業は中国での新プロジェクトへの投資を続けており、市場開拓への動きは止まっていない。
このことは中国経済の発展による巨大市場に対する関心を示すと同時に、世界産業という局面において中国が重要な地位を占めていることを示している。

日中の経済貿易関係は緊密で分かつことはできない。
両国の経済貿易関係の発展は双方の利益にかなう。
日本にとって中国の経済成長は発展のチャンスであり、中国にとって日本企業との協力強化は対外開放拡大のためのさらなる一歩となる。
日中の経済貿易協力は「顕微鏡」でなく「望遠鏡」で見なければならない。
両国の界は、経済貿易関係の持続的で安定した健全発展を推進するために連携する必要がある。
(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/武藤)


 「70%以上の日本の大手メーカーは中国投資を緩めようとはしていない
 ということは
日本大手企業の「30%」は中国投資からの撤退を実行している
ということになる。
 中国から儲けられるという判断の業種もあろうし、中国はあまりにリスクが大きいと判断する企業もある。
 顕微鏡でみれば日中の補完性と中国の発展は大きな意味がある。
 しかし、望遠鏡でみれば「30%撤退」はやはり超ビッグな日本企業の挙動ということになる。




【描けない未来:中国の苦悩】


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2014年8月3日日曜日

中国の腐敗撲滅運動:「権力闘争」の裏で糸引く胡錦濤の影

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 WEDGE Infinity 日本をもっと、考える  2014年07月30日(Wed)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4069
 石 平 (中国問題・日中問題評論家)

習近平の腐敗撲滅運動は「権力闘争」
裏で糸引く胡錦濤の「復讐」と「野望」

中国の習近平指導部は今、共産党政権史上最大規模の腐敗撲滅運動を展開している最中である。
2012年11月に習近平が共産党総書記に就任したと同時に、盟友で同じ太子党幹部の王岐山を腐敗摘発の専門機関である共産党中央規律検査委員会の主任に据えた。
おそらくその時点から、凄まじい嵐を巻き起こそうとする決意は既に習近平の心の中で固められていたのではないかと思われる。

 2013年3月、国家主席のポストを首尾よく手に入れて名実共に中国の最高指導者となってからは、習近平は上述の王岐山と二人三脚で、無制限の捜査権を与えられた規律検査委員会という強力な「大目付」機関を用いて、党・政府と人民解放軍の幹部、特に高級幹部たちに対する厳しい腐敗摘発を始めた。

 去年9月4日、中国新聞社は習近平が国家主席に就任して以降地方や省庁の高級幹部9人が汚職の嫌疑をかけられたことを挙げ、「近年まれに見る厳しい取り締まりぶりだ」と報じたが、それはほぼ誇張のない事実である。
過去30年あまりにおいて、腐敗問題で摘発を受ける高級幹部の数は毎年せいぜい6名前後であったから、今回の腐敗摘発運動の猛烈さは確かに前代未聞であると言えよう。

腐敗撲滅運動の真の目的は…

 以来腐敗の摘発はさらに猛威を振るって大きく前進した。
 去年の秋頃から摘発の矛先は中国共産党政治局前常務委員の超大物である周永康とその子分たちに向けられ、今年の3月からは、軍内の大物幹部である制服組メンバー2の軍事委員会前副主席の徐才厚ともう一人の軍事委員会前副主席の郭伯雄の身辺にも取り調べが及んだ。

 そして今年6月30日、習近平指導部は徐才厚の党籍剥奪を発表した。
 周永康の側近幹部だった公安省の李東生元次官や国有資産監督管理委員会の蒋潔敏元主任ら周永康の党籍剥奪も同時に発表された。
 特に徐才厚については、共産党軍事委員会の副主席で制服組のトップだった人物が腐敗摘発によって葬り去られたという前代未聞の事実が党内と軍内に大きな衝撃を与えた。

 その数日後の7月2日、指導部はさらに海南省の冀文林副省長や司法部門を統括する党中央政法委員会弁公室の余剛副主任らの党籍剥奪を決めたが、冀も余も前述の周永康前政治局常務委員の秘書を務めた経歴の持ち主であることから、周永康自身に対する摘発がすでに最終段階に入ったことが伺えた。

 このようにして、習近平指導部、というよりも習近平主席その人は今、党・政府と軍の幹部たちに対して史上もっとも大規模な腐敗撲滅運動を強力に進めていることが分かるが、
 彼は一体何の目的のために、このような凄まじい摘発運動を展開しなければならないのか。

 それを理解するためには、習主席の腐敗撲滅運動の中身をもう一度詳しく吟味する必要があろう。
 たとえば、高級幹部の一体どういう人たちが摘発されていて、逆にどういう人々が摘発されていないのかという視点から色々と調べてみると、腐敗摘発運動の隠された目的がはっきりと見えてくるのである。

ターゲットは江沢民派

 ここでは順番を逆に、まずはどのような高級幹部が摘発の対象となっていないかを見てみよう。前述の党籍剥奪された幹部たちやその他の摘発された幹部たちの出自や経歴を調べてみると、実は習主席や王岐山と同じ太子党の幹部、
 つまりその父親が毛沢東・鄧小平と同じ「革命第1世代」に属するグループの幹部たちは一人も摘発の対象になっていない
ことに気がつく。
 そして次には、摘発された幹部の中には、
 「共産主義青年団幹部」の経歴を持つ人はあまりいない
ことも分かる。
 要するに、前国家主席の胡錦濤の率いる共青団派という派閥の幹部たちも概ね摘発の対象から外されているということである。

 それなら、腐敗摘発は一体、どこの派閥の幹部たちをターゲットにしているのか。
 これに関しては、日本の一部の論者たちもすでに指摘しているように、
 腐敗摘発運動の最大のターゲットはやはり、江沢民元国家主席の率いる江沢民派(上海閥)の幹部たち
である。

 今まで摘発された最大の幹部グループはすなわち前政治局常務委員の周永康とその周辺の幹部たちであることは前述の通りだが、5月19日掲載の私の論文でも指摘しているように、周永康自身は江沢民派の大幹部の一人であり、彼の率いる石油閥こそが江沢民派の主力をなすものである。
 習主席の腐敗摘発運動はまさにこの石油閥に焦点の一つを絞って彼らに対する集中攻撃の様相を呈していたのである。

 その一方、解放軍幹部、より厳密に言えば解放軍の元幹部に対する摘発も結局、江沢民派の軍幹部にターゲットを絞って行われている。

 摘発された最高級の元軍幹部の徐才厚は紛れもなく江沢民派の軍幹部であり、軍における江沢民派の代弁者のような存在であった。

 徐才厚という軍人はもともと、元国家主席の江沢民によって抜擢され、制服組のトップの座についた人物である。
 彼が軍人としての大出世を始めたのは1999年に党の軍事委員会委員と軍の総政治部常務副主任に任命された時であるが、この人事を断行したのは当時の軍事委員会主席で国家主席の江沢民であった。
 2002年11月に開かれた第16回党大会で、江沢民は党総書記を辞めてからも一時は党中央軍事委員会主席の座を手放さず軍の指揮権を引き続き握っていたが、そのとき、江沢民は徐才厚を軍の総政治部主任に昇進させ、軍における自分の右腕として使った。

