●中国語の「法治」は何を意味するのか Associated Press
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サーチナニュース 2014-10-20 21:01
http://news.searchina.net/id/1546458?page=1
中国共産党「四中全会」が開幕
・・・焦点は法治の徹底、周永康被告についても発表か
中国共産党の第18期中央委員会第4回全体会議(18期四中全会)が20日、北京市内で始まった。
同会議は中国共産党の今後約1年の具体的方針を定める重要会議で、国営・中国新聞社は「『中国の法治』で、最上層の青写真が示されると考えられる」と報じた。
中国新聞社は、中国が「法治」を基本戦略に据えてから十数年が経過したと指摘。
18期四中全会は、「中国の法治」のために最上層の青写真を作り、法治を「改革の護衛役」として、司法改革や反腐敗の「根本治療」に取り組む新たな路線を描くとの見方が出ているという。
18期四中全会は、これまでに腐敗問題で実施された党籍剥奪処分の追認も行うとみられている。
7月に腐敗問題で取り調べ中と発表された共産党中央政治局の周永康前常務委員の扱いについても、何らかの決定と発表があるとの見方もある。
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◆解説◆
共産党トップである習近平総書記(国家主席)は8月の現行憲法公布30周年の式典で「法治」について言及。
「憲法を一切のものより高く置く」、
「法治により、反腐敗を行う」
などと述べた。
ただし、中国憲法には言論や結社の自由が明記されていることから、民主要求派は時おり「憲法に従った政治を行うべきだ」との「憲政要求」を行っている。
共産党は「憲政要求」をかなり神経質に「抑える」ことを繰り返してきた。
習総書記が強調する「憲法最優先」や「法治」と、「中国では憲政が実施されていない」との民主要求派の主張のへだたりについては、説明されていない。
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中国共産党は5年に1度の党大会で、中央委員会メンバーを選出する。
メンバーは中央委員会委員と中央委員会候補委員の序列がある。
中央委員に死去や除名などの欠員があると、候補委員が選出時の得票数の順に中央委員に繰り上げられる。
現在は中央委員が約200人、候補委員が約170人いる。
中央委員会の全体会議である「中全会」は、共産党の方針を決める重要会議だ。
実際には、同会議が始まる前に、総書記や中央政治局常務委員などの「最高指導層」が――場合によって激しいやり取りを経て――会議の方針をおおむね決めている場合が多いという。
秋の「中全会」の結論は、翌年3月の全国人民代表大会(全人代)により、国としての方針として確定する。
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ウォールストリートジャーナル 2014 年 10 月 22 日 13:23 JST
http://jp.wsj.com/news/articles/SB12669324362286583938704580229463800907080?mod=WSJJP_hpp_LEFTTopStoriesSecond
By ANDREW BROWNE 原文(英語)
中国の習主席、「法の支配」にまちまちなシグナル
●抗議文書がばらまかれた北京の天安門広場(20日) Agence France-Presse/Getty Images
【北京】
習近平国家主席率いる中国が世界に向けて投じている支配的イメージは、
外部に決然として進出しようとする国のイメージだ。
海軍艦隊は遠くインドネシアまで南下し、戦闘機の飛行範囲は東シナ海上空で大きな弧を描くように広がっている。
新たに就役した空母は、軍事的な進出範囲をさらに広げようという中国の意図を示唆している。
そして習氏は、アジアと欧州との貿易拡大を目指して、陸路と海路の「新シルクロード」構想をぶち上げている。
しかし国内では、習氏は極めて異なった方向に向かっている。
トップ就任後、約2年経過する習氏は、同氏の言う「中華民族の偉大な復興」のための新たな道徳的・倫理的な土台を見いだそうと努力している。
そしてその使命遂行のため、習氏は中国の歴史と伝統に深く関わろうとしている。
