2014年10月28日火曜日

韓国が潰れていく(8):低成長の沼に陥った韓国、まずは危機意識の共有

_


朝鮮日報 記事入力 : 2014/10/26 08:13
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/10/26/2014102600212.html

【コラム
「対外純資産」 3兆2000億ドル(約342兆円)の日本、
 マイナス43億ドルの韓国
低成長の沼に陥った韓国、まずは危機意識の共有を

  欧州の特派員だったころ、大英博物館の特別書庫を訪れる機会があった。
 一般人には公開されていないその書庫は、四面が棚で覆われており、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ピカソなど西洋美術史に登場する有名画家たちが描いたスケッチが保管されていた。
 学芸員が開けて見せてくれた引き出しには、木炭で描いた下絵とみられるミケランジェロのスケッチが数十枚入っていた。
 「1枚いくらくらいの価値があるのか」と尋ねると
 「さあ…。少なくとも100万ポンド(約1億7000万円)はするのでは」
という答えが返ってきた。
 学芸員は、書庫にある巨匠たちのスケッチは全部で数万枚に達すると胸を張った。

 2011年の秋、欧州の債務危機を取材するためイタリアに出張した。
 経済省庁の次官と会い
 「負債が多すぎてデフォルト(債務不履行)が避けられないのでは」
と尋ねると、次官はこう返した。
 「ベネチアにある家1軒がいくらか知っているか。
 4-5階建ての邸宅なら1億ユーロ(約136億円)だ。
 ワインの産地で有名なトスカーナ地方の田舎の家は基本的に1軒100万ユーロ(約1億4000万円)以上する。
 われわれの資産がこれほど多いのに、デフォルトだと?ばかばかしい」

  韓国経済が成長エンジンを失い、長期にわたる低成長の沼にはまり込んでいるが、多くの国民は、韓国はそれでも大丈夫な国だと錯覚している。
 お隣の日本は、20年にわたる不況にも国がつぶれることなく持ちこたえた。
 過去30年間の好況期に稼いでおいた資産が支えになったためだ。

 日本の対外純資産(企業や政府、個人が海外に保有している資産から負債を差し引いたもの)の残高は、今年3月末時点で3兆2000億ドル(約342兆円)に達する。
 一方、韓国の対外純資産残高は「マイナス43億ドル(約4600億円)」だ。
 一生懸命稼いでも、いまだに資産よりも負債が多い
 人に例えるなら、
★.韓国経済は多額の借金を抱えるサラリーマンで、
★.日本経済は資産の運用益だけでも十分食べていける銀行のプライベート・バンキング(PB)の顧客
ということになる。
 日本は昨年、資本収支だけで460億ドル(約4兆9000億円)の黒字(流入超)だった。
 これに対し、韓国の昨年の資本収支は2億ドル(約214億円)の赤字(流出超)だった。

 国内総生産(GDP)の規模で見ると韓国は世界13位の経済大国だが、だからといって錯覚してはならない。
 GDPは1年間に国内で生産された物やサービスの総額だ。
 現在の現金の流れが少し良いだけで、資産が多いという意味ではない。

 もちろん、負債が多いからといって必ずしも国が駄目になるわけではない。
 米国は対外純資産残高がマイナス5兆ドル(約535兆円)に達する。
 だが、米国は基軸通貨国だ。
 印刷機でドルを刷るだけで、いくらでも負債を償還できる。
 韓国は資源も、世界の富裕層が欲しがる田舎の家も、有名画家たちのスケッチもない。
 頼れるものは知識と労働だけだ。

 経済再生への期待をつないだチェ・ギョンファン経済副首相兼企画財政部(省に相当)長官率いる経済チームの景気浮揚策が、次第に勢いを失っている。
 国会などに足を引っ張られ、これさえも効果を出せなければ、韓国経済の未来は暗い。
 まずは国民が危機意識を共有することから始めなければならない。
 このままでは、国を奪われるという屈辱を味わいながらも発奮せず、子孫に何も残せなかった先祖と同じ轍(てつ)を踏むことになるだろう。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/10/29 11:19
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/10/29/2014102901502.html

