『
レコードチャイナ 配信日時:2014年10月11日 1時27分
http://www.recordchina.co.jp/a95515.html
なぜ日本は多くのノーベル賞受賞者を輩出できるのか―中国メディア
●7日、スウェーデン王立科学アカデミーは2014年のノーベル物理学賞を、実用的な青色の発光ダイオード(LED)を開発した赤崎勇名城大教授、天野浩名古屋大教授、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授の3人に授与すると発表した。資料写真。
2014年10月9日、新華社によると、スウェーデン王立科学アカデミーは7日、2014年のノーベル物理学賞を、実用的な青色の発光ダイオード(LED)を開発した赤崎勇名城大教授、天野浩名古屋大教授、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授の3人に授与すると発表した。
日系アメリカ人の南部陽一郎シカゴ大学名誉教授を含めると、日本人のノーベル賞受賞者は計22人となった。
このうち、文学賞が2つ、平和賞が1つで、自然科学分野での受賞が大多数を占めていることが分かる。
米国籍を取得した南部教授と中村教授の受賞も日本国内での研究の成果だ。
日本はなぜこれほど多くのノーベル賞受賞者を輩出できるのだろうか。
日本の科学研究と教育分野には参考にすべき点があると言える。
▼基礎研究の重視
早稲田大学創造理工学部の森康晃教授は、日本の科学者がノーベル賞を受賞できる理由を、知識の長期的な蓄積と基礎研究の積み重ね、そして人材育成の賜物であるとし、一朝一夕に得られたものではないと話す。
日本のノーベル賞受賞者はいずれも国立大学卒業で、その多くが博士号を取得している。
これらの大学はそもそもが研究型大学で、基礎研究を非常に重んじているのだ。
▼研究経費の保証
戦後、日本は科学技術立国を掲げ、国を挙げて科学技術の発展に巨額の資金を投じてきた。
文科省の外郭団体である「日本学術振興会」は研究内容を具体的に制定する任務を担っており、中でも「科学研究費」は日本最大規模の競争的研究資金となっている。
科研費は日本政府の競争的研究資金の6割以上を占め、目下、日本の科研費の最も重要な資金源の一つとなっている。
日本学術振興会の科研費の予算は、日本政府の5年に一度の「科学技術基本計画」に組み込まれている。
研究者は大学や企業、或いは国から十分な研究費を調達することが可能で、研究者が安心して研究を進められる物的保障となっているのだ。
▼教育重視の伝統
日本は教育の伝統を重んじる。
家庭では読書をする環境作りがなされ、子供たちは小さい時から知識への欲望が掻き立てられ、それが研究の確固たる基盤となる。
科学研究分野でもこうした伝統が研究者の学術重視の意識を高めている。
日本の最高学府である東大を例にとってみても、同校は日本の近代史上初の国立大学で、22人のノーベル賞受賞者のうち7人が同校出身者。
この輝かしい成果は、研究者たちが決して政治的地位のためではなく、学問の研鑽に専念しているからに他ならないのだ。
(提供/人民網日本語版・翻訳/IM・編集/武藤)
』
『
サーチナニュース 2014-10-11 21:01
http://news.searchina.net/id/1545672?page=1
なぜ日本は多数のノーベル賞受賞者を輩出できるのか=中国メディア
スウェーデン王立科学アカデ
ミーが7日、2014年のノーベル物理学賞を青色発光ダイオード(LED)を開発した名城大教授の赤崎勇氏、名古屋大教授の天野浩氏、米カリフォルニア大
教授の中村修二氏の3名に授与すると発表した。
中国メディアの新華社は8日、
「なぜ日本は22人ものノーベル賞受賞者を輩出できるのか」
と論じる記事を掲
載した。
記事は、米国籍の南部陽一郎氏を含め、日本人のノーベル賞受賞者が22名に達したことを紹介、文学賞が2名、平和賞が1名であるほかは物理学賞や化学
賞、生理学・医学賞などでの受賞者が大半であるとし、
