2014年9月22日月曜日

共産党独裁と人民民主主義:「民意が離反している」との危機感のあらわれ

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●習近平国家主席は手にした権力を正しく使えるか〔AFPBB News〕



2014.09.22(月)  The Economist
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41769

昇竜の勢いの習近平:中国を支配する男
(英エコノミスト誌 2014年9月20日号)

過去数十年で最大の権力と人気を誇る中国の指導者は、その強みを賢く活用しなければならない。

 カリスマ的独裁者、毛沢東による支配の下で解き放たれた狂気は、中国にあまりにも大きな傷を残した。
 そのため、毛沢東亡きあとの後継者たちは、あれほどの支配力を1人の人間の手に握らせることは二度とすまいと誓った。

 1970年代後半に実権を握った鄧小平は、「集団指導」という概念を高く評価した。
 共産党総書記が責任を複数の指導者に分け与え、その総意により重大な決断を下すという考え方だ。
 これは時に無視されることがあり、鄧小平自身も、危機に際しては独裁者として振る舞った。

 だが、この集団指導体制というあり方は、毛沢東独裁による混乱後に中国が安定を取り戻すのに役立った。

 現在の中国の最高権力者、習近平国家主席は、その集団指導体制を破棄しつつある。
 習主席は間違いなく、鄧小平以来最も強力な中国の支配者になっている。
 毛沢東以来かもしれない。
 それが中国にとって良いことか悪いことかは、習主席が権力をどう行使するかにかかっている。

 毛沢東は、中国を社会的にも経済的にも崩壊寸前まで追い込んだ。
 鄧小平は、経済面では正しい方向に舵を切ったが、政治面では改革の機会を逸した。
 習主席が自らの権力を活用して中国における権力のあり方を改革すれば、中国に多大な利益をもたらすことになるだろう。
 これまでの習主席の行動から見る限りでは、まだどちらとも言えない。

■党を背負う

 集団を犠牲にして習主席を単独の権力者に押し上げるという決断自体が、
 集団的に下されたものだった可能性は十二分にある。
 中国の一部には、絶対的指導者を切望する声がある。
 腐敗を一掃し、広がる格差を是正し、世界での確固たる立場を築ける政治家が求められていた(最後の仕事については、習主席は楽しそうに取り組んでいる)。

 また、国外の実業家の多くも、肥大化した国有企業による独占状態を打ち砕き、経済改革に対する長年の躊躇を打破する指導者を求めていた。

 その決断がどのように下されたにせよ、習主席は権力を握り、それを徹底的に活用した。
 行政改革を担う秘密委員会を支配下に収め、軍、財政、サイバーセキュリティを全面的に見直している。

 習主席の汚職撲滅キャンペーンは、過去数十年で最大規模のものだ。
 人民解放軍のナンバー2(中央軍事委員会副主席)を陥れ、中国の巨大な治安部門の元トップも標的とした――毛沢東政権以来、汚職捜査の対象になった政府高官としては最高位の幹部だ。
 軍幹部は賢明にも習主席に服従している。
 今年になってから、中国国営の新聞に、習主席への忠誠を誓う軍司令官たちの声明が相次いで発表された。

 習主席は中国の指導者として初めて、大がかりなチームを組織して一般向けのイメージを作り上げた。
 だが、習主席自身もイメージ戦略の素質を持っている。
 身長(高さを重視する中国において、習主席の背丈は毛沢東を除くすべての前任者を上回っている)と、強靭さと、親しみやすさを持ち合わせているのだ。

 大衆に混じって肉まんを食べているかと思えば、国家主席専用リムジンではなくマイクロバスに乗る姿を見せる。
 習主席はいまや、毛沢東以来最も人気のある指導者になっている。

 こうしたすべては、習主席に課された2つの使命の遂行を後押しする。
1]. 1つ目の目標は、不安を抑えるに足るペースでの経済成長を維持しつつ、不動産投資とインフラ投資への過度の依存から脱却することだ。
 これらに依存しすぎていると、経済が負債にあえぐことになりかねない。

 習主席は2013年11月、市場の力が重要な役割を果たすことになると明言し(鄧小平でさえ、それを口に出す勇気はなかった)、この目標に向け有望なスタートを切った。
 それ以降、いくつかの心強い動きが見られる。

 例えば、これまでは国有企業が独占していた分野で民間企業の権利を拡大したり、地方政府が所有する企業の株式を民間の投資家へ売却したりしている。
 習主席はまた、戸籍制度の改革にも乗り出している。
 毛沢東時代の遺産である戸籍制度は、農村部から都市部への恒久的な移住を難しくしている要因だ。
 鄧小平時代の遺産で、広く弊害をもたらしている一人っ子政策の緩和にも着手した。

■さらなる施策が必要

 習主席の経済政策により、成長の急激な減速に歯止めをかけられるかどうかは、まだ全く分からない。
 最新の統計では、中国経済は政府の思惑よりも急速に冷え込んでいることが示唆される。
 状況を大きく左右するのは、習主席がさらに難しい2つ目の使命をどこまで遂行できるのかという点だろう。

2]. 2つ目の使命とは、法の支配の確立だ。
 法の支配は間違いなく、10月に開催される中国共産党中央委員会の年次会議での中心的な議題となる。
 問題は、あらゆる者に公平に法を適用する覚悟が、習主席にあるかどうかだ。

 腐敗取り締まりにおける習主席の力の入れ方を見る限りでは、その答えは「条件付きのノー」だ。

 今回の腐敗撲滅キャンペーンには、
 組織の無視という毛沢東主義的な特徴がある。
 役人たちに恐怖を植えつけるのには成功しているが、
 汚職の原因にはほとんど切り込んでいない。
 汚職の原因は、
1].党自体が完全に支配する捜査の仕組みと、
2].しばしば忠誠心が誠実さよりも重視される非公開の公職任命制度と、
3].不正行為の批判を封じ込める自由な言論の抑圧
にある。

 習主席に求められるのは、腐敗を取り締まる独立機関を設立することだ。
 取り締まりを党の捜査担当者と、彼らの属する反目し合う派閥に委ねるのでは意味がない。
 また、政府高官に対して、すべての収入源や不動産などの資産の公開を義務づける必要もある。

 ところが習主席は、腐敗の取り締まりに劣らず精力的に、そうした変革を求める活動家を検挙している。
 法制度改革が伴わなければ、習主席は古いタイプの指導者――犯罪者と闘うという名目で復讐をする指導者――になってしまう恐れがある。
 それは2つの結果を招くことになる。
★.新たな腐敗の潮流が生まれ、
★.党のエリート層の怒りが、ある時点で爆発する。

 いくつかの点では、習主席は正しい発言をしている。
 例えば、「権力を檻に封じ込める」ために裁判所の助力を得たいと語っている。地方裁判所に対する地方政府の影響力を小さくする改革も進められている。

 だが、さらに踏み込んで、機密の絡む事件の裁定権を持つ、共産党の不透明な「政法委員会」を廃止しなければならない。
 共産党は、裁判官の(もっと言えば立法者の)選任に干渉するのをやめるべきだ。

 こうした改革を断行すれば、極めて大きな効果が得られるだろう。
 権力の独占を緩和し、チェック・アンド・バランスを受け入れ始める意思が党にあることを示すことになる。
 鄧小平はかつて、経済改革は、政治改革を伴わなければ失敗すると語った。
 習主席は8月に、腰の重い役人に対して、「果敢に改革を断行する」よう求めた。

 中国の指導者は、自らの言葉を、そして鄧小平の言葉を心に留めておくべきだ。
 その絶大な権力を、最善の結果が得られるように行使し、体制の変革に努めなければならない。

© 2014 The Economist Newspaper Limited. All rights reserved.
英エコノミスト誌の記事は、JBプレスがライセンス契約 に基づき翻訳したものです。
英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。
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サーチナニュース 2014-09-21 23:23
http://news.searchina.net/id/1543886

習近平
「全社会の願いと要求の最大公約数を探しあてることが、人民民主の最重要点だ」=中国

 中国共産党の習近平総書記(国家主席、中央軍事委員会主席)は21日、北京市内で開催された中国人民政治協商会議の成立65周年大会で演説し、
 「人民政治協商会議は人民民主主義の重要な形式だ」、
 「全社会の願いと要求の最大公約数を探しあてることが、人民民主の最重要点だ」
などと述べた。
 中国新聞社などが報じた。

  中国共産党は国民党との抗争期、「打倒蒋介石」の目的を共有できる政党との協力体制を構築した。
 いわゆる「統一戦線」だ。
 統一戦線の制度化として発足したのが中国人民政治協商会議で、統一戦線に参加した8政党や各団体、各界の代表で構成される。
 なお、中国語の「協商」は協議の意だ。 

 中国人民政治協商会議は1949年9月21日に北京(当時は北平)で第1回大会を開き、臨時憲法「中国人民政治協商会議共同綱領」の採択、中央人民政府主席に毛沢東を選出、北平を北京と改名して首都に定めるなどを決めた。
 同決定を受け、毛沢東が同年10月1日に中華人民共和国の成立を宣言した。
  その後、全国人民代表大会(全人代)が「国家」の最高権力機関とされた。
 政治協商会議は政治における「提言機関」となり、政治的影響力は相対的に低下した。
 さらに、「共産党が政府を指導」と定められたため、中国の政治は実際には共産党上層部の意向で決まるようになった。
 全人代が長期間にわたり機能しない事態も発生した。
 改革開放の本格化した1990年代以降、政治協商会議は「統一戦線」という性格から比較的早くから財界(民間の大企業経営者)を受け入れたため、実質的地位は再びやや向上した。
  習近平共産党総書記は21日の大会で、
 「政治協商会議は、国家統治の体系と統治能力の現代化の要求に適応せねばならない。
 改革と刷新の精神を堅持し、
 人民政治協商の理論を刷新、制度の刷新、作業の刷新、民主形式を豊富にすること、
 民衆のパイプの通りをよくすることをせねばならない」
などと表明。
 中国の体制については「社会主義協議民主」と表現し、
 中国の体制は
 「社会主義民主政治の特有の形式と独特な優位さ」であり
 「共産党の大衆路線の政治分野における重要な具現化」を持つ
と主張した。
  さらに、中国の現状を
 「社会主義制度のもとで、問題があれば相談する
 。多くの人に関係することは多くの人で相談する」
と説明し、
 「全社会の願いと要求の最大公約数を探しあてることが、人民民主の最重要点だ」
と論じた。

**********

◆解説◆
  中国などで採用されている「人民民主主義」は、いわゆる西側国家の「議会制民主主義」とは異なる。
★.議会制民主主義の場合には、国会議員や国のすぐ下に位置する地方自治体の首長など、かなり広範囲にわたって普通選挙が実施される。
 国家元首が全国選挙で選ばれる場合もある(大統領制。米国など)。
 政権党(与党)を反対党(野党)が公然と批判することも、広く認められている。
 選挙結果の結果では、与党が下野し、それまでの野党が与党になる場合もある。
★.人民民主主義では、政権党が政権を掌握していることが国家体制の大原則とされる。
 それ以外の政党の存在が認められる場合もあるが、「野党」としてではなく、政権党に協力する「衛星党」としての存在であり、政権交代は想定されていない。
 「普通選挙」が行われても、形式的である場合がほとんどだ。
 人民民主主義の場合、政権党が有能であり、良心的であれば、政治的目標を迅速かつ強力に実現できる場合がある。
 中国で1990年代に本格化した開放改革がよい例だ。
 さまざまな深刻なひずみを発生させることにはなったが、「とにかく経済を成長させねば、国がもたない」という切迫した状況は打開することができた。
 逆に、政権党の問題が、是正されにくいという欠陥も否定できない。
 政権党が絶対的に権力を握っているため、政権党の問題がそのまま国家全体の大きな問題になる。

 人民民主主義の体制が持つ問題は、議会制民主主義の国とは異なり、
 「野党との対決があり、問題があればいやが応でも自己改革せねば、政党として存続も危うくなる」
との“物理的に切迫した状況”が出現しにくいために発生しやすいと解釈できる。
 総じて言えば、
★.議会制民主主義は、政権党あるいは政権担当者に対する「性悪説」が根底にあり、
★.人民民主主義は「性善説」が根底にある体制
と分析できる。
  現在、統一戦線を構築した上での人民民主主義を採用している国としては中国、北朝鮮、ラオスがある。
 シリアも、社会主義ではないが、形式的に同様の体制をとっている。

**********

 習近平総書記の演説は、中国共産党の綱領からは、微妙にずれている部分がある
 共産党などのいわゆる「革命政党」はもともと、自らこそが新たな社会を切り開く「前衛勢力」と意識することが多かった。
 「自らの信念は完全に正しいが、それを理解しない人々がいる。
 旧体制で利益を得てきた勢力も多い」
との考えだ。
 そのため、大衆に対する宣伝活動に力を入れ、
 「社会に残る敵を打倒する」
ことに力を入れた。
 中国共産党の現行の綱領の冒頭にも
 「中国共産党は中国プロレタリアートの先鋒隊(前衛部隊)であり、同時に中国人民の先鋒隊である」
と、自らが「前衛勢力」であると強く意識する表現が並べられている。
 習総書記は21日の演説で、
 「全社会の願いと要求の最大公約数を探しあてることが、人民民主の最重要点だ」
と述べており、
 「前衛としての意識や使命感」はみられない。
 共産党として「とにかく、民意を尊重」
との考え方を強調したとも、
 「民意が離反している」との危機感のあらわれとも解釈できる。



サーチナニュース 2014-09-29 11:09
http://news.searchina.net/id/1544539?page=1

中国政府・共産党「以下の場所での会議開催を禁止」
・・・全国の人気観光地21カ所がズラリ

 中国共産党中央弁公庁と国務院弁公庁は28日、共産党及び政府機関が観光地で会議を開催することを禁止する通達を出した。
 「一律禁止」と指定された場所には、中国を代表する観光地21カ所がずらりと並んだ。
  会議開催が禁止されたのは、
八達嶺-十三陵、
承德避暑山荘外八廟、
五台山、
太湖、
普陀山、
黄山、
九華山、
武夷山、
廬山、
泰山、
嵩山、
武当山、
武陵源(張家界)、
白雲山、
桂林漓江、
三亜熱帯海浜、
峨眉山-楽山大仏、
九寨溝-黃龍、
黃果樹、
シーサンパンナ(西双版納)、
華山
 の21カ所で、いずれも中国を代表する観光地だ。

 また、それぞれの観光地について、会議開催を禁止するのは、「開発ガイドラインで定められた核心風景区」と細かく指定された。
   また、地方の党組織や政府機関については、該当する行政区画内で会議を開催するよう定められた。
  観光、宗教、林業、地震、気象、生態保護、国土資源、観光地開発ガイドライン作成などの専門的会議が、上記21カ所の観光地で会議を開催する必要がある場合には、共産党及び政府の上級部門の許可が必要とした。

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 ◆解説◆
  中国ではかつて、共産党組織や政府機関、各種組織が、「観光地で会議を開催」ということが、普通に行われていた。経済が発達していなかった時代に、人々の収入は低く、組織幹部とはいえ「自腹」で旅行に出かけるのは難しかった。
 そのため「物見遊山」を兼ねた会議開催には、「福利厚生の一環」という面もあった。
 「伝統的社会主義」の体制だったころの中国では、各職場が福利厚生を積極的に行っていた。
 肉や卵、野菜、果物などの職員向け臨時配給もしばしばあった。
 住宅も職場が建設し、従業員に「ただ同然」の家賃で住まわせることがが一般的だった。

 一方で、当時の物価と比べても給与水準は極めて低かった。
 しかし、改革開放とともに「職場の福利厚生」は次々に圧縮されていった。
 給与水準を引き上げると同時に「現物支給」は少なくなっていった。
 「持ち家政策」により、工場の独身寮などを除き、「従業員向け住宅」は居住を希望する人に払い下げられていった。
  必要もないのにわざわざ観光地で開催される会議は、単なる既得権益と化した。
 「有名な場所で開催された重要会議に参加できた」ということが、一種のステイタス、つまり「面子(メンツ)」につながったと言う側面もあった。
  現在の中国で、中流程度の所得を得ている人ならば、「自腹」で観光地を訪れることは珍しくない。多くの人でにぎわう有名観光地で「仕事のため」と称して、共産党や政府組織が大人数が集まる会議を開けば、「特権を利用」との批判を浴びることになる。
 中国共産党中央弁公庁と国務院弁公庁が出した通達も、禁止の理由として「党と政府のイメージを損ねる」ことを挙げた。