「日本の海外投資拡大、韓国の対日輸出に悪影響」
韓国貿易協会が報告書で指摘

 日本企業の海外直接投資の拡大が韓国の対日輸出に悪影響を与えている
との懸念が提起された。

 韓国貿易協会の国際貿易研究院が28日に発刊した報告書によると、
  日本の海外直接投資が拡大し、逆輸入が増えたことで、韓国の対日輸出が減少している
という。

 日本の海外直接投資残高
 1988年に1000億ドル(約10兆8000億円)を突破し、
 2008年に5000億ドル(約54兆1000億円)、
 12年には1兆ドル(約108兆2000億円)を超えた
 製造業の海外直接投資額は、
 海外での需要増加や円高、東日本巨大地震以降の供給網の多角化などを受け、
 2005-12年で総額3500億ドル(約37兆9000億円)に達した。

 海外直接投資は日本国内での生産を減少させた。
 製造業の海外生産比率は
 03年の15.6%から12年には20.3%に上昇。
 また、日本の総輸入に海外法人が生産した製品が占める割合も、同期間に23.3%から29.0%に拡大した。
 これに対し、韓国製品の日本輸入市場でのシェアは過去の7%台半ばから今年は6.7%に下落した。

 製造業の場合、
 日本の海外投資残高が1%増加すれば、韓国の対日輸出が約2.4%減少する
と分析される。
 特に、繊維織物、化学製品、一般機械、鉄鋼製品、家電などの分野での日本の海外投資拡大が韓国の対日輸出を減少させた。
 実際に、韓国の対日輸出は11年には40.8%増加
したが、
 12年は2.2%、
 昨年は10.7%それぞれ減少した。

 報告書は、円安の進行で日本企業の収益性が改善し、日本の海外投資がさらに拡大しているとし、韓国の対日輸出ルートの多角化が必要だと指摘している。
 海外に投資する日本企業が現地調達を増やしているため、韓国から日本の海外法人に輸出したり、韓国の海外法人が現地の日本企業を確保したりする努力が必要だとの説明だ。

 呉相奉(オ・サンボン)国際貿易研究院長は
 「韓国も、海外投資の拡大が国内生産の減少や貿易収支の悪化につながらないよう、部品・素材の競争力強化、設計・デザイン力やマーケティング力の国内保有が必要だ」
と説明した。
 また、日本では高齢化に伴い収益性が低下したサービス産業の海外投資が盛んだとし、韓国も金融や物流・流通、技術サービス分野の海外進出を拡大し、収益性を高めるべきだと指摘した。



レコードチャイナ 配信日時:2014年10月20日 20時23分
http://www.recordchina.co.jp/a96021.html

日本で活動の韓国系企業、円安で8割が経営難
=韓国政府に日韓関係の改善求める―韓国メディア

 2014年10月20日、韓国貿易協会東京支部は、サムスンやLGなど、日本に支社を構えている韓国企業を対象に行ったアンケート調査の結果を公開。80.3%の企業が円安により経営困難に追い込まれていると明らかにした。
 韓国・聯合ニュースの報道を引用し、中国新聞網が伝えた。

 調査によると、日本の韓国系企業が正常な経営を維持するためには、100円当たり1000~1100ウォンの為替水準を維持する必要がある。
 関連企業は2015年の平均為替相場が100円当たり949ウォンと予想している。
 仮に100円当たり1000ウォンを下回る状態が続けば、韓国企業への影響は計り知れないという。

 そのため、日本の韓国企業は韓国政府に対し、為替市場への介入を求めている。
 さらに、業界内では、冷え込んでいる日韓関係の影響も大きいため、韓国政府に対し、両国関係の改善を要求している。