「米国籍の南部氏を含め、日本のノーベル賞受賞者は日本国内で行った研究が評価されて受賞している」
と指摘。日本が多くのノーベル賞受賞者を輩出している点は「中国にとって参考とすべき点が多い」と論じた。
続けて、早稲田大学創造理工学部の森康晃教授の話として、
★.日本は江戸時代から基礎研究を重視し、
★.人材を育成してきた背景があるとし、
★.数学などの分野では
独自の研究も行われていた
と紹介。
続けて、日本の科学者がノーベル賞を受賞できるのは
「一朝一夕の研究によるものではなく、長期間にわたる知識の蓄積があ
るため」
と論じた。
さらに記事は、第2時世界大戦後の日本は科学技術を国の柱とすることを定めたと紹介。
日本には研究を資金的にバックアップするための機構もあるほか、5
年ごとに見直しが行われる「科学技術基本計画」で研究の予算が確保され、研究者らは大学や企業、国などから支援のもとで安心して研究を行える環境があると
論じた。
続けて、江戸時代末期において江戸に住んでいた成人男性の識字率が70%に達していたことに驚きを示したうえで、
「ロンドンの識字率は20%、パリに
至っては10%以下だった」
と指摘、
日本は「伝統的に教育を重視している国だ」
と伝えた。
さらに第2次大戦後に日本が教育の均一化を図ったことで
「僻地でも都市部と同等の教育を受けられるようになった」
とし、
伝統的に教育を重視する国民性と
ともに、
学ぶ喜びを得られる環境が整備されていること
がノーベル賞受賞者を多数輩出できる基礎になっている、と論じた。
』『
レコードチャイナ 配信日時:2014年10月12日 12時22分
http://www.recordchina.co.jp/a95569.html
日本ノーベル賞ラッシュの秘密、アニメも支える日本の科学力―中国メディア
●10日、網易のコラムサイト・教育大家談は記事「日本はなぜこれほど多くのノーベル賞を獲得できるのか?」を掲載した。教育の伝統やアニメ・マンガ・ゲームの力など、さまざまな要因を列挙している。写真は東京・台場の実物大ガンダム立像。
「日本はなぜこれほど多くのノーベル賞を獲得できるのか?」
を掲載した。
2014年のノーベル物理学賞が発表された。日本人の赤崎勇さん、天野浩さん、米国籍の中村修二さんの3人が受賞。
これにより日本のノーベル賞受賞者は22人となり、アジア1位の座を確固たるものとしている。
なぜ日本人はノーベル賞を取れるのか。
その秘密を探ってみよう。
(1):1000円札に細菌学者・野口英世の肖像が使われていることから分かるとおり、
日本では科学者の地位が高い。
(2):日本は伝統的に教育国で、江戸時代末期には男子の識字率が45%に達していた。
(3):1981年に「科学技術立国」を目指す計画を発表。
その蓄積が今、実っている。
(4):労働者1万人あたりの研究者数で日本は133人。
中国の38人を大きく上回っている。
研究開発費はGDP比で3.4%(2010年)。
世界一だ。
(5):日本人の87%はマンガ好きというデータがあるが、
マンガやアニメ、ゲームも科学技術に対する興味を引きつけることに役立っている。
マッドサイエンティストが主人公の名作ゲーム「シュタインズ・ゲート」がその代表格だろう。
(6):発明王国の日本には偏執的にも思える不思議な発明品が満ち満ちている。
尿分析装置付きトイレという不思議な発明品もあった。
(7):大学の自由な気風。
日本のノーベル賞受賞者の半数は京都大学出身だが、教師だけではなく一般職員にも学長選挙の投票権がある。
(8):日本の研究者は個々に研究費に応募することができる。
官僚主義的に上司のハンコを集める必要がない。
(9):学歴に拘泥しない。
ノーベル化学賞受賞者の田中耕一さんは学士卒の普通のエンジニアだった。
(10):日本科学界では最近、小保方晴子さんのスキャンダルが話題となった。早稲田大学は指導教官の1カ月停職処分、学長の給与カットなど厳罰で対応した。
』
『
朝鮮日報 記事入力 : 2014/10/12 09:09