われわれは、今週の共産党中央委員会第4回全体会議(4中全会)の後、もっと多くのことを発見するかもしれない。
全会は「法の支配」をテーマとしている。
全会の結論は、一連の技術的な変更が決まる公算が大きい。
賄賂まみれの司法制度をもっと機能的にし、汚職にぜい弱でない仕組みにするためだ。
しかしもっと深い問題は、中国の古代文化の中に答えを発見しようとする習氏の努力が、4中全会の公式テーマの「依法治国(法に応じて国を治める)」にどうつながるのか、また、個人のための正義と共産党国家の権力との間のバランス(均衡)にどうつながるのかという点だ。
これまでのところ、
権威主義のもっと穏和な形態が習氏の下で最終的に花開くことを希望
している人々は、習氏の公式演説の中に「孔子」が繰り返し引用されていることに慰めを見いだしてきた。
中国古代の哲人である孔子は、
自己修養と徳のある指導者による支配を主張した。
孔子の教え、つまり儒教は伝統的に中国のガバナンス(統治)のソフトな面を代表してきた。
だが習氏はまた、中国の法家(中国戦国時代の諸子百家の一つ)の暗い伝統も喚起した。
法家は、役人と一般市民を制御するため、厳格な処罰を強調した思想だ。
法家は法について、専制君主が権力を維持できるようにする道具とみなした。
換言すれば、
「法の支配」ではなく、「法による支配」
を主張したのだ。
「法による支配」では、支配者も被支配者も含めあらゆる者を対象とする。
この点で、習氏はまちまちのシグナルを送った。
習氏は、裁判所が「権力を籠(かご)の中に閉じ込める」よう望むと述べている。
しかし共産党がその絶対的な支配を損なうと真剣に予想する人はほとんどいない。
ニューヨークのフォーダム大学ロースクールのカール・ミンツナー教授(中国法)は、習氏が中国の古典を引用しているのは、同氏があるメッセージを送っているとみている。
そのメッセージとは
「中国の問題を解決する方策は、中国でのみ発見できる」
というものだ。
同教授によれば、それは
西側スタイルのリベラルな改革の可能性が「ゼロ」だということ
を意味するという。
今日まで、威圧が習氏のトレードマークだった。
汚職に対する激しい攻撃は、法的な手続きなしで実施されることもしばしばで、その結果、トップ官僚約50人と下級役人数千人が逮捕された。
今週の4中全会は、周永康氏(前政治局常務委員)の運命が公表される公算が大きい。
周氏は元公安トップで、これまでの汚職撲滅キャンペーンの犠牲になる最高位の人物だ。
党の支配を正統化する習氏の運動は、増大する圧力によって試練を受けている。
経済は鈍化しており、最も重要な住宅市場は動揺している。
それは、既に煮えたぎっている社会不安に拍車を掛ける恐れがある。
混乱は中国の周辺部で発生している。
今月、中国の裁判所は、新疆ウイグル自治区で37人を殺害した襲撃事件で被告12人に死刑判決を下した。
香港では、民主化を要求する騒がしい街頭デモが続いている。
それは、比較的自由で繁栄した社会に生きる人々でさえ、国家が威圧的になっていると考える場合は蜂起することを示している。
ある程度まで、司法制度は既に調整されつつある。
今年初め発表された試験的な改革には、地方の裁判所の裁判官に対する行政上の掌握を緩和する狙いがある。
現状では、地方の判事は行政官僚が選出し、給与を支払っているが、その官僚ないし役人が土地を収奪し、賄賂を得るなど、組織の幅広い階層にわたって権力を乱用している。
それが社会の怒りの源泉になっている。
こうした司法改革が重要な意義を持つのは、不満を持つ人々が裁判所をもっと活用でき、裁判所の審理がより独立しているとみられるようになる場合だろう。
しかし多くの人々は慎重な見方だ。
過去何千年にもわたって、中国の歴代朝廷で実践された穏健な儒教は、
懲罰的な法家によってバックアップされてきた。
「The dark core is Legalist; the specious dressing is Confucian
(暗い芯は法家だが、もっともらしい服装は儒家だ)」
という古い格言のあるゆえんだ。
もし司法改革が「衣の下のよろい」以上のものではないとすれば、それはトラブルを引き起こすかもしれない。
4中全会が「法の支配」問題を検討すると発表されただけで、一層の自由化への人々の期待に拍車を掛けた。
それが失望に終われば、習氏が鎮静しようとしている社会的な緊張そのものを悪化させる恐れもある。
世界的な偉大さへの中国の躍進は、断固たるものにみえるかもしれない。