サーチナニュース 2014-10-20 09:57
http://news.searchina.net/id/1546339?page=1

中国メディア
「絶対的権力は絶対的に腐敗する」
・・・鉄道部汚職で解説記事

 中国青年報は20日付で、中国政府の旧鉄道部の汚職事件を分析する記事を掲載した。
  記事見出しは
 「牛の囲いで猫を閉じ込めることはできない」で、
 「悪質な腐敗を防止するにはきめ細かな対策が必要」
の意だ。
 中国新聞社、国際在線など多くのメディアが同記事を転載したが、中国青年報が記事本文中で使った
 「絶対的権力は絶対的な腐敗に至る」
を見出しにした場合が多い。

 記事は冒頭部分で鉄道部運輸局だった張曙光被告が17日、収賄の罪で執行猶予2年付きの死刑判決を言い渡されたことなどを紹介。
 さらに2013年に、行政分野を担当する国家鉄路局と建設や輸送などの事業を行う国有企業の中国鉄路総公司に解体されるまで、鉄道部は行政と企業活動を一手に担ってきたと指摘。
 権力の集中が腐敗の温床になったと分析した。
  記事は、旧鉄道部首脳に蔓延していた腐敗が
 「社会に警告する」こととして
 「政治と企業が分離せず、権力が高度に集中してコントロールを失った。
 牛の囲いで猫を閉じ込めることはできない。絶対的な権力は絶対的な腐敗に至る」と論じた。  中国青年報は本文中の「牛の囲いで猫を閉じ込めることはできない」
の部分を見出しとした。

 しかし、同記事を転載した中国新聞社、中国国際放送系の国際在線、中国人民ラジオ系の中国広播網などは
「絶対的な権力は絶対的な腐敗に至る」
を見出しとした。 
 中国青年報の論調は、「行政と市場」の分離を進める現政権の方針と矛盾するものではない。
 しかし中国では、メディアなどが直接批判することはないものの、習近平国家主席が
 「自らに権力を集中させすぎている」と懸念する人も増えているとされる。
 「絶対的な権力は絶対的な腐敗に至る」の言い回しに、
 現政権に対する疑問視や批判の意図
が込められている可能性も否定できない。 

**********

◆解説◆
   中国は周知のように、「共産党」が支配する国だ。
 憲法にも「中国共産党が中国の各民族人民を指導」と明記されている。
 つまり、共産党は立法、行政、司法の三権の上に存在し、「絶対的権力」を掌握していることになる。  
 中国共産党も、過去に行ったことや現状がすべて「正しかった/問題ない」と主張しているわけではない。
 例えば、文化大革命については
 「毛沢東同志が晩年に犯した過ち」と総括している。
 腐敗現象についても、かなり前から「執政能力(政権担当能力)にかかわる問題」などと危機感を示している。

  しかし、さまざまな問題について共産党は常に「解決する強い意志も能力も持っている」と主張。
 つまり、問題が発生しても「自浄能力」で対応できるとの姿勢を堅持している。
 「共産党性善説」と言ってよい。
   この点、三権分立で権力が互いに監視したり牽制しあうシステムを構築している西側諸国とは考え方が大きく異なる。
 西側諸国では主要な行政官も普通選挙で選ばれる。
 「考え方や能力、道徳面が至らない者が権力の座を目指す場合がある」との前提で排除するシステムだ。
 つまり「権力性悪説」にもとづいて、国のシステムが構築されていると言ってよい。
  このような西側制度の「権力性悪説」の土台にあるのが
 「絶対的権力は絶対的な腐敗に至る」だ。
  「絶対的権力は絶対的な腐敗に至る」は中国にとって、共産党の支配体制を否定することにつながりかねない、“危険思想”とも言える。
 中国メディアがどこまで考えてこの言い回しを使ったのかは不明だが、
 「権力集中」への批判を込めた論調が、多くの人の目にさらされることになった。




【描けない未来:中国の苦悩】





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2014年9月21日日曜日

中国公民のパスポート保有率は5%足らずの約6800万人:海外観光支出は1287億ドル(約12兆8700億円)

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●15日、国際連合世界観光機関(UNWTO)アジア太平洋センターの観光情勢と見通しをめぐる第8回フォーラムが、今月13日から15日にかけて広西チワン族自治区桂林市で開催されている。写真はビジット・ジャパン・キャンペーン。



レコードチャイナ 配信日時:2014年9月21日 16時41分
http://www.recordchina.co.jp/a94523.html

中国人観光客の購買力は世界一、お気に入りは何?―中国メディア

 2014年9月17日、統計によると、2013年に中国から海外へ出かけた観光客はのべ9819万人に上り、
 海外での観光支出は1287億ドル(約12兆8700億円)
に達した。
 だが総人口約13億6000万人における
 パスポート保有率は5%足らずの約6800万人
に過ぎない。

 つまり、一部の人が年に何回も海外へ出かけているということだ。
 別の統計では、13年の中国人観光客の海外旅行における項目別消費額をみると、多い方から順に、
 ショッピング、交通、その他、宿泊、食事、娯楽、観光地の入場料
となっていた。

 このほど行われた世界観光都市連盟(WTCF)の2014年北京香山観光サミットで発表された
 「中国公民の出境(都市)観光消費市場調査報告」
によると、
 中国人観光客の海外での1人当たりの平均支出は2万元(約34万円)
に迫り、このうち
 1日平均5万元(約85万円)以上使う人が2%
に上った。
 中国の海外観光客の購買力は今は世界一だ。
 それでは、中国人観光客はなぜこれほど熱心に海外で買い物をするのだろうか。
 中国人は海外で何を買うのか。

▽高級品の購入は世界の半分

 中国人の海外旅行先は
 米国、
 タイ、
 日本、
 フランス、
 英国、
 イタリア、
 韓国、
 マレーシア、
 香港、
 台湾
などに集中している。
 統計によると、
 13年の中国の高級品消費額は1020億ドル(約10兆2000億円)
に上り、世界の高級品の約半分を消費したことになり、中国人は一番のお得意さまだ。
 高級品の海外での価格は国内価格よりも安いため、海外旅行が普及するにつれて、海外で購入するというのが一部の人の間で旅行の主要目的になっていった。
 中国ぜいたく品市場研究機構品質研究院が発表した「中国ぜいたく品報告」によると、
 中国人の海外での高級品消費額は11年は500億ドル(約5兆円)だったが、
 2013年は740億ドル(約7兆4000億円)に増加し、
 国内での消費額の280億ドル(約2兆8000億円)
を大幅に上回った。

▽日用品は気に入ったものを購入

 賈さんが働く北京のネットワーク大手は毎年一度、海外へ社員旅行に出かける。
 賈さんは今年7月、夫婦で日本へ10日間の旅行に出かけ、3箱分の買い物をした。
 「炊飯ジャーだけで3つ買った。
 前に日本で炊飯ジャーを買ったところ、家に来てご飯を食べた客のほとんどがおいしいといってほめてくれたからだ。
 3つではまだ足りないよ」と笑う。
 日本製炊飯ジャーは高くて、よいものだと5000元(約8万5000円)以上するが、品質がすばらしく、世界の同類製品の中でも優れているため、「お気に入り」に挙げる人は多い。
 海外ショッピングの達人はみな自分の買い物地図を持っており、
 フランスではブランド品、
 スイスでは腕時計、
 日本では電子製品、
 香港とマカオでは粉ミルク、
などと記されている。

 海外ショッピングをする人の多くが
 「毎年はっきりとした計画を立て、衝動買いはせず、下調べをしっかりして、3つ以上の選択肢を比較する。
 高級品は欧州に行くチャンスがあり、買ってもいいと思える価格で、すごく気に入ったものなら買う。
 使用頻度が高いのはやはり日用品」
といったことを考えている。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/TF)



レコードチャイナ 配信日時:2014年10月8日 3時42分
http://www.recordchina.co.jp/a95289.html

秒速で300万円を消費する中国人観光客=貧困国を脱した中国の今―中国メディア

 2014年10月5日、央視網は記事「中国人旅行客、1秒当たり3万ドルを消費」を掲載した。

 1949年の新中国成立から65年。
 急激な経済成長に伴い、中国人の消費観念は大きく転換した。
 当時のエンゲル係数は60%を超えていたが、現在では30%にまで低下している。
 2013年末時点で住民貯金残高は44兆7602億元(約793兆円)に達した。
 1978年比で2124倍。
 年平均24.5%の成長を続けたことになる。
 1人当たりGDPも1952年の119元(約2110円)から4万1908元(約74万円)にまで増加した。
 世界銀行の基準によると、
 中国は低所得国を脱し中所得国の仲間入りを果たした
ことになる。

 生活の豊かさに伴い、医療や健康、文化などさまざまなジャンルの消費が注目を集めている。
 今、新たな趣味として流行しているのがマラソン。
 9月末に杭州マラソンの市民ランナー申し込みが始まったが、2万3500人の申し込み枠はあっという間にいっぱいになった。
 海外旅行も人気で、今や中国は世界最大の海外旅行客送り出し国だ。
 海外旅行している中国人の消費額は1秒当たり3万ドル(約326万円)という膨大な金額に達している。

 中国の生活の豊かさは農村にも及び、9億人の農民のうち3億人がすでに都市住民となった。
 2020年には1億人が都市戸籍を手にし
 既存の都市住民と同じ公共サービスを享受する予定だ。



JB Press 2014.09.22(月)  鶴岡 弘之
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41730

日中関係はこんな状況なのに、なぜ日本に来る中国人旅行者が増えているのか?
尖閣国有化でも個人ビザ旅行者は減っていなかった

 中国共産党の幹部は、嬉々として日本を目指す旅行者たちを一体どんな思いで見送っているのだろうか。
 なにしろ日本に旅行する中国人がかつてない勢いで増え続け、おまけに彼らは帰国すると「日本旅行がいかに素晴らしかったか」を競うようにインターネットで発信し、拡散させるのだ。

 日本政府観光局の発表によれば、2014年1月から8月にかけて日本を訪れた中国人旅行者は前年同期比84%増の154万2400人に達し、すでに年間の過去最高(2012年の142万5100人)を上回った。

 この7月に日本に旅行に来た中国人は28万1200人。
 これは前年同期比で約2倍の数字である。
 8月も前年同月比56.5%増の25万3900人が日本を訪れ、7月に続いて台湾、韓国を抑えて単月でトップに立った。

 中国からの訪日旅行者は12カ月連続で各月の過去最高を記録している。
 このままのペースでいけば年間200万人の大台突破は間違いない。
 日本政府観光局 海外マーケティング部の鈴木克明次長は、
 「中国からの訪日旅行者はまだまだこれから増えていくでしょう。
 いずれは台湾、韓国を抜いて、年間の訪日旅行者数でトップになると見ています」
と言う。

 2012年の尖閣国有化、反日デモによって、中国人の日本旅行は一気に冷え込んだが、いまや完全にそれ以前の勢いを取り戻した。
 日本政府観光局は
 「航空便の増便やチャーター便の就航」
 「大型クルーズ船の寄港」
 「夏の訪日プロモーションの成果」
などを、その要因として挙げている。

 しかし、ここで素朴な疑問が湧く。
 たとえ日本に飛ぶ飛行機が増えても、日本に旅行に行きたいと思わなければ乗らないだろう。
 日中関係は相変わらず緊張状態が続いている。
 それにもかかわらず、なぜこれほど多くの中国人旅行者が日本にやって来るのか。
 その疑問を改めて鈴木氏にぶつけてみた。

■政治的対立に左右されない中国人もいる

──日中関係がこれほど悪い中、日本に旅行に来る中国人がなぜこんなに増えているのでしょうか。

鈴木克明氏(以下、敬称略): 
 まず、一口に中国人と言っても必ずしも一様ではないということを知っておく必要があります。
 つまり、いろいろなものの考え方の人がいるということです。

 そもそも中国は日本とは比較にならないくらい国土が広い国です。
 そこに14億人近くという、とんでもない数の中国人が住んでいる。
 地域によって、日本に関する情報量はまったく違いますし、それだけ多くの人がいればいろいろな考え方の人がいます。
 必ずしも政治的なものの見方にとらわれる人ばかりではないし、個人主義的な人も多い。

 しかも、「改革開放」以降に生まれた世代がちょうど今20代、30代になっています。
 この世代はある程度自由なものの見方ができる人たちです。
 また、家庭では一人っ子に教育費をかけて育ててきましたから教育レベルが高く、大卒も多くなっている。
 その結果、いろいろなものの見方、自由なものの見方ができる若者が増えています。

 彼らはネットを使いこなし、SNSを使って日常的にいろいろな情報に触れています。
 日本の情報もどんどん入ってきます。
 「优酷(Youku)」という中国版のYouTubeには、日本で放映されたドラマが2~3日後に字幕入りでアップされるんですよ。
 日本のドラマをリアルタイムで見ている人たちがいっぱいいるのです。
 彼らは日本人が思っている以上に日本のことをよく知っています。

──けれども中国人は子供のときから反日教育を叩きこまれていますよね。
 中国共産党は国を挙げて反日の空気を醸成しています。

鈴木:
  確かに日本に関心のない人や日本についての情報がない人は反日教育をそのまま受け入れて、日本は悪い国だ、恐ろしい国だと信じています。
 抗日ドラマに感化されて日本を敵視する人もいます。
 ひとたび日中間で事件が起きると、そういう人たちがデモに参加するわけです。

 でも、一方で日本に興味があったり、日本が好きだという人は常にいるんです。
 政治的関係が悪いからと言って、必ずしも中国人がみんな「日本が嫌い」になるわけではありません。

──日本に好感を持っている層が確実にいるということですか。

鈴木:
  確実にいるんですよね。
 デモに参加する若い人ですら、家に帰ると日本の漫画を読んでいたりする。
 デモに参加しながら日本製のカメラをぶら下げて写真を撮っている人だっています。
 中国には、日本が好きだという人たちが間違いなくいるということです。

■日本に行きたくても行けなかった

──それではなぜ一時期、日本に旅行する人が減ってしまったのでしょうか。

鈴木:
  尖閣諸島問題などの政治的対立をきかっけに日中関係が悪化すると、地方政府の観光局が中央政府に気を遣って、旅行会社に訪日旅行の宣伝や販売を控えるよう暗に促すのです。

 旅行業界は政府の観光局の意向には従わざるを得ませんから、宣伝、販売をストップさせちゃうんですよね。
 2010年の漁船衝突事件のときに私は上海に駐在していたのですが、まさにそういう状況でした。
 2012年に日本が尖閣諸島を国有化したときも同様です。

 また人によっては、周囲から「こんな時期に日本に行くのか」と後ろ指をさされることを心配します。
 そういうこともあって、2012年から訪日旅行が下火になりました。

──日本に行きたい人が減ったわけではなかったのですね。

鈴木 :
 中国人が日本旅行の際に取得する観光ビザには、団体ビザと個人ビザの2種類があります。
 団体ビザの方は、旅行会社が旅行を控えてしまいますから申請件数ががくっと減りました。
 ところが個人ビザの方は、日中関係が冷え込んだ時期も減っていないんです。

 個人ビザが発給されるのは、ある程度の経済力と社会的地位のある人です。
 そういう人たちは冷静に日中関係を見ていますし、政治的な出来事にとらわれずに日本に観光に来ていたということなんだと思います。

──訪日旅行者が増加に転じたのは、観光局の締め付けがゆるくなったからということですか。

鈴木:
  尖閣国有化の一件以降、中国からの訪日旅行者は毎月ずっと前年を下回っていましたが、2013年9月からまたプラスに転じました。
 日中関係は大きな事件が起こらず、ある程度安定してきたということで、旅行会社が訪日旅行の販売を再開したんです。
 われわれ日本政府観光局も現地の旅行会社を支援したり、本格的に日本旅行のプロモーションを展開しました。

──それまで我慢していた中国人がこぞって日本に繰り出してくるようになったというわけですね。

鈴木:
  また、最近は日本に来た人が必ず自分の体験をSNSで発信するんですよね。
 みんながよく言うのは、
 「食べ物がおいしかった」
 「買い物の満足度が高かった」とか、
 「空が青くて空気がきれいだった」
 「街にゴミが落ちてない」
 「夜、歩いても安全」
 「日本人は親切だ」
といった感想です。
 そういう口コミの効果もかなり大きいと思います。

■若い女性に人気がある日本

──中国ではいま海外旅行ブームだそうですが、旅行先としてなぜ日本を選ぶのでしょう?
  日本に旅行に来る目的は何でしょうか。

鈴木:
  日本旅行で何を楽しみにしているのかと聞くと、
 おいしい日本食、
 ショッピング、
 あとは日本の旅館や温泉といった日本ならではの体験、
という声が多いですね。

