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サーチナニュース 2014-09-01 11:27
http://news.searchina.net/id/1542246
習近平体制の中国共産党、内部では「抵抗勢力の結束」深刻か・・・人民日報が批判記事
中国共産党機関紙・人民日報は1日付1面で
「党内政治生活の俗化に強く反対する」
と題する論説を掲載した。
同党の習近平総書記(国家主席)が力を入れている腐敗撲滅や思想統制など“党内浄化”について、一部党員が「なれ合い」や「欺瞞(ぎまん)」などを続けており、
「ひどい場合には党内で、小団体、小群体、小さな囲み、小さな山の頂上を育成している場合もある」
と批判した。
中国共産党内で、習近平体制に対する抵抗勢力の結託が深刻化している可能性がある。
同論説は、党内における教育実践活動に触れ、
批判されれば「辛(から)さを味わうことになる」
として、
「赤面したり、汗をかいたりすることで、思想の向上が実現し、魂が浄化されることになる。
多くの同志が、党のよき伝統が戻ってきたと感慨を覚えている」
と紹介。
しかし、
「一部の党員は自由主義、(問題があっても事を荒立てることを避ける)善人主義、個人主義の色合いを持つ現象を正常な状態として、規律や原則を軽視し、なれ合いや欺瞞による低俗な気風で潜在規則を作っている」
と主張。
「潜在規則」とは「法律や正規の規則には定められていない、自分らに都合のよいやり方」を指す。
論説はさらに、
「ひどい場合には党内で、小団体、小群体、小さな囲み、小さな山の頂上を育成している場合もある」
と批判。
ことさらに「小団体」などと表現したことから、
中国共産党内で、習近平体制に対する批判勢力の結託が深刻化している可能性がある。
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◆解説◆
中国ではしばしば、政治闘争の前触れとして、攻撃対象の個人名やグループ名を出さず、
「遠回しな比喩的な言い方」による批判
が発表されることがある。
有名な例としては1965年に上海の日刊紙「文匯報」に掲載された「新編歴史劇『海瑞罷官』を評す」がある。
同論説で用いられた「毒草」の語は少しあとで、劉少奇やトウ小平など経済の立て直しを重視したグループやその思想を指すと判明した。
同論説は文化大革命の先駆けとなった。
トウ小平が初めて個人として攻撃された際にも、トウ小平の個人名ではなく
「党内のもうひとつの、走資派の道を歩む実権派」
として批判された。
現状では不明だが、1日付人民日報で触れられた
「小団体、小群体、小さな囲み、小さな山の頂上を育成している」
との表現が、習近平体制に抵抗する特定個人やグループを指す可能性も、否定できない。
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サーチナニュース 2014-09-01 12:07
http://news.searchina.net/id/1542262
電力界に粛清の嵐、燕福龍の失脚「最後ではない」の論説も=中国
中国では電力分野における腐敗の摘発が進められているとされる。
8月末には、中国最大の送電会社国家電網傘下の遼寧省電力有限公司の燕福龍総経理(社長)を、重大な規律違反、法律違反の疑いによる調査を受けていることが明らかになった。
中国では国家電網で多くの腐敗問題が表面化したとして、「燕福龍が最後ではない」とする論説が発表された。
電力分野による不正の摘発では、捜査が李鵬元首相の周辺に及ぶ可能性があるとの指摘がある。
同論説は、全国紙の華夏時報がウェブサイトに掲載したとみられるが、確認できない。
現在(1日正午)はニュースサイトの東方財富網が掲載している。大手ポータルサイトの新浪網は、いったん掲載したとみられるが、現在は閲覧不能だ。
燕福龍総経理の調査を発表したのは中国共産党中央紀律委員会などだ。具体的な容疑を明らかにされていないが、建設工事や入札に絡む不正があったとされている。