だが習氏は、共産党支配を人民の正統性(popular legitimacy)の中で根付かせる重要性をよく理解している。
彼の内的な長旅は、中国の外的な躍進の持久力に関する彼の懸念を大いに反映しているのだ。
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ウォールストリートジャーナル 2014 年 10 月 21 日 12:54 JST
http://jp.wsj.com/news/articles/SB12669324362286583938704580227403717475616?mod=WSJJP_hpp_MIDDLENexttoWhatsNewsThird
By Josh Chin
4中全会のテーマ「法治」とは何か
中国共産党最高指導部の年次総会について書くのは、決して容易な仕事ではない。
総会が例年、軍の所有するホテルで厳重な警戒の下に開催されるためだが、今年は例年以上に難しい。
問題は、今年の総会のテーマをいかに翻訳するかだ。
党の発表によれば、
今年のテーマは中国語で「法治」、「法律」と「治める」を意味する2つの漢字で構成されている。
20日から23日まで北京で開催されるの党中央委員会第4回全体会議(4中全会)に対する公式メディアの記事の中で、この文言は
「rule of law(法の支配)」と英語に翻訳
されている。
例えば国営新華社通信は19日の論説で、「rule of law」は市場志向経済における改革に「不可欠だ」と主張している。
これは一見、直訳のようにみえる。
総会の一つの焦点が中国の裁判所を政治的な干渉から隔離することを狙った改革にあるのだから、妥当な翻訳に思われる。
しかし、中国を専門とする学者たちは、実際には、直訳では全くないと言う。
韓国・延世大学の中国史学者ジョン・デラリー氏は
「『rule of law』という英訳は著しくミスリーディング(誤解を招く)だし、意図的にミスリーディングしていると思う」
と述べた。
問題の核心は、中国語の文法には前置詞がない場合が多いことだ、
とデービッド・モーザー氏(CET北京の中国語プログラムの学術ディレクターで、中国語を学ぶ難しさに関する有名なエッセイの著者でもある)は言う。
「法治」のケースでは、この前置詞がないということが、
中英辞典において似て非なる2つの英訳につながっているという。
つまり
1].「rule of law」と
2].「rule by law(法による支配)」だ。
モーザー氏は
「辞書編集者たちは、違いに全く気づいていないかもしれないし、『of』でも『by』でも彼らには適切にみえるようだ」
と述べた。
この2つの訳語は二カ国語辞典の編集者たちにはコイン投げのようにどちらでも良いように見えたかもしれないが、2つは実際には大いに異なるコノテーション(言外の意味)を持っている、と学者たちは言う。
「rule of law」というと、その下では政治指導者の権力は法と規則によって制約され、総じて「rule by law」に含まれるとみなされる、とペンシルベニア大学のビクター・メーア教授(中国語学)は言う。
メーア教授は「『rule of law』は公正さと予測可能な法の適用を含意している」と述べ、
「『rule by law』と言えば、それは例えばドイツのヒトラー時代のニュルンベルク法(Nurnberger Gesetze)に基づく支配も含むだろう。
同法は公正でもなく、適用も予測可能ではなかった」
と語った。
中国では、それは重要な差異だ。
中国では裁判所、警察、検察当局者が共産党によって統制されており、憲法(それは各種の自由、とりわけ言論と宗教の自由を保証している)は、党の利害に抵触した時には、排除されてきたからだ。
延世大学のデラリー氏によれば、「法治」という中国語は、儒家のライバルだった法家の創始者によって紀元前2世紀か3世紀に造られた。
デラリー氏は
「法家は、独裁制度とまではいかなくても権威主義的な制度を持つべきだと主張した。
そこでは、だれもが厳格な法を順守しなければならないし、人々は報酬と処罰によって突き動かされていた」
と述べた。
これは、社会は徳のあるエリート層によって支配されるべきだと考えた儒家の思想とは対照的だ。
デラリー氏によれば、
中国の歴代王朝は、伝統的にこれら2つの理想、つまり「人による支配」と「法による支配」を混合した特色を持っていた。
それが現在に至るまで続いているが、
支配エリート層が法によって制約されるべきだとの考え方は決して真剣に考えらたことはない。