──やはりショッピングは外せない。

鈴木:
  中国人は買い物が大好きですから。
 国別に見ると中国の旅行者が日本でいちばんお金を使うんですよね。
 メイドインジャパン製品だけではなく欧米のブランド商品も日本で買っていきます。
 中国国内で買うと関税が高いので日本で買った方が安いんだそうです。

──日本に観光に来るのはどのような人たちですか。

鈴木:
  家族や親戚、友人などと団体旅行に参加する人が多数を占めます。
 最近の特徴としては、30代くらいの若い人を中心に個人旅行も増えてきています。

 また、女性が増えていますね。
 かつては観光目的で日本に来る中国人は男性が圧倒的に多かったんです。
 ところが現在は女性の方が多い。
 2013年は、団体、個人を合わせて54%が女性でした。
 特に20代を見ると60%が女性です。

──日本旅行は若い女性に人気があるんですね。
 人気の観光コースはありますか。

鈴木:
  一番の人気は、やはり「ゴールデンルート」と呼ばれるコースです
 よくあるのが、大阪から入って京都、名古屋と通って、伊豆や箱根の温泉に泊まり、そして東京に抜けて、ディズニーランドに行くというコースです。
 これをだいたい5泊6日で回ります。

 2番目に人気が高いのは北海道です
 景色がいいし食べ物もおいしいということで元々人気があったんですが、北海道でロケした「非誠勿擾」(邦題は「狙った恋の落とし方。」)というラブコメディー映画が2008年に中国で公開され、大ヒットしたんです。
 この映画によって北海道ブームがさらに高まりました。

 沖縄に行く中国人旅行者も増えています。
 2011年に、沖縄に宿泊する旅行者向けに「数次ビザ」(注: 有効期間内であれば何回でも再入国できる)を発給するようになってから、沖縄に行く中国人が増えました。

──人気のある季節はいつですか。

鈴木:
 夏に来る旅行者がいちばん多いのですが、3月から4月にかけての春の旅行も増えています。
 桜を見に来るんですね。

──中国にも桜はありますよね。

鈴木:
  中国にもありますが、日本のように密集して咲くところがあまりありません。
 桜自体も日本の方がきれいなようです。

──日本は中国から近いけれども、まったく違う世界を味わえるというわけですね。

鈴木:
  中国の国内で旅行するよりも品質の高い旅行ができ、贅沢な気分、豊かな気持ちになれるということなんだと思います。



レコードチャイナ 配信日時:2014年9月24日 7時51分
http://www.recordchina.co.jp/a94627.html

中国の富豪1200人の資産総額、韓国のGDPを上回る―中国メディア

 2014年9月23日、胡潤(フージワーフ)研究院が発表した2014年の中国富豪ランキングで、20億元(約354億円)以上の資産を持つ富豪が1271人に達した。
 資産総額は8兆1562億元(約144兆円)で、スペインや韓国の国内総生産(GDP)を上回る水準だ。中国新聞社が伝えた。

 20億元以上の資産を持つ富豪は前年から254人増えた。
 上位10人に入るための「ハードル」は前年比20%増の450億元(約7962億円)、
 上位100人の「ハードル」は前年の20億元から24億元(約425億円)に上がった。
 資産100億元(約1769億円)以上の富豪は176人。
 10年前はわずか1人だった。
 資産1000億元(約1兆7683億円)以上の富豪は前年の2人から6人に増えた。

 首位は、中国の電子商取引最大手アリババ集団の創業者・馬雲(ジャック・マー)氏。
 16年で11人目となる「中国一」の座に就いた。



レコードチャイナ 配信日時:2014年10月18日 17時3分
 http://www.recordchina.co.jp/a95834.html

勢い続く中国海外旅行市場 観光客数2年連続世界一―中国メディア

 2014年10月15日、国際連合世界観光機関(UNWTO)アジア太平洋センターの観光情勢と見通しをめぐる第8回フォーラムが、今月13日から15日にかけて広西チワン族自治区桂林市で開催されている。
 UNWTOの祝善忠(ジュー・シャンジョン)執行主任はフォーラムで、
 「中国の観光産業の発展は力強い勢いを保ち、
 2012年に世界の観光市場で最大の観光客供給元になると、13年もこの地位をしっかりと維持した。
 13年の中国の海外旅行観光客数はのべ9800万人に達し、
 世界の観光経済への貢献額は1290億ドル(約13兆8000億円)に上った」
と述べた。
 新華網が伝えた。

 UNWTOがまとめた統計データによると、
 13年の世界の海外旅行観光客数は前年比5%増加してのべ10億8700万人
に達した。
 世界の海外旅行観光収入は、
12年の1兆780億ドル(約115兆4000億円)から、
13年は1兆1590億ドル(約124兆1000億円)に増加した。

 UNWTO観光市場情勢プロジェクトチームの技術調整担当者ミシェル・ジュリアンヌさんは、
 「世界の中で、中国の動きには特に目を見張るものがある。
 現在、中国は世界の観光客が真っ先に選ぶ四大観光旅行目的地の一つであり、また世界4位の観光収入国でもある
 。13年も中国は世界観光旅行市場における最大の観光客供給元の地位をしっかりと維持した」と述べた。

 UNWTOが発表した最新の世界の観光情勢・見通し報告書では、中国は今後数年間、継続して世界の海外旅行観光客供給市場を牽引する見込みであり、14年の海外旅行観光客の増加率は16%前後に達すると予測されている。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)



レコードチャイナ 配信日時:2014年12月5日 17時2分
http://www.recordchina.co.jp/a98479.html

2014年に海外を訪れた中国人観光客が「延べ1億人」を突破!
=渡航先の9割はアジア―台湾メディア

 2014年12月3日、台湾・中央通訊社によると、2014年11月までの中国本土の海外旅行者数が延べ1億人を突破したことが、中国国家旅游局の調べで明らかになった。
 渡航先の約9割はアジアだという。
 参考消息網が伝えた。

 中国本土から海外を訪れる旅行者は、1998年の時点では年間延べ843万人だったが、2014年には1億人を超え、6年間で10.8倍にまで増加した。
 主な渡航先は、
★.韓国、タイ、日本、ベトナム、シンガポールなどアジアの国々が多く、全体の89.5%を占める。
★.欧州は3.5%、
★.アフリカは3.0%、
★.アメリカ大陸は2.7%、
★.オセアニアは1.1%、
★.その他は0.2%
となっている。

 アジアの中でも、文化的に近い存在である台湾や香港、マカオを訪れる中国本土観光客が最も多いが、2014年には韓国、日本を訪れる観光客も大幅に増加し、いずれも前年比40%以上の伸びとなったという。




【描けない未来:中国の苦悩】



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2014年9月19日金曜日

中国・訪日ブームの陰で気づいた対日認識の根本的な欠陥:「知日」不足に悩む中国

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 『講談社・中国的歴史』


宮本一夫ら 著  呉菲ら 訳

 本シリーズは、一般向けの優れた中国通史シリーズであり、各分野のエキスパートが著者として勢ぞろいしている。
 近年の新しい研究成果と考古学的発見が取り入れられており、上古から近代まで時間順に整理されて、全10巻にまとめられている。
 各巻に中国人学者による推薦の前書きが加えられている。
 編訳者は、このシリーズを通じて中国人の読者が、日本の中国史学界に関連した成果についてさらに理解を深められるように、また中国史を考察するための新たな視点を提供したいと願っている。
 (広西師範大学出版社2014年2月 500元)
 人民中国インターネット版  2014年4月



 WEDGE Infinity 日本をもっと、考える  2014年09月18日(Thu)  平野 聡 (東京大学大学院法学政治学研究科准教授)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4208?page=1

中国・訪日ブームの陰で気づいた対日認識の根本的な欠陥
「知日」不足に悩む中国(前篇)

 2012年9月の尖閣諸島国有化に伴う中国の反日暴動から約2年が過ぎ、「尖閣諸島が領土紛争の地であって本来中国のものである」ことを国際的に印象づけようとする公船の侵入も半ば常態化してしまった。
 のみならず、同じ行為をベトナムやフィリピンにも振り向け、凄まじい緊張が引き起こされたことは記憶に新しい。

■強まる中国の覇権志向

 したがってこれは、単に中国が日本との歴史的関係に強烈な不満を感じて抗議し、「中国の正しい立場」を日本人にも理解させる云々というものではない。
 中国が、既に強大化した自国の都合に応じて周辺地域を含む秩序を変え、
 中国が主導し圧倒する地域・世界秩序をつくろうとしているのである。

 習近平政権が掲げる「中国夢」外交の本質は、中国の超大国化・覇権国家化である。
 今年に入って繰り返されている「アジア人によるアジア人のためのアジア」という表現や、アジア開発銀行をよそに新たにアジアインフラ投資銀行を設立するという方針は、中国がアジアを代表して新しいアジアをつくるという意思表示である。
 また、去る7月の習近平のソウル訪問は、まさに「反日」という「共通の利益」を通じて韓国を中韓同盟に引き寄せようとしたものと明確に見て取ることができる。
 これは言わば、
 中国版のアジア・モンロー主義または東亜新秩序
というべきものである。

 そして昨今の所謂「外資叩き」は、
 中国が外資を優遇してその経営ノウハウや技術力を吸収する時代が終わり、
 むしろこれからは
 「中国市場の恩恵に与りたい外国企業は、中国の求めに応じて制裁金を払え
ということなのであろう。
 これは即座に、かつての朝貢貿易=外国がひたすら恭順を示し、珍奇な品を貢納品として差し出せば、はじめて中国の恩恵がもたらされるという手法を想起させる。
 習近平外交の望みは恐らく、
 中国を再び世界に君臨し尊敬を受ける「天朝」にすること
なのであろう。

■世界最大の「親日」国家・中国?

 手前味噌で恐縮だが、筆者はこのような趨勢をいわゆる「五千年の文明史」とからめ、『「反日」中国の文明史』(ちくま新書)としてまとめさせて頂いた。
 そして、
 中国のこのようなやり方を日本が拒むためには
 何よりも日本がこれまで通りに衆智を集め、
 ソフト・パワーとしての魅力を高めて世界に貢献し、国際社会を広く味方につけるしかない
ことを示した。

 そして実際中国の人々は、ソフト面では日本に多大な好意と感心を示さずにはいられない。
 尖閣問題の喉元を過ぎれば、中国市場に適応した日本企業の製品やサービスは売り上げを元に戻したし、日本語から翻訳された文化コンテンツの根強い人気は衰えることがない。
 上海地下鉄には、日本アニメ『ラブライブ』の全面ラッピング車両が出現し、中国の「御宅族」が側面に印刷されたQRコードを探してホームで跪くという奇観が伝えられもした。

 しかも、彼らの日本に対する絶賛は、ことによると「中国こそ世界で最も親日なのではないか」と思わせるほどである。
 筆者が見聞した範囲でも、彼らは深呼吸できる清潔な空気と青空を絶賛し、顧客至上のサービスに感動し、何事も平穏に秩序立っているさまに新鮮なショックを受ける。

 彼らは一応日本に到着するまでは、中国で反日暴動が吹き荒れたのと同じく、日本でも中国人であるがゆえに同じ被害を受けるのではないかと心配する。
 しかし実際にはそのようなことはないため、安心しきって日本を楽しみ、その見聞がブログや微博(ミニブログ)で事細かに語られる。
 そこで
 「ならば自分も、実際の日本はどうなのか。
 共産党のいう通りなのか見てみたい」
という好奇心が加速度的に沸き起こり、日本旅行ブームが吹き荒れつつあると解釈できる(中国に限らず、急激な訪日客増加とネットの普及は切っても切り離せないだろう)。

 かくして中国では、
★.日本・外国を訪問できる富裕層ほど、より日本を冷静に見ることができ、
★.そうではない貧困層ほど日本・外国に対して、共産党の宣伝を真に受けて強硬になる
という図式が明確にある。
 相対的に貧困な「憤怒青年」は、現実の中国社会で明らかに存在感を示すソフトパワー・日本を直接見ることができる富裕層への嫉妬も含めて、日本への反発を強める。
 富裕層は多かれ少なかれ共産党とつながっていることから、
 共産党はそんな社会的な不満をそらすためにも、少なくとも国益というレベルでは反日ナショナリズム・外国叩きに依存せざるを得ない、
と解釈することもできる。 

■「対日新思考」と「対日統一戦線」原則思考の落差

 とはいえ、日本礼賛がそのまま「親日」を意味するのか。
 そうとも言い切れず、むしろ中長期的にみて複雑な効果をもたらすだろう。

 筆者の管見の限り、日中関係が余りにも悪いにもかかわらず敢えて日本を訪れようとする人々、あるいは日本を知りたいと考える人々は、現実の日本の姿に照らして、中共の宣伝や憤怒青年の反日暴動・言論に対して批判的である。
 そして、
 「中国の反日は日本人が批判するような全面的なものではなく、
 一部の非理性的な人々や不満分子が引き起こした動きに共産党が拘束されているものに過ぎず、
 基本的に中国の多くの人民は日本と共存し利益を享受したい
と考える傾向が強い。

 このような発想の最も代表的なものは、中共機関紙『人民日報』評論員であった馬立誠氏が2002年に発表した「対日新思考」であろう。
 中共の反日愛国宣伝は現実の日本と合致しないことから、「戦前の歴史に対する日本の反省は既に十分である」と評価を改め、今後は中日両国がプラスの意味で競争し共存する必要性を説いたものであった。
 この流れに、日本を中国の側に引きつけ米国と一定の距離をとらせることで、中長期的な台湾統一に向けた環境づくりを目指そうとする議論(たとば国際政治学者・時殷弘)が加わり、胡錦濤外交の主流をなすかのような推測がなされたものである。

 しかし現実には、「軍国主義復活の道を歩む日本への抵抗」によって国内の団結を図ろうとする強硬な主張に対して有効に反論できず、やがて日本の国連常任理事国入り反対問題・2005年反日暴動という流れの中で有耶無耶になった。
 その後中共は、北京五輪・リーマンショックの前後から国力に自信を深めると、それまでの「韜光養晦」(能ある鷹は爪を隠す)路線を事実上放棄し、あけすけな弱肉強食路線(それがいわゆる「中国夢」である)を全開にした。
 チベット・新疆問題も、尖閣問題やスプラトリー・パラセルなど海域の問題も、すべてこの路線の発露である。

 執拗に日本の「無反省」「道徳心の欠如」「野心」を叫び、日本の国際的な評価を奈落へと押し下げることで、日本人の間に恐慌状態を引き起こし、中国の「正義の声」に誠意を以て応えるような「日本人民の良知」が満ちるようにする。
 これこそが、
 「反省する日本人民と、それを受けいれる度量の大きな中国人民」
の関係である。
 中共の長年にわたる対日「統一戦線」はそのようにして日本の「進歩的」な日中友好派を増やして来たし、党派を超えた日中友好派もそのように応えてきた結果、中国の経済発展に寄与してきた。
 いまや中日の総合国力が逆転した以上、中国が自己主張を全面的に押し通せば、日本人民の正義の声は、「中国の正しさ」を受け容れるよう日本の実権派に迫るに違いない
……対日強硬外交全開のとき、中国はそう考えるのであろう。

■戦後日中関係の終焉?