レコードチャイナ 配信日時:2014年10月20日 21時1分
http://www.recordchina.co.jp/a96019.html

韓国企業、海外で6年間に2000億円超の罰金
=独占禁止法違反により―韓国メディア

 2014年10月20日、韓国・聯合ニュースによると、韓国公正取引員会は同日、同国国会に国政監査資料を提出。
 それによると、2008年以降、独占禁止法違反により海外で10件の韓国企業制裁事例が発生している。中国新聞網が伝えた。

 2008年には米国がディスプレーに関して、LGが独占禁止法に違反したとして罰金を科し、2010年にはEUがLGに、2012年にはEUがLGやサムスンSDIに対して罰金を科している。
 ここ6年間の罰金額は2兆1626億ウォン(約2170億円)に達する。



レコードチャイナ 配信日時:2014年10月23日 22時57分
http://www.recordchina.co.jp/a96219.html

深刻な就職難の韓国、3大大学で就職できず休学する学生も
=一方で高卒と偽り就職したケースも―韓国紙

 2014年10月22日、韓国・中央日報によると、就職難の韓国で、大卒の学歴を持つ就活生が高卒と偽る現象が発生している。
 中国網が伝えた。

 韓国の就職難は日増しに深刻になっている。
 国有企業や大企業20社に調査したところ、2014年下半期の採用人数は2013年同時期より12%減り、文系の採用を控える傾向にあった。
 すでに学歴は就職を保障してはくれず、韓国の3大大学と言われている延世大学の学歴を持っていても、書類選考の成功率はわずかに3割という人もいる。
 そのため、卒業の条件を有していても、就職できずに休学する者も出ている。

 一方で、大卒の男性が学歴を高卒と偽り、採用されるケースも見られている。
 この男性は履歴書に大卒と書いて書類選考に落ちた会社に、高卒と偽り再び応募したところ見事採用された。
 企業の募集の中には、高卒者限定のものもあり、高卒と偽り就活する大卒者が少なくない。

 中国でも近年、就職難が問題視され、大学院卒を学部卒と偽って就活する現象が見られている。
 これは高学歴の人間が仕事の報酬に対する要求が高いことや、使い勝手が悪いなどの理由から避けられている。
 報道ではなぜ韓国の大卒者が高卒と偽る必要があるのかは明言していないが、専門家のアドバイスとして、
 「一流大学にこだわらず、就職に有利な学部を重視するべき」
と伝えているように、韓国では「どこで学んだか」よりも「何を学んだか」が重要になってきているのかもしれない。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/10/27 08:33
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/10/27/2014102700600.html

韓国の労働生産性、OECD加盟国で24位



 韓国は製造業と貿易規模の面では世界で最上位圏の評価を受けているが、労働生産性の面では依然として経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均にも達していない。
 韓国経済の成長が技術革新よりも
 長時間勤務など労働集約的な要素に大きく依存している
ことを示している。

 韓国貿易協会傘下の国際貿易研究院は26日、「世界の中の大韓民国」と題した報告書を発表し、2013年の韓国の
★.名目国内総生産(GDP)が世界14位の1兆3043億ドル、
★.貿易規模が9位の1兆750億ドル
に達したとした上で、特に
★.携帯電話端末(1位)、
★.半導体(2位)、
★.船舶(2位)、
★.自動車(5位)、
★.鉄鋼(6位)
など韓国の主力産業が世界的な競争力を確保していると指摘した。

 しかし、労働生産性で見た競争力は失望すべき水準だ。
 OECDの調査によると、
★.GDPを就業者数で割った1人当たり労働生産性の順位で韓国はOECD加盟34カ国のうち24位
にとどまった。
★.世界2位の長い労働時間(1人当たり年2163時間)で、
★.GDPを総労働時間で割った1時間当たりの労働生産性(30.4ドル)は28位
だった。

 競争国に比べても韓国の労働生産性は大きく劣る。
 韓国の勤労者の労働生産性はOECD加盟国の平均の80%、米国に比べると58.7%にすぎない。

 韓国生産性本部のイ・グンヒ生産性政策センター長は
 「2010年から12年まで韓国の経済成長率が以前の4%台から3%台に低下する中、同じ期間の就業者数の伸び率が1.2%から1.8%に上昇し、労働生産性の伸びがさらに鈍化した。
 勤労者の賃金が上がるには、労働生産性の向上が先決だ」
と分析した。



