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サーチナニュース 2014-11-14 15:53
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中国人学者「日本が再び軍国主義になることはない」・・・解放軍将校が猛反発
中国の中央社会主義学院・政治学教研室の王占陽主任は10月、複数回に分けて
「日本が軍国主義の古い道を進むことはありえない。
日本は平和を熱愛し、中国侵略を考えていない」
などと主張する文章を発表した。
中国人民解放軍南京軍区元副司令官の王洪光中将は11月14日、王主任の主張に対して
「専門家であるがゆえの限界あるいは職業による限界がある」
などと反発する文章を発表した。
王占陽主任はまず、
「日本が中国の脅威になる心配はしていない」、
「われわれは、日本が十分な自衛力を持つことを理解する」
など、トウ小平氏の日本に対する見方を紹介。
トウ小平氏は
「日本にごくわずかに存在する軍国主義の復活を夢見る者」
については「この点だけは心配だ」とした上で、
「日本人のほとんどが(軍国主義復活を求める傾向に)反対している。
このような情景を見られることは、実にうれしいことだ」
と述べたという。
王主任は、トウ小平氏の基本的観点は、現在でも適用できると主張し、現状を改めて分析した。
王主任は
「日本で平和主義は、人々の心に古く浸透している。
軍国主義が主導的な思想になるような社会の基盤はすでに消失した」、
「第二次世界大戦が終了して、日本で主流の思想は軍国主義から平和主義に転換した」、
「絶対多数の日本人は平和を熱愛し、戦争を嫌悪している」
と紹介。
さらに、日本における
「平和主義と民主主義制度は結合している。
このことがさらに、軍国主義を不可能なものにした」、
「60年以上にわたり、平和主義が主流の思想であったことは、日本の選挙民が普遍的に、すべての戦争に反対していることを意味する。
特に、侵略戦争に対する反対だ」
と論じた。
王主任は
「現在の日本経済が必要としているのは平和であり、侵略戦争ではない。
日本の平和主義は、反戦思想の上に成り立っているだけでなく、現代の日本の経済が平和を必要としている、まことに現実的な経済面に立脚している」
と指摘した。
さらに、現在では中国も軍事大国になったと論じ、
軍国主義の発動は「客観的に言って、隣国が貧弱であることが前提」
と指摘。
「東アジアでは中国と日本という2つの強国という、これまでにない情勢が発生した」、
「現在の日本に、中国大陸を征服しようという大それた野望も持つ者はいない」
と主張した。
王主任は
「日本認識の間違った方法論から抜け出そう」
と題した別の文章でも、日本が軍国主義国家になる可能性はないと主張。
日本を認識する際には
「実証にもとづいて、ものごとの真理を追究する」
ことが根本となるべきだと主張。
「もてはやされている論法でも事実と異なれば、事実を正視して研究を続け、間違った視点を訂正する勇気を持てるかどうか」
が大切と主張。
また、日本を理解する際に
「全面的に見る必要がある。 マイナス面だけを見たのでは不足だ」、
「われわれが日本を認識する際、これは極めて大切な点だ」、
「日本社会と国際社会との関係において、日本には、平和の道を歩みつづける強い要因がある。
この強い要因こそが、国家を主導している要因である」
と論じた。
王主任はさらに、日本を理解するには、外交や国防の角度だけから単純に判断すべきでないと主張。
日本の外交を決定するのは内政であり、日本の内政をみれば、軍国主義に進む可能性はないと論じた。
王主任は
「日本の外交と内政に、よくない傾向が出たとしても、内政の要素により強い制約を受け、間違いは修正される」
との見方を示した。
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人民解放軍の王洪光中将は、王占陽主任の主張に全面的に反論。
日本人の性格の特徴を「島国根性」と主張。
唐、明、清の時代にも日本は中国の近隣で藩属国であった朝鮮を含め、不断に侵略してきたと指摘。
さらに、