 しかし、最近の日中関係悪化が明らかにしたのは、最早
 中共のこのような手法が全くうまく行かなくなった
という事実である。
 「言論NPO』が先日明らかにした、中国に好感を持たない日本国民の割合が93%に達したという調査結果は、
 「正しい中国、反省する日本」
という論理によって中国が利益を受ける図式が完全に終わった
ことを意味する。
 これこそ、戦後約70年という歴史的段階から別の歴史的段階へと移行しつつあることの表れではなかろうか。

 訪日中国人・知日中国人の当惑の根源の一つは、まさにこの問題である。
 中国の立場は絶対に正しい。
 そのやり方で長年中日関係はうまく行ってきた。
 しかし、そこにいた日本人はどこに行ってしまったのか?
 しかも、日本は中国との関係悪化で経済的大損失と国際的立場の大失墜に陥るどころか、依然として
 中韓両国以外からの国際的評価は極めて高く
中国人も日本を訪問すれば拍手を送らざるを得ない。

 したがって、
 そもそも中国自身の対日認識のあり方に根本的欠陥があるのではないか
という結論に至らざるを得ない。

 そして、ネット上には中国の日本イメージを批判的に総括し、中国人自身の問題として中日関係をどう再構築するべきなのか、という議論が増えつつあるようである。
 あるいは、中共自身が強硬外交のイメージを修正する必要性の中に対日政策を据え、その一環として「知日」の民間交流を据えているからこそ、ネット上に一定程度「自由」な議論が流布しつつあるのかも知れない(国内のガス抜きと日本への「統一戦線」の両面があるだろう)。

 去る9月11日、中国のメディアは尖閣国有化2周年を大々的に伝えることはしなかったどころか、
 共産主義青年団の機関紙『中国青年報』が「日本をより多く知ることは悪くない」
と題する論説(http://zqb.cyol.com/html/2014-09/11/nw.D110000zgqnb_20140911_1-02.htm) を掲載し、
 サイト内アクセス数1位を記録するほど注目を集めた。
 曰く、両国間の緊張関係を緩和するためにもまずは日本を研究し理解しなければならず、それは歴史の原則を捨てて日本に媚びることではなく、歴史を知るにも怨みを以てするべきではない、という。
 約1週間後に満洲事変記念日(中国から見れば国恥記念日)を控えているタイミングとしても思い切ったものでもあろう。

 そこで現れつつある最も主要な議論は、
 「中日両国とも戦争までは望まない世論が多いことを踏まえて、双方の意見を互いに知るべきである」
というもので、これはこれで当然のものである。
 しかし、それ以上に一歩踏み込んで日本研究・日本認識の一新を求めるものもある。

*後篇(9月19日公開予定)へ続く




 WEDGE Infinity 日本をもっと、考える  2014年09月19日(Fri)  平野 聡 (東京大学大学院法学政治学研究科准教授)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4209

講談社『中国の歴史』が中国で大ヒット、日中のソフトパワーに圧倒的な差
「知日」不足に悩む中国(後篇)

 日本を「中国の映し鏡」ではなく他者としてとらえるべきと気づき始めた一部の中国人のあいだでは、一歩踏み込んで日本研究・日本認識の一新を求める動きもある。

 たとえば、もともと知日派の閲覧が多いと言われるポータルサイト『騰訊(テンセント)』のオピニオンコーナー「大家」(「みんな・皆様」の意)に掲載された
 姜建強氏のエッセイ「君の知っている日本はこのようなものか?」(http://dajia.qq.com/blog/277148103204715)
は、日本における司法の独立・学問の独立・表現の自由・権力者の面子にこだわらない現実的な政策立案・不正に対する厳格な社会的制裁・殺到する中国人観光客への「おもてなし」にもぬかりない誠実な職業精神などを列挙する(それは日本に仮託した自国批判とも読める)。
 そして、日本との暗い歴史も忘れるべきではないが、感情に流されずに日本の歴史と現実を研究しなければならず、「侵略者を知る必要はない」という発想こそ、両国の間に認識上のギャップを生み大問題であると主張する。

■「日本は中国の期待通りには動かない」

 去る7月に発表されたこのエッセイは大反響を呼び、さっそく上海で姜氏や他の知日派「大家」執筆陣を招いた公開サロンが開催され、極めて熱い討論が展開された(http://dajia.qq.com/blog/453611123475668)。
 筆者(平野)のみるところ、パネラーの一人・劉檸氏の意見が光っていたので紹介したい。

 例えば、宮崎駿氏のアニメ映画『風立ちぬ』は、中国において「尊敬するアニメの神様が何故、軍国主義の象徴=零戦を賛美する映画をつくったのか」という巨大な当惑を引き起こしたという。
 これについて劉氏は
 「例えば宮崎監督の場合は飛行機というモノへの思慕が第一。
 日本は知れば知るほど、自分から遠ざかって行くように見える。
 そもそも中国人が自分の期待によって日本を捉えようとしても、日本はその通りではないし、期待通りには動かないことをふまえる必要がある」
と指摘する。

 そして
 「中国人が日本を賛美、あるいは罵倒する際、
 実際には心の中で中国を語っていることに気づかなければならない。
 だからこそ日本を語るときに平常心を失ってしまうのだ
と喝破する。
 むしろ日本という他者を冷静に、多面的にとらえるべきであり、中国はこのような視線を獲得してはじめて、日本との関係における歴史的な悲劇・トラウマから脱することが出来る、と説く。

 筆者も、日本人の期待や反感など先入観から中国をみるのではなく、あくまで中国は中国の論理で動くことをドライに知るべきだと考えるので、このような主張には全く同感である。
 そして、日本と中国の双方でこのような「作法」が共有されるとき、はじめて真に持続的な共存が成り立つのであって、そうではない方法=うわべや思い込みだけの「友好」、または剥き出しの圧迫は必ず失敗する。

■講談社『中国の歴史』が中国で大ヒットという「事件」

 しかし、この境地に至るまでの道は極めて遠い。
 日本の側にも勿論多くの問題があるが、中国側はとりわけ言論の自由が制約され、日本に関する議論は様々な攻撃にさらされている。
 中国人の誰もが『騰訊』やその他の開明的なメディアを見ているわけではない。

 またそもそも、日本における中国認識の歴史は、中国における日本認識の歴史と比べて圧倒的に長く深い。
 もちろん、例えば戦前のアジア主義者による日本中心=中国従属論、そして戦後の進歩的知識人による中共賛美など、今から見れば見当違いも甚だしいものも枚挙に暇がないが、少なくとも日本は巨大な西の国家とその文明を冷静に観察しながら自意識を形成してきた長い歴史を持つ。
 これに対して、圧倒的な「文明」「天下」であった諸帝国は、日本という存在を等身大のものとして捉える経験を欠いてきた。
 海賊集団「倭寇」や豊臣秀吉のように荒らしに来なければ、絶海の先に浮かぶ日本は朝貢に来なくとも捨て置いて良い、というのが、とくに清代の対日認識の基調であった。

 しかし、日清戦争=甲午戦争で日本に敗北を喫したのみならず、欧米日の圧迫の中で「天下」の帝国であることを止め、
 近代主権国家「中国」として生きて行かなくなければならなくなったとき、
 「天下の歴史」「皇帝・王朝の歴史」ではない「中国の歴史」を国民に知らしめナショナリズムを創出するためには、
 日本で歴史上蓄積された「中国史」を直輸入しなければならなかった(梁啓超『中国史叙論』)。
 したがって、
 いま中国が称揚する「中国史」とは、
 日本人が発明したもの
である。

 これだけでも、実は日中両国のソフトパワーは圧倒的に差があることが分かる。
 これもまた、
 中国人が日本を知れば知るほど抱くジレンマのもう一つの正体である。

 今春、講談社100周年記念出版『中国の歴史』(2004〜2005年に全12巻が発売された) の中国語版が刊行され、
 日本では各1.5万部程度であったものが
 中国で10万セット売れたという「事件」が起こった。

 基本的に言って、
 中国文明の歴史において歴史を表現することは、
 時の国家権力が時間軸を支配し解釈する権利を握ることと一体不可分
である。
 したがって、
 各王朝ごとの歴史を集大成して通史を刊行するとなれば、国家の関与=圧力のもと謹厳な記述に終始しなければならない。
 したがって、どの歴史書も往々にして専門的・難解・無難のいずれかに帰着し、社会一般の幅広いリクエストに応えることは難しいという状況がある。
 それがますます現実の中国社会において人々と歴史を遠ざける(そこに中共の歴史プロパガンダがいとも容易く浸透する)結果もつながる。

 しかし日本は良くも悪しくも全く逆である。
 高度な専門書から分かりやすい概説まで、ハードカバーから新書・文庫まで、実に様々な形態で歴史書が流布し、しかも研究者が一般社会のリクエストに応えて難解な問題を解きほぐして闊達に論じることにも長けている。

 とりわけ講談社は『中国の歴史』出版に際し、個々の巻を担当する研究者が自らの研究の視角や妙味を自由闊達に語ることを推奨した。
 その結果『中国の歴史』は、中国文明において伝統的な「中原中心史観」ではなく、北方・西方・海域との多様な交錯を通じてダイナミックに歴史が動き、多様で魅力ある文化が生起したことを明快に示した。

 中国の読者が講談社『中国の歴史』に驚き、
 大いに歓迎して熱烈に読みふけったのは、
 まさに中国における諸制約とは関係なく説得力ある論旨が展開され、
 それによって中国人自身が中国の歴史により広い視野を持ちうるようになった
からである。

■日本の「中国史」から生まれるジレンマ

 しかし同時に、どれほど彼らが日本の中国研究を歓迎しようとも、ある決定的な遺憾が彼らに残ってしまう。

 まず、日本では計12巻本であったものが、何故中国では10巻しか出なかったのか。
 翻訳されなかった
★.『巨龍の胎動 毛沢東vs鄧小平』
★.『日本にとって中国とは何か』
はいずれも近現代中国と日中関係をめぐる敏感な問題に言及しているからである。
 前者を執筆した天児慧・早稲田大学教授は、長年日中関係の改善のために発言を続け、中共党史を内在的に理解しようとしてきたものの、その天児氏の論考ですら翻訳が避けられたこと自体、共産党宣伝部による出版業界への急速な圧力の強まりを示唆するものである。
 日本人が現代中国をどう認識しているのかを知りたい読者は、そこでまず失望したはずである。

 そして、何よりも重大な問題として、日本では極めて説得的な中国論や、中国を題材とした文芸作品の名作が大量に存在しているにもかかわらず、何故中国には日本論・日本研究が長年欠如してきたのかという煩悶が湧き起こる。

 中国の代表的日本論といえば、
★.清末の外交官・黄遵憲の『日本国志』や、
★.蒋介石の右腕として活躍した国民党の大幹部・戴季陶の『日本論』
しかなく、これらはいずれも彼らの任務上の関心に基づいて書かれたという限界がある。

 そして戦中戦後の日本については、主にルース・ベネディクトの『菊と刀』に依拠するのが習わしのようである。
 しかしこれとて日本の敗戦直後、米国・西洋からみて理解しがたい日本人の行動様式を、在米日本人への聞き取りなどから定型化したものに過ぎず、必ずしも内在的な日本理解とはいえない。

 こうなってしまったのは先述の通り、そもそも中国の日本認識史自体が極めて浅いこと (せいぜい100年+α)、ならびにその短い歴史も政治の荒波に翻弄され、腰を落ち着けて等身大の日本を観察する機会を欠いてきたことによる。

■日本は現在の中国認識に漫然とするべきではない

 総じて長年来、日本は中国についていろいろ知っている。
 これに対し中国は、「日本の軍国主義」については何でも知っているつもりであったが、実は何も知らないに等しかった。
 歴史といい現実といい、相手を説明する知識や能力が著しく低ければ、ハードパワー以前にソフトパワーで敗北している。
 しかもその日本は依然として「集団主義」であり「軍国主義復活中」に見える。
 それは恐ろしいことである以上、何としてもこの差を埋めなければならない。

 しかし、今から日本を虚心坦懐に知ろうとしても、やはり情報量や認識量の落差はあるし、今後も民主化しない限り(かつ、その民主化の結果反日ナショナリズムが加速せず、日本について自由な言論が認められるようにならない限り)いつでも知日の努力が政治の荒波にかき消される可能性もある。
 このため、知日・対日コンプレックス・反日の微妙な関係は継続しうる。

 講談社『中国の歴史』ブームに関連し、上海の新聞『東方早報』の評論員・黄暁峰氏は次のような痛切なコメントを残した (http://www.caijing.com/cn/ajax/print.html)。

 「国内で現在、講談社の歴史書に匹敵するような歴史書を出版できないことから、国内の学術水準が低いと説明することはできない。
 しかし、より遺憾な点は、出版社・学者・読者いずれの視点からみても、体制と個人の双方ともに現状を変えられないことである。
 日本の出版社にとっては、これは講談社が出版した外国史の著作に過ぎない。
 しかしもし、我々が国内の学者を組織して日本通史を出版したところで、(水準が日本の日本史研究に到底及ばないために)日本の出版機構がそれを輸入する可能性がないとしたら、それこそもっとも悲しむべきことである」

 考えてもみれば、このような不均衡ゆえに多少二国間関係が悪く、あるいは双方にコンプレックスが残るとしても、それは必ずしも悪いことではない。
 互いに意識して知ろうとする努力が続くからである。

 しかし、もし日本の側で「嫌中」が高まる余り、中国をめぐる言説が市場を失い、知識が流布しなくなるとすれば、それこそこれまでの中国と同じ罠に陥る。
 ハードパワーのみならずソフトパワーでも中国が逆転するならば、それは日本にとって何を意味するのか。
 しかもその可能性は、「新しい中国人」が大量に海外留学し、貪欲に知識や知見を吸収していることからして明らかである。
 日本への認識についても、激増した在日中国人は彼らなりに日本を知ろうと懸命であり、その成果はネットや書物を通じて中国国内に流布しはじめている。
 これに対し、日本人の中国離れは大学での中国語選択者や中国関連学科志望学生の激減として現実化しつつある。
 数十年後、この激変がソフトパワーの不均衡として日本にダメージを与えないためにも、日本人自身が中国・外国を知る努力は倍加して求められているように思う。



Wikipediaから 『中国の歴史』(新版):講談社
全12巻、2004年11月から2005年11月に刊行。


編集委員は礪波護・尾形勇・鶴間和幸・上田信。
各巻にはさみこみの月報があり、いしいひさいちが4コママンガ「コミカル4000年ツアー」を描いている。

このシリーズは値段が高いこともあり日本では各巻平均で1.5万部程度の売れ行きであったが、中国語版が中国で2014年1月に発売されたところ好評を得て、何度も増刷販売され年内に10万セット(1セット12巻だが中国語版は10巻まで)を突破する勢いとなった。他国人が書いた中国史の本がこれほど売れることは珍しいとされ、中国から見た中国史でなく、漢民族以外の周辺民族の観点も書き込まれていることが、中国読者の興味を惹いているといわれている[1]。

    神話から歴史へ(神話時代 夏王朝)宮本一夫
    都市国家から中華へ(殷周 春秋戦国)平勢隆郎
    ファーストエンペラーの遺産(秦漢)鶴間和幸
    三国志の世界(後漢 三国時代)金文京
    中華の崩壊と拡大(魏晋南北朝)川本芳昭
    絢爛たる世界帝国(隋唐時代)気賀澤保規
    中国思想と宗教の奔流(宋朝)小島毅
    疾駆する草原の征服者(遼 西夏 金 元)杉山正明
    海と帝国(明清時代)上田信
    ラストエンペラーと近代中国 (清末 中華民国)菊池英明
    巨龍の胎動(毛沢東VS鄧小平)天児慧
    日本にとって中国とは何か(対談ほかの共同での論集)



※AERA 2014年6月30日号より抜粋
http://dot.asahi.com/aera/2014062400105.html

「日本人が書いた中国史」が現地で大人気 その理由は
(更新 2014/6/25 07:00)


 講談社の100週年記念事業として出版された『中国の歴史』。
「第三者」の視点が評価され、日本以上の反響を中国で起こしている(写真:講談社提供)

 「歴史」が日中のいさかいの原因になって久しい。
 両国関係の冷え込みも続く。
 ところが、日本人が書いた中国史の翻訳本が、なぜか中国で売れ行き好調だ。

 10年ほど前に日本で刊行された『中国の歴史』(講談社)という骨太のシリーズ。
 中国で翻訳出版されたところ、執筆者や出版社がびっくりするほどの売れ行きを見せている。

 同シリーズは全12巻。
 筆者は原則、時代ごとに専門家1人が1巻を担当。
 例えば8巻は『疾駆する草原の征服者―遼 西夏金 元』といったように従来の通史にない魅力的なタイトルをつけた。
 ただ、日本では1冊3千円近い価格ということもあり、実売は各巻平均で1.5万部程度だった。

 一方、中国版の出版元によれば、1冊50 人民元(約820円)弱という、中国ではかなり高めの価格設定にもかかわらず、今年1月の刊行から何度も増刷を重ね、現時点で6万5千セットに達し、年内に10万セットまで届きそうな勢いだという。

 自らの歴史に高いプライドを持つ中国で、外国人が書いた中国史に人気が集まるのは極めて珍しい。
 上海の日刊紙「東方早報」は
 「最近の図書市場で最もホットな出来事は、日本学者が書いた『中国の歴史』だ。
 国内の読者は、なぜ国内の一流の学者がこうした本を書かないのか考えてしまうに違いない」
と、この現象を取り上げた。

 シリーズ編集委員を務めた学習院大学の鶴間和幸教授は
 「日本人の書いた中国史が、中国人にも共有され、とてもうれしい」
とし、
 「中華思想的な『中華対夷狄』という対立軸でなく、多元文化の集合した中国という視点で執筆したことが、従来の中国人が書く通史とは異なっていたのではないか」
と語る。