朝鮮日報 記事入力 : 2014/11/03 11:44
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/11/03/2014110301706.html

【コラム】経済危機に目を向けない韓国の政界

 数ある職業の中で最も直感が発達するのは企業家に違いない。
 自分が決定したことに対し、数カ月後に市場の審判を受けねばならないためだ。
 一度の決断ミスが本人だけでなく会社全体を危機に追い込むこともある。
 こうした点で、国という揺るぎないバックを持つ公務員や、選挙のときだけ有権者に気を配る政治家たちは、企業家の感覚についていくことができない。

 年末が近づく中、記者が会った韓国財界の要人たちは一様に浮かない顔つきだった。
 来年の経営計画にはおのずと「景気が再び持ち直すよう期待する」という文句が入る。
 大企業グループのある幹部は
 「2010年から11年にかけてのような『中国ブーム』が再び訪れることは期待できない。
 これまでに獲得したシェアを奪われず、売上高だけでも増えれば幸いだ」
と語った。

 財界関係者たちの言葉をまとめると、悲観論の根拠は大きく分けて二つある。

★.一つは、世界市場で業種を問わず韓国企業の競争力がこぞって下落しているという現実だ。
 鉄鋼、石油化学、造船など「株式会社・韓国」を支えてきた重厚長大型産業が危機に直面しているだけでなく、電子、自動車などこれまで好調だった産業も、程度の差はあれ業績が下り坂をたどっている。

 外資系メーカーのある幹部は
 「来年の経営計画を立てているが、今年よりも(業績が)悪化することはほぼ確実だ」
と語った。
 韓国で工場を稼働しているこのメーカーは、サムスンやLG、現代自動車などの大企業に主に納品している。
 これら韓国大企業の業績が振るわないため、自社の売り上げが伸びる見込みはほぼゼロだというわけだ。
 韓国銀行や政府系シンクタンクは来年の経済成長率が今年の見通し(3.5%)を上回ると見込むが、財界の雰囲気はこうした見通しとは全く異なる。

★.企業家が未来を悲観するもう一つの理由は、
こうしたことに悩んでいるのが企業家だけだということだ。
 一国の産業競争力を高めるには当事者である企業家が奮闘するだけでは不十分で、政界が率先して経済問題に取り組まなければならない。
 日本は政府が円安を誘導するアベノミクスを打ち出し、「党イコール国家」の中国は産業高度化や新成長エンジンの育成など骨太の経済政策を政治家が主導している。
 これらの国の変化は企業ではなく政界から出発している。

 ある企業の最高経営責任者(CEO)は「与野党のいずれも、企業が置かれている現状を案じている様子がない」と言ってため息をついた。
 「国政監査の場に企業家を呼んで恥をかかせることにばかり躍起になり、企業家をまるで犯罪予備軍のように見るのは、今も昔も同じだ」
と話す。
 近ごろ政界で広がっている改憲をめぐる論争でも、経済という変数は全く無視されている。

 世界市場で中国企業に追撃され、円安を追い風にした日本企業に押されている現実は、企業家たちの会合でもため息交じりに語られている。
 財界人たちは現状を悲観的に見る傾向があると言う人もいるかもしれない。
 だが今、彼らが大げさだと言うには現状はあまりに深刻に見える。



聯合ニュース 2014年 11月 07日(金)
http://japanese.yonhapnews.co.kr/economy/2014/11/06/0500000000AJP20141106003000882.HTML

外資系銀行の韓国支店 4年間で純利益6割減

【ソウル聯合ニュース】
 韓国に進出している外資系銀行の純利益がこの数年で急減し、経営指標も悪化していることが6日、分かった。

 韓国の金融業界と金融監督院によると、外資系銀行の韓国支店の当期純利益は2009年の総額2兆4000億ウォン(約2540億円)をピークに減少が続く。
 2010年が1兆5000億ウォン、2011年が1兆3000億ウォン、2012年が1兆ウォン、昨年が9000億ウォンと、4年で61%急減した。