 総政治部主任という職は人民解放軍将校の人事に関与する立場であるから、徐才厚が人民解放軍の人事を握ることによって、江沢民の影響力の基盤を提供していたとも言える。
 2004年9月になって、江沢民はようやく党中央軍事委員会主席のポストを胡錦濤国家主席に引き渡したが、胡錦濤を牽制するために江沢民は徐才厚を軍事委員会における制服組のトップに据え、徐才厚を通して軍に対する影響力の温存を図った。
 このようにして徐才厚という人物は、2012年11月の第18回党大会において年齢制限による退陣となって党の全職務から退くまでずっと、軍における江沢民の代理の立場にいたわけである。

 もう一人の軍幹部である郭伯雄も、出世街道まっしぐらの経歴が徐才厚と驚くべきほど類似している。
 2002年11月に開かれた第16回党大会で党総書記を辞めた江沢民が引き続き軍事委員会主席の座にしがみ付いた時、軍事委員会の一平委員であった郭伯雄をいきなり軍事委員会の副主席に任命した。
 それ以来、郭伯雄は徐才厚と並んで、軍における江沢民派のもう一人の代理人となった。
 2012年11月の第18回党大会で徐才厚と共に退任した。

 そして、この党大会で党と軍のトップとなった習主席は体制を固めて腐敗撲滅運動に着手するやいなや、党と政府における石油閥・江沢民派に対する容赦ない摘発を進めていった。
 同時に、軍における腐敗幹部の代表格幹部として摘発のターゲットにしたのがまさにこの二人の江沢民派軍幹部である。

江沢民派の後押しを受けてきた習近平

 こうしてみると、習主席の腐敗撲滅運動のターゲットは党・政府と軍の両方においてまさに江沢民派幹部であることは明々白々である。
 そうすると、習主席の進める腐敗撲滅運動は、「腐敗」そのものの撲滅を目指したような単純なものではなく、むしろ摘発の対象を厳密に選別した上で党内のある特定の派閥を排除するための権力闘争であることは明らかであろう。
 要するに、腐敗撲滅運動の展開を通して、
 党・政府・軍における江沢民派勢力とその残党を一掃
するというのがまさに習主席の最大の政治的狙い、ということである。

 今回の腐敗撲滅運動の開始以来、党総書記と国家主席に就任してまもない習近平がどうしてこれほど大規模な政治運動を上手く展開できるほどの政治力を手に入れたのか、という疑問は常に付きまとってきたが、習主席と共青団派との「結盟」という視点から見れば、このような疑問も解けてくるのであろう。
 つまり、
 胡錦濤元主席の率いる党内最大派閥の共青団派の助力があったからこそ、習主席の腐敗運動は強力に進められた、
ということである。

 習主席が江沢民派勢力を党内から一掃しなければならない理由は実に簡単である。
 習自身、江沢民派の後押しによって今の地位についたが、2012年11月の党大会で習近平指導部が誕生した時、「習氏擁立」の功労者を自認する江沢民派はその勢いに乗じて、新しい最高指導部の政治局常務委員会に自派の大幹部を大量に送り込んだ。
 その結果、7名からなる常務委員会に江沢民派幹部が4名となり、習近平指導部が江沢民派によって乗っ取られたようなものだった。

そのままでは、習主席自身が最高指導部内の江沢民派幹部たちに強く牽制されて身動きもできない状況であり、何とかしないといけないと考えた習主席は結局、政治局常務委員会の枠組みからはみ出した規律検査委員会という特別機関を用いて江沢民派の追い詰めを始めたわけである。
 その際、摘発のターゲットはまず、既に引退した江沢民派幹部の周永康とその周辺に絞られた。中枢部に座っている現役の江沢民派大幹部たちよりも、権力を既に失った連中の方が摘発しやすいのも理由の一つであろう。

 しかも、既に引退した江沢民派幹部を容赦なく摘発することによって、政治局常務委員会にいる江沢民派幹部たちに脅しをかけることもできる。
 「いざとなったらお前らも摘発の対象にしてしまうぞ」と、彼らを黙らせて服従させることができるわけである。
 そうすることによってはじめて、習主席は江沢民派の包囲から脱出し、自前の権力基盤を作り上げることができるが、今のところ、習主席の作戦はかなり成功しているように見える。

虐げられてきた胡錦濤

 その一方、胡錦濤前主席の率いる共青団派は習主席の江沢民派潰しに助力していることの理由も実に明快である。
 2012年11月までの胡錦濤政権の十年間、胡錦濤主席自身と共青団派はずっと、党内と軍内最大勢力の江沢民派に圧迫されて散々虐げられていた。
 なりふり構わずの江沢民派幹部の猛威を前にして、胡錦濤主席は忍耐と我慢を重ね、時に泣き寝入りを余儀なくされることもあった。

 当時の胡錦濤主席はどうしてそれほどまでに江沢民派を恐れていたのだろうか。
 その理由は実は二つあった。
①.一つは江沢民派大幹部の周永康が「中央政法委員会主任」のポストに就いて中国の警察力を一手に握っていた
からだ。
②.そしてもう一つ、前述したように、江沢民は「引退」してからも、徐才厚と郭伯雄という二人の軍人を中央軍事委員会の中枢に送り込んで、彼らを代理として軍の指揮権を実質上掌握していた
からである。
 つまり胡錦濤政権時代の十年間、軍と警察の両方は実際、胡錦濤自身によってではなく、江沢民派によって牛耳られていた。
 だからこそ胡主席はずっと、江沢民派に忍従する以外になす術はなかった。

 別の意味で言えば、胡錦濤政権時代の十年間、江沢民の代理人として「胡錦濤虐め」に直接に関わったのはまさに警察トップの周永康と制服組トップの徐才厚と郭伯雄であった。
 したがって、習政権になってから、胡錦濤前主席と彼の派閥が習主席の江沢民派撲滅作戦に加担したのはむしろ当然の成り行きであり、その腐敗撲滅運動の最大のターゲットになったのは周永康・徐才厚・郭伯雄の数名であったことの理由もまさにここにあった。
 つまり今の腐敗撲滅運動は胡錦濤前主席にとって、往時の仇に対する見事な復讐作戦である。

 このような視点からすれば、今の腐敗撲滅運動は表向きでは習主席が主導しているように見えるが、裏で糸を引いているのはむしろ胡錦濤前主席ではないかという見方もできるのである。
 第一、今までの撲滅運動の中で摘発された大物の周永康にしても徐才厚にしても郭伯雄にしても、それらの連中は習主席の仇敵というよりもむしろ胡錦濤前主席の仇敵なのである。
 摘発の照準を誰に当てるかというもっとも重要な問題に関して、主導権を握っているのはやはり胡錦濤前主席であるようだ。