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2014年9月18日木曜日

徴兵を巡るワイロ蔓延:賄賂率が9割という所も 地方軍幹部の徴兵ビジネス 

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●2013年の兵士入隊募集のサイト 勇ましい宣伝文句が並ぶ



 WEDGE Infinity 日本をもっと、考える  2014年09月18日(Thu)  弓野正宏 (早稲田大学現代中国研究所招聘研究員)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4207

徴兵を巡るワイロ蔓延に中国軍当局が緊急通達
賄賂率が9割という所も 地方軍幹部の徴兵ビジネス 

 9月は中国では新学期が始まる時期だ。各地の大学では新入生に対して軍事教練が実施されているが、軍でも新兵の入隊があり、各地でリクルートから兵士の入隊まで一連の動きが大きくメディア報道を賑わせている。
 そうした中で徴兵を巡る汚職が報道されている。

 中国軍では現在、汚職取締りが大々的に展開されているがそれは「虎退治、ハエ叩き」という高官に対するものだけではない。
 政府全体で展開される大規模な反腐敗と歩調を合わせ、各レベル、地方部隊でも軍指導部から監督監視グループが派遣されて捜査が展開されている。

■自分の子供が兵役に就けるように

 このようなプロセスで新学期の今、クローズアップされているのが徴兵時の贈収賄だ。
 中国社会は「コネ社会」であり、同郷、血縁、友人関係が重要な役割を果たすが、同時に権力を持たない者が権力を持つ者に取り入って便宜を図ってもらうための贈賄が蔓延している。
 徴兵時の贈収賄はまさにこうした「職業あっせん」のために学校を卒業する若者の親が地元軍幹部に自分の子供が兵役に就けるよう依頼することから広まったものである。

 中国軍の汚職の実態についてこれまで、高官が土地取引や官職売買で財を成す例として徐才厚元中央軍事委員会副主席や谷俊山総後勤部副部長のケースを紹介してきた(2月13日記事、7月29日記事)。
 そして汚職に限定したものではないが、退役軍人が自分の劣悪な境遇改善を求めて行う異議申し立ての頻発が軍や地方政府にとって頭痛の種になっている事を紹介した(8月12日記事)。

 今回紹介するのは、軍から出る退役軍人のケースとは対照的な、兵士になる入隊する正にその時から贈賄を行って便宜を図ってもらう入口での話である。
★.一つは海外華僑向けのニュースサイト「博訊」網に掲載された
 「河南での兵士リクルートで汚職が深刻 入隊許可を得るため90%が金を贈る」
という記事。
★.そしてもう一つは徴兵時の汚職が深刻なことに軍当局が危機感を強め緊急通達を出したことを受けて掲載された『解放軍報』の
 「国防部征兵弁公室が要求 兵士リクルートでの不正の風潮と腐敗の問題を断固抑制すること 清廉な兵士リクルートのために巡視で密かに調査」
という記事である。

* * *

記事(1)2014年9月13日『博訊』ネット(抄訳)】


●海外華僑向けサイト「博訊」網の本記事 親たちが心配そうに見送りしている

 9月6日以降、河南省出身の新兵が各地の部隊に赴き、入隊登録を行っている。
 質の高い兵士の入隊、兵士募集の清廉さ確保するために河南省軍区は少なからぬ措置を講じて兵士募集における腐敗現象の抑止を図り、一定程度の効果を上げてきたが、複雑な社会問題や暗黙のルール等の問題を全面的に解決することができておらず、汚職問題は依然としてとても深刻である。
 汚職問題発生の根源
 一つは武装幹部(地方自治体の軍関連事務を担う官僚:筆者)や兵士受け入れ部門幹部の汚職であり、
 二つ目は入隊を奪い合うような競争があり、青少年の親が賄賂でもってコネを作ろうとすることがある。

 人口百万の県(日本では町レベルに相当する自治体:筆者)で募集する兵士は400人程度であり、少し大きめの郷や鎮(県よりも更に下級の自治体:筆者)では30人程度であり、入隊を許可された青年の90%が賄賂を贈り、合格した兵士の親は大体5000元程度(約8万5000円程度:筆者)を送るため、一人当たりの兵士につき武装部長が受け取るのは3000元程度(約5万円)で一度の徴兵で郷・鎮の武装部長は10万元(約170万円)程度受け取ることになるという。

 今年の新兵をまだ送りださないうちに河南省では少なからぬ郷・鎮の武装部長が捕まった。
 入隊する青年の親たちは皆、武装部において金品を要求されなかったかについて記入することが求められたため、親たちは皆、なかったと書き込んだが、後になって彼らは、本当はあったがとぼけたふりをしたと告白した。

 これほど多くの措置があっても意地汚い幹部たちを取り締まる事は無理なのだ。
 最近、国の状況は変化が激しいが、青年たちの兵役への情熱にも少なからぬ変化があり、
 部隊は兵士を充足させるのに十分な兵士供給源を確保している。
 変化の一つには兵役に就く際の基準が下がっていることであり、もし、お礼(自分の子供を入隊させるのに:筆者)の額が5000元を超えるのであれば一部の親は子供を入隊させるのをあきらめるということだ。

■「4つの厳格な要求」に基づいて

記事(2)2014年8月12日『解放軍報』(抄訳)】

 8月1日に軍の徴兵作業が全面的に着手されてから、徴兵の身体検査、政治思想考査の作業が全面的に展開されており、じきに兵員の予備選定の重要段階に入る見込みである。
 清廉な兵士募集を確保し、各規定が求める内容をしっかり実施させるため、国防部徴兵事務局(中国語名は征兵弁公室:筆者)は緊急通達を出して兵士募集作業における不正の風潮や汚職の問題を断固防止することを求めた。


●『解放軍報』紙の本記事

 通達は、各レベルでは必ず「4つの厳格な要求」に基づいて、身体検査を行う責任制をきちんと実施し、政治的考査の規定の求めに沿い、上級から下級への勝手な募集人数の差替えを厳格に禁止し、問題の責任を厳しく追及するよう求めている。

 厳格な身体検査責任制では、徴兵の身体検査は各県(市、区)の衛生部門(厚生、医療監督を行っている)が指定した医療或は検査機関で行い、衛生部門は分担して全てのプロセスに参与して検査専用の認証印を管理して使用し、担当人員を決め、誰が検査し、責任を負ってサインし、認証印を保管するかをというように実行することが求められた。

 政治考査規定の厳格な実施では徴兵期間には公安、教育部門の徴兵担当部門による徴兵作業担当人員が集中的に事務を行い、募集者の年齢、学歴や違法規律違反の履歴の有無などの審査を行い、年齢や学歴詐称の防止が図られる。

 下級機関に対する勝手な募集人数の差替え禁止では、兵士の確定や任務地決定等は必ず兵役担当機関、公安、教育、衛生部門や郷・鎮・街道の武装部等5つの機関によって集団で検討され、公表される。規律監督部門が全プロセスで参与、監督を行い、必要時には受け入れ担当部隊の人員が介入して、質の低い人員が入隊しないように個人の言いなりになるような状況を防止しなければならない。

 問題責任を厳しく追及するという事では、徴兵機関に各規律監督部門では関係常務について巡視、監督を展開し、問題を直ちに発見し、群衆による監督、世論監督作用を発揮させて、通報された問題や発見された手がかりなどを通じてしっかりと調査を行う事が求められている。

 国防部徴兵事務局は近く総政治部の規律検査部門や国の関係機関と連携して捜査人員を選抜して専門の徴兵に関する作業グループを組織して、各地での清廉潔白な徴兵を徹底するため、各種規定の実施状況について隠密捜査を行い、問題発見次第、厳粛に捜査処分を行い、徴兵任務において良好な社会環境を作りだすよう徹底させるという。

* * *

【解説】

 記事(1)は、海外華僑向けニュースサイトで中国政府に批判的な『博訊』サイトならではの内容で、
 中国社会では通常、軍に関する否定的な具体的内容についての報道は検閲によってなされることはほとんどない。
 ただ記事(2)で紹介した軍機関紙の『解放軍報』が伝えた緊急通達によって贈収賄蔓延の深刻さが裏付けられた形になっている。


●新兵の配置先一覧リスト。地方の軍機関が新兵任地の配置先を公表。
 多くの新兵が国内治安部隊の武装警察に配置され、特に新疆ウイグル自治区への配置が多いことが窺える。

 尚、中国での兵役制度について簡単に説明しておくと、一番の基本原則は、「中華人民共和国憲法」に記された
 「法律に依拠して兵役に服し、民兵組織に参加することは中華人民共和国公民の栄光ある義務」
と記された条項(第2章)であり、国民には「国防の義務」があることから、徴兵制が建前であるが、志願兵で充足できるため選抜徴兵で、実質的な志願制となっている。
 中高や短大、大学を卒業した若者の就職が困難になるなか、兵役に就くことが公務員という職業選択の一つになっていることから兵役斡旋で賄賂が横行する事態になっているのである。
 また、同時に地方の軍機機構のいわゆる「武装幹部」にとっては兵役斡旋がうまい汁を吸えるビジネスと化しているわけである。

 尚、兵士のリクルート、入隊の時期はこれまで年間を通じて春と冬の2回に分けて行われてきたが、2013年から冬の募集をやめて夏から秋にかけて行うように改変されている。
 四半世紀近く行われてきた冬季募集が秋に繰り上げられていて正に現在この時期こうした問題が発覚し、緊急通達が出される事態になっているのだ。

■トップから地方の末端まで蔓延する汚職

 地方の軍機関(省の軍管区傘下の軍分区、人民武装部といった各自治体に置かれる軍関連機関で指揮命令系統は軍に属する)は軍事作戦の展開というよりも徴兵や退役軍人の福利厚生を主な任務としており、厳密に言えば軍事機構の主な目的である国防、軍事作戦実施を行うわけではなく、武器装備を扱う機会も多くなく、いわば軍事行政機関というべき機構である。
 そのため、80年代半ばに軍の機構改革に着手され、兵員削減が目指された際には、軍の財政負担軽減のため、こうした機関は軍から切り離して地方政府の管轄下に入れることが模索された。
 天安門事件前後でこの動きは挫折したもの、このような課題は現在でも変わっておらず、地方の軍事機構の軍からの切り離しは今後進められる軍の機構改革においても検討されるとみられる。

 こうしてみると中国軍における汚職の問題はそのトップから地方の末端まで深く蔓延し、また入隊から昇進、そして最後には退役という一連のプロセスにおいても贈収賄がはびこっている。
 習近平が「戦って勝てる軍になれ」とハッパをかけ、盛んに演習を行って戦力強化を図っているが、一番の問題は汚職蔓延による内部からの瓦解であることは、この記事からもよくわかるであろうし、それは自身が一番よく分かっているはずだ。



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進まぬ中国の環境汚染対策(1):問題は「責任の不在」、「ここは人間が生きていく場所なのか?」

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ロイター 2014年 09月 18日 15:22 JST
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPKBN0HD0I020140918

焦点:進まぬ中国の土壌汚染対策、問題は「責任の不在」


● 9月17日、中国の北京市郊外にある大規模な国営製鉄所が、大気汚染対策のために閉鎖されてから約4年が経過したが、製鉄所跡地の土壌の除染は、ほとんど手付かずのままとなっている。写真は河南省の工場から流出した廃液。15日撮影(2014年 ロイター)

[北京 17日 ロイター] -
 中国の北京市郊外にある大規模な国営製鉄所が、大気汚染対策のために閉鎖されてから約4年が経過した。
 しかし、製鉄所跡地の土壌の除染は、ほとんど手付かずのままとなっている。

 同製鉄所はかつて年間粗鋼生産量800万トンを誇ったが、今目につくのは、さびついた配管や線路、使われなくなった煙突などだ。
 中国第5位の鉄鋼メーカー首鋼集団が所有していた同製鉄所には、95年の歴史があった。
 しかしその跡地は、中国国内に数多くある産業廃棄物や農業廃棄物で土壌が汚染された場所の1つとなっている。

 除染に向けた活動を阻害しているのは、誰がその費用を負担するのかという問題だ。
 土地所有者である国なのか、製鉄所を所有していた企業なのか。土壌処理会社の伊世特中国(ESDチャイナ)によると、総面積8.6平方キロに及ぶ跡地の除染には、 
 推計50億元(約886億円)がかかるという。

 環境問題の専門家の頭を悩ませているのは、もし公害に対する政治的関心が高い
 北京でさえ土壌汚染対策に苦労するなら、貧しい地方の農地除染はさらに難しい
ということだ。

 ESDチャイナのマネージングディレクター、Gong Yuyang氏は
 「本当の問題は、首鋼集団などの会社にとって、跡地の除染に多額の資金を投じるインセンティブがないことだ」
と語った。

 首鋼集団はこの件に関してコメントを差し控えている。

 中国環境保護省が4月に公表した調査結果によると、各地の農地で採取した土壌サンプルの19.3%から、基準値を超える重金属や化学廃棄物が検出された。
 湖南省では、稲耕作地の実に4分の3以上が汚染されていたことが分かったという。

 中国ではすでに、330万ヘクタールの農地が汚染によって無期限使用禁止となっている。
 ロイターの試算では、これをすべて耕作や畜産に適した土壌に改良するには、
 約5兆元(約88兆円)のコストが必要
なる。

 中国環境保護省は、鉱山廃石や化学廃棄物の処理は企業に責任があると指摘する。
 しかし一方で、廃水のかんがい利用や殺虫剤や肥料の過剰利用も汚染の原因だとしている。

 ESDのGong氏は
 「誰の責任か決めるのは難しく、政府は農家には費用を負担させないだろう」
と語る。

<汚染者負担は適用されず>

 環境汚染に対する国民の不満拡大を受け、中国政府は今年3月、本格的な公害対策に乗り出した。
 最優先の課題は、汚染された穀物が食品流通網に入り込むリスクを減らすことだ。

 政府は現在、土壌汚染の責任が誰にあるのかを国が決められる法案を作成している。
 また除染活動に融資する新たな仕組みも検討されているという。
 しかし、国営メディアの報道によれば、専門家らはこうした法案が成立するのは、早くても2017年以降になるとみている。

 今のところ、企業側が行動を起こす経済的インセンティブはほとんどない。

 環境保護団体グリーンピース北京支部のWu Yixiu氏は
 「この問題で市場主導型の取り組みはない。
 中国では『汚染者負担』の原則は話し合われておらず、政策課題にも取り上げられていない」
と指摘。
 「重金属汚染の浄化ビジネスでは、いまだに政府が主たる支払い者だ」
と語った。

 最終的な責任の所在も曖昧だ。
 「現在大きな議論になっているのは、
 大企業は国有企業であり、彼らが土壌を汚染した時に関する法律がないことだ」
と前出のGong氏は話す。

 中国政府が支援する研究機関の予測では、土壌浄化ビジネスはまだごく初期段階にあるものの、2025年までには年間2000億元の市場規模になる可能性があるという。

 環境保護省生態保護局の庄国泰局長は、最近開催された会合で「土壌改善の市場はまだ非常に小さい」とした上で、向こう40年以内に数兆元の市場になるとの暫定的な試算もあると述べた。

 ロイターはこの件で環境保護省にコメントを求めたが、今のところ回答は得られていない。

<汚染を見て見ぬふり>

 首鋼集団は製鉄所跡地を歴史遺産にしたり、一部土地を不動産用地に転用したりする計画を持っていたが、約1世紀にわたる操業で蓄積された汚染の度合いを精査するため、実行は遅れているという。

 一般公開されている調査結果によると、2011年に跡地で採取されたサンプルからは、基準値を超えるカドミウム、クロム、鉛が検出された。
 ただ、完全な除染計画はまだ出来上がっていないという。

 ESDのGong氏は
 「首鋼集団は利益第一であり、政府が主導しない限りは何も始まらない
と語っている。

 匿名を条件に取材に応じた別の土壌処理会社の幹部によると、問題があまりに大きいため、多くの地方当局は汚染を見て見ぬふりをするか、身動きが取れなくなっているという。

 一部の地域では、応急処置が導入されている。安徽省の鉛生産地では、農家が精錬所から半径100メートル以内で耕作するのを防ぐため、汚染が深刻な場所には植樹が行われている。
 ただ現地住民の話では、農業は続いているという。

 またグリーンピースのWu氏によれば、湖南省でも汚染された農地でのコメ生産は続けられている。

 同氏は
 「政府は農業を禁止していない。なぜなら、いったん禁止プロセスを始めてしまえば、コメの総生産量が脅かされるからだ」
と語った。

(原文:David Stanway、翻訳:宮井伸明、編集:伊藤典子)