 収益性と効率性を示す総資産利益率(ROA)は0.83%から0.36%に、自己資本利益率(ROE)も22.56%から5.42%に落ち込んだ。

 一方、同期間に韓国の市中銀行のROAは0.39%から0.34%、ROEは6.12%から4.57%に低下した。
 外資系銀行とほぼ差がなくなっている。

 外資系銀行の韓国支店は2008年のリーマン・ショックで米国の金利が下がると、本国から低金利で調達を調達し、外貨建て貸出と債券投資で多額の資金利益を得た。
 また、韓国の外国為替市場が急激な資本流入に揺れ動く中、外為とデリバティブ関連取引でも利益を計上した。

 しかし、市場の変動性が縮小し、外為、デリバティブ分野の競争が激しくなると、収益性は低下した。
 資金利益は2009年の2兆6000億ウォンから2013年には1兆6000億ウォンに減少し、2009年に1兆8000億ウォンだった外為とデリバティブ関連取引の利益は2010~2013年に平均427億ウォンにとどまった。

 ある外資系銀行の関係者は、韓国の金利も下がり米国との金利差が縮んだこと、ユーロ圏の危機が深まってからグローバル投資銀行が借り入れ規模と債券投資を減らす方向に転じたことを要因に挙げた。
 韓国政府が急激な外貨流入を防ぐために設けた制度も、短期借入金の減少に影響を及ぼした。

 2009年には外資系銀行のうち10行が1000億ウォン以上の当期純利益を計上したが、2013年は3行にとどまった。
 このうち2行が日系だ。
 日本と中国系は企業向け貸出と貿易金融が多く、欧米系に比べると収益の減少幅が小さいか、収益が横ばいだった。



2014年11月07日09時12分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/367/192367.html?servcode=100&sectcode=110

【社説】韓国経済、新しい次元の総力戦を考えるべき

  韓国経済が
★.米国のスーパードル、
★.中国の激しい追撃、
★.日本の超円安
の3つの波でふらついている。
  グローバル経済が単なる景気サイクルを越え、
 構造的な地殻変動に入る兆し
だ。
 問題は韓国経済がなかなか解決方法を見いだせない点だ。
 「創造経済」と「チョイノミクス(崔ギョン煥経済副首相の景気浮揚策)」で波を乗り越えられるのか疑問だ。
 グローバル世論調査会社ニールセンによると、今年7-9月期の韓国の消費者信頼指数(CCI)は国家破綻に直面したギリシャより低い世界最下位圏の57位に落ちた。

  世界は経済不安に総力戦を見せている。
 米国はシェールガス革命と「製造業復興」を通じて強力な景気回復が進行中だ。
 失業率低下とともに量的緩和も終了した。
 同じアングロサクソン圏の英国も今年の経済成長率が3.2%(予測値)にのぼる。
 グローバル金融危機と欧州財政危機に対抗して政策金利を弾力的に引き下げ、強力な規制緩和を通じて民間部門、特にサービス業と不動産市場を急速に回復させたおかげだ。
 日本は人為的なアベノミクスで、欧州も無制限量的緩和で最後の勝負に出ている。

  これに比べ韓国経済は無気力症に陥っている。
 低成長と高齢化で消費が減り、企業の設備投資も委縮している。
 こうした構図では、いかなる財政拡大と金融緩和も効果がない。
 家計や企業など民間部門の心理を回復させない限り経済活性化は難しい。
 すでに伝統的な財政・通貨政策は限界を表している。
 例えば、昨年の設備投資はマイナス1.5%で、今年も四半期別に浮き沈みがある。
 昨年は大企業の営業利益が増え、今年は政策金利を連続で引き下げたが、設備投資は回復しない。
 経済学の教科書に出てくる利下げより、未来の不透明性がさらに大きな問題ということだ。