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/10/12/2014101200238_3.html
【コラム】追い越せる日本、追い越せない日本
ノーベル賞受賞歴に見る韓国と日本の距離
韓国と「近くて遠い国」と言われる日本は、「近くて近い国」になるかのように見えて、また遠い国になっている。
歴史認識をめぐる対立のことを言っているのではない。
国の基礎がどれだけ堅固かということだ。
国際化・情報化の時代にあっては、科学の水準が国の水準となる。
毎年10月になると、韓国人はノーベル賞のために大騒ぎする。
隣の日本から受賞者が出たときにはなおさらだ。
今年のノーベル物理学賞は日本人の研究者3人が共同で受賞した。
日本人3人がノーベル賞を受賞するのは、2008年の物理学賞に続き2度目だ。
日本人のノーベル賞(自然科学部門)受賞者が19人(米国国籍者2人を含む)いるのに対し、韓国人の受賞者が1人もいないことから、サッカーになぞらえて「19対0」と皮肉る声も出ている。
ノーベル賞は何も、一国の科学の水準を評価する物差しではない。
ノーベル賞を受賞した偉大な科学者よりも、受賞できなかった偉大な科学者の方が何十倍も多い。
それでも、心の中は穏やかではない。
自然科学部門のノーベル賞受賞者の9割は、米国・ドイツ・英国・ロシア・フランス・日本の出身だ。
ノーベル賞受賞者の数と、その国の国力の充実度の相関関係は否定できない。
英国経済が「英国病」と言われるほど深刻な状態だった時期、英国の経済学者が相次いでノーベル経済学賞を受賞し、物笑いの種になったが、自然科学部門の賞にはそのようなことはない。
2000年代に入り、日本人のノーベル賞受賞者は、それまでとは異なった経歴の持ち主が多くなっている。
かつてノーベル賞受賞者は京都大学か東京大学の出身者だった。
新入生の入学試験の点数は東京大の方が高いにもかかわらず、ノーベル賞受賞者はなぜ京都大出身者の方が多いのかという話題は、テレビのトークショーでたびたび登場する。
だがこのような様相は、今では大きく変わった。
東京工業大、名古屋大、東北大、長崎大、北海道大、神戸大、徳島大といった大学の出身者の合計が、京都大と東京大の合計に匹敵するようになった。
東京工業大を除けば全て地方の大学だ。
これは自然科学の研究の底辺がそれだけ広がったことを意味する。
また、2002年にノーベル化学賞を受賞した日本人の最終学歴は地方の大学の学部卒だ。
ノーベル賞(自然科学部門)の100年の歴史で、初めての「学士」の受賞者だ。
1949年にノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹は、戦犯国家となった日本の、敗戦後の焼け跡の中で打ちひしがれていた国民に再び立ち上がる勇気を与えた人物の一人だ。
アジア通貨危機の中、池に入ってまでショットを打ち続けた韓国の女子ゴルファー、パク・セリ選手とも比較にならないほどだ。
湯川秀樹の授賞の対象となったのは、27歳だった1934年に発表した中間子理論だった。
スウェーデン王立科学院は「日本を現代物理学の先導的な国家へと導いた功労者の一人」とたたえた。
日本の物理学の地位は当時すでに高かった。
1920年代に現代物理学の開拓者となったデンマークのニールス・ボーア(1922年ノーベル物理学賞受賞)、ドイツのベルナー・ハイゼンベルク(32年同賞受賞)の伝記には、日本人の弟子についてのエピソードがつづられていた。
最近は化学分野でも業績を伸ばしている。
物理学賞の受賞者10人に対し、化学賞の受賞者も7人に達した。
日本は化学分野では伝統的な強国ではなかった。
日本経済の全盛期だった1970-80年代、どの産業分野でも、日本でトップの企業が世界ランキングの5位以内に入っていたが、その例外だったのが化学分野と製薬分野だ。
両分野の日本でトップの企業は、世界ランキングでは10位にも入らなかった。
初のノーベル化学賞受賞も1981年で、物理学賞に比べ30年も後れを取った。
だが2000年、東京工業大出身の化学賞受賞者が出てから、空気が一変した。