ウオールストリートジャーナル 原文(英語) 2014 年 9 月 17 日 12:31 JST
http://jp.wsj.com/news/articles/SB12785023003277603623104580158982821827468?mod=JWSJ_EditorsPicks

中国最悪の汚染都市、最大の汚染企業を見に行く


●地元経済を石炭に依存している邢台市のスモッグは深刻だ China Daily/Reuters

 【邢台市(中国河北省)】これが中国で最悪の汚染都市の最大の汚染者だ。

 中国の冀中能源はこの灰色の産業センターで6つの大規模炭鉱を持ち、数十の関連施設を運営している。
 政府データによると、この産業センターの大気汚染は中国で最悪だ。
 同社の施設のうちの5つは全国の上位大気汚染物質排出リストに載っており、八つは邢台市政府のリストに掲載されていて、その数は他のどんな企業よりも多い。

 冀中は今、自らをクリーンにしようとしている。
 これは中国全土で地方政府と企業が経済を破綻させることなく、ひどい汚染に取り組もうとする中で採用されている、綱渡り的な動きを反映したものだ。

 中国政府は、大気や土壌、水の汚染に対処すべきだとの急激に台頭する中間層からの高まる圧力にさらされている。
 李克強首相は今年3月、汚染への「宣戦」を布告した。
 同国環境保護省によると、
 この闘いには1兆5000億人民元(26兆8000億円)、
 2010年の国内総生産(GDP)の3.5%が必要になるという。

 世界銀行は、大気汚染はがんなど肺疾患の高い罹患率につながり、中国での汚染と資源枯渇のコストは09年の国民総所得の9%になるとしている。

 冀中は政府の命令で、同市の火力発電所5基のうち3基について閉鎖、あるいは閉鎖を計画しており、4基目の運転を停止してクリーンな設備に代える計画だ。
 同社は、石炭需要が減少する中で、有害物質の排出を減らすために数億ドルの資金を投じている。


●邢台市は北京の南に位置

 邢台市の760万の住民の一部はこうした動きを称賛している。
 しかし、他の人たち―特に同社で働く人たち―は複雑だ。
 一部の従業員の賃金は同社の利益とともに減少し、多くの人は自分たちの職場と石炭を基盤にした市経済が打撃を受ける可能性があると不安を抱いている。

 同社の石炭工場での勤務時間が短縮されたというShi Yangさん(25)は「月給は50%減った」と話している。
 同社の炭鉱の外で話を聞いた従業員たちは、給料の遅配があったり、要求しなければ出さない場合があると言っている。

 同社は6月、Shiさんが住む村の小規模発電所を閉鎖した。
 この村にある炭鉱は大量のちりを出しており、同社は村の道路沿いにスプリンクラーを設置して定期的に噴出させてちりを除去しなければならないほどだという。

 冀中からのコメントは得られていない。

 同社は邢台市を中心に約5万0800人を雇用している。
 邢台市はまた、高速鉄道の駅、欧米系の大規模ホテル、鉄鋼、セメント、ガラス、化学品を生産する100以上の工場があることを自慢にしている。

 冀中最大の子会社は昨年、税金として市に11億元以上を支払った。
 この額は納税額2位以下7つの納税者を合わせたよりも多い。
 冀中の発電所はあちこちに点在していて、大煙突や冷却塔などが地平線のかなたから見える。
 その赤と黄色のロゴは屋外広告板から道路をがたがたと走り回るトラックの横腹まで、至る所で目に入る。


●邢台市のある河北省は汚染物質排出のデータをオンライン化 AFP/Getty Images

 環境への被害も目に付く。
 冀中の炭鉱、発電所、石炭処理工場につながる道路はほこりとすすに覆われ、大型の石炭運搬トラックはがれきをはね飛ばして走っている。
 多くの同社施設の外には農地になっていて、農家はここでリンゴやピーナツ、トウモロコシを栽培して現地の市場で売っているが、一部の農家はすすのために作物が売れないと言っている。

 邢台の発電所のすぐそばに住むYang Hexiaoさん(67)は「私の服は灰で汚れている。屋根で乾燥させている穀物も灰に覆われている」と話した。

 地方当局者は過去に2回にわたり、同社の汚染物質排出は基準を超え、標準以下の石炭を使っていると指摘した。
 政府のデータによれば、邢台市の大気汚染モニターでは、同社の発電所から出る有毒な二酸化硫黄ガスは中国の基準の4倍以上だった。
 同市の過去12カ月の平均的なPM2.5(微小粒子物質)レベルは1立方メートル当たり150マイクログラムで、中国の基準の4倍以上だった。

 これとは対照的に、昨年、米国で最悪の大気汚染地とされたカリフォルニア州フレスコのPM2.5のレベルは18マイクログラムにすぎない。

 邢台市は昨年10月、環境保護違反を報告する住民に最大1万元の現金褒賞を与える活動を始めた。
 現地の環境局の大気汚染部門の責任者は「この市はPM2.5を年間4%ずつ減らしているが、目で見る限りでは分からないだろう」と話した。
 同市は大気・水質汚染について、16の施設―うち半分は冀中のもの―をモニターしている。
 同市のある河北省やその他の一部の省は昨年、中国政府の催促で、汚染物質排出のデータをオンライン化し、その出どころを個々の煙突や排出口に特定することができるようになった。

 一部の企業はこうした動きを押し返している。
 中国環境保護省は今年、見つからないように夜間に汚染物質を排出していると言われた邢台市の非公開企業キングボード・ケミカル・ホールディングズを査察しようとした。
 同省のウェブサイトによると、査察チームは石炭処理工場に入ろうとしたが、同社の警備員によって阻止されたという。

 同社の広報担当者は、同工場は適正な操業をしているとし、また工場内には最近、環境保護のための研究・開発(R&D)センターが設けられたと述べた。
 この担当者は、査察チームの一件については述べなかった。

 しかし冀中は規則に従っている。
 同社は2008、09年に全ての発電所に脱硫装置を付け、排出基準が全国的に強化される中で、数年おきに装置の能力を高めている。
 大気汚染テストに3発電所が落ちた時、邢台市は二つを16年末までに閉鎖するよう命じた。
 もう一つは既に今年6月に閉鎖された。

 現地の経済紙が同社関係者の話として報じたところによると、冀中は過去数年間に工場の設備強化など、汚染改善や省エネのためのさまざまな施策に3億5800万元を投じた。同社は7月に出した声明で、環境問題は同社のビジネスのやり方を再考させたとし、「安定した健全な発展を達成するために」品質と効率を重視するようになったと述べた。

 ただ、こうした変化は、特に中国経済の減速で石炭価格が下落する中で、同社に打撃を与えている。
 今年上半期は売上高が前年同期比26%減少し、利益は93%急減して5270万元にとどまった。



レコードチャイナ 配信日時:2014年9月17日 20時28分
http://www.recordchina.co.jp/a94311.html

汚水の垂れ流しで水質悪化、白く濁った「ミルク川」に―浙江省紹興市


●16日、中国浙江省紹興市の野菜市場の付近にある川がミルク色に濁り、注目を集めている。

 2014年9月16日、中国浙江省紹興市の野菜市場の付近にある川がミルク色に濁り、注目を集めている。
 チャイナフォトプレスが伝えた。
市場のごみ捨て場の汚水が直接川に流れ込み、水質を著しく悪化させている。川の水は変色し、異臭を放っている。



レコードチャイナ 配信日時:2014年9月23日 6時20分
http://www.recordchina.co.jp/a94557.html

汚染野菜が食卓へ=中国の深刻な土壌汚染、問題解決へ道のり険しく―米メディア


●21日、急速な経済発展の代償として、中国で深刻な土壌汚染により耕作地などに重大な被害が発生している。写真は重金属汚染が深刻な広東省汕頭市潮陽区の貴嶼鎮。

2014年9月21日、米国際ラジオ放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)中国語サイトによると、
 急速な経済発展の代償として、
 中国で深刻な土壌汚染により耕作地などに重大な被害が発生
している。

 中国では経済発展と都市化により耕作地が減少している上、深刻な土壌汚染が耕作地不足に拍車をかけている。
 中国では耕作地の約5分の1が重金属や有害な化学物質によって汚染されているとされ、汚染された穀物や野菜が食卓に上るようになっている。

 中国政府も土壌汚染の深刻さを認識してはいるものの、問題解決への道のりは険しいと専門家は話す。
 中国政府には有害な廃棄物や化学物質の生産・使用を追跡、報告させるシステムが存在せず、汚染に関するデータも不足している。
 また、中国環境保護部が全国調査を行ったことはあるものの、その結果は国家機密に指定されており、汚染の実態や問題解決の障害がどこにあるかも明らかにされていない。



サーチナニュース 2014-10-21 05:53
http://news.searchina.net/id/1546462

中国の大気汚染 「藁焼き問題」の対応を唱える専門家=中国メディア

 深刻な大気汚染が問題となっている中国でこのほど開催された環境関連フォーラムにおいて、専門家が
 「わが国のスモッグは2030年まで続く可能性がある」
との予測を示した。中国メディア・楚天金報が19日報じた。

 記事は、湖北省武漢市で18日に開かれた第4回「中達環境法フォーラム」で、中南財経政法大学の高利紅教授が
 「わが国のスモッグは2030年まで続く可能性がある。
 わが国では30年前後に工業化が実現すると予測されており、
 その過程に伴ってスモッグもピークに達する。
 その後は、徐々に減ることになるだろう」
と語ったことを伝えた。

  また、今の時期がちょうど稲の収穫を終えた「藁(わら)焼き」のピークに当たり、各地で新たに大気汚染が発生していることについて、中国地質大学の専門家が
 「全国で100近い関連する法律が施行されているものの、藁焼きの問題が抑えられていない」
と説明したことを紹介。
 藁を粉砕して田畑にかえす、建築材料や飼料、バイオ発電の原料にするなどの方法を奨励する“バイオ補償制度”の構築を提案し、
 「焼却をやめた農民に報奨、手当て、減税などの補償を与えるとともに、新エネルギー産業の体制を整えれば、ゴミが宝となり一挙両得だ」
と語ったことを伝えた。


 「今の状態が続き、2030年にピークとなる」
 とすると、それまで中国人民は健康に生存できるのだろうか。
 あと15年、中国人民は環境の苦しみにさらされながら生きて行かねばならないことになる。
 なんか変な論理である。
 共産党の手抜き環境対策を擁護している
としか思えないのだが。
 論旨を「藁焼きの問題」にすり替えているように思える。


レコードチャイナ 配信日時:2014年10月21日 6時0分
http://www.recordchina.co.jp/a96038.html

大気汚染深刻な北京、
フランスが「スモッグ防止学校」新設へ
=きれいな空気の中で勉学できる―中国メディア

2014年10月20日、参考消息網によると、大気汚染が深刻化する中国北京市でこのほど、フランス政府が「スモッグ防止学校」を設立する方針を示した。
 大気汚染が原因で授業中止や生徒の遅刻が増加したため。

 中国をこのほど訪問したフランスの外相が明らかにしたもの。
 仏メディアによると、すでに「スモッグ防止学校」は建設計画がスタートして1年以上になる。
 現在北京にあるフランスのインターナショナル・スクールは、大気汚染のあまりのひどさに授業の中止や生徒の遅刻が増加。
 学校側が生徒に「登校する必要はない」と伝えることすらあるという。

 「スモッグ防止学校」は空気清浄設備を備えた室内体育館も併設。
 生徒たちがきれいな空気の中で、勉強や運動に励めるよう設計されている。




●20日、参考消息網によると、大気汚染が深刻化する中国北京市でこのほど、フランス政府が「スモッグ防止学校」を設立する方針を示した。写真はスモッグの中行われた北京マラソン。



【描けない未来:中国の苦悩】



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2014年9月16日火曜日

スコットランドは独立するのか:英国の連合体制の終焉か?

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2014.09.16(火)  The Economist
(英エコノミスト誌 2014年9月13日号)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41721

スコットランド独立:英国の連合体制の終焉か?
連合体制の放棄は、
スコットランドにとっては過ちであり、残された国にとっては悲劇となるだろう。


●イングランドやスコットランドの旗を重ね合わせたデザインの英国国旗〔AFPBB News〕

 学校に通う子供たちはかつて、郵便物の詳細な宛先を書くことで、複雑なネットワークと帰属意識が絡み合う、この世界における自分の居場所を頭に描いたものだった。

 英国の子供なら、まず通りと町の名前(ロンドン、マンチェスター、エジンバラ、カーディフなど)に始まり、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドのいずれかが続き、そのあとに連合王国(UK、英国)という記載が来る(さらにそのあとは欧州、世界、宇宙・・・と続く)。

 子供たちは、英国、さらには産業革命、大英帝国、ナチスに対する勝利、福祉国家など、この国が味わってきた数々の苦難と偉業のすべてが、スコットランドのハイランド地方やイングランドのクリケットと同様に、自分たちの歴史的遺産であることを理解していた。

 同じ軸から同心円状に広がるこうしたアイデンティティーは、互いに対立するものではなく、補い合うものだということを、子供たちは本能的に知っていた。

 少なくとも、かつてはそうだった。
 スコットランド独立の是非を問う住民投票が実施される9月18日以後は、そうした層状構造のうちの1つ、すなわち英国の部分が消滅するかもしれない。
 少なくとも、3世紀前の連合法成立から認識されてきた形では存在しなくなる。

 投票日が近づくにつれ、世論調査ではスコットランドの民族主義勢力が独立に反対する連合維持派に追い付き、さらにはわずかながらリードを奪っている。

 スコットランドの兵士や政治家、思想家やビジネスマンがその建国や繁栄に貢献したにもかかわらず、英国はスコットランドの民族性を守り育てず、逆に押しつぶしていると考えるスコットランド人がますます増えている。
 市民全体のわずか7%しか参加しない投票により、この偉大なる多民族国家が、一夜にして崩れ去ってしまうかもしれないのだ。

 かつては想像もできなかったその結末は、スコットランドにとっては散々な結果、あとに残された英国にとっては悲劇となるだろう。

■分裂がもたらすダメージ

 独立後に残された英国の存在感は、あらゆる国際的な議論の場で小さくなるだろう。
 自国民に背を向けられた国の言うことに、誰が耳を傾けるだろうか? 

