2014年10月27日月曜日

日本企業は本当にダメになったのか(1)?: 日本の製造業、「衰退したと思ったら大間違い」

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●18日、中国紙・中国証券報は、「日本企業は本当にダメになったのか?」と題した記事を掲載した。写真はiPhone6。


レコードチャイナ 配信日時:2014年10月23日 8時58分
http://www.recordchina.co.jp/a96173.html

「家電王国」日本は誰に負けたのだろうか?―中国メディア

 2014年10月22日、家電・電子大手のソニーはこのほど、スマートフォン(多機能携帯電話)やテレビなどの消費電子製品の売り上げが低迷を続けているため、来年3月までの2014年度には2300億円の損失が出る見込みであると発表した。
 これに先だって、ソニーはパーソナルコンピューター(PC)事業を売却し、テレビ事業を分社化し、従業員を1万人削減したのに続けてさらに5000人を削減した。
 今年度は08年からの7年間で6回目の巨額赤字になるという。
 中国経済網が伝えた。

 ソニー、パナソニック、シャープ、日立、東芝、NECなど、かつて一世を風靡した日本の代表的家電メーカーが、ここ数年は相次いで経営に苦しんでいる。
 あるメディアは、「日本の家電」は世界の伝統的家電産業の中で最高レベル、最優秀、最高の保証の代名詞だったが、衰退に向かう今の流れをくい止めることはできず、
 近い将来には、世界の家電大手の中にパナソニックやソニーやシャープといった日本のメーカーの姿がみられなくなる
と予想する。

 つい先日まできら星のごとく光り輝いていた日本の家電が低迷したのはなぜだろうか。
 原因は複雑で錯綜している。
 日本の家電メーカーは戦略決定で誤りを犯した、タイミングに恵まれなかった、インターネット技術の急速な発展や国際経済・産業局面の変化に遭遇した、後発組の米国・韓国・中国などの家電メーカーに全面的に挟み撃ちされた、などさまざまな要因がある。

 20世紀末から21世紀初頭にかけて、ビデオレコーダーが人気を集めていた。
 次世代のデジタルビデオレコーダー市場を席巻しようと、日本の家電メーカーは相次いで巨額の費用を投入して研究開発を進めてきた。
 こうしてソニーとパナソニックが主導するブルーレイ陣営と東芝が主導するHD DVD陣営が形成され、数年にわたる激しい競争の結果、東芝はHD DVDビデオレコーダーの製造終了を発表し、ソニー側が勝利を収めた。

 だが競争者たちの予想に反して、インターネットの高速化と雨後の竹の子のように次々に現れた動画視聴サイトによって、高額のデジタルビデオレコーダーを買う意味が根本的になくなってしまい、消費者も以前のように憧れの気持ちや消費意欲をもたなくなってしまった。
 ソニー陣営のブルーレイディスクは二大陣営の戦いでは勝利を収めたが、市場で巨額の利益を獲得することはできなかった。
 それどころか、ビデオレコーダーは長期低迷の大きな原因の一つになったのだ。

 パナソニックは薄型テレビの発展において、ソニーと同じように重大な戦略ミスを犯した。
 今世紀初頭、シャープや東芝などは次世代薄型テレビの発展で液晶テレビに重点を置いたが、パナソニックはプラズマテレビを重視した。
 液晶は大型画面の問題を解決しただけでなく、消費電力の少なさや省エネ・環境保護性能、使用寿命の長さなどの優位点から消費者の人気を集め、プラズマテレビは徐々に競争力を失っていった。
 パナソニックが2100億円を投入して設立した尼崎のプラズマテレビパネル工場は、稼働からわずか1年半で閉鎖に追いやられた。

 コンピューターとインターネットの普及、高性能のスマートフォンの出現が、日本の家電メーカーの得意としていた携帯音楽プレーヤー、コンパクトデジタルカメラ、ゲーム機に巨大なダメージを与えた。
 日本メーカーのこれらの消費電子製品の売上は年々減少し、営業成績も悪化を続けた。

 韓国、中国本土、台湾などの家電メーカーは後発組の利点と安価な労働力を武器に、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、スマートフォンの各分野で攻勢をかけ、米国のアップル社も技術的優位とブランドの強みを利用して日本の家電メーカーを挟撃した。
 米アップル、韓国のサムスンとLG、中国本土と台湾のメーカーの挑戦を受け、日本のメーカーは戦おうにも力不足に陥った。
 深刻な内憂外患の中、「巨星が墜ちた」のも必然の成り行きだといえる。