日本の学界は、ノーベル化学賞受賞候補が「1個分隊と同じぐらいいる」と主張していたが、今では小隊と同じぐらいに増えているのかもしれない
日本の自然科学は、理化学研究所(理研)を抜きには語れない。
日本の自然科学を率いてきた先駆者たちの多くは、理研で青春時代を送った。
1917年に設立された理研は、韓国科学技術研究院(KIST)と似たような存在だが、基礎科学の研究に重点を置いているという点が異なる。
命令に従順な縦社会の日本にあって、理研は横社会というのが長所だった。
初代所長は
「資源がない国が豊かな国になるための唯一の道が自然科学だ」
という考えの持ち主だった。
同じように、どの国であれ、代表的な企業の表向きの姿は似通っている。
最終的に優劣を決めるのは、その国の化学の全般的な水準だ。
引っ掛かることが2つある。
★.1つは日本の半導体の父といわれる学者が、25年前に口にした言葉だ。
「日本の半導体の全盛期は終わった。
次は韓国が全盛期を迎え、さらに中国やインド、東南アジアの時代になる。
それが産業サイクルというものだ」。
韓国を豊かにしてきた主力産業と、それを裏付ける韓国の科学の将来はどうなるだろうか。
★.もう1つは、
日本の人物事典に現れている韓国との価値観の違いだ。
1964年から72年まで日本の首相を務め、在任期間が最も長い佐藤栄作についての記録は51ページに及ぶ。
日本の物理学の開拓者となった湯川秀樹についての記録は53ページだ。
韓国ではどうだろうか。
日本は韓国にとって、追いつき追い越すことのできる国だ。
そうなる可能性と、そうならない可能性は、韓国の内部に同時に存在している。
現在の韓国の地位を正確に把握し、目標との距離を正確に測ることが重要だ。
』
『
朝鮮日報 記事入力 : 2014/10/13 11:20
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/10/13/2014101301298.html
【萬物相】日本人科学者たちの執念とこだわり
名城大学の赤崎勇教授と名古屋大学の天野浩教授が青色発光ダイオード(LED)の実験に取り組んでいた当時、ある日実験室の電気回路で故障が発生し、実験に必要な高温環境を整えることができなくなった。
二人は発想を転換し、この機会に低温での実験をやってみることにした。
すると意外にも青色LEDに必要な高品質の窒化ガリウムの生成に成功した。
このエピソードについて米国の科学誌は「偶然の発見」と紹介しているが、これはおそらく違う。
なぜなら1970年代の初めから20年近くにわたり、さまざまな条件で1日数十回の実験を続けてきたことが背景にあったからだ。
赤崎氏の座右の銘は「一人荒野を行く」だという。
かつて徳島県にある日亜化学工業の研究員だった中村修二・米カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授は「実験結果こそ宝」と考えた。
2年後に成功を収めるまで、友人や同僚などと一切会う約束をせず、1日100回ずつLED実用化に向けた実験を続けた。
固定観念にとらわれないようにするため、専門書や論文などは一切読まなかった。
そのような中村氏について天野氏は「実験の神」と呼んでおり、
赤崎氏は
「全ては偶然だ。しかし全てが必然だ」
と語る。
3人はこの研究により今年のノーベル物理学賞を受賞した。
日本の科学分野におけるノーベル賞受賞者の中には「変人」といわれるような人物が多い。
これはもちろん「おかしな人」という意味だが、同様の意味を持つ韓国語の「ケッチャ(変わり者)」よりもそのニュアンスはかなり強い。
2008年にノーベル物理学賞を受賞した京都大学の益川敏英・名誉教授は英会話が全くできない上、その時までパスポートさえ持っていなかった。
そのため受賞の連絡を受けた時は「なぜわざわざ外国に旅行しなければならないのか」と口にしたという。
2002年にノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏もそれまではごく平凡な企業エンジニアで、受賞をきっかけに会社から研究所長への昇進を持ち掛けられた時も「研究に専念したい」として断ったそうだ。