同論説は、電力分野の企業幹部の言葉として、検察機関は今年(2014年)、電力、石油、通信など独占・寡占状態にある業界における摘発に力を入れいていると紹介。
中央は国家電網と中国の五大発電会社に数百人規模の調査担当者を派遣しており、燕福龍総経理の摘発は成果の1つではあるが「最後ではない」という。
中国では4月、傘下に華潤創業、華潤電力、華潤置地(不動産)、華潤微電子、華潤燃気(ガス)、華潤水泥(セメント)などの企業群を持つ華潤集団のトップ、宋林董事長(代表取締役)が、不正疑惑で取り調べを受けていることが分かった。
同集団については、華潤電力の王玉軍総裁・執行董事も取り調べを受けている。
当局が電力分野における不正摘発に力を入れていることから、捜査の手が李鵬元首相の一族に及ぶ可能性があるとの見方も出ている。
李鵬元首相はモスクワ科学動力学院で水力発電を専攻し、帰国してからは電力関連の仕事を経て政界入りした。
三峡ダム着工に力を入れるなどもあり、政界における「電力閥」の中心だったとされる。
長男の長男である李小鵬氏は電力会社の華能国際電力開発公司や中国華能集団の総経理(社長)などを経て政界入りし、現在は山西省省長。
すでに取り調べの対象となった華潤沢集団の宋林董事長とは親しい関係だったとされる。
李元首相の娘の李小琳氏は中国電力国際発展有限公司、中国電力新能源発展有限公司の董事長(会長)などを務めている。
次男の李小勇氏は1998年、シンガポールに移住し、同国国籍も獲得した。
1998年に発生した汚職事件に関与した疑いがあり、シンガポールに移ったのは「難を避けるためだった」との見方がある。
同事件では有罪判決で死刑を執行された被告もいた。
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サーチナニュース 2014-09-01 21:59
http://news.searchina.net/id/1542325
中国共産党・政府、腐敗問題で「まずは組織トップの責任追及を」・・・毛沢東語録も踏襲
中国共産党中央紀律委員会と中国政府・監察部は1日、腐敗問題に関連して
「権力とは責任だ。責任があれば、手を下さねばならない」
と題する文章を発表し、組織のトップが責任をとらねばならないと主張した。
同文章は一部に、毛沢東語録を踏襲したとみられる部分がある。
中国共産党は各地に「委員会」を設置している。
各地の「委員会」は、担当地域の地方政府の上に立ち、政治や社会全般を「指導」する立場だ。
委員会の最高責任者は「書記」だ。
各地の「共産党委員会書記」は、担当地域の「トップ」ということになる。
しかし文章によると、共産党委員会の書記が、腐敗撲滅を「他人事」のように受け止めている例があるという。
文章は例として、腐敗撲滅に、委員会書記が「支持する」などと表明する場合があると批判。
腐敗撲滅については、共産党中央が各地に調査チームを派遣しているが、
腐敗撲滅を日常的に担当するのは、各地の共産党委員会の下部組織である紀律委員会だ。
文章は、委員会書記と紀律委員会の関係は「指導する者と指導される者」であり「支持するか支持しないか」の問題ではないと指摘した。
また腐敗撲滅について「希望する」などと表現する書記もいるとして
「要求は要求だ! 希望するは希望するだ!」
として、自らの責任と意思として強い姿勢で取り組まなねばならぬと強調した。
さらに、責任者として腐敗撲滅を断行すれば「人に恨まれることは必然」とした上で、反腐敗闘争は「客を招いて食事をすることではない」と論じた。
同部分が、毛沢東の言葉として有名な「革命とは客を招いて食事をすることではない」を踏襲したことは間違いない。
毛沢東の原文はさらに、
「(革命とは)文章を書くことでもない。
絵を描いたり刺繍をすることでもない。
そんな優雅なものではない(中略)革命は暴動である。
ひとつの階級がもうひとつの階級を押し倒す、ひとつの階級による粗暴な行動だ」
と続く。
文章は最後の部分で
「習近平総書記は、権力とは責任であり、責任とは手を下すことだ。
われわれは、患っていることを憂う気持ちと緊迫感を高めねばならない」
などと主張した。(編集担当:如月隼人)