 日本の家電メーカーは苦しくもがき続けた時期を経て、今はこれまでを振り返り、整備改革と産業のモデル転換に大いに力を入れようとしている。
 家電製品はすでに「赤字の元凶」であり、
 日立、東芝、三菱電機、NECなどは家電事業を縮小して、
 「脱家電化」をはかろうとしている。
 こうしたメーカーは
★.海外の家電事業から撤退し、
★.国内の家電生産の規模を縮小し、
★.主業務の発展に力を傾ける
道筋を描いている。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)



レコードチャイナ 配信日時:2014年10月22日 6時18分
http://www.recordchina.co.jp/a96013.html

日本企業は本当にダメになったのか?
その答えはiPhone6にある―中国紙

 2014年10月18日、中国紙・中国証券報は、
 「日本企業は本当にダメになったのか?」
と題した記事を掲載した。

 「日本企業の黄金時代はもはや過ぎ去った」
と多くの人が感じているに違いない。
 パナソニックやソニー、シャープといった家電中心のメーカーはここ数年低迷を続けている。
 中国経済は日本経済を凌駕したという見方も出ているが、
 本当に日本企業はダメになったのだろうか?

 日本の多くの有名企業は独自の
 戦略を再調整し、「消費家電分野から撤退」を決意。
 ハイエンド商品や高価格部品の製造や工業製品の開発に
取り組んでいる。
 オリンパスは医療機器、
 富士フイルムは医療や工業機器
 日立は通信、電力、重機の開発製造
に戦略を転換した。
 同時に日本の先端科学技術分野は、世界の産業を支える「隠れたチャンピオン」だ

 たとえばiPhone6とiPhone6プラスを見てみよう。
 これらのスマホには1300個の電子部品が使われているが、
 そのうちの半数以上が日本製だ。
 また、旅客機のボーイング787ドリームライナーは、三菱重工や富士重工などの日本企業60数社が製造に参加しており、機体の35%が日本製という「準日本産機」なのだ。

 このように日本企業は国際産業のなかで依然として高い地位を占めており、日本経済の強固な基盤となっている。
 2013年度には日本企業の利益総額は前年度比で69%も上昇した。
 中国企業はiPhone6でわずか数ドルの加工費しか稼げない。

 日本企業はもうダメなのか?
 中国は日本を追い越したのか?
という問いには、
 残念ながら「NO」と答える
しかない。



サーチナニュース 2014-10-26 20:51
http://news.searchina.net/id/1547014?page=1

日本の電子機器 
衰退どころか「ハイテク製品に隠れている」=中国メディア

 中国メディアの北京晨報はこのほど、中国に進出している日本の電子機器メーカーにとって
 「中国からの撤退」、
 「中国事業の縮小」
といった噂(うわさ)が常につきまとっているとする一方、
★.日本の電子機器メーカーは消費者向け製品から企業向けビジネスへのシフトを進めている
と紹介する記事を掲載した。

  記事は、中国の家電量販店ではかつての日本メーカーの勢いはすでに韓国メーカーに取って代わられたことが分かるとし、スマートフォンやテレビ、パソコンなどは韓国の製品が目立つばかりで、日本メーカーの製品は商品数も少ないなどと紹介。
  一方で、
 「日本の電子機器メーカーが衰退したと判断するのは時期尚早だ」
とし、
 日本の電子機器メーカーの大半は痛みを伴う改革のすえに、
 すでに黒字転換を果たしている
と指摘した。
 さらに、日本企業は人びとの目につく場所からは消えつつある
とする一方、
★.「日本企業の製品はテスラモーターズやアップルなどの
 ハイテク製品の中に隠れているだけだ」
と論じた。
 さらに日本は今なお電子機器や自動車に使用される基幹部品における“一大生産基地”だとし、
 「それが日本企業に強い発言権をもたらす源泉でもある」
と主張した。
  また記事は、パナソニックがテスラモーターズと自動車用リチウムイオン電池の供給契約を締結したことを紹介、
 「テスラモーターズの電気自動車が世界に広まるにつれ、パナソニックは巨大な利益を得ることになる」
と指摘。
 パナソニックの例を挙げつつ、記事は
 「日本の電子機器メーカーが衰退したと判断するのは時期尚早だ」
と論じた。