 英国が自由貿易と国際秩序の維持を概ね支持していることを考えれば、これは世界にとっても災難と言えるだろう。
  核保有国としての英国の地位も危うくなる。
 核ミサイルを搭載する英国の原子力潜水艦は、スコットランドの入江に設けられた海軍基地に配備されていて、すぐに動かすことはできない。

 また、英国が欧州連合(EU)を離脱する可能性も高くなる。
 というのも、スコットランド人のほうがイングランド人よりもEUに対して好意的だからだ(保守党は2015年の総選挙に勝利した場合はEU加盟継続の是非を問う国民投票を実施すると公約しているが、スコットランドの人々は保守党に投票する可能性がイングランドと比べて低い)。

 英国にEU離脱の可能性が出てくれば、今後予想されるスコットランドの英国離脱よりもはるかに投資家を怯えさせるだろう。

 スコットランドの住民のみが、英国の将来を決めることになる。
 そしてこれらの人々には、自らが去る国の心配をする義務はない。
 しかし、危機に瀕しているとはいえ、連合がここまで持ちこたえ、成功を収めてきたことを考えれば当然かもしれないが。
 スコットランド人とそれ以外の英国人の利害は、実は一致しているのだ。


●スコットランドの独立運動を率いるアレックス・サモンド自治政府首相〔AFPBB News〕

 民族主義を掲げる人々による独立運動の中核には、
 「英国から独立すれば、スコットランドはいまよりも繁栄した平等な国になる」
という主張がある。

 豊かな石油と慎み深い気質を持つにもかかわらず、スコットランドは英国政府のせいで貧窮し、しかも無情な政策を押しつけられているというのだ。

 こうした人々に言わせれば、製造業の衰退から健康状態の悪化、ハイランド地方での小包郵便料金の高さまで、スコットランドに降りかかったほぼあらゆる災難は、歴代の英国政府のせい、ということになる。

 スコットランド民族党(SNP)を率いるアレックス・サモンド氏の逆襲の矛先は広範で、スコットランドの軽視という点では労働党も保守党も同類だと主張している。

■スコットランド独立派の主張の問題点

 だが、スコットランドの相対的な経済衰退は、英国政府に無視されたせいではなく、製造と輸送の拠点がアジアに移った結果だ。
 英国政府がグローバル化とハイテク化の悪影響の軽減に失敗しているとしても、それは単に、そもそも軽減することが不可能だからだ。
 民族主義を掲げる側もそれを知っている。
 ゆえに彼らはこっそりと、英国政府の既存政策の多くを継続するだろう。

 代わりに、あちこちに細かい修正を加えるはずだ。
 その一例が、補助金受給者を必要以上に広い住宅から追い出すために英国政府が最近導入した「寝室税」の廃止だ。
 そんなささいな、ごく最近の不快な施策を理由に国を分裂させるなど、正気の沙汰ではない。

 経済面でも、民族主義者の主張には不備がある。
 スコットランドが独立しても、実際には今よりも豊かにはならないだろう。

 気前良く金をばらまくスコットランドの国を維持するための出費は、独立後は英国政府による資金拠出を受けられなくなるとはいえ、北海油田からの税収によって概ね埋め合わせられるはずだ(2013年の1年間で住民1人当たりの政府支出を比較すると、スコットランドは英国のほかの地域よりも1300ポンドほど高い)。

 だが、石油による税収は不安定だ。
 スコットランドを独立国と仮定すると、2008~09年の石油の税収は115億ポンドだったが、2012~13年はわずか55億ポンドにとどまる。
 独立国家が石油ファンドの設立により、そうした変動の影響を軽減しようとする場合は、今すぐ使える資金が少なくなる。

 いずれにしても、石油は徐々に枯渇しつつある。
 枯渇後も同程度の歳出を維持するためには、税金を引き上げなければならなくなる。
 さらに、経済危機はもっと早く訪れるかもしれない。
 国外の投資家や主にイングランドの顧客を相手にしている大企業が南にあるイングランドに撤退することも十分あり得るからだ。


●スコットランドはたとえ独立しても英ポンドを使い続けると言っているが・・・〔AFPBB News〕

 英国政府は独立後のスコットランドとの通貨同盟を拒絶している。
 スコットランドの民族主義者が赤字を増やす財政浪費を主張し、スコットランドの銀行資産が国内総生産(GDP)の12倍という危険な水準にあることを考えれば、これは正しい判断と言えるだろう。

 英国政府側が態度を軟化させる可能性もあるが、それもあくまでスコットランドが厳密な管理下におかれることに同意すればの話で、その場合、独立する意味はほとんどなくなってしまう。

 スコットランドの民族主義者は、通貨などを巡る問題は穏便に解決されるはずだと主張している。
 新しく生まれた北の隣国を敵に回しても、英国にとっては何の利益にもならない、何しろ(彼らがそれとなく匂わせているように)スコットランドは国家債務の分担を拒否することもできるのだから、というのがその根拠だ。

 これはあまりにも楽天的すぎる。
 スコットランドが独立すれば、あとに残された英国民は、スコットランドに対しても自らの指導者に対しても激怒するはずだ。
 そうなれば、英国の指導者たちは強硬な態度で交渉せざるを得ないだろう。

 スコットランドが英国にとどまれば、自分たちの意志に反してEUから引きずり出されるかもしれないという点については、サモンド氏の主張にもそれなりの説得力がある。
 確かに、これは脅威ではある。
 だが、スコットランドが独立を選べば、EU離脱の恐れと引き替えに、無防備な小国としての将来を手にすることになる。

 スコットランドが影響力を保ちたいなら、英国にとどまり、EU懐疑派と闘うのが最善の道だ。

■失うものは大きい

 結局のところ、
 住民投票の結果を左右するのは、
 税金や石油収入に関する計算ではなく、アイデンティティーと権力だろう。

 「スコットランド人が(住民投票そのものとその後の両方について)自らの運命を決められる」
という考えは、気分を浮き立たせるものだ。
 だが、スコットランドは既に自らの内政事項の多くを支配できる立場にある(ただし、自治政府を運営し、独立運動を主導しているサモンド氏率いるSNPは、これまでのところこの権限をあまり活用していない)。

 さらに、英国政府のあらゆる党派の政治家たちが慌てて明言しているように、スコットランドが残留を選択した場合、自治政府はすぐに大きな力を手に入れ、残留と独立の実質的な違いはごく小さなものになるはずだ。
 そうなれば、ずっと昔に行われていてしかるべきものだった、英国政府からスコットランド以外の地域への権限移譲も進むだろう。

 したがって、英国に残留すれば、スコットランドは連合体制を救うだけでなく、これをさらに強化することになるだろう。

 過去300年にわたって、スコットランドはそうした役割を果たしてきた。
 というのも、英国という国は、その偉業や風変りさもひっくるめて、イングランド人のものであるのと同じく、スコットランド人のものでもあるからだ――たとえ、苦労の末に手にした輝かしい遺産を手放し、最初に述べた同心円のうち1つを捨て去って、アイデンティティーを単純化するつもりの人が増えているように見えるとしても。

 このような態度は、地域にせよ民族にせよ宗教にせよ、大多数の人が複数のアイデンティティーを持ち、流動性を高める今世紀の精神に反すると同時に、過去3世紀にわたり実証されてきた成果とも相容れないものだ。

 緊張や対立があるとしても、そして時にはそれゆえに、スコットランド、ウェールズ、イングランド、北アイルランドは、ばらばらになるよりも1つにまとまっている方が強く、寛容に、そして想像力豊かになれることは、連合体制の歴史が示している。



2014.09.16(火)  Financial Times
(2014年9月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41725

世界はスコットランド分離に「NO」と言っている


●英スコットランドのエディンバラで、スコットランド独立反対を訴えるデモ行進の開始を待つ人が手にした英国旗(左)とスコットランドの旗(右)〔AFPBB News〕

 民主主義の素晴らしいところは、考えを変えられることだ。
 民主主義は冷静な計算だけでなく、発作的な怒りにも場所を与えてくれる。
 ひとまず、ならず者を追い出しておいて、もし彼らに代わる新しい人たちが期待を裏切ったら、次に考え直すことができる。

 スコットランドの独立に関する住民投票は違う。
 高価な買い物をした後に選択を間違ったと後悔する余地はない。
 ひとたび解体されたら、連合を取り戻すことはできないのだ。

 英国国外へ旅行すると、絶えず耳にする質問は実に単純だ。
 一体なぜなのか?
  世界で最も成功している多民族国家の1つが、どうしてそのような意図的な自傷行為を検討できるのか、
という質問だ。

 こうした海外の観察者たち――米国の外交官や欧州の政治家、中国の学者たち――は、
 古い灰から不死鳥が蘇る姿
は想像していない。
 彼らは、
 スコットランドが目立たない見当外れの未来に向かおうとしており、
 バラバラになった英国が衰退を受け入れる方向にまっしぐらに進んでいる姿を想像している。

 筆者は、米国、インド、欧州連合(EU)、中国の政府関係者の中で、誰一人として分離がスコットランドと英国にとって良いことだと言うのを聞いたことがない。
 困惑したインドのスシュマ・スワラジ外相は9月初旬、スコットランドが実際に分離を選択する可能性があると聞かされた時、「とんでもないことだ!」と言った。

■グローバル化が生み出すナショナリズム

 だが、スコットランドの分離に対する支持の高まりはある意味で、より大きな図式に合致している。
 グローバル化はナショナリズムを生み出している。
 自由市場の厳しい風にさらされて、市民は先祖返り的なアイデンティティ
ー――時に民族的、部族的なものであり、時に宗教的なもの――の中に逃げ込んでいる。

 スコットランド民族党(SNP)のアレックス・サモンド党首は、部族への忠誠を呼び覚ましている。
 スコットランドらしさによって定義付けられる国家は、単独の方がうまくやっていける、とサモンド氏は話している。
 これは信頼につけ込む詐欺のようなものだ。

 だが、欧州各地のナショナリストたちも――大半はサモンド氏よりもっと明白な外国人嫌いと言っておくべきではあるが――、同じ妄想を売り込んでいる。

 スコットランド人はかつて、世界各地を制覇した大英帝国の冒険家であり、行政官だった。
 今は帝国がすべてなくってしまったため、接着剤が弱くなったと言われている。
 ところが実際は、過去300年間で、英国という連合王国を構成する国々が分離するのが今以上に馬鹿げていた時代を想像するのは難しい。

 大国間の競争の時代における繁栄と安全保障は、多様なアイデンティティーを心地良く感じる人々、共通の努力において結束する人々に属している。

 世論調査会社は、住民投票の結果は接戦で勝敗の予想がつかないと言っている。
 連合支持派内ではパニックが起き、保守党、労働党、自由民主党は急遽、
 9月18日の投票で分離に「ノー」と言った場合、
 その後すぐにエディンバラの議会に新たな権限を移譲することをスコットランドの有権者に保証する計画を作っている。

 そのため、選挙戦の終盤は、間違いなく勢いと冷静さの間の戦いになるだろう。
 サモンド氏は、分離賛成派のエネルギーと興奮によって勝利がもたらされることを望んでいる。

 一方の連合支持派は、有権者が真剣に考えてくれることを祈っている――分裂の差し迫ったリスクについてだけでなく(そうしたリスクは確かに重大だが)、連合の枠内にとどまって自治能力を持つスコットランドを作る可能性についても、だ。

 サモンド氏は追い風を受けている。
 欧州政治の気分を最もうまく表す言葉は、幻滅感と不信感だ。
 サモンド氏は、支配者層の人間だが、自らを反体制派の指導者として打ち出した。
 臆面もない冷笑主義はともかく、同氏の政治的な巧さは称賛せざるを得ない。
 投票が近づくにつれ、SNPは、市民ナショナリズムのベールをはぎ取り、アイデンティティー政治という暗いゲームを展開している。

■すでに始まった罪のなすり合い


●2012年10月、エディンバラのスコットランド行政府庁舎で、スコットランド独立の是非を問う住民投票の実施を決めた合意文書に署名するスコットランド自治政府のアレックス・サモンド首相(左)とデビッド・キャメロン英首相〔AFPBB News〕

 ウェストミンスターでは、すでに罪のなすり合いが始まっている。
 住民投票で独立賛成派が勝てば、大勢の人に行き渡るだけの責任問題が生じる。
 真っ先に攻撃を受ける立場にいるのはデビッド・キャメロン英首相だ。

 首相の怠惰な無関心がなかったら、スコットランド人は18日、彼らの多くが望んでいると言っていた決着――つまり、連合内での自治――に賛成票を投じることができたかもしれない。

 ところがキャメロン氏は、住民投票は連合か分離かの二者択一だと主張した。
 今、キャメロン氏は前言を撤回せざるを得なくなっており、当初は投票用紙に記載することを拒否した「最大限の権限移譲」をスコットランドに提案しているが、時すでに遅しかもしれない。

 長期的には、スコットランドは独立国家として繁栄する可能性が高い。
 だが、サモンド氏は、非現実的な希望的観測を経済的現実から切り離すことを拒んでいる。
 スコットランドは、経済のみならず、政治、文化の面で英国の残りの地域との継ぎ目のない交流という計り知れない利益を失うことになる。

 ナショナリストたちは、分離後にやって来るであろう深刻な経済的打撃も軽く扱っている。
 金融市場はすでに、ちょっとした予告をしている。
 スコットランドは一夜にして、金融サービス業の多くを失い、外国からの投資は干上がるだろう。

 「個人的なことは何もない」。
 南へ向かう計画を立てているスコットランドのある大手金融機関のトップはこう言う。
 「厳密にビジネスの問題だ。我々はリスクを取ることはできない」

■スコットランドが分離・独立したら、イングランドは・・・

 英国の他の地域の連合支持派は、少なからず私利があることを認めるべきだ。
 スコットランドを失えば、考えられるほぼすべての面で英国は衰えるだろう。
 不安は、経済的な混乱や国際的影響力の喪失よりもっと深いところにある。
 分離に賛成票が投じられれば、国境の南でアイデンティティー政治――つまり、イングランドのナショナリズムの台頭――を醸成する可能性が高くなる。

 スコットランドにとってのサモンド氏は、イングランドにとっての英国独立党のナイジェル・ファラージ党首だ。
 イングランドが単独国家であれば、EUを離脱することが十二分にあり得る。

 連合支持派の現在の望みは、旧体制に石を投げる誘惑に切に駆られているものの、そうした選択がどれほど決定的なのか恐らくまだ確信が持てずにいる人たちにかかっている。
 そうした人は、海外の友人たちから投げ掛けられた「なぜか」という質問を考えてみるのも悪くない。

 住民投票で独立に「イエス」と言うことは、単にまた投票用紙にチェックマークを入れ、結果次第であとで考え直せばいい話ではない。
 分離は永遠なのだ。



2014.09.16(火)  Financial Times
(2014年9月5日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)  By Martin Wolf
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41704

スコットランド、英ポンドを維持するなら真の独立はない


●スコットランドは独立しても英ポンドを使い続けたいと考えている〔AFPBB News〕

 ウェストミンスターの英国議会の3大政党が独立後のスコットランドとの通貨同盟に反対しているのは、はったりだろうか? 

 境界線の北側では、多くの人がそう思っている。
 筆者は人の心の奥底を見通すことはできない。こうしたスコットランド人は正しいのかもしれない。

 だが、筆者は3大政党の反対がはったりではないことを願っている。
 どんな条件であっても、通貨同盟の可能性が排除される必要はない。
 しかし、残る英国にとって意味をなす通貨同盟は、極めて不平等なものになる。
 新たに独立した国家がなぜそんな同盟を受け入れるのだろうか?

 ユーロの経験は、通貨同盟というものに関係する多くの問題をはっきりさせた。
 一部の問題は、スコットランドと英国の通貨同盟には、ある程度しか関係しない。
 石油に依存するスコットランド経済は英国経済とは異なるものになるが、3世紀以上の連合の歴史を経た今、両者の経済、特に労働市場の統合は、通貨同盟を実行可能にするのに十分だと言っていいだろう。

 これが独立に対する熱意が理解しがたい理由の1つだ。
 オックスフォード大学の経済学者、ポール・コリアー教授が主張したように、
 独立熱は本当に資源強奪以上のものではないのだろうか?

■独立したスコットランドと英国の通貨同盟の姿

 狭い意味での経済的な観点から通貨同盟が機能し得ることを受け入れたとしよう。
 これで話は終わりなのか?
 絶対に違う。

 通貨同盟の重要な点は、ユーロ圏の経験から明らかなように、それが経済だけの問題ではないということだ。
 法定不換紙幣(つまり、政府が発行したお金)の共有には、高度な制度的、政治的統合が必要になる。
 名目上独立した国家間の通貨同盟が極めて困難に満ちているのは、そのためだ。

 (どれほど無分別だったにせよ)ユーロの場合がそうだったように、同盟深化に向かうことを提案している国々にとっては、そのリスクを冒すことは理にかなっているかもしれない。
 だが、連合の解消を決めた国にとっては、一体どう意味をなし得るのか? 

 イングランド人に向かって、あなたたちと別れたくて仕方ないと言いながら、続けざまに、あなたたちを非常に信用しているから、自分たちが去ろうとしている国の中核的な活動を共有したいと言うのは、おかしい。

 では、スコットランドの住民投票で独立賛成という結果が出たら、残りの英国はその翌日、どう対応すべきなのか? 