1949年に日本人として初めてノーベル物理学賞を受賞した故・湯川秀樹氏もやはり「変人」に近かったそうだ。
幼いころからあまりにも無口で、「しゃべらない子」というあだ名が付けられたこともあったという。
後に大阪帝国大学(現在の大阪大学)の教授となったが、しばらくはこれといった研究成果を出せなかったため、湯川氏の採用を大学に働き掛けたある先輩教授が
「本当は別の人間を採用しようと思ったが、君の兄さんから頼まれたので君を採用した。
それなのにこれはどういうことだ」
と文句を言ってきたという。
何も言わずにただ不満を聞いていた湯川氏だが、後に物質の根源となる原子核の構成を解明する論文を書いた。
赤崎氏は
「LEDの研究を始めた時は『20世紀中には成功できないだろう』と言われた」
と語る。
しかし赤崎氏は何を言われても気にせず、弟子の天野氏とカップラーメンを食べながら実験を続けた。
赤崎氏には
「一度かみついたら絶対に離さない赤崎」
という呼び名も付いた。
日本のノーベル賞は政府や大企業による手厚い支援のおかげとよくいわれる。
しかし支援を受ける以前に大切なことは、研究者個人が持つ研究へのこだわりと執念だ。
』
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レコードチャイナ 配信日時:2014年10月14日 8時32分
http://www.recordchina.co.jp/a95668.html
ノーベル賞から見る日本の科学研究の利点と問題点―中国メディア
●13日、ノーベル賞受賞者を数多く輩出する日本の科学研究は一見無限の可能性を秘めているようにも思えるが、同時にさまざまな憂いをも秘めており、日本のノーベル賞受賞のボトルネックとなりそうだ。資料写真。
2014年10月13日、2014年度のノーベル物理学賞が7日発表され、日本人科学者2人と日系米国人1人がその栄誉を獲得した。
ノーベル賞受賞者を数多く輩出する日本の科学研究は一見無限の可能性を秘めているようにも思えるが、同時にさまざまな憂いをも秘めており、日本のノーベル賞受賞のボトルネックとなりそうだ。
人民網が伝えた。
日本がノーベル賞大国となったのは、伝統的な「職人」精神や教育の質などさまざまな理由が挙げられるが、これらはいずれも日本の充実した科学研究体制の賜物であろう。
日本にも大学ランキングなるものがあるが、その順位がすべてというわけではなく、あくまでも「能力主義」が重視される。
今年のノーベル賞受賞者の一人である赤崎勇氏は名古屋市のある私立大学、名城大学の教授で、日本以外ではあまり知られていない大学だ。
赤崎氏の弟子である天野浩氏は名古屋大学の教授で、国立大学の中では決して一流大学ではない。
日本社会と政府はノーベル賞を非常に重視しているが、科学技術メカニズムの下で、研究経費を科学発展の様々なニーズを考慮しながら分配する必要があり、
ノーベル賞受賞が期待できるプロジェクトだけを重視して、国を挙げてノーベル賞を量産体制を作り出すことは不可能だ。
日本の科学技術分野の特殊性は他にもある。
それはノーベル賞受賞者の多くが民間企業の人間であり、サラリーマンやエンジニアであるということだ。
この点は中国人が想像する「科学者」のイメージとはかけ離れている。
企業における科学研究のエネルギーは「能力主義」、「現場主義」である。
田中耕一氏は修士の学位も取得しておらず、ノーベル賞を受賞してから部長に引き上げられた。
大学が自身の競争力を確保するために先進的な基礎研究プロジェクトを維持していかなければいけないのと同じく、企業も技術の優位性を確保するため、一部の基礎研究は戦略的かつ長期的なもので、売上高に占める研究経費の比率も取締役会の決定事項であり、容易に動かすことはできない。
近年、日本経済は長期的低迷に陥っているため、政府は学術機関の財政支出を大幅に削減し、研究者の学術経費や給与を制限し、日本の多くの大学や研究所が一流科学者の流出を防げなくなってしまった。