サーチナニュース 2014-10-23 08:50
http://biz.searchina.net/id/1546744?page=1

日本の製造業、「衰退したと思ったら大間違い」=中国メディア

 中国メディアの中国証券報は18日、かつて栄華を誇った日本の製造業が世界的な存在感を失いつつあるとし、
 「一般の消費者からすれば日本企業の“黄金時代”は過去のものと映るだろう」
とする一方、
 「本当に衰退したと思ったら大間違いだ」
と論じる記事を掲載した。

  記事は、ソニーなど日本を代表するメーカーが中国や韓国の企業に押されつつある現状を紹介しうたうえで、
 「中国企業が日本企業を超えたと感じさせる現実があり、多くの中国人は“中国から日本を超える企業が生まれた”と感じてしまう
と指摘。
 一方で、日本企業は本当に衰退してしまったのだろうかと疑問を呈した。  
 続けて、米カリフォルニア大学サンディエゴ校のUlrike Schaede教授の発言を引用し、
 「日本には人びとの知らない偉大な企業が数多く存在する」
と紹介、個別の企業の衰退は日本企業および日本経済の衰退を意味するものではないと指摘した。

 さらに、一般消費者向けの製品において、ソニーのスマートフォンは確かにアップルや中国の小米(シャオミ)科技に押されているとする一方、サプライチェーンの上流部の付加価値の高い分野でソニーは今なお存在感を発揮していると紹介。
 その一例として記事は、アップルの「iPhone 6」に採用されているCMOSイメージセンサはソニーが供給していると伝えたほか、
 「アップルだけではなく、シャオミや華為(ファーウェイ)、oppoといった中国メーカーのスマートフォンもソニーのCMOSイメージセンサを採用している」
と指摘した。

  さらにパナソニックもプラズマテレビでは失敗したものの、企業向け製品の分野では今なお傑出した企業だと指摘、電気自動車向けバッテリーでは米国のテスラモーターズと組み、米国に電池セルの生産会社を設立したと事例を紹介した。
  記事は、ソニーやパナソニックだけでなく、医療分野で強さを見せるオリンパスや富士フイルム、電力や重工業などの分野で真価を発揮している日立の社名を挙げたうえで
 「日本企業は戦略を調整し、消費者向けでなく企業向け製品など付加価値の高い分野に注力しているだけ」
と紹介したうえで、
 「これらの企業の戦略転換は成功している」
と伝えた。

 さらに、小さいものではスマートフォンから大きいものでは飛行機まで、日本には知られざる世界一の企業が数多く存在するとし、
 航空機のボーイング787型機では全体の35%が日本企業が生産した部品で構成されている
と紹介、
 「もはや“準日本製”と言える」
などと伝えた。
 また、iPhone 6に使われている1000点以上の部品のうち日本企業が半分以上を製造しているとし、
 「iPhone 6の組み立てを行って組立料をもらっているわが国は、とてもじゃないが日本を超えたなど言えるわけがない」
と論じた。



レコードチャイナ 配信日時:2014年10月24日 8時10分
http://www.recordchina.co.jp/a96238.html

エボラ熱の薬開発で華麗な転身、
富士フイルムに米メディアが賛辞「日本の景気低迷脱却の切り札」

 2014年10月23日、富士フイルム傘下の企業の開発した薬がエボラ出血熱患者の治癒に効果があったと報じられ、同社の躍進が米メディアでも報じられている。

 富士フイルム傘下の富山化学工業が開発したインフルエンザ治療薬のアビガンは、9月にフランスの病院でエボラ出血熱患者に投与されたところ効果があったことが報じられている。
 その影響で同社の株価も上昇しており、同社は20日、アビガンの追加生産を発表した。
 写真フィルムの事業でスタートした企業の医療分野での躍進に、欧米メディアも注目している。

 米テレビ局CNBCはウェブサイトで、エボラ熱の薬を開発したのが、写真フィルム事業からスタートした富士フイルムであることを紹介。
 異業種から医薬品業界に参入した同社が世界の注目を集めており、今月6日には株価が急上昇したことも伝えている。
 同社の大胆な事業変革は、企業経営者たちの間で事業多角化のケーススタディーとして度々挙げられているという。
 また、同社の機知にとんだ変革は日本の景気低迷からの脱却の切り札にもなると解説している。


サーチナニュース 2014-10-26 20:55
http://news.searchina.net/id/1547015?page=1

富士フイルムは「事業構造転換」に成功した 「医療分野でも大きな力」=中国メディア



 富士フイルム傘下の富山化学 工業が開発したインフルエンザ治療薬「ファビピラビル」がエボラ出血熱への効果が期待されるとして注目が集まっていることについて、中国メディアの界面は
 「かつて写真フィルム業界のリーダーだった富士フイルムは、今や医療分野でも大きな力を持ちつつある」
と報じた。 