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◆解説◆
毛沢東には人々の感覚に強く訴える言い回しを多用しており、上記の「革命とは客を招いて食事をすることではない」などの文言も、中国ではなかば「常識」として多くの人が記憶している。
中国共産党の毛沢東にに対する公式見解は
★.「建国などの功績が第1」、
★.「文化大革命(文革)など晩年の過ちが第2」
だ。
つまり、毛沢東の権威を否定することは共産党自体の権威を否定してしまうと判断し、
「大きな失敗はあったが、功績の方が大きかった」
と評価しているわけだ。
その結果、文革時代などの毛沢東に言及する場合、
「肯定することはできない」、
「さりとて、強く否定すると功績第1・失敗第2」
という公式見解に背反してしまう」というジレンマが発生する
ことになる。
公の立場で毛沢東の言葉を引用する場合でも、文化大革命(文革)を肯定すると受け止められる言い回しは、慎重に扱う場合が普通だった。
「習近平国家主席(共産党総書記)の政治手法は、文化大革命時を思わせる」
との声も出ている。
共産党が、
「革命は暴動である。ひとつの階級がもうひとつの階級を押し倒す、ひとつの階級による粗暴な行動である」
と、文革肯定につながる文言を安直に使う現象が見られるようになったことも、一因と考えてよい。
2012年まで在職した共産党重慶市委員会の薄熙来書記は、人権をまったく顧みないほど猛烈な犯罪組織と腐敗官僚の摘発を行い、文化大革命期を思わせる大衆に革命歌を歌わせる運動を推進。
改革開放の深化を目指した当時の胡錦濤国家主席・温家宝首相の強い反発と嫌悪感を招いた。
薄書記は、妻による英国人実業家殺害事件も明るみに出たことで失脚した。
当初は薄書記をかばおうとする声も強かったが、最終的に習近平副主席(当時)が了承することで、中国共産党が薄書記を処断することが決まったとされる。
習主席は、薄書記ほど露骨ではないにしても、そして薄書記のように極端な不正に手を染めていないとしても「政治運動を強烈に繰り広げる」という点で、手法や発想において薄書記と類似する面が見え隠れする。
中国現政権のナンバー2は李克強首相だ。
李克強首相は胡前主席・温前首相と同じ、共産主義青年団に連なる派閥に属する(団派)。
李首相が最も力を入れて取り組んでいるのは、経済改革のための「規制緩和・既得権益層の排除」だ。
一方、習主席が力を入れている腐敗撲滅運動で、「打倒の対象」となるのは「既得権益を党紀や法律に抵触するまでに悪用した者」と言える。
「既得権益層の追い落とし」という点で、両者の“利害”は一致していると考えてよい。
ただし、団派の有力者が習主席の政治手法を「文革時代に逆戻りする危険な道」と判断した場合、習主席と李首相の関係が予断を許さない状態になる可能性も、否定はできない。
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サーチナニュース 2014-09-02 10:53
http://www.nissen.com/home/shop/00/00/11/?gclid=COPlhpDFwcACFUccvAodKy4Ang
中国共産党、山西省の腐敗問題を重視
・・・党委トップ交代、注目される李鵬元首相の息子、李小鵬省長の今後
中国共産党中央は1日、中国共産党吉林省委員会の王儒林書記を、同山西省委員会書記に異動することを発表した。
山西省では現在、腐敗行為の摘発が重点的に進められている。
同省政府のトップ、李小鵬省長の扱いが注目されているが、今のところ不明。
李省長は李鵬元首相の長男だ。
中国新聞社など、多くの中国メディアが伝えた。
山西省では多くの高官が失脚し、「政治崩壊」などと表現される場合もある状況だ。
中国で、各地の共産党委員会のトップである「書記」は、政府責任者の「上に立つ」存在であり、実質的に「地方全体のトップ」だ。
王書記の任命は、不安感が広まる状況下にあって「人心の凝縮」をも狙ったものとの見方がある。
袁純清前書記は1952年生まれで、王儒林書記は53年生まれだ。
「若返り人事」とは言えない。