「第二の江沢民」となった胡錦濤

 それでは、引退したはずの胡錦濤前主席は一体どのような力をもって、現役の習主席を操って腐敗撲滅運動を主導することができるのか、という疑問は当然浮かんでくるだろうが、それに対する答えも実に簡単だ。
 要するに今、人民解放軍を握っているのはまさにこの胡錦濤前主席だからだ、ということである。

 そう、自分の政権時代の十年間、江沢民によって軍を握られ散々虐げられた胡錦濤は今、軍を掌握することで「第二の江沢民」になっているのである。

 胡錦濤による軍掌握の一部始終は2012年10月に遡る必要がある。
 この年の10月といえば、共産党第18回大会の11月開催を控えて胡錦濤の引退は間近になっていた。
 しかし、このタイミングで、胡錦濤は中央軍事委員会主席の権限において、人民解放軍の新しい参謀総長を任命した。
 それはすなわち現在の房峰輝参謀総長である。

 房峰輝はもともと広州軍区の参謀長だったが、2005年に当時の胡錦濤軍事委員会主席が初めて多くの軍人たちの軍階級昇進を実行した時、その中で房峰輝は少将から中将への昇進を果たした。
 それ以来、房峰輝は胡錦濤主席に近い軍人の一人として出世を重ね、2007年には重要な北京軍区の司令官に任命された。
 そして2009年、中国は建国六十周年を記念して天安門広場で盛大な閲兵式を執り行う時、「閲兵指揮官」として胡錦濤主席の側に立ったのはまさにこの房峰輝であった。
 それ以来、彼は数少ない「胡錦濤の軍人」として認知されるようになった。

 そして2012年10月、共産党総書記と党の軍事委員会主席からの引退を一月後に控えて、胡錦濤主席は突然、軍の作戦を担当する重要ポストの参謀総長に房峰輝を任命した。
 それはどう考えても、胡錦濤が自分の引退後の軍掌握を計るための布石以外の何ものでもない。
 引退以前の江沢民のやったことを、胡錦濤がそのままやろうとしているのである。

 胡錦濤の動きはそれで止まったわけではない。
 いよいよ11月に入って党大会の開催が目前に迫ってきた時、彼はまたもや動き出した。
 11月4日開催の中国共産党中央委員会、つまり胡錦濤自身が党の総書記として主宰する最後の中央委員会において。
 彼は軍人の范長龍と許其亮の両名を党の中央軍事委員会副主席に任命した。

 胡錦濤が行ったこの最後の軍人事は実に異例である。
 彼はその4日後の11月8日に開催予定の党大会において引退する予定である。
 本来なら、軍事委員会の新しい副主席任命の人事は、党大会後に誕生する新しい総書記・軍事委員会主席(すなわち習近平)の手で行われるべきである。
 普通の会社でも、新しい代表取り締まり社長が誕生すれば、次の役員人事は新しい社長の手で行われるのは普通であるが、胡錦濤はこの「普通のこと」をやろうとしなかった。
 自分の引退が決まる党大会開催わずか4日前に、彼は大急ぎで次の中央軍事委員会の最重要人事を自分の手で行った。
 習近平が新しい軍事委員会主席に就任した暁には、その周辺は既に「胡錦濤の軍人」によって固められたわけである。

 このようにして、2012年10月の参謀総長任命と11月の軍事委員会副主席任命をもって、胡錦濤は自分の引退後の軍掌握を完成させた。現在に至っても、共産党軍事委員会のただ二人の副主席は両方とも胡錦濤によって任命された軍人であり、もう一つの重要ポストの軍参謀総長も彼の側近が就いている。軍の中枢部は完全に胡錦濤の掌中にあるのである。
胡錦濤派が有利な状況で…

 このような形で軍を掌握しているからこそ、引退したはずの胡錦濤は影で糸を引いて習主席の腐敗撲滅運動(すなわち江沢民派掃討作戦)を主導することができたわけであるが、問題は、江沢民派の一掃を目指す腐敗撲滅運動がその目的を達成して終了してから、軍を握っている胡錦濤が一体どう動くのかである。
 それはまた新しい権力闘争の開始を意味するものとなろう。

 今の胡錦濤前主席と彼の率いる共青団派は、共通の敵である江沢民派を一掃するために習主席と連携していることは前述の通りである。
 しかし運動の目的が一旦達成されて江沢民派の残党が葬り去られて現役の江沢民派幹部も無力化されてしまうと、つまり共通の敵が消えてしまうと、次なる権力闘争はむしろ胡錦濤前主席と習主席との間で、すなわち共青団派と太子党との間で展開されていくはずである。

 胡錦濤自身が「第二の江沢民」と化して行く中で、習主席は今後十年もその顔色をうかがって生きていくのはやはり嫌であろう。
 とくに太子党である習主席の場合、自分たちの父親が命をかけて作った共産党政権に対して自分たちこそが正当なる後継者であり本当のオーナーであるという意識が強い。
 習近平は、「雇われ社長」の胡錦濤の政権壟断は許せないであろう。
 従って、江沢民派が潰滅した後には、習主席にとって排除しなければならない人物はまさに胡錦濤であるに他ならない。
 両者間の激しい戦いが予測されるのである。

 しかし習主席にとって、次なるこの戦いはまったく勝算のないものであろう。
 軍と警察を握った大幹部が既に引退して力の大半を失った江沢民派とは違って、今の胡錦濤が確実に軍を掌握している。
 6月27日掲載の私の論文でも、今や「胡錦濤の軍人」の代表格の一人となった房峰輝参謀総長の増長と跋扈を紹介しているが、軍の中枢部を占めている彼ら胡錦濤派の軍人たちが習近平主席を何とも思っていないことは明々白々である。

 その一方、胡錦濤派は軍だけでなく、実は共産党の政治局でも大きな勢力を擁している。
 政治局常務委員以外の18名の政治局委員のうち、いわゆる共青団派の幹部が7名もいて、さらに胡錦濤の息がかかっている軍人の二人を加えると、総数半分の9名を占めることになっている。
 しかも、政治局委員となっている胡錦濤派の幹部たちは現時点で50代前半である人が多く、最高指導部の年齢制限が定着している中で、彼らこそが2017年開催予定の次の党大会後も政治局に残る公算である。
 逆に、胡錦濤派以外の政治局委員の多くは現時点でも既に60代後半となっているから、次の党大会では確実に引退することとなろう。

 このような状況はどう考えても胡錦濤派にとって大変有利であるが、その中で焦点となるのは次の党大会で誕生する新しい政治局常務委員会の人事である。
 前述のように、今の政治局常務委員の7名のうち4名も江沢民派となっているが、彼ら全員は60代後半となっている。
 現在展開している江沢民派掃討作戦の中で彼らがいつ失脚するか分からないが、たとえば服従の姿勢を示すことによって次の党大会まで今の立場を維持できたとしても、この党大会では彼ら全員は確実に退場するのであろう。
 そうすると、次の党大会で誕生する政治局常務委員は半数以上の入れ替えが予測され、政治局から多くの幹部が常務委員会に上がってくる公算となる。