 記事は、富山化学工業が開発したインフルエンザ治療薬「ファビピラビル(商品名:アビガン)」は、インフルエンザウイルスの細胞内での遺伝子複製を阻害 する効果がある薬と紹介。
 さらに、アビガンがインフルエンザウイルスだけでなく、エボラウイルスにも有効である可能性があると報じられたことで、アビガン には一気に世界の注目が集まったと伝えた。
  続けて記事は、富士フイルムについて「かつて写真フィルム業界のリーダーだった企業」と紹介し、
 写真フィルムの需要がピークだったころに事業構造の転換 を開始した
と指摘。 
 また、富士フイルムの事業構造の転換は間違いなく成功したと言えると高く評価したうえで、今では写真フィルムから医療分野、さらには化粧品まで幅広く事 業を展開していると紹介した。
  続けて、高齢化社会を迎えた日本にとって
 「医療などヘルスケアの分野は大きな潜在力を持つ市場でもある」
と指摘、
 富士フイルムの2013年度の業績から 
 「すでに医薬品やメディカルシステムなどのインフォメーションソリューション事業は729億円もの営業利益を稼ぎだしている」
と紹介した。
 さらに、富士フ イルムの医療分野における歩みは「極めて順調だ」と指摘し、見事に構造転換を果たした富士フイルムを高く評価した。


レコードチャイナ 配信日時:2014年10月31日 8時13分
http://www.recordchina.co.jp/a96587.html

生まれ変わる日本企業、中国市場を重要視―中国紙

 2014年10月30日、パナソニックの津賀一宏社長はこのほど北京を訪問し、同社の中国進出35周年を祝った。
 しかし津賀氏がメディアから最も多く受けた質問は、
 「パナソニックは家電市場から撤退するか」
だった。
 北京晨報が伝えた。

▼撤退の窮地

 「撤退」と「縮小」は昨年より、日本家電メーカー大手に貼られた剥がすことのできないレッテルになっている。
 ソニーの「破産」に関する噂が、毎月のように伝えられているほどだ。
 パナソニックも「家電市場撤退」の噂に直面している。
 津賀社長は、
 「家電産業を放棄することも、縮小することもない。
 家電は依然として5大支柱産業の一つであり、当社の前年度の収入の23%以上を占め、人民元に換算して1000億元(約1兆8000億円)以上に達した」
と述べた。

 しかし家電売場を見ると、日本ブランドのシェアが、韓国企業に奪われているように感じられる。
 携帯電話の売場では、サムスンが往々にして最も目立つ位置を占めており、20-30機種が並べられている。
 パナソニックは早くからスマートフォンやプラズマテレビを手放し、カメラの生産台数を大幅に減らしており、一部の家電と美容家電に戦線を縮小した。
 東芝や日立などのかつて人々によく知られていた家電メーカーに関しては、消費者が市場で目にできるのは一部のノートPCや小型家電のみだ。
 記者がある店舗で日本ブランドのテレビの種類が少なすぎると指摘したところ、販売員は、「実益重視なら国産を選んだほうがいい」と述べた。

▼テスラやアップルのサプライヤーに

 しかし、「メイド・イン・ジャパン」がこれにより衰退すると判断するのは時期尚早だ。
 多くの馴染みの日本ブランドが人々の視界から消えつつあるが、最も基礎的な部品の世界的サプライヤーという日本企業の地位に、容易に揺らぎが生じることはない。

 津賀社長は、
 「当社とテスラは、テスラに電池を提供する、ギガファクトリーの建設で合意に達している」
と述べた。
 これは投資総額が50億ドル(約5500億円)に上ると予想されている、リチウムイオン電池工場のことだ。
 パナソニックは、テスラのリチウムイオン電池工場が当初から選択していた提携先だ。

 ソニーのスマホは日本以外にほとんど市場を持たないが、アップルはソニーがスマホ向けに開発した画像センサを使用している。
 報道によると、ソニーはiPhone 6とiPhone Plusの画像センサのサプライヤーだ。

 耐久消費財が日本の輸出に占める比率は、2013年に16%に低下した。
 しかし世界的に見ると、日本は依然として基礎部品の生産拠点だ。
 自動車部品を例とすると、電子部品、電子制御機器、自動変速機という3大重要部品は、ほぼ日本に独占されている。