袁前書記については「新たな任務に就く」と発表された。
失脚でないことは明らかだが、手腕を問題視された可能性は否定できない。
中国の政界では「団派」と呼ばれる派閥が、力を持っている。
胡耀邦、胡錦濤、温家宝と連なる共産党の青年組織、共産主義青年団の幹部出身者を中心に形成されたグループで、李克強首相も一員だ。
習近平主席はもともと「団派」には属していなかった。
胡錦濤前国家主席など「団派」は、次の国家主席(共産党総書記)として“直系”である李克強氏を考えていたが、習主席は長老や軍など「アンチ団派」の支持により「逆転勝利で政権を獲得」したとされる。
しかし習近平主席は政権発足後、「団派」とは一定の距離を置きながら協力/容認しあう関係を構築し、むしろ党内長老を抑える動きを続けているように見える。
袁前書記も新任の王書記も「団派」とされている。
従って、山西省トップを巡る今回の人事について、「団派」に関連する派閥力学が関係したとは考えにくい。
山西省における腐敗撲滅運動で、改めて注目されているのが、李小鵬省長だ。
李省長は李鵬元首相の長男。
李元首相はモスクワ科学動力学院で水力発電を専攻し、帰国してからは電力関連の仕事を経て政界入りした。
中国の政界で「電力閥」を代表するとされるようになった。
李元首相は反対を押し切って三峡ダム建設を進めたことなどで、「自分の周辺に利益を誘導した」との批判が出た。
息子の李小鵬省長は、中国五大発電会社の中国華能集団公司社長などを経て、政界入りした。
父親と同様に「電力閥」に属すると考えてよい。
中国では電力分野における「腐敗撲滅」も重点的に進められている。
中国では、有力者が失脚する場合、しばらく前から「動向が伝えられない」状態になる。
身柄を拘束され取り調べを受けているか、証拠隠滅を防止するために、自宅に軟禁状態になると考えられる。
しかし李省長は8月31日、事故防止状況の視察として、省内の炭鉱に足を運んだ。
共産党委員会のトップ交代を前に、「自らの健在ぶり」をアピールした可能性が高い。
李省長の炭鉱視察は抜き打ちだったとされる。
視察先に事前に通告しなかっただけでなく、自分の周囲にも伝えない「あまりにも突然の視察」だった点を異例とする見方もある。
中国共産党は、腐敗撲滅について、各地に調査と摘発を指示すると同時に、党中央から調査チームを派遣している。
「問題が大きい」と判断すれば、中央が主導で調査・摘発を進めることになる。
山西省については、すでに中央主導で腐敗撲滅が進められていることになる。
李省長については「今のところ、中央の信用は失っていない」、「摘発は李省長にまで波及する」との両方の観測がある。
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◆解説◆
李鵬元首相については、娘の李小琳氏も中国電力国際発展有限公司、中国電力新能源発展有限公司の董事長(会長)などを務めていることから「電力閥一家」と言うことができる。
李小琳氏は、習近平政権が公務員や国有企業関係者の贅沢自粛を進めている中で、公の場に豪華な衣装を身に着けて現れるなどの行為もあり、評判はよくない。
李元首相次男の李小勇氏は1998年、シンガポールに移住し、同国国籍も獲得した。
1998年に発生した汚職事件に関与した疑いがあり、シンガポールに移ったのは「難を避けるためだった」との見方がある。
同事件では有罪判決で死刑を執行された被告もいた。
李鵬元首相は幼年時代に父親を亡くした。父親は共産党初期の高級幹部の1人で、国民党に処刑されたとされている。
そのため、周恩来が李元首相を養子にして養い育てた。
周恩来は他にも、革命で戦争で命を落とした人の孤児を多く、養子にしている。
李元首相は政界入りしてから、中央政府・電力工業部部長など電力畑を歩み、1983年には副首相、88年には首相に就任した。
89年の天安門事件発生時にも首相だった。
共産党中央がある中南海前を占拠する学生を鎮圧する指揮をとったとされる。
首相としての能力や料簡を問題する声も強かった。
1993年には、首相の再任を決める全国人民代表大会で、230もの反対票が出たことは、世界的にも注目された。