同氏は、この理由により
「法治」のもっと適切な翻訳は「law and order(法と秩序)」
かもしれないと述べている。
学者たちによれば、今週の四中全会のテーマは、アジェンダ(政策目標)を叙述するのに公式メディアが用いてきたもう少し長い文言に反映されているという。
それは「依法治国」という中国語の言い回しで、「法に従って国を治める」という意味だ。
それは、より明確に法家的な用語法で、四中全会で提案される予定の司法改革案の性格とぴったり符合する。
この司法改革案は、裁判所を地方政府から独立させるが、
依然として共産党支配という籠(かご)の中に閉じ込めておくのが狙いだ。
中国の国営メディアが意図的に、外国の読者に異なるメッセージを送ろうとしていると考えるのはデラリー氏だけではない。
前出のモーザー氏も
「私は、翻訳者たちがこの『of』と『by』の区別を熟知しており、彼らが英訳に『rule of law』を選んだのは、意図的で注意深い選択だという気がする」
と述べている。
そして
「大半の外国人読者は前置詞の区別に恐らく気づいていないだろうが、それに敏感な少数の人々にとって、『of』はしかるべきメッセージを送っているのだ」
と語った。
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レコードチャイナ 配信日時:2014年10月24日 18時26分
http://www.recordchina.co.jp/a96255.html
四中全会で「法治」打ち出す中国
=ネットでは「党に全権がある限り法治国家にはなり得ない」
「“党治”に反対!」
2014年10月23日、中国で20日から開かれていた第18期中央委員会第四回全体会議(四中全会)が閉幕。
最終日には、裁判官の独立性の向上、法廷での当局者の影響力の減少など、「法治」を推し進めるコミュニケを発表した。
これに関連して、あるネット評論家は中国版ツイッター・微博(ウェイボー)上で、四中全会が打ち出す“全面的な法治国家”が直面する3つの課題を指摘。
それは、
★.誰が真に立法するのか、
★.誰が真に法を執行するのか、
★.誰が真に監視するのか。
同評論家は
「その裏にあるロジックは、全人代が立法するとき、全人代は真に人民を代表して、法を執行しなければならない。
司法は権力から独立しなければならない。
それを監視するメディアが声を上げられなければならない。
これこそが法治国家だ」
と主張している。
これに対して、ほかのネットユーザーから多数のコメントが寄せられた。
「よくぞ言った」
「つまり、まったく望みはないってことだね?」
「三権分立が実現できるとは信じがたい」
「スローガンを掲げるだけでは庶民は傷つくだけ。
役人を厳しく取り締まってほしい」
「われわれは“中国独特の法治”に向かって歩みを進めている(笑)」
「現在は大きいことを言えば言うほど人々は信じない。
実際にどうなるか見なければならない」
「党が法治を推し進めると発表し、国民は歓喜している。
しかし、党はもともと何によって国を治めていたんだ?
党が法治と言えば法治、言わなければそうではない。
これって本当に法治国家?」
「党がすべてを握っている限り、中国は永遠に法治国家にはなり得ない。
党が国の上に位置しているのは正常な社会ではない」
「“党治”に反対!」
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JB Press 2014.10.27(月) 夏業良
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42058
中国の「大後退」
中国共産党の指導部は10月20~23日に、1つのテーマを中心とする全体会議を開いた。
「法の支配(法治)」がそれだ。
だが、最近、中国の人気ソーシャルメディア「微信(ウィーチャット)」の複数のグループが、香港での抗議活動を支持する中国人活動家が50人近く逮捕されたと伝えている。
一方で、香港のデモや人権活動、法の支配を支持する著者の書籍の出版や販売を禁止する官命について伝える人たちもいる。
このことは、政治の近代化という明示された目標に対する政府の決意の信憑性に大きな疑問を投げかける。
■「法治」をテーマとした全体会議の前に起きていたこと
書籍の出版・販売を禁止された著者の1人が、2012年に「ミルトン・フリードマン自由賞」を受賞した茅于軾氏だ。