 通貨同盟の制度機構が英国の法律に基づいて確立され、英国政府に対して責任を持つことを条件にスコットランドはポンド圏に入れる、と言えばいい。

 このような機関は、ほかのことと並び、金融規制も遂行する。
 スコットランドの財政赤字は拘束力のある協定によって管理される。
 政府の借り入れも同様だ。
 また、救済が必要になった場合には、スコットランドは特定の財政負担も負う。
 スコットランドと英国の間のこうした取り決めは、条約によって定められる。

■一方的なリスクには一方的なコントロールが必要

 一方的な財政規則のロジックは、通貨同盟内では、
 小さい方のメンバーの放漫財政のコストが大きい方のメンバーに転嫁される可能性がある、
というものだ。

 だが、規模がずっと大きいメンバーは、その放漫財政の代償を小さいメンバーに負わせることができない。
 そのためスコットランドは、英国が持たない浪費への動機を持つ。
 一方的なリスクには、一方的なコントロールが必要になるのだ。

 同じようなロジックが金融規制にも当てはまる。
 スコットランドは、そのコストが究極的に英国にのしかかる、エディンバラを舞台とする金融ブームの恩恵を受けるかもしれない。
 その理由から、規制は中央集権的なものにする必要がある。
 だが、惨事が起きた場合には、スコットランドは一定の財政負担を負わなければならない。
 コストが英国だけにのしかかることがあってはならない。

 説明責任と権限の間の明確な線引きの必要性が何よりも重要だ。
 一国、一政府、一中央銀行というのが、正しい原則である。
 これは緊急時には特に重要だということを我々は学んだ。

 次に、政府、中央銀行、規制当局の間の可能な限り綿密な協力が重要となる。
 危機が次に生じた時には、政府は中央銀行に対し、あからさまな財政ファイナンスを求める可能性さえある。
 そのような状況下では、中央銀行は1つの政府、つまり英国政府に対して責任を持つことが明確でなければならない。

 一部には、こうした条件を強要するのは不可能だと言う人もいる。
 本紙(英フィナンシャル・タイムズ)へのある読者投稿は、
 「スコットランド分離後の英国は、英国ではなく別の国になる」
とまで断じた。
 そうはならない。
 英国はスコットランドのない英国になる。
 現アイルランド共和国が1920年代に去った時と同じように、ウェストミンスターの議会、同議会の法律の大半、そして同議会に対して責任を持つ政府は皆、存続するだろう。
 スコットランドはただ単に、英国という連合への一時的な参加を打ち切ったことになるだけだ。

 明らかに、(1707年の)連合法は破棄されなければならない。
 だが、これはイングランド銀行の存在や同銀を司る法律に疑義が生じることを意味しない。
 スコットランドは英国から去るかもしれないが、中核的な制度機構を一緒に持ち去ることはできないのだ。

 上記に概説した線に沿った通貨同盟は、完全に申し分のないものになるだろう。
 だが、そのような同盟は、スコットランドおよびスコットランド人が現状より小さな影響力しか持たないものになる。
 彼らはポンド圏内で最後の貸し手に対するアクセスを維持するが、その代償は大きい。

 もしそれが本当にスコットランド人が望むものなのであれば、筆者はそれで構わない。
 だが、彼らが主権国としての平等を望むのであれば、そのような案を拒むべきだ。通貨同盟に代わる道筋は存在する。
 中にはうまくいくものもあるかもしれない。
 スコットランドが独立するのであれば、そうした選択肢の1つを選ぶべきだ。



朝日新聞デジタル 2014年9月16日15時59分
http://www.asahi.com/international/reuters/CRWKBN0HB0HX.html

焦点:スコットランド独立投票、避けられない「欧州の変容」

 [パリ 14日 ロイター] - 18日に行われるスコットランド独立の是非を問う住民投票の結果がどうなろうと、従来の主権国家で構成される欧州の姿は変容していこうとしている。
  中央政府の統制力が弱まり、一部地域が離反するという流れだ。

 住民投票でスコットランド独立賛成派が勝利すれば、欧州では政治的な地殻変動が起こり、スペインにおけるカタルーニャからベルギーにおけるフランドルに至るまでの分離独立運動を刺激することになる。

 またスコットランド独立反対が過半数を占めた場合でも、英政府はスコットランド行政府により大きな権限を譲渡すると約束しており、ウェールズや北アイルランドにも同じような措置がもたらされる可能性は大きい。

 いずれにせよ、独立について住民投票が実施されたという前例は、欧州全域に反響を巻き起こすだろう。

 例えばスペイン政府はもはや、独立の是非を問う住民投票を要求するカタルーニャ住民の圧力には抗しきれないと判断するかもしれない。
 カタルーニャ州は人口が740万人に上り、EU加盟のうちの十数カ国よりも規模が大きい。

 先週には数十万人の住民がスペイン政府に投票実施を求めるデモを行っており、こうした動きは既により大きな自治権を獲得しているスペインのバスク地方にも影響を及ぼしていくのは間違いない。

 欧州の地図は冷戦によって何十年も固定化されてきたが、ベルリンの壁崩壊以降は新国家が誕生し、昔存在していた国家もバルカン半島では流血を伴い、バルト海地域では平和裏に、それまでの中央政府のくびきを脱して再び姿を現した。

 こうした非常に不安定な遠心力と求心力の対決が解き放たれた一因は、グローバリゼーションと欧州連合(EU)の統合推進にある。

 EUと英国で外交官を務めたロバート・クーパー氏は、欧州諸国を「ポストモダン国家」と称し、主権の一部が自由に共有されるようになったと説明。
 2003年の著書「国家の崩壊」で、「EUは各加盟国の国内問題に相互に介入するための高度に発展したシステムになった」と記した。

 これによって国境の重要性は低下し、地方レベルで住民がより民主的な統治を求める動きが強まった。

 ただEUはこれらの変化のきっかけになってきた例が多いが、常に解決策を提供しているわけでもない。

 1990年にEUが設立した地域委員会は域内地方政府に政策決定に関する発言の機会を付与したものだが、実権のない諮問機関を1つ増やしただけの形になっている。

 かつて域内で最も強い自治権を持つある地方政府の代表を務めた人物は
 「地域委員会は完全な失敗だ。
 やはり国家でなければ、さまざまな問題をEUに政策議題として持ち込むことはできない」
と話した。

 それでもスコットランドやカタルーニャの独立運動は、欧州統合を自国政府の支配から逃れる手段とみなしている。
 彼らはEUの会議に自らの席を確保して、英国やスペインの介在を減らしたいと考えているのだ。 
 欧州において2008年に始まった経済危機は、中央集権化と地域主権拡大主義という2つの相対立する推進力をともに加速させた。
 また各国内で富める地域と貧しい地域の資源配分をめぐる衝突が激化、一例はベルギーのオランダ語圏フランドルとフランス語圏ワロンの対立だが、それだけでなくイタリアやドイツでも同様の状況が起きた。

 ドイツで富裕なバイエルン州やヘッセン州は、貧しい北東部の州に補助金をこれ以上提供したくないと考え、裁判所に財政平準化制度の異議を申し立てた。
 イタリアでも豊かな北部が南部に分配することにうんざりしていて、そうした負担を制限する財政連邦主義的なシステムを導入した。

 スコットランドやカタルーニャで有権者を独立賛成に傾かせたのは、中央政府の政治指導層が一般国民の手の届かないところで絵を描いた緊縮財政への抗議という側面もある。

 一方で経済危機は、英国独立党や仏国民戦線、オーストリアとオランドの自由党といった極右政党も躍進させた。
 彼らはEUからの離脱と、移民や輸入品に対して国境を固める保護主義を唱えている。

 EUにとっては従来の主権国家の分裂が進めば、意思決定システムにかかる緊張が増し、動脈硬化を起こすリスクが出てくる。

 加盟28カ国でさえ、満場一致で場合によっては国民投票も加えた形で条約を批准するというのは十分に難しい。
 さらにバルカン半島地域の6カ国が新たに加盟を求めており、現加盟国の一部が分裂する可能性がある点からすれば、EUは運営不能に陥ってしまう恐れがあるとの懸念も専門家の中から聞こえてきている。

 ジュネーブ大学グローバル問題研究所のニコラ・ルブラ氏は、「小国家」の増殖がEUの統治システムの改革を促しつつあると指摘。
 「これほど新国家が多くなれば、国家代表で構成するEUのやり方を修正せざるを得なくなる。
 6(カ国)で始まって28程度でまずまず機能している制度が、100になってうまく働かないのは明らかだ」
と述べた。 
 (Paul Taylor記者)





ロイター 2014年 09月 19日 15:06 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0HE0E020140919

スコットランド住民投票は独立を否決、支持派が敗北認める

[エディンバラ 19日 ロイター] - 18日に実施されたスコットランド独立の是非を問う住民投票では、反対票が50%を上回り、独立が否決された。

独立支持派は十分な票が得られなかったことを認めた。

スコットランド民族党(SNP)の副党首を務めるスタージョン行政府副首相は、独立が僅差で実現せず失望したと表明。
BBCテレビとのインタビューで「スコットランドの多くの住民と同様、私は独立支持キャンペーンに心血を注いできた。
ほんの少しのところで独立が実現せず、本当に失望している」と述べた。

キャメロン英首相は、独立が否決されたことを受け、独立反対派リーダーのアリスター・ダーリング氏に祝意を示した。

独立支持派は最大都市グラスゴーなどで優勢となったが、他の選挙区で十分な票を得られなかった。

今回の住民投票では、有権者の97%に相当する428万人が投票手続き登録を行った。
投票率は過去最高となった。






【描けない未来:中国の苦悩】




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2014年9月15日月曜日

「チャイナリスク」とは軍事拡大なのか、それとも経済破綻なのか?:「中国の10大社会問題」

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●中国の最新調査で「信頼性の欠如」が大きな社会問題に Reuters


WEDGE Infinity 日本をもっと、考える  2014年09月15日(Mon)  岡崎研究所
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4189

真のチャイナリスクは軍拡か、経済破綻か

 アトランティック誌記者のロバート・カプランが、7月27日付フィナンシャル・タイムズ紙で、
 「中国の海洋進出による軍事的緊張よりも、
 中国経済が崩壊するリスクの方が世界にとってはより大きな問題である
、と言っています。

 すなわち、現在、中国に関する2つの論争がある。
 1つは、南シナ海・東シナ海における中国の侵略に関するもので、これは、
 経済のことをほとんど知らない海軍戦略家と外交官の間で行われている。
 もう1つは、中国経済の脆弱性に関する議論で、これは、
 海軍戦略と外交についてほとんど知らないエコノミストの間で行われている。

 これら2つの議論は、本来どこかで交わるべきものだが、そうなることはほとんどない。
★.前者の議論では中国を無敵のように見る一方、
★.後者の議論では中国を内部崩壊の瀬戸際にあるように見ている。

●.第一の論争については、中国の軍事的台頭は、日本を消極的平和主義から脱却させ、ナショナリズムを再発見させた。
 その結果、東アジアの安定は当然のものとは言えなくなっている。

 中国の海軍増強に関する議論は、これを阻止すべきだと考えるか、受け入れるべきと考えるかである。
 これらの議論は、双方とも、中国の軍事力は増強し続けるという前提に立っている。
 しかし、仮に中国が、例えば、内政的、経済的圧力を受けて、軍事力を増強できなくなった場合にはどうだろうか。

●.第二の論争は、中国経済はなんとか問題を切り抜けられると見るか、
 それとも、中国経済は崩壊すると考えるかである。

 この議論で抜けているのは、中国が経済問題を切り抜けると言っても、それはどの程度なのか、またそれが民族的、社会的、政治的緊張にどのような影響を与えるのか、という点である。
 中国経済が数年間停滞するのと、
 いきなり内部崩壊するのとでは随分違いがある。

 「切り抜け論」を支持する人々は、中国は困難に直面した際、政府の正統性を維持するために、海洋で、より攻撃的なナショナリズム的行動をとり、民族的・社会的緊張を封じ込めるだろうと見る。
 これに対し、経済が崩壊に向かう場合、多数派である漢民族とチベット、ウイグルとの間の民族紛争に火をつける可能性がある。
 こうした社会的、経済的圧力は、中国が国防費を増額し続けることには限界があることを露呈させるかもしれない。
 ここが南シナ海・東シナ海における問題と経済問題の交わるポイントである。
 中国経済が停滞した場合には海洋における更なる侵略的行動を導くが、経済が完全にダメになった場合には反対のことが起きる。
 要するに、これは中国経済がどれだけ弱いかという、程度の問題なのである。

 中国経済が崩壊すれば、西太平洋における脅威は軽減されるが、それと同時にアジアと世界の経済は混乱に陥ることとなる。
 単純に言えば、世界はより不安定になるのである。
 今日の海洋における緊張は、中国経済が脆弱化したときに起きることと比べればマシな状況と言える、と論じています。

* * *

 ロバート・カプランは、事象を少ない変数でシンプルに説明することを好む人で、それが幅広い読者層の人気を得ていますが、その反面、「ではどうすればよいのか」という具体的な政策論にはあまり踏み込むことがありません。

 この論説も、長期的な中国経済の停滞の見通しと、南シナ海、東シナ海における中国の進出を現在直面する最大の問題と捉えながら、その両者の間の整理について、色々と言葉を費やしつつ、結局は、それにどう対応すべきかという政策の提示はありません。

 結論らしきものがあるとすれば、中国経済の崩壊が世界に及ぼす影響の大きさを考えれば、現在程度の海洋における脅威のほうがマシではないかということです。
 しかし、経済と政治、安全保障との関係については、おそらく、経済と政治は、究極的には無関係であろうと思います。
  そして、日本が直面している問題は、将来の中国経済の衰退ではなく、今後10年間を考えて、過去20年間の蓄積で年々巨大化しつつあり、それが、今後ともしばらくは6~7%成長でさらに増大していく、巨大中国にいかに立ち向かっていくかということです。
 カプランの論には、到底、与することは出来ません。



ウオールストリートジャーナル 2014 年 9 月 16 日 18:18 JST
http://jp.wsj.com/news/articles/SB12785023003277603623104580157460203238600?mod=WSJJP_hp_bottom_3_3_bucket_2_right

中国の10大社会問題-官僚の「信頼性欠如」がトップ

 中国の国民が感じる社会問題に関する最新調査で、官僚の「信頼性の欠如」がトップとなった。

 この調査は中国共産党機関紙「人民日報」が発行する雑誌「人民論壇」の委託で行われた。
 それによると、回答者の58%が官僚は
 「国民生活には関心がなく、神様のことだけを気にしている。
 これは権力に対する彼らの考えを反映している」
と感じている。

 人民論壇はその最新事例として、武術のような気功の実践者、王林氏のことを取り上げた。
 国営の新華社通信などの報道によると、王氏は政府高官やその他の著名人の宗教的助言者になってから裕福になった。
 王氏からはコメントを得られなかった。  

 人民論壇は「党の団結と闘う力を弱める腐敗官僚」を激しく批判した。
 調査結果によると、回答者の51%が信頼性の欠如は「非倫理的な行為が見過ごされているため」と指摘。
 また、5分の1が「欲得ずく」の市場経済を原因の一つに挙げた。 

 調査で指摘された問題のほとんどに中国政府に対する幅広い不満がはっきり表れている。
 約49%が「傍観者的な態度」として知られる国内の傾向に懸念を示した。
 この概念は身勝手、つまりあまりにも利己的であることとほぼ同義で、回答者は国家公務員がまさにその典型だと答えた。

 10大社会問題の中で4位は「習慣的な不信感」で、回答者の40%がこれを挙げた。
 主に不信を感じるのは順番に
1].「政府が言うこと」、
2].食品の安全性、
3].医薬品の安全性、
4].地元の医師の質
だった。

 回答者の39%が富をひけらかすことを問題に挙げ、約3分の1が社会に広がる快楽主義に不安を感じると答えた。

 中国政府はここ数カ月、官僚への不信感が高まっている世論の操作に一層の努力を傾けている。
 共産党は汚職摘発を担当する中央規律検査委員会の大物を呼んでオンライン討論会を開いたほか、習近平国家主席は汚職撲滅運動を自身の代表的な政策に掲げている。

「中国の10大社会問題」は以下の通り。

1].信頼性の欠如
2].傍観者的な態度(あるいは利己的な態度)
3].仕事・生活・社会的地位に対する不安
4].習慣的な不信感
5].富をひけらかすこと

6].社会のスキャンダルを美化して楽しむこと
7].快楽主義
8].極端で暴力的・反社会的な行為
9].インターネットへの過度の依存
10].自虐的な態度



レコードチャイナ 配信日時:2014年9月19日 19時39分
http://www.recordchina.co.jp/a94441.html

中国の10大社会問題、
2位の「傍観者的で利己的な役人」を抑えてトップになったのは?―米紙

 2014年9月16日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は、中国誌がこのほど実施した世論調査の結果を掲載。
  「最も憂慮する」と中国人が指摘した社会問題トップ10を紹介した。
  18日付で参考消息網が伝えた。

 1位は「官僚の信頼性欠如」。
 2位以下は順に「傍観者的で利己的な態度」
 「仕事・生活・社会的地位に対する焦りや不安」
 「習慣的な不信感」「富のひけらかし」
 「世の中のスキャンダルを楽しむ心理」
 「快楽至上主義」「反社会的行為」
 「インターネットへの過度の依存」
 「自虐的な態度」となっている。

 この結果から、国民の政府に対する不満が見てとれる。
 回答者の51%が
 「官僚の信頼性欠如」について、
 「モラルに反する行為が処罰を受けないだけでなく、一部の人間にとって模倣の対象になっている」
ことを主な理由に挙げている。
 「傍観的利己的なな態度」は事なかれ主義で見て見ぬふりをする役人を指し、
 「習慣的な不信感」には
 「政府の言うことは何も信じられない」
 「食品や薬品への不信」
 「医師の職業モラルへの不信」
などが含まれている。



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