★.過去の1980年代の3低(低金利・低ドル・低原油価格)
が順風だったなら、
★.最近の新3低(低成長・低物価・低安)
は逆風だ。
 これに対抗して経済主導者の心理を回復させるには新しい次元の大胆な総力戦が求められる。
 こうした点で注目されるのはSKハイニックスの善戦だ。
 2年前にSKが万年赤字だったハイニックスを買収した後、果敢に兆ウォン単位の投資を敢行した。
 今年に入ってSKハイニックスは3四半期連続1兆ウォンを超える営業利益で、その果実を確実に享受している。
 時価総額2位をめぐり現代車と激しく争うほどだ。

  経済回復の根本は単に資金を供給して金利を下げることではない。
 企業家に起業しようとする気持ち、勤労者には労働しようとする気持ちを抱かせることが核心だ。
 過度な悲観論は経済に毒となる。
 今は経済主導者にジョン・メイナード・ケインズが話した「野性的衝動(animal spirits)」をどう吹き込むのか考えなければならない。
 好況期にこの欲求が行き過ぎれば投機とバブルを招くが、景気低迷期にこの欲求まで喪失すれば経済はさらに沈んでしまう。
 民間部門の心理を変えるのは政府と政界の役割だ。
いつよりも大胆な逆発想と果敢なリーダーシップが要求される。


2014年11月07日09時31分 [ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
http://japanese.joins.com/article/368/192368.html?servcode=300&sectcode=300

韓国石油化学産業に火を灯し続けるには
…答えは「東レ+ユニクロ協業」に

  下着が、化学産業の救援投手になった。
 ユニクロの商品「ヒートテック」のことだ。

  6日、ソウル汝矣島(ヨイド)のIFCモールにあるユニクロ店舗。
 もともと1万2900ウォン(約1360円)で売っている半袖のヒートテック製品を、この日までは9900ウォンで販売するといううわさが広がり売り場にはヒートテックを見に来た客足が途絶えなかった。
 店員は「冬が訪れた上に割引セールが加わり、普段より客がどんどん増えた」と話した。
 ヒートテックはユニクロが12年前から出しているロングセラーヒット商品だ。
 「発熱下着」の熱風を追い立てた。
 ヒートテックが人気を重ねるほど大笑いしている所は別にある。
 まさに日本の化学企業である東レだ。
 東レはヒートテックの善戦に力づけられて繊維事業に営業利益率(2013年基準)7%を達成した。
 グローバル化学企業の平均(5%)を大きく上回る“驚異的な”成果だ。
 LG経済研究院のイム・ジス研究員は東レの善戦についてこのように語る。
 「韓国の化学企業の経営陣が不況の原因をこれ以上『景気』や『中国』のせいだけに片付けてはいけない良い事例」
と話だ。
 イム研究員の分析を通じて
 悪化の一路をたどっている韓国化学産業の本当の危機の原因
が何かを探ってみる。

  今年7-9月期の韓国石油化学業界の成績は振るわない。
 GSはGSカルテックス製油事業の赤字(1646億ウォン)の影響で7-9月期の売り上げ2兆7257億ウォンに営業利益が前年同期より90%落ちた240億ウォンを記録した。
 GSエネルギーもやはり741億ウォンの営業損失を見た。
 LG化学は前年同期より売上は3.4%減った5兆6639億ウォンだが、営業利益(3575億ウォン)は30%も減少して実績が停滞した。
 SKイノベーションもやはり石油事業不振の影響で営業利益が488億ウォンと前年同期より84%減った。

  ①韓国化学会社の不振は中国のせい?

  石油化学企業らは異口同音に実績不振の原因として「中国」を挙げる。
 一見すると正しいが、一見すれば間違った話でもある。
 まず中国の需要停滞のためだという話から説明すると、このようだ。
 中国は2000年代から世界の化学産業の成長を導いていく原動力だった。
 「中国需要=世界需要」という等式が成立するほど中国市場が及ぼす影響は実際に相当なものだった。
 2003年~2007年の間に中国の需要が市場で占める割合は21%に達した。
 2008~2012年の間には59%に急増した。
 2009年の金融危機で需要が10%減少した時にも、中国だけは市場が12%成長しながら存在感を高めた。
 中国の需要が2011年以降、いち早く1ケタ台に減りながら、企業の間では「需要が失踪した」という言葉が広く知られた。
 だがイム研究員は中国の化学製品の需要増加率は2012年以降も安定的に維持されており「中国」のせいで韓国企業が困難になったと判断するのは性急だと分析した。

②世界景気の低迷で困難?