茅氏の著作が禁止されたのは、これが初めてではない。
2003年には、1989年の天安門広場でのデモに参加し、その民主化運動が大虐殺で終わった学生たちを無罪とすることを政府に求める嘆願書に署名した後、同氏の著作が発禁となった。
中国は多くの場合、検閲の正式公示を出すことさえしない。
政府機関からのものと理解される、出版社あての「匿名」電話一本で事足りる。筆者自身の著作でもいくつかの項目が正式な説明もなしに削除されたし、定期刊行物や新聞に寄せたコラムや解説でも、一部のフレーズやセンテンス、パラグラフがよく削られた。
やはり尊敬されている論客で84歳の余英時氏も、香港の抗議活動を支持しているために、厳しい立場に立たされている。
米アイビーリーグの複数の大学で教鞭をとった余氏は50年以上にわたって、共産党を批判する著作をたくさん記してきた。
余氏はその著作で、中国の伝統的な文化と古典的な哲学を批判し、西側の学術的な伝統に基づく普遍的価値観を推奨してきた。
同氏の著作は現代の政治問題に直接言及していないが、中国政府はそれらを共産党支配に対する批判と見なし、ひいては社会の安定を害するものと考えている。
そして、慎重にして良識的な学者で中国憲法学会の副会長を務める張千帆氏がいる。
政治分析に対する張氏の穏健なアプローチ――北京大学で同僚だったころ、同氏は現政権に対して過度に軽蔑的だとして、筆者の立場を批判することがあった――からすると、政府の標的としては、張氏はいくらか意外な人物だった。
張氏は、香港の抗議を支持する多くの同輩(筆者を含む)の決断に反対している。
1989年当時のように、政府が暴力的な抑圧に訴えることを恐れてのことだ。
そう考えると、張氏の著作の発禁はきっと、抗議活動に対する同氏の見解ではなく、同氏の憲法研究が持つ意味合いが理由なのだろう。
それと比べると全く意外ではなかったのが、この10年間、いわゆる「微妙な」問題の多くに関与してきた著名活動家、人権運動家の郭玉閃氏が最近逮捕された一件だ。
例えば2012年、同氏は世界的に有名な盲目の活動家、陳光誠氏が自宅軟禁から脱出するのを助けるうえで重要な役割を担った。
脱出劇は中国にとって国際的な大恥だった。
とはいえ、今月の全体会議の直前にあたった郭氏の逮捕のタイミングは、ことが法の支配に及んだ時の共産党の誠意の欠如を浮き彫りにしている。
■反体制派に対する忌むべき処遇
国内外にいる中国の反体制派の扱いは、忌まわしいものだ。彼らは罪とされる行為で投獄されるか、あるいは、中国の家族の元を訪れるのを禁止される。
時として、それは20年、30年に及ぶこともある。
これは、声高に反共産党を掲げる人だけの運命ではない。
学者や研究者――元プリンストン大学教授のペリー・リンク氏やコロンビア大学のアンドリュー・ネイサン教授、チベットの近代史を専門とする著述家兼歴史家の李江琳氏ら――のみならず、ビジネスマンでさえ、中国へ帰国することを禁じられている。
中国で人権運動に共感したり、共産党の立場に相反する見解を表明したりするだけで、ビザの発給を拒否されたり、ビザを取り消されたりするのだ。
中国市民は、その政治的信念にかかわらず、自由に母国を出たり入ったりできるべきだ。
それを正当化する法的な理由もなくこの権利を奪うことは、近代の国際的規範に明白に違反している。
■経済的には中国を前進させようとしている習主席だが・・・
習近平国家主席の前例のない汚職撲滅運動は、法の支配に基づく、より透明な制度への移行を象徴するはずだった。
しかし、実際は、これまでに粛清された政府関係者は皆、習主席の政敵であり、この取り組み全体が同氏の権力基盤を固める役目を果たしてきた。
この二枚舌は、現在中国で繰り広げられている言論と集会、結社、運動の自由に対する締め付けにもはっきり見て取れる。
習氏は、中国を経済的に前進させようとする一方で、政治的には後ろへ引っ張っているように見える。
© Project Syndicate, 2014.
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夏業良:Xia Yeliang
北京大学の元経済学教授、現在は米ケイトー研究所の客員研究員
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【描けない未来:中国の苦悩】
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