 それでは、現在の政治局委員の誰が上がってくることになるのかとなると、その時こそ、今の政治局で活躍している胡錦濤派の50代前半の幹部たちの出番となろう。
 年齢の優勢からしてもそうなってしまうのが普通であるし、胡錦濤が軍を握ったままの状況下なら、ほぼ間違いないと思う。

 そうすると、胡錦濤派(すなわち共青団派)の次なる政権戦略ははっきりと見えてくるのであろう。
 つまり、今の習主席たちと手を組んで江沢民派を一掃して江沢民の影響力を完全に排除した暁には、残された党内の最大勢力はすなわち彼ら自身である。
 そして、次の党大会までに(あるいは次の党大会において)政治局常務委員会から江沢民派の残党を一掃した後には、軍の支持をバックにして共青団派の若手幹部を政治局から大量に昇進させ、次期の政治局常務委員会、すなわち党の最高指導部を一気に掌握してしまうのである。

 そうすると、今から三年後に開かれる予定の党大会を経て、そのまま胡錦濤派の天下となろう。
 そしてその時こそ、在任中には江沢民派に抑えられて辛酸をなめ尽くした胡錦濤その人は、中国の実質上の最高指導者としてこの国に君臨するのである。

 おそらくそれはすなわち胡錦濤と共青団派の目指す「天下取り戦略」の全容であろうが、今や習主席が旗を振って展開している腐敗撲滅運動は結局、胡錦濤派による「天下取り戦略」の露払いであるにすぎない。
 習近平主席という人はむしろ、胡錦濤の手のひらで踊られている操り人形のようなものだ。

 言ってみれば、腐敗撲滅運動の陰で高笑いして、そして最後に笑うのは、やはり胡錦濤という江沢民以上の狸親父なのである。



 WEDGE Infinity 日本をもっと、考える  2014年07月29日(Tue) 
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4065
弓野正宏 (早稲田大学現代中国研究所招聘研究員)

徐才厚摘発を巡り暴露された中国軍の内情
摘発理由は薄煕来? 最大の「黒幕」江沢民との関係

 6月30日に放送された中国中央テレビの7時のニュースは衝撃的だった。
 徐才厚元中央軍事委員会(以下、中央軍委と略称)副主席が党籍剥奪処分となり、司法手続きに入る事が発表されたのである。
 当日の中央政治局で決定が下されたが、会議の様子の映像は流されず、処分の内容を文字画像で淡々と伝えた。


●徐才厚の党籍剥奪処分を伝える中央テレビの7時のニュース(6月30日)

 これまでも徐の汚職疑惑は華僑系メディアで伝えられてきたが、処分が与える影響の大きさから内々に処分されるか、処分決定が引き延ばされるのではないかとの見方が強まる状況での公式発表だった。
 徐摘発について香港メディアは既に3月中旬に彼が病院から連行されたと報道しており、30日の発表でそれを裏付ける形になった。
 香港メディアの報道はもともと玉石混交であり、真偽の検証は困難だが、今回のように後からその内容の正しさが証明される場合も少なくない。

 このような香港誌の中で中国軍を巡る内情暴露を連発するのが『前哨』誌だ。
 5月号では軍の高級将官50人が国防費の半額に当たる3400億元(約5兆7800億円)を勝手に配分したと報じた。
 今回の徐才厚まで波及する汚職をいち早く紹介したのも『前哨』誌だ。
 2012年3月号で中央軍委の拡大会議(2011年12月)において劉源・総後勤部政治委員が軍トップの汚職責任を糾弾したと伝えたのだ。
 これらの真偽はなかなか疑わしく証明しにくいが、少なくとも後者については徐の処分によりますます現実味を帯びてきた。

 そこで今回は『前哨』誌7月号の「軍中『瓦房店帮』の崩壊」という記事を紹介したい。
 これまでの記事ほどのインパクトはないがこれまでの過程が丹念に記述され、徐才厚の台頭やそのネットワークを窺い知ることができる。
 徐才厚の汚職、逮捕された薄熙来、そして「最大の黒幕」とされる江沢民との結びつきを詳細に紹介している。

 尚、同記事は30日の徐才厚党籍剥奪公表よりも前に執筆されており、徐才厚の更迭も見据えて分析がされている点も指摘しておきたい。

* * *

【2014年 香港『前哨』誌7月号(抄訳)】

 中共の軍隊は歴史的に派閥が乱立し、グループを組織し、派閥が作られてきた。大部分は歴史的経緯や政治的な結びつきによるもので地縁関係の結びつきはそれほど多くはない。于永波や徐才厚が取り立てた将官グループが「東北帮」(あるいは「東北の虎」と称される。「帮(パン)」はギャングのようなグループを意味する:筆者)と称されるが、的確ではない。地縁での結びつきが広い地域に及ぶことはなく、徐才厚派閥は「瓦房店帮」であり、軍内部でもこう称される。瓦房店とは大連市に所属する県級の市である。彼らは地縁を基礎に政治利益で結びついた派閥であり、メンバー出身地が瓦房店とは限らない。例えば谷俊山は河南省出身だが「瓦房店帮」一員とされる。

「瓦房店帮」の政治的拠りどころ


●本記事掲載の香港『前哨』誌7月号

 「瓦房店帮」の元々の大ボス、于永波は江沢民の子分である。
 1985年から1989年11月の間、南京軍区政治部主任を勤めた。
 この間、江沢民は上海市市長や上海市党委員会副書記、上海警備区第一政治委員(上海市を管轄する軍管区の政治担当司令官、自治体首長として兼任:筆者)を勤めた。
 形式上、于永波は軍内で江沢民の上司に当たる地位だったが、1987年に党中央の政治局員に昇格していた江を部下扱いせず礼を尽くして大事にしたため虚栄心の強い江は于に好感を持った。

 江外遊時に于が同行し、二人は意気投合し、江の信頼を獲得した。
 1989年11月に江が中央軍委主席に就任すると軍内で孤立無援だったため、于を2階級飛びの総政治部副主任(総参謀部、総後勤部とともに3つの軍中枢幕僚部門の1つ:筆者)に昇格させた。

 1990年に楊尚昆(直前まで主席の鄧小平の下で中央軍委副主席:筆者)、楊白冰(中央軍委秘書長、事務局長のような役割、現在はこの職は廃止:筆者)兄弟は軍統制を強め、楊尚昆は、兵種や軍区を超えた政治将校の人事異動を行った。
 政治将校の主な役割は軍内監視であり、幹部の異動、任免を通じて軍のコントロールを狙ったのだ。

 しかし、このとき于永波はただちに江沢民に告げ口をし、楊兄弟の「陰謀」をばらした。
 1992年春に鄧小平は中国南部を視察し、そこで発表した講話(改革開放を加速させようという「南巡講話」として有名:筆者)の中できたる党の14回大会で指導者入れ替えを示唆したため江は慌てた。
 曽慶紅(江沢民の秘書的存在:筆者)は楊尚昆と江沢民を離反させてこそ起死回生を図れると進言した。