 日本企業は産業チェーンの川上を占める他に、古い市場での新しいチャンスを模索している。
 例えば中国の大気汚染や環境問題により、日本企業は中国市場で活力を取り戻している。

 東芝は今月15日に中国で、室内環境での使用に適した空気清浄機を発売した。
 同製品は光触媒を噴射することで、日光もしくは室内光を利用しホルムアルデヒド除去、抗菌、抗ウイルスなどの効果を持続的に発揮する。
 東芝の関係者は、
 「中国市場だけでも、2017年に3億人民元(約54億円)の収入を獲得できる見通しだ」
と述べた。
 早くから中国市場で空気清浄機を発売していたシャープの製品も、大気汚染により品切れが相次いでいる。

 津賀社長は、
 「中国は高齢化や環境保護などの社会問題に直面している。
 スマート家電、新エネ車、環境保護事業などが、中国では大きな可能性を持っている。
 中国市場の未来の位置づけは、世界の工場から、巨大な成長中の市場に変わる」
と指摘した。
 販売データを見ると、パナソニックの北東アジアでの売上は、日本市場に次ぐ規模になっている。

(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/kojima)


レコードチャイナ 配信日時:2014年11月3日 10時12分
http://www.recordchina.co.jp/a96719.html

家電業界は特許重視へシフト、日系企業も中国企業も―中国紙

  2014年10月31日、パナソニックや東芝などの家電大手が特許をめぐる新業務に取り組み始め、低迷が続く家電業務からの脱出を図っている。
  中国の家電大手も近年は特許の発展で急速な成長を遂げている。
  価格戦争が徐々に業界をむしばんでいる中、特許が醸成する大きな戦いが徐々に始まりつつある。北京商報が伝えた。

■日本企業は家電から特許へ

  世界の家電業界にあって日に日に衰退していく日本の家電メーカーは、特許の役割をますます重視するようになっている。
 目下、パナソニックや東芝を含む大手が特許技術を事業とみなして取り組むようになっており、業界で広く注目を集めている。

 パナソニックは9月初めに特許などの知的財産権業務を主業務とする子会社を設立し、10月から稼働させた。
 これまでは知財権関連業務は複数の部門に分散していたが、このほど本部に集約した。
 そこには特別な意義と目的がある。

 日本の老舗家電メーカーの東芝も、今年に専門的な機関を設置して、「休眠状態」にある特許から利益を生み出すことを計画している。
 テレビ事業とパソコン事業の大幅な削減も行った。
 パナソニックの新会社は「パナソニックIRマネジメント」で、特許の出願、管理、譲渡の交渉などが主な業務だ。
 将来的にはパナソニックグループの知財権業務はすべてこの会社が取り扱うことになる。

 専門家によると、中国家電メーカーが価格戦から
★.技術戦、
★.省エネ戦、
★.イノベーション戦
へと向かう流れが明確になるにつれて、特許は企業が獲得に向けて争う戦略上の高みになっている。
 騰訊(テンセント)の創始者の一人で、最高総務責任者(CAO)の陳一丹(チェン・イーダン)さんは、
 「今後10年間は特許をめぐる戦いが国内でも国外でも頻繁に起こり、戦いのたびに企業の衰退があり、業界のリーディングカンパニーが入れ替わり、業界の経営モデルが変化する可能性がある」
と話す。

■知財権構築を重視し始めた中国企業

 最近、産業の
★.モデル転換・バージョンアップと
★.市場競争
という二重の圧力にさらされ、中国家電メーカーが知財権トラブルに見舞われるケースが増えている。
 特に家電分野では外観デザインのパクリや模倣といった事例が目立ち、特許権侵害の知財権トラブルが頻発している。

 広東省の仏山市中級人民法院(地裁)では、2013年だけで(家電メーカーの拠点が多くある)順徳区での家電の特許権侵害案件を100件以上受理した。
 同省江門市蓬江区法院が提供したデータでは、今年1~8月に同法院が受理した商標権侵害案件は30件を超え、このうち6割で権利を侵害したとして訴えられたのは小型家電製品だった。