後任の朱鎔基首相が国有企業改革などで辣腕を振るったのに比べて「功績があまりにも少ない」とする批判も多い。
1993年には訪中したオーストラリアのポール・キーティング首相に
「日本は取るに足るほどの国ではない。
20年後には地上から消えていく国」
と言ったとされるなどで、外交センスを疑問視する声もある(正しくは「40年後」と発言したとの説もあり)。
』
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MSN Japan 産経ニュース 2014.9.4 06:00
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140903/chn14090306000008-n1.htm
狙われる山西省 反腐敗キャンペーン 権力闘争の延長線
【北京=矢板明夫】中国の習近平国家主席が主導する反腐敗キャンペーンで、山西省の幹部が集中的に狙われている。
3日までに同省の最高指導機関である共産党常務委員会のメンバー13人のうち、4人が汚職問題などで取り調べを受け、1人が更迭された。
また、同省の局長、市長クラスの幹部は26人が摘発され、幹部名簿に欠員が目立つ異例の状態だ。
失脚者の中に胡錦濤前国家主席が率いる派閥の関係者が多く含まれ、同省の腐敗摘発は党中央の権力闘争の延長線との見方が浮上している。
内陸部の山西省は石炭の産地として知られ、数年前まで続いた石炭バブルで業者と癒着し、大きな利権を手にした政府高官が多くいるとされる。
また胡前主席の出身母体である共産党の下部組織、共産主義青年団関係者(団派)が大きな影響力を持つ地域でもある。
最近約10年の同省トップは団派の出身者が務め、胡前主席の腹心で同省出身の令計画・党中央統一戦線部長の一族は省内の多くの要職を占める。
その令氏の兄が6月、「重大な規律違反」の疑いで取り調べを受けはじめた。
直後、令氏の義兄も消息を絶ち、党の規律部門に拘束されたと香港紙などが報じた。
7月に失脚した周永康・元政治局常務委員への調査も親族から始まった。
習派が主導した一連の動きは、団派の大物政治家である令計画氏の失脚を狙ったとみる党関係者は多い。
また、山西省トップの袁純清・党委書記は、一連の汚職事件の責任を取らされた形で9月1日に更迭された。
袁氏と、今年初めに失脚した金道銘・省人民代表大会副主任の2人は、同じく団派である李克強首相が若い頃の直接の部下だった。
2人がいなくなったことで「山西省から団派勢力がかなり弱まった」と指摘する共産党筋もいる。
習主席による反腐敗キャンペーンで、江沢民元国家主席派と胡錦濤派の幹部の多くが失脚に追い込まれたが、
習主席自身が所属する太子党(元高級幹部子弟)からはほとんど失脚者が出ていない。
山西省のナンバー2で、汚職の噂が絶えない太子党の李小鵬省長も今回無傷だった。
習主席の「露骨な身内びいき」に対し、党内から不満の声が上がっている。
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サーチナニュース 2014-09-04 10:27
http://news.searchina.net/id/1542575
山西省「腐敗で広がる友達の輪」・・・信頼と絆で悪事の連鎖反応
中国当局は山西省における腐敗現象の調査に力を入れている。
同省は中国最大の石炭供給省だが、石炭産業を中心とする巨大な腐敗の「友達の輪」が明らかになってきた。
中国新聞社などが報じた。
石炭・エネルギー大手の山西普能集団は1日夜、同集団の劉建中董事長が不正の疑いで連行され、調査を受けていることを明らかにした。
山西普能集団は2013年2月、山西煤炭運銷集団(山西石炭運輸販売集団)と山西国際電力集団などが合併して誕生した。
石炭生産、電力、ガス、新エネルギーなどを扱う大企業だ。
出資者は山西省国有資産委員会などで、地方政府が所有する国有企業ということになる。
山西省では2011年11月、国有企業である山西焦炭集団(山西コークス集団)の白培中董事長(すでに解任)の不正が、インターネットの簡易投稿サイト(微博、中国版ツイッター)で暴露された。