「日本は国内を統一して安定し、経済が発展しさえすれば、中国を飲み込もうという野心を持っている」
と主張。
日本人の性格として
「戦いを好む。強者を尊敬。権威に服従。極端な自尊心。命の軽視」
などを挙げ、
「通常は温和である日本人は、短時間のうちに狂騒状態になる。
それほど大きくない局部的な戦争、あるいは1回の軍事衝突が、軍国主義の火花に火をつける。
歴史上、このような例は数えきれないほどだ」
と論じた。
王中将は、近現代の日本の軍国主義の問題について、戦後も
「歴代政権担当者は軍国主義についての徹底的な反省をしてこなかった。
ただ、『勝てば官軍』ということを認め、『負けただけのことだ』と考え、ドイツのように道義面での徹底的に目覚めることはなかった」
と主張した。
王中将は領土問題についても
「第二次世界大戦で形成された戦後体制と世界の布局を承認せず、南千島(日本で言う北方四島)のことをいつまでも忘れる、
敗戦国でありながら、琉球群島の返還を求めただけでなく、戦勝国である中国のものである釣魚島(尖閣諸島の中国側通称)を国有化することまでした」
と、日本を非難。
また、自衛隊の新装備導入や、国軍化の動き、ヒトラー賞賛本に高市早苗総務相が推薦文を寄せたこと、「中国崩壊」を主張する書籍が大量に売れていることなどすべてが、日本の「新軍国主義」の復活と論じた。
王中将は、日本の「新軍国主義」は伝統的な軍国主義とは異なると主張。
日本の「新軍国主義」は、民族主義であり、世界の極端な民族主義と呼応するものと断定し、
「歴史を通じて現実を見、現実を通じて本質を見、現状を見て方向性を見るのが、『実証にもとづいて、ものごとの真理を追究する』ことの、根本的要求だ」
と論じ、
「日本における軍国主義復活を警戒するのは、いらぬ心配、杞憂と言えるのか」
と、王占陽主任の主張を批判した。
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◆解説◆
中国では2002年から03年にかけて、一部研究者が
「日本の戦争謝罪は十分」、
「日本が再び軍国主義になる心配はない」、
「日本は普通の先進国として接すればよい」、
「これからは経済・市場において日本と争うべき」
といった内容の文章を発表した。
当時は胡錦濤政権の発足時期で、江沢民元国家主席の対日強硬路線からの脱却を打診するための、政権の意向を汲んだ論調とされている。
胡錦濤国家主席は、江元主席の「愛国主義」運動には嫌悪感を持っており、逆に対日関係の緊密化を図った“師匠格”である故胡耀邦に習い、対日改善の関係を図ったとされる。
しかし、胡錦濤政権は、政権内部に「江沢民派」を多く抱えており、小泉純一郎の靖国神社参拝や尖閣諸島問題もあり、対日問題で初志を貫徹することができなかったとみられている。
王占陽主任の文章が、習近平政権あるいは別の政治勢力の意向を反映したものかどうかは不明。
王占陽主任の文章は、中国共産党の公式サイトである新聞網や人民日報系の環球時報、環球網などにも掲載された。
環球網は一方で、王占陽主任に強く反発する王洪光中将の文章も掲載した。
王占陽主任が所属する中央社会主义学院は、共産党の指導を受けているが、中国で「民主党派」と呼ばれる非共産党政党の幹部育成などを目的とする教育機関。
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「寝た子を起こしてしまった張本人は中国である」。
今後、日本がどのような道を歩むかは、今の状況からして中国の動向如何にかかっている。
中国が日本に作用を加えれば、
日本に反作用が生れる。
つまり中国自身の出方にすべてがかかっている、ということになる。
起こしてしまった子、
が今後どういう動きをするかは、中国次第ということになる。
日本は中国に合わせながら身を処していくことになるだろう。
強く打てば大きく響く。
弱く打てば軽く響く。
どちらを好むかは中国次第になる。
日本にとってこういう論が中国で起こることは願ったりかなったりであろう。
日本を見えなくするし、日本を妄想的に恐怖して手出ししなくなる。
客観的に日本を分析する態度を失わせ、情緒論が優先する。
相手を知ろうとしないなら、百戦危うし、
ということになる。
【描けない未来:中国の苦悩】