 この時、楊白冰は昇進させる百人の将軍たちの名簿を提起したが、その大部分は「楊家の将(楊兄弟)」腹心だった。
 中央軍委第一副主席の楊尚昆は名簿を許可し、江沢民に許可を求めた。
 江は曽慶紅と相談して対応を考えた。
 曽は取りあえず棚上げして于永波と相談する事を提案した。
 于は、名簿は江沢民からの権力を奪取が目的だと指摘した。
 曽は、楊兄弟が「楊家の将」人脈を植え付け鄧小平の軍人脈にとって替えようとしていると考えていた。
 江沢民は于永波を連れ、鄧小平と会って告げ口したため、楊兄弟は鄧小平の信頼を失った。

 「楊家の将」を倒した(楊兄弟は1992年10月に失脚し一線から退いた:筆者)功を買われ、1992年に江沢民は于永波を中央軍委委員に昇格させ、総政治部主任に就任させた。
 こうして于は「瓦房店帮」を形成し始めた。
 1992年に于は瓦房店同郷の徐才厚を総政治部主任助理(総政治部主任の補佐官:筆者)兼解放軍報社社長に据えた。

 于の庇護の下、徐は昇進を続け、1993年の総政治部副主任から2007年には中央軍委副主席にまで昇格したが、于が2002年に退役する際に江沢民に徐を推挙したことを受けてである。
 江は徐を于の後任と見なし、中央書記処書記、中央軍委委員、総政治部主任に就けた。

 徐はこうして「瓦房店帮」の新たなボスとなり、于に続いて江沢民の子分になった。
 2004年に江は中央軍委主席に留任したが、2年経って主席を移譲する際に中央軍委拡大会議の席上で徐は中央軍委庁舎(八一大楼)に江沢民事務室を設置し、江を「軍委首長」と呼ばせるよう画策した。
 徐はこうした関係により軍の人事権を掌握した。

胡錦濤への忠誠を表明するも時すでに遅し

 2005年から2012年にかけて胡錦濤が中央軍委主席を勤めたが、自分の部下を育てることができず、人事異動や将校の昇格人事はほとんど徐才厚によって行われ、徐は江沢民の命令だけを聴くようになった。
 しかし、谷俊山事件が起きてから徐は自身の身が危うさを感じるようになり、公の場で胡への忠誠を表明したが、時すでに遅しだった。
 胡はその手に乗らず、党中央規律委員会に徐の汚職の証拠を集めるよう命じた。

 これまでの捜査から徐才厚の娘の結婚時に谷俊山(元総後勤部副部長)は1枚2000万元(3億円超:筆者)の銀行カードやトランクに500キロの金塊を積んだアウディを贈呈したことが判明している(徐の汚職も谷が逮捕されて発覚したと思われる。谷事件は2月13日記事を参照のこと)。
 谷俊山は、もともと濮陽軍分区の一将校に過ぎなかったが、金銭贈与で済南軍区政治委員だった徐才厚に見出され、済南軍区に異動になり、徐才厚の金庫番になった。

 徐が総政治部副主任から中央軍委副主席になるプロセスで谷も猛スピードで出世し、8年間で5階級昇格し、中将へと最速昇進を遂げた。
 谷は総後勤部で軍の不動産を一手に取り扱い、徐による官職売買のブローカ的役割を担った。
 官職売買の値段は大佐から少将への昇格が約3000万元(約5億円)で下級士官への昇格も数十万元というのが暗黙の了解になった。
 こうして谷が関与したとされる軍の官職売買は数百件に上ると見られている。
 関与者があまりに多く、中央軍委は、こうした人物を降格させるか否か決められずにいるようだ。

 瓦房店出身の将軍は30人に上る。
 現職では鄭群良中将(空軍副司令)、任忠吉少将(海軍後勤部副部長)等、退役では、谷善慶上将(元北京軍区政委)、陳国令上将(元南京軍区政委)もそうだ。
 人口わずか100万未満の県レベルの市からすると奇跡だ(1970年代以前は10万人未満:筆者)。
 もちろんこの将軍たちが皆、官職売買をしたとは考えにくく、徐と政治的パートナーかは不明だ。
 ただ同郷のよしみが果たす役割は情を重んじる中国社会では言わずもがなだ。

徐才厚摘発の原因は汚職ではなく薄熙来事件

 徐才厚は最大の汚職官僚であり、官職売買で100億元以上を懐に入れたが、今回このために摘発されたわけではなく、薄熙来事件に関わったことが一番の原因だ。
 習近平が政権を掌握後に更迭したのは、習の政権掌握を妨害した者と政権掌握後に執政を妨害した者がメインだ。
 徐才厚と周永康は治安維持を通じ、密接に協力し合い、仕事からプライベートの関係と利益の結びつきを強めた。

 薄熙来は大連市(瓦房店市を管轄)で在職中に徐才厚と関係を築いた。
 薄が大連市市長、党委員会書記だった時代に徐才厚に多くの利権を与え、深い関係を築いた。
 徐は軍内で昇進を続け、遼寧省の省長、商務部部長になった薄との交流を続け、徐に瓦房店市の開発や長興島工業区の開発を通じて利権を手にした。
 2006年に大連市は長興島(市・県より行政区分で1級下級の鎮)開発に着手したが、この工業地区への建設投資総額は243億元に上った。
 徐才厚は一族の長興島の開発責任者に推し、グループを形成しプロジェクトを一手に握った。

 徐才厚の周永康と薄熙来との関係についてはまだ捜査中だが、とりあえず徐才厚は薄、周による政変陰謀には深くは加担していないことが分かった。
 しかし、習近平にとって軍権掌握は急務だ。
 徐の影響力は軍内の重要部門に及ぶため、習は汚職摘発を通じて権威を確立し、言う事を聞かない頭目を牽制しようとしている。

 習近平は中央軍委の主席に就任してから谷俊山案を非常に重視しており、12回も指示や訓令、通知を出して徹底的に調べるよう指示したという。
 しかし、谷俊山や徐才厚に関わったといわれる中央軍委委員は現職、退職合わせ15人ともいわれ、習は彼らを徹底して調べるよう指示したという。
 この機に乗じて江沢民勢力を一掃して指揮統制を掌握しようというわけだ。

 現在の中央軍委副主席である範長竜も徐才厚と関係が深く、二人は第16集団軍で仕事をした経験があり、徐が集団軍政治部主任だった際に范は傘下48師団の参謀長で、その後、徐才厚が済南軍区政治委員に、範長竜は済南軍区司令員に昇進した。
 範の出世には徐の推薦があったといわれる。
 徐の処分は範を震え上がらせ、習のいう事を聴くようになったものの、それでも依然、重要部門を把握していることから、習近平は2013年3月に腹心の鐘紹軍を軍委に派遣して習近平事務局主任のまま、中央軍委弁公庁副主任(軍位は大佐)を兼任させたのである。

* * *

【解説】


●徐才厚(中)と郭伯雄(右)2013年9月

 この記事に驚くべき内容は特にないが、徐才厚の摘発が単に汚職だけによるものではないことを示唆する興味深い過程を描いている。
 徐の立身出世が同郷、瓦房店市出身の于永波との繋がりから始まり、そして天安門事件後に台頭した楊兄弟を打倒して江沢民が軍統制権を掌握する中で昇進したことが描かれている。
 徐才厚と薄熙来の関係が長興島開発を巡る利権供与で強められた点も興味深い。