 家電サイトの責任者・張金寧(ジャン・ジンニン)さんは、
 「家電をめぐる権利侵害は主に利益につられて行われるものだ。
 偽物の製造コストは正規品より明らかに低く、作る者と売る者は大きな利益を得ることになる。
 一部の消費者は値段の安さに目をくらまされ、製品が権利を侵害していないか、潜在的な危険性がないかなどを考えずに偽物を買って使っている。
 また、市場の監督管理の不十分さが企業に付け入るスキを与える。
 関連部門の小型家電市場に対する監督管理は不十分で、中小都市の都市部と農村部の境界エリアでこうした傾向が特に目立つ」
と指摘した。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/TF)



レコードチャイナ 配信日時:2014年11月6日 14時17分
http://www.recordchina.co.jp/a96776.html

特許の帰属めぐる争い、
日本の技術革新が抱える問題が浮き彫りに―中国紙

 2014年11月3日、企業の社員が職務上行った「職務発明」の特許は、企業に属するのだろうか、それとも社員個人に属するのだろうか?
 日本政府は今年3月、国会に議案を提出し、職務発明の特許を社員のものとする現行制度を改め、企業が持つように法改正する方針を打ち出した。
 この議案に、研究者や労働組合からは疑問の声が上がっている。
 特に今年のノーベル物理学賞受賞者・中村修二氏が特許法改正の動きに「猛反対」を表明したことで、否定的な意見が急増している。
 人民日報が伝えた。

 日本の最初の特許法が1899年に制定された当初、職務発明の帰属については明確な規定がなかった。
 その後、1909年の改正で、社員の発明の特許は「会社に属する」ことが明確にされた。
 さらに1921年の再改正で「社員に属する」と変更されたが、通常は発明した社員に企業が数千から数万円の報酬を与えるだけだった。
 企業へ忠誠を尽くすという伝統文化の影響から、当時の職員の多くは沈黙することを選んだ。

 今世紀初め、日本では社員が企業を相手取り、賠償請求を求める訴訟を起こすケースが増えた。
 2003年には、オリンパス光学工業の元社員が特許をめぐり、同社に職務発明の対価を請求した裁判で、最高裁判所が
 「社内規定を超えた職務発明の対価については、発明者が改めて支払いを請求できる」
との判決を下した。

 青色LEDの発明者・中村修二氏は2001年に、発明時に勤めていた日亜化学工業を相手取り、発明の対価を求める訴訟を起こした。
 中村氏は対価の一部として200億円を請求、東京地裁は04年に、会社側に200億円の支払を命じた。
 なお、中村教授が社員として受け取った報奨金はわずか2万円だった。
 最終的に、被告会社が原告に8億4000万円を支払うことで和解が成立した。

 日本企業は、職務発明の特許権は「社員に属する」という特許制度は企業の競争力を弱めると不満を漏らしている。
 日本の経済界も「職務発明の特許権は最初から企業に属することにするべき。
 現行の特許法は社員の利益ばかりを考慮し、企業の利益は考慮されていない。
 企業は社員の発明のために資金を投入し、設備面でも支援し、失敗のリスクも請け負っている。
 特許権を享受してしかるべき」との見方を示している。
 また、近年の発明の多くはチームによるものだ。
 製薬業を例にとると、1つの開発チームには約50人が属しているが、特許を申請するのは実験の最終段階に参加した数人の研究者のみとなっている。

 一方、研究者と労働組合は「職務発明の特許権が企業に属することになれば、職員の合理的な利益が損なわれ、研究の積極性にもマイナスとなる」との見方を示す。
 中村氏もノーベル賞受賞後、過去の訴訟の件に触れ、特許法改正の動きに反対し、
 「日本の研究者はサラリーマンで、良い研究をしてもボーナスが増えるだけ」
と揶揄した。
 中村氏の弁護士は
 「特許権が会社に属することになれば、中村氏のような優秀な人材が国外に流出してしまう」
と警告している。

 どちらの言い分にも一理あり、バランスのとれた選択をするには知恵が必要だ。
 特許の帰属をめぐる争いは企業と社員間の利益配分の問題であり、その影響は科学研究への投入、組織構造、企業文化などの各分野に及ぶ。
 科学研究・開発力がますます重視される昨今、知的財産権制度は一国のイノベーション環境を測る重要な指標であり、いかにして制度による保障の効果を発揮させるかは重要な課題だ。
 また、社会の発展と新たな状況の発生に伴い、既存の制度をいかに調整するかも大きな課題となっている。
 近年、日本のイノベーション力が低下したという批判をたびたび耳にする。発明大国・日本の抱える問題から、世界はいくつかの示唆を得ることができるかもしれない。

(提供/人民網日本語版・翻訳/SN・編集/TF)




【描けない未来:中国の苦悩】




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