  企業らが挙げる実績悪化の原因はグローバル景気低迷だ。
 だが、これもやはり「木」でなく「森」の視点で見れば話が変わる。
 グローバル景気低迷が原因ならば、韓国企業だけの問題ではないからだ。
 だが残念なことに、売り上げ基準の世界化学企業50社の経営成果は、こうした韓国の化学企業らの釈明を完全にひっくり返すものだ。
 痛恨の話だ。
 グローバル50大化学企業は過去21年間の平均営業利益率9.3%台を記録した。
 グローバル金融危機後である2009年(8%)を底に2011年には12%台という驚くべき成績を出した。
 化学企業の実績が下落し始めた2012年(10%)と2013年(10%)にも良好な実績をおさめた。
 一方韓国の化学企業21社の平均営業利益率はグローバル先頭企業らの半分にも及ばなかった。

  ③問題は「体質」だ

  表面上は韓国化学産業には問題がない。
 昨年の輸出612億ドル、輸入390億ドルで222億ドルに達する貿易収支「黒字」を出した。
 だが「質」を見ると話は正反対に流れる。
 化学事業は大きく
★.石油化学(46%)と
★.高付加価値・新素材化学(45%)・
★.無機化学(9%)
に分かれる。
 このうち韓国の化学企業は汎用製品に該当する「石油化学」分野に集まっている。
 昨年、石油化学では314億ドルの黒字を記録した理由がここにある。
 一方、高付加価値の化学産業である精密化学分野では92億ドルの貿易赤字を出した。
 特に塗料・インク・接着剤、ディスプレイ材料のように平均収入単価が1トンあたり1万9000ドルに達する超高価化学製品分野では20億ドル(全体輸入の12%)を輸入した。
 国家別の競争力比較でも韓国企業は「専攻」分野である石油化学分野で中国(貿易特化指数0.87)を除いて日本(マイナス0.58)、米国(マイナス0.22)、ドイツ(マイナス0.4)に全て遅れをとった。
 精密化学事業では中国・日本・米国・ドイツに全て競争力を追い越された。
 化学企業の危機原因が「内部」にあったということだ。

  ④ユニクロ担いだ東レの教訓

  1926年に繊維会社としてスタートした東レの社員は7123人だ。
 この社員らが1年で稼ぐ売り上げは昨年基準1兆8380億円(約17兆4220億ウォン)に達する。
 すべての人々が「下方産業」と呼ばれる繊維事業だけで2560億円を稼いだ。
 驚くべきは、この事業の営業利益率が7%に達するということだ。
 高い営業利益率の背景には「協業」がある。
 東レは2000年、ファストファッション企業であるユニクロから協業提案を受けた。
 会社内にグローバルオペレーション推進室を作り、ユニクロが要求する素材開発に乗り出した。
 2003年に出した発熱下着「ヒートテック」が代表作だ。
 発熱性と保温性が高いこの素材開発協業は、起毛素材で作ったジャケット「フリース」の大成功にもつながった。
 繊維事業だけでなく新事業分野である炭素繊維強化プラスチックでも東レは「協業」戦略を続けている。
 ボーイングとエアバスを「パートナー」としたのに続き、2008年からは「オートモーティブセンター」という自動車素材のソリューションセンターを作った。
 イム研究員は
 「もはや過去のように『持ちこたえ』れば市場が戻ってくるということはない」
としながら
 「景気や何かのせいにする前に、ゼロベースで事業体質を強化して現在の困難を変化と革新の出発点としなければならない」
と話した。


_