 習近平がイニシアチブをとる汚職高官の摘発が党や政府、軍内部の汚職一掃が目的であることは疑いの余地はないが、同時に習が軍内部の指揮統制権を掌握しようというプロセスで阻害要因となる者を排除しようとしている点も重要なのだ。
 汚職の摘発は、激しい権力闘争の一つの現れであることも忘れてはならないだろう。
 習近平は「戦える軍隊」になれと檄を飛ばすが、
 現在で解放軍では汚職摘発と人事異動、そして機構改革と指揮官たちの気持ちが
 戦闘準備に向いているとは思えず、戦争どころではない。

 軍の汚職摘発を巡る過程で「最大の黒幕」まで及ぶ可能性は考えにくいが、もう一人の軍内の「老虎」郭伯雄元軍委副主席について糾弾する内部告発の手紙なるものがネットに出回り、彼の息子(郭正鋼・浙江省軍区政治部主任)も事情聴取されているという報道もあり、郭の去就が注目されるようになっている。
 習近平による軍内「虎退治」の行方にいよいよ目が離せない。



JB Press 2014.07.28(月)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41339
   阿部 純一

   習近平の反腐敗キャンペーンは「進むも地獄、退くも地獄」

「虎もハエも一緒に叩く」ことを大上段に掲げて始まった習近平の腐敗取り締まりキャンペーンは、現在までのところ、とどまることを知らない展開を見せている。
 
 中国で腐敗汚職に手を染めていない党官僚はほとんどいない。
  その現実のもとで、党官僚の浄化を徹底するとなれば、取り締まりは際限なく続くことになろう。

 だからといって、腐敗摘発を行わなければ中国はどうにもならないところまで来ていた。
 そのことは、2012年の第18回党大会から現在まで党中央紀律検査委員会(中紀委)によって摘発された腐敗幹部の顔ぶれを見れば一目瞭然である。

 香港の「大公報」紙のインターネットサイト「大公網」にある「国家反腐大業: 18大後落馬官員全解」を見ると、摘発された党官僚は67名に上り(7月24日現在)、そのうち副部(次官)級幹部が41名、正部(閣僚)級幹部が4名、副国(国家指導者)級が2名いる。
 これは江沢民や胡錦濤の時代にも見られなかった未曾有の摘発状況である。
 現在の中国が、かくも深刻な腐敗状況にあるかが分かる。

人民解放軍もターゲットに

 とはいえ、反腐敗を徹底的に追求すれば、党を筆頭に政府機関の権力機構は瓦解しかねない。
 そうならないようにする匙加減があるとすれば、これは実態として政治闘争となり、腐敗取り締まりは選択的に行われることになる。
 その際は、習近平政権が排除したい勢力に与していた党官僚がターゲットになるはずだ。

 ただし、摘発された顔ぶれを見ている限りは、特定のターゲットに絞り込まれているようには見えない。

 政府の腐敗行政官僚が摘発の中心であることは、先の67名中37と過半数を占めていることで分かるが、政府が牛耳る石油等エネルギー、電力、金融などの関連部門が腐敗の温床であったことを示すものであり、そこで利権を恣にした人物(例えば後述する周永康に連なる「石油派」など)が摘発の対象となったのは、政治的に選択されたというよりも、いわば当然の帰結であった。

 習近平が叩くといった「虎」のうち、前中央政治局常務委員の周永康がこれまで摘発された中で「最大の虎」ということになる。
 江沢民政権の時代に「中央政治局常務委員以上は摘発の対象とならない」という「潜規則」(不文律)ができたとされるが、習近平は周永康を摘発したことでこれを破ったことになる。
 それだけでも習近平の反腐敗に懸ける意気込みが窺える。
 ただし、周永康の場合は薄熙来事件との関わりがあるわけで、反腐敗もさることながら権力闘争との関わりで見るべきであろう。

 周永康に続いて、彼に繋がる国営石油企業を中心とした「石油派」幹部が大量に失脚した。
 そこでキャンペーンの矛を収めなかったことが、特定のターゲットを定めていない反腐敗キャンペーンのダイナミズムを示すことになった。

 そして「2匹目の虎」として、前政治局委員で中央軍事委副主席でもあった徐才厚上将が、今年6月30日、「党籍剥奪」され軍事法院に起訴された。
 これを機に人民解放軍にも粛清の嵐が吹き荒れることになった。

 人民解放軍を掌握すること、すなわち「軍権」の確保は、習近平の権力固めに必須の要件であった。
 習近平は反腐敗キャンペーンで解放軍にも容赦することはなかった。

 徐才厚摘発のきっかけは、軍総後勤部副部長であった谷俊山中将による、邦貨換算で3000億円にも上ると言われた「解放軍史上最大の汚職事件」の摘発であった。
 2012年に汚職の疑いで査問を受け、同年5月には正式にポストを更迭されていたところ、やっと2014年3月に軍事法院に起訴され、汚職の実態が公表された。
 この間、この汚職事件に関与していたとされる徐才厚も査問を受ける立場にあったと言われている。
 軍内部では、今後、徐才厚と同時期に中央軍事委副主席であった郭伯雄上将にも査問が及ぶ可能性がある。

 なお、谷俊山の軍内における「後ろ盾」は、江沢民弁公室主任から軍籍に転じ、軍総政治部副主任を務めている賈廷安上将とされている。徐才厚も郭伯雄も江沢民によって引き上げられた軍人である。ただし、賈廷安にはまだ査問の噂はない。

 人民解放軍は、2014年8月1日の「建軍節」を機に、7大軍区の司令員、政治委員など指導部を大幅に若返りさせる人事を断行すると報じられている。
 そうであるとすれば、それは習近平が軍内における実権を掌握したことを内外に示す人事であり、その意味において人民解放軍に対する反腐敗キャンペーンは「峠を越した」と言えるのかもしれない。

実体は政治闘争であり自らの権威づけ

 また反腐敗キャンペーンでは、政府や軍に限らず、不正蓄財に繋がりやすい利権の集中する部門だけが対象となっているわけではない。
 「大公網」の摘発リストには載っていないが、7月11日に中国中央テレビ(CCTV)の看板記者で人気キャスターであった芮成鋼が突然、検察に検挙されるという事件があった。
 CCTVの汚職摘発の一環と見られ、検挙されたのは芮成鋼にとどまらず、5月以来多数が連行されていた。
 リストに載っていないのは、中紀委ではなく検察の事案だからであろう。
 しかし、中国の新聞や放送メディアは「党の喉舌」であり、党や政府の宣伝を担う部門であることから、この事件が今後、党中央宣伝部に対する腐敗取り締まりに発展する蓋然性が高いと見られている。

 現状を素直に見るならば、反腐敗キャンペーンのターゲットは不断に拡大しつつあり、摘発のペースは2013年に21名だったところ今年はすでに20名に達し、むしろ加速しつつある。
 こうした状況が、「脛に傷を持つ」者たちを戦々恐々とさせている。