白元董事長の自宅が窃盗被害にあい、妻が警察に通報。妻は被害を300万元(約約5000万円)相当と申告した。
容疑者はすぐに捕まった。
警察は証拠品として人民元、香港ドル、米ドル、ユーロなどの大量の現金の他、金の延べ棒、高級時計、宝飾品などを押収。
金額にして約5000万元(約8億5000万円)と発表した。
白元董事長の正規の収入で、それほどの財産を手に入れることは不可能だ。
白元董事長は約1カ月後に解任された。
窃盗事件の裁判で、裁判所は白元董事長の自宅から盗み出したことが確実な金品を1078万元(約1億8000万円)相当とした。
2014年6月ごろから、白元董事長に対して、改めて厳しい不正の調査/取り調べが始められたとされる。
その結果、腐敗行為の摘発で同省トップの地位にあった共産党省委員会紀律委員会の金道銘書記に対する調査が始まった。
さらに同紀律委ナンバー2の楊森林常務副書記も調査の対象になった。
紀律委員会の金書記は、省委員会の副書記でもあった。
中国で、要人に対して「調査を実施」と発表された場合、取り調べ側が「有罪を確信」していることを意味する。
山西煤炭運銷集団関連では、調査チームが山西焦炭集団幹部のうち17人から事情を聞いたという。
同社周辺では「疑いが濃厚」ということで調査の対象になった人物もいる。
山西普能集団関連では、曹耀豊総経理も、8月から調査を受けているとされる。
山西省における腐敗問題では、容疑が持たれている者が過去のいずれかの時点で、同じ職場で働いている特徴がある。
例えば、白培中、劉建中、曹耀豊の3者は1990年代から2000年代初頭にかけて、同省霍州市の鉱務局や同市煤電集団(石炭発電集団)で仕事をしている。
また、白培中、劉建中の両者は2008年冬に、中国南部が豪雪のため、発電用石炭が不足し、山西省が緊急輸送体制を敷いた際、それぞれ山西焦煤集団の董事長、副総経理(石炭販売担当)だった。
会社責任者である白董事長と石炭販売の最高責任者である劉副総経理が力を合わせて、中国南部の電力事情の問題解決に貢献した。
しかしその後、山西省の石炭業界の上層部では、仕事を通じて得た信頼と友情を通じて、「腐敗の道」をまっしぐらに邁進していったことになる。
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◆解説◆
中国の国有企業上層部は、人事異動により国有企業と政府部門を行き来しながら、キャリアを積み上げていくことが多い。
企業人として評価できる人物を、関連分野における行政官に就け、行政官として能力を発揮した者を、企業の責任者にする方式だ。
この「昇進方式」の利点としては、産業界の実情を熟知し、経営/経済感覚に優れた者が、行政官としても手腕をふるうことになる点がある。
問題点としては、国有企業と行政の癒着(ゆちゃく)が発生することだ。
結果として、国有企業が民間企業を圧迫し、経済全体の活力を削ぐことになる。
国有企業の経営陣も、行政側が理不尽と思える要求に接した場合でも、「自分の将来」を考えれば、「ここは、文句を言わずに従った方が得」ということになる。
財界と官界が結託して不正を行う、いわゆる腐敗現象が発生しやすいことになる。
山西省の場合、石炭関連の腐敗問題が共産党同省委員会のナンバー2の地位にあった金道銘副書記にまで波及していたとみ。
習近平国家主席は腐敗撲滅を大きなテーマとして力を入れている。
しかし、精神面の向上を力説はするが、腐敗が発生しにくい構造への転換には、あまり言及していない。
李克強首相は、内需拡大などを目的として、規制緩和を推進。
そのためには役人から多くの権限を引き離す必要があり、役人の権限縮小は、腐敗が発生しやすい土壌を改善することにもなると主張している。
ただし、李首相は改革にあたって、かなりの抵抗に遭遇しているとみられる。
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【描けない未来:中国の苦悩】
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