安倍政権は2020年までに日本の大学10校を世界のトップ100に押し上げるよう求めているが、学術分野の財政支出削減はこの目標の実現を非常に困難なものにしている。
限られた資金は大学の教育と研究環境を改善する能力を制限し、大学の国際社会での競争力低下という結末をもたらした。
だが、日本は2008年まで16人だったノーベル賞受賞が、その後たった6年で22人にまで増えており、平均すると毎年1人のノーベル賞学者を輩出していることになる。
周知の通り、この6年間は日本にとってみれば、政治は空前の大混乱に陥り、経済大国の座から滑り落ち、中国に逆転を許した暗澹たる時期であった。
この大きなギャップの背景もまた十分に探ってみる価値があるだろう。
ある研究が発表されてからノーベル賞を受賞するまで、通常数十年、あるいはそれ以上の歳月をかけ検証が行われる。
日本がノーベル賞を立て続けに受賞できたのは、過去数十年の間に日本が科学研究に力を注ぎ、長期的に蓄積を続けてきた結果であろう。
しかし近年、今回のノーベル物理学賞受賞者である中村修二氏を含む日本の優秀な科学者が米国に渡ったり、ノーベル賞候補のプロジェクトがスキャンダルになるなど、日本の科学研究メカニズムに不備があることもまた明らかになっている。
この先20年間も、日本はノーベル賞という競争の中で前を走ることができるのだろうか。
中国の科学者のノーベル賞受賞にはまだ時間を必要とするが、日本の科学研究の利点と問題点を教訓にしていかなければならない。
(提供/人民網日本語版・翻訳/IM・編集/TF)
』
レコードチャイナ 配信日時:2014年10月14日 8時32分
http://www.recordchina.co.jp/a95668.html
ノーベル賞から見る日本の科学研究の利点と問題点―中国メディア
●13日、ノーベル賞受賞者を数多く輩出する日本の科学研究は一見無限の可能性を秘めているようにも思えるが、同時にさまざまな憂いをも秘めており、日本のノーベル賞受賞のボトルネックとなりそうだ。資料写真。
2014年10月13日、2014年度のノーベル物理学賞が7日発表され、日本人科学者2人と日系米国人1人がその栄誉を獲得した。
ノーベル賞受賞者を数多く輩出する日本の科学研究は一見無限の可能性を秘めているようにも思えるが、同時にさまざまな憂いをも秘めており、日本のノーベル賞受賞のボトルネックとなりそうだ。
人民網が伝えた。
日本がノーベル賞大国となったのは、伝統的な「職人」精神や教育の質などさまざまな理由が挙げられるが、これらはいずれも日本の充実した科学研究体制の賜物であろう。
日本にも大学ランキングなるものがあるが、その順位がすべてというわけではなく、あくまでも「能力主義」が重視される。
今年のノーベル賞受賞者の一人である赤崎勇氏は名古屋市のある私立大学、名城大学の教授で、日本以外ではあまり知られていない大学だ。
赤崎氏の弟子である天野浩氏は名古屋大学の教授で、国立大学の中では決して一流大学ではない。
日本社会と政府はノーベル賞を非常に重視しているが、科学技術メカニズムの下で、研究経費を科学発展の様々なニーズを考慮しながら分配する必要があり、
ノーベル賞受賞が期待できるプロジェクトだけを重視して、国を挙げてノーベル賞を量産体制を作り出すことは不可能だ。
日本の科学技術分野の特殊性は他にもある。
それはノーベル賞受賞者の多くが民間企業の人間であり、サラリーマンやエンジニアであるということだ。
この点は中国人が想像する「科学者」のイメージとはかけ離れている。
企業における科学研究のエネルギーは「能力主義」、「現場主義」である。
田中耕一氏は修士の学位も取得しておらず、ノーベル賞を受賞してから部長に引き上げられた。
大学が自身の競争力を確保するために先進的な基礎研究プロジェクトを維持していかなければいけないのと同じく、企業も技術の優位性を確保するため、一部の基礎研究は戦略的かつ長期的なもので、売上高に占める研究経費の比率も取締役会の決定事項であり、容易に動かすことはできない。