 「石油派」摘発の過程で、2014年5月に「石油派」最大の実力者と見られていた曾慶紅・元国家副主席が、上海市党委書記の韓正、江沢民・元国家主席の長男である江綿恒・前中国科学院副院長を伴って上海で姿を現し、さらに江沢民自身も同月下旬、訪中したプーチン・ロシア大統領と同じく上海で会談することで「健在ぶり」をアピールしたのも、習近平の反腐敗キャンペーンが自分の身辺に及ぶことへの抵抗であり、牽制であることは間違いないだろう。

 しかし、子細に摘発リストを眺めれば分かることだが、
 中国の建国に功のあった党元老の子弟は含まれていない。
 米国在住の著名な経済社会学者である何清漣氏がいみじくも指摘しているように、これが習近平の反腐敗キャンペーンの限界なのだろう。
 正統な「太子党」には手を出さない反腐敗キャンペーンは、その意味で政治闘争
にほかならない。

 ところで、毛沢東の「文化大革命」は、民衆を扇動して劉少奇や鄧小平といった「実権派」を追い落として権力を奪取するという「奪権闘争」であったが、運動の拡大に歯止めが利かず全国的な大混乱を引き起こした。
 習近平は、これまでのところ「上からの」反腐敗キャンペーンにとどめ、民衆に対しては言論の統制を強めることで「下からの」関与を防いでいる。

 これは「文革」の失敗を教訓にした部分もあるかもしれないが、反腐敗キャンペーンを制御可能なものにしておく必要を自覚しているからだろう。
 別の側面としては、習近平自身のリーダーシップを強化する狙いが見て取れ、その意味から自らの政治実績が乏しいという弱点をカバーし、権威を確立するための方策と見なすことができるだろう。

 習近平は、2013年11月に開催された党18期3中全会で設立が明示された党中央国家安全委員会や党中央全面深化改革領導小組のトップを占め、また最近では党中央財経領導小組をも率いることで、主要な権限を手中に収め、そのポストによって自らの権威を高めようとしている。その共通する目的から見て、反腐敗キャンペーンと表裏一体の関係にあると見られる。

反腐敗キャンペーンの限界

 国務院総理である李克強の影が薄くなるほど、権力の個人集中を実現した習近平にとって、非常に重い課題となるのは、いつまでも続けるわけにはいかない反腐敗キャンペーンの「幕引き」をどうするかである。
 この「線引き」はなかなか難しい。

 現在のところ、8月の北戴河会議で後述する周永康の起訴への党内コンセンサスを取り付け、秋の党18期4中全会で腐敗防止のためのスキームを決定するシナリオが想定されるが、そこには自ずと限界がある。
 習近平が、利権を独占する共産党の独裁体制に腐敗の根源があるという現実を直視し、民衆が党を監視し監督する「政治民主化」に舵を切ることができるかと言えば、それは絶対にできないからだ。
 それこそ共産党を解体に追いやる選択であり、「党の指導体制」という「国体護持」が習近平に課せられている絶対的使命だからである。
 結果として習近平は反腐敗に関して「対症療法」以上のことはできまい。

 さらに言えば、反腐敗キャンペーンのターゲットが絞り込まれていなかったことによって、汚職腐敗の摘発範囲が異常なまでに拡大してしまい、4中全会で「幕引き」がおそらくできないだろうということだ。

 習近平は一体どこまでやるつもりか──拡大する「疑心暗鬼」が中国の指導層に及ぼす影響が、行政の萎縮をもたらすことになればマイナスの効果しか生まないだろう。
 習近平に対する抵抗勢力の結集もあり得る。

 また、反腐敗キャンペーンを中途半端なままで終わらせてしまえば、党官僚の目に余る腐敗ぶりや法外な不正蓄財に不満を募らせていた民衆にとって、習近平のリーダーシップの限界をそこに見てしまうことになり、彼に対する求心力が失われかねない。

 「進むも地獄、退くも地獄」の現実に習近平は直面しつつある。



 WEDGE Infinity 日本をもっと、考える  2014年07月15日(Tue) 
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4024
小原凡司 (東京財団研究員・元駐中国防衛駐在官)

軍に忠誠を誓わせた習近平、江沢民派との権力闘争の行方

2014年6月30日、中国のメディアは、中国共産党中央政治局が、元中央軍事委員会副主席の徐才厚上将の党籍剥奪の処分を決定したと報じた。
 決定では徐才厚上将に汚職など「重大な規律違反」があったとし、この案件は既に司法機関に送られたという。
 今後、軍法会議において訴追されるということだ。


●党籍剥奪の処分決定が報じられた徐才厚
(写真:ロイター/アフロ)

 徐才厚事案もいよいよ大詰めといったところである。
 徐才厚は、江沢民に抜擢され、胡錦濤政権時代も江沢民の庇護の下でその影響力を行使し続けた。
 胡錦濤は2002年11月の第16回党大会で党総書記となったものの、江沢民が党中央軍事委員会主席の座を手放さず、徐才厚は第16期1中全会で党中央軍事委員会委員及び党中央書記処書記に選出され、総政治部主任に昇進した。

 総政治部主任という職は、全ての人民解放軍将校の人事に関与する立場である。
 徐才厚は、人民解放軍の人事を握ることによって、江沢民の影響力の基盤を提供していたとも言える。
 さらに、2004年9月の第16期4中全会において胡錦濤が党中央軍事委員会主席となっても、自身は同委員会副主席となって、人民解放軍ににらみをきかせ続けた。

 徐才厚は、2012年11月の党大会で、ようやく党中央軍事委員会副主席の職から退いた。
 表向きは正常な退官であったが、中国では、彼が既に拘束されて事情聴取を受けていたと言われていた。
 徐才厚の愛人は、それこそ、有名な話であったので、今更、愛人問題で失脚した訳ではないことは周知だった。
 江沢民派排除の動きは、胡錦濤から習近平に権力が移譲される中で既に始まっていたのだ。
 制服組のトップである徐才厚の排除は、その象徴である。

胡錦濤が目指した「制度化」

 胡錦濤は、最後まで江沢民の影響力から逃れることができなかった。
 しかし、胡錦濤は、江沢民の影響力の下でも改革を進めようとしていた。
 その内のひとつが、江沢民が進めた「反日愛国主義教育」の行き過ぎの是正である。

 胡錦濤は、江沢民が中国全国に建設した「愛国主義教育基地」の数をさらに増やしている。
 と言うと、反日教育をさらに推し進めたように見えるが、胡錦濤が建設した「愛国主義教育基地」には抗日戦争に無関係のものが多く含まれていた。
 例えば、人民解放軍が農民のために建設した用水路等である。
 胡錦濤は、愛国主義教育に占める「反日」の濃度を薄め、「愛国主義=反日」の構図を変えようとしたのだ

 さらに、人民解放軍の汚職を減少させるために、装備品の中央調達化も進めようとした。
 胡錦濤が進めようとしたのは制度化である。
 鄧小平が開始し、江沢民が逆行させた制度化を、忠実に進めようとしたのだ。
 しかし、胡錦濤の制度化には限界があった。