近年、日本経済は長期的低迷に陥っているため、政府は学術機関の財政支出を大幅に削減し、研究者の学術経費や給与を制限し、日本の多くの大学や研究所が一流科学者の流出を防げなくなってしまった。
安倍政権は2020年までに日本の大学10校を世界のトップ100に押し上げるよう求めているが、学術分野の財政支出削減はこの目標の実現を非常に困難なものにしている。
限られた資金は大学の教育と研究環境を改善する能力を制限し、大学の国際社会での競争力低下という結末をもたらした。
だが、日本は2008年まで16人だったノーベル賞受賞が、その後たった6年で22人にまで増えており、平均すると毎年1人のノーベル賞学者を輩出していることになる。
周知の通り、この6年間は日本にとってみれば、政治は空前の大混乱に陥り、経済大国の座から滑り落ち、中国に逆転を許した暗澹たる時期であった。
この大きなギャップの背景もまた十分に探ってみる価値があるだろう。
ある研究が発表されてからノーベル賞を受賞するまで、通常数十年、あるいはそれ以上の歳月をかけ検証が行われる。
日本がノーベル賞を立て続けに受賞できたのは、過去数十年の間に日本が科学研究に力を注ぎ、長期的に蓄積を続けてきた結果であろう。
しかし近年、今回のノーベル物理学賞受賞者である中村修二氏を含む日本の優秀な科学者が米国に渡ったり、ノーベル賞候補のプロジェクトがスキャンダルになるなど、日本の科学研究メカニズムに不備があることもまた明らかになっている。
この先20年間も、日本はノーベル賞という競争の中で前を走ることができるのだろうか。
中国の科学者のノーベル賞受賞にはまだ時間を必要とするが、日本の科学研究の利点と問題点を教訓にしていかなければならない。
(提供/人民網日本語版・翻訳/IM・編集/TF)
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サーチナニュース 2014-10-16 05:55
http://news.searchina.net/id/1546005?page=1
日本の科学界に「潜在リスク」 優秀な人材の海外流出=中国メディア
2014年のノーベル物理学賞を受賞した米カリフォルニア大教授の中村修二氏が
「怒りがすべてのモチベーションだった」
とし、日本の研究開発における現状に苦言を呈したことについて、中国メディアの広州日報は12日、
「ノーベル賞の受賞大国である日本の潜在リスクを示す発言」
と伝えた。
記事は、米国籍の南部陽一郎氏を含め、日本人のノーベル賞受賞者が22名に達したことを紹介する一方、青色LEDの製品化に成功した中村氏が発明対価をめぐって会社側と裁判で争ったことを紹介し、
「中村氏が日本の研究開発の環境に苦言を呈し、環境に対する怒りがすべてのモチベーションだったと発言した」
と伝えた。
続けて、中村氏の発言から日本の科学界にはリスクが存在することが垣間見えるとし、その一例として日本企業の競争力低下を挙げ、
「日本企業のスマートフォンやタブレットは米中韓による攻勢のもと太刀打ちできず国際市場から退場させられた」
と指摘。
さらにかつては日本企業の独壇場だった太陽光パネルやバッテリーなども中韓の企業に追い抜かされてしまったとした。
さらに、英紙タイムズが発表した2013-14年の高等教育に関する調査を引用し、
「世界の大学ランキングで日本から上位100位に入ったのはわずか2大学だった」
と指摘。
さらにアジア大学ランキングにおいてトップ10でも日本からランクインしたのは2大学に過ぎず、韓国からは3大学、中国からは2大学、香港からは2大学と紹介。
日本の高等教育の水準が中韓に追いつかれていることも、日本の科学界にとってはリスクだと論じた。
また記事は、日本経済の低迷にともなって政府は学術機関に対する予算を削減しているとし、優秀な人材が海外に流出するリスクに直面していると指摘したほか、中村氏のように成果を挙げてもリターンが少ないことや、女性が活躍しにくい日本の研究環境も「ノーベル賞の受賞大国である日本の潜在リスクだ」と論じた。
』