 2012年11月の第18回党大会において、胡錦濤は全ての権力の座から退いた。
 江沢民のように中央軍事委員会主席の座にしがみつき、影響力を行使しようとはしなかった。 2012年9月の日本政府による尖閣諸島購入後、人民解放軍から胡錦濤に対して「中央軍事委員会主席に留まるよう」要請があったが、胡錦濤はこれを断っている。

 「習近平体制は、5年後の党大会時に定年のために現職を退く者が多く、結局、胡錦濤が再び実権を握ることができるという自信の表れだ
という主張もあるが、制度化の努力を江沢民に阻害され続けた胡錦濤にとって、制度を無視して権力にしがみつくことは自らの主義を否定することになる。

 人民解放軍が胡錦濤に中央軍事委員会主席の座に留まるよう要請したのは、軍内を江沢民派で固めていた方が日本に対抗するのに有利だという判断があったかもしれない。
 胡錦濤が完全に引退したのは、江沢民の影響力を排除する目的もあったと考えられる。
 江沢民を道連れに引退したのだ。

 また、江沢民は、中央政治局常務委員の人数を9人から13人に増やすことによって江沢民派の優勢を保とうとしたが、胡錦濤はこの目論見も潰した。
 自身の引退時に、政治局常務委員を9人から7人に削減したのだ。
 習近平は、出発時から江沢民の影響力を最小限に抑えることができたのである。

軍と手打ちを済ませた上で徐才厚を起訴

 それでも習近平指導部が改革を進めるためには、さらなる江沢民の影響の排除が必要だった。
 現在の党・政府機関や国有企業等の利益団体の幹部は皆、江沢民の影響下で出世しているのだ。
 これらを全て排除したのでは、党も政府も機能しなくなってしまう。
 習近平主席は、江沢民の影響を排除しつつ、党・政府の機能を維持しなければならない。
 落としどころを見つけて、「手打ち」をしなければならないということだ。

 徐才厚事案も、周到に根回しされている。
 2012年12月、総後勤部副部長・谷俊山中将(当時)に対して調査を開始し解任した。
 徐才厚は谷俊山の後ろ盾である。
 調査に1年以上の時間をかけ、2014年3月31日、中国政府・国防部は谷俊山を収賄、公金横領、職権乱用の疑いにより軍事法院に起訴した。

 徐才厚が逮捕されたと報じられたのは6月に入ってからである。
 徐才厚には、自殺説も流れるほど長い時間、処分を決定することが出来なかった。
 この期間、習近平主席は、他の軍幹部たちとの落としどころを探っていたのだ。
 「手打ち」は、目に見える形で現れた。
 4月2日付の中央軍事委員会機関紙である解放軍報が、七大軍区や海軍、空軍、第二砲兵の司令官など18人の署名入り忠誠文を掲載したのだ。

 今後、よほどの反抗がない限り、軍における大規模な粛清は行われない。
 その代わりに忠誠を誓わせたのだ。
 軍の大規模な造反も生起しないだろう。
 習近平主席は、軍と手打ちを済ませた上で徐才厚を起訴したのだ。

強大な地方の権力

 徐才厚の処分が決まらなかったため、2006年の上海党委員会書記・陳良宇事案の際の中央政治局常務委員・黄菊(当時)のように、「公開されず、逮捕されず、判決を受けず、表ざたにされない」という方式が適用されるのではないかという憶測も流れた。

 陳良宇事案とは、上海のトップであった上海党委員会書記・陳良宇(当時)が社会保障基金を個人的な投資に流用し、違法に利益を得ていた事件である。
 これに関与していた黄菊は、結局、その罪を追及されず、彼の病死後、彼に連なる人たちが裁かれた。
 徐才厚が、膀胱癌で余命いくばくもないとされながら処分されたのとは大きく異なるのだ。

 中国共産党中央は、日本で考えられているほど強力ではない。
 胡錦濤は、陳良宇を拘束するに当たって、上海市の武装警察責任者・辛挙徳を更迭し峡西省の武装警察主任・劉洪凱少将を任命している。
 劉少将は、胡錦濤に忠誠を誓い、陳良宇の拘束に貢献した。
 しかも、陳良宇を拘束したのは上海の部隊ではなく、江蘇省の部隊だった。
 上海の武装警察は上海市指導部の影響下にあり、中央の命令に従わないと考えられたからだ。

 それほど、地方の力は強いのである。
 中国共産党中央は、基盤を持たず、各地方の権力の上に神輿のように担がれている。
 陳良宇事案は、中国指導部が地方に手を出すのがどれほど難しいかを示すものだ。

鉄道、石油利権集団との闘争を展開する習近平

 日本では、習近平は権力掌握ができていないという評価もあるが、そうは考えられない。
 少なくとも、過去に誰も手を付けられなかった改革を実行している。
 既得権益を侵される権力者や地方、利権集団が反発し、種々の抵抗を示すのは当然である。

 中国経済・社会は危機的状況にある。
 少なくとも中国指導部はそう認識している。
 改革を進めるために、組織、地方及び利権集団の権力掌握を進める必要があると考えているのだ。
 習近平主席は、軍の権力掌握を進めると同時に、鉄道及び石油といった利益集団を掌握するための闘争を展開している。

 2014年1月6日、中国国家鉄道局がひっそりと看板を掲げた。
 鉄道局は、2013年3月に解体された鉄道部の後継機関である。
 中国の「部」は日本で言う「省」に当たり、鉄道局は降格された格好だ。
 しかも、引き継いだのは行政部門だけで、輸送等の事業部門は国有企業として発足した中国鉄路総公司が引き継いだ。
 実質的に権益を生む部門は鉄道局から切離されたのである。

 中国でも、新しい組織が発足する際に組織の新しい看板を掲げるのは象徴的な行事である。
 ニュースでもよく見かける光景だ。
 しかし、鉄道局の「掲牌儀式」は報道されることもなかった。
 そのことが、鉄道利権が習近平主席に抑え込まれたことを示唆している。

 中国では、習近平主席に率いられた「反腐敗」が現在も展開中である。
 石油利権の大ボスでもある周永康の処置もまだ決定されていない。
 中央政治局常務委員まで務めた周永康に対して法的措置を採られるとすれば、これまでになかった異例の措置になる。
 周永康が公に処分されれば、江沢民にまで手が伸びる可能性もある。
 江沢民派の抵抗は益々強くなるだろう。

 中国では、現在でも権力闘争に勝利するための最終手段は「武装力量」であると信じられている。
 人民解放軍との手打ちを済ませた習近平指導部は、今後も、改革の前提となる権力掌握のための闘争を続けるだろう。
 既得権益の深層に切り込めば切り込むほど、既得権益側の抵抗は激しくなる。
 国内の権力闘争は対外政策にも影響を及ぼす。
 抵抗勢力は、指導部の権威を失墜させるために、周辺諸国との摩擦を故意に起こすこともためらわない。
 周辺諸国は、外交努力と相反する中国の強硬姿勢の背景を理解して対処する必要があるだろう。