2014年9月25日木曜日

アリババの途方もない高値での上場:中国経済減速の深い関係

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●25日、ネット通販大手のアリババ(阿里巴巴)はニューヨーク市場上場で、米国史上最大規模のI
PO(新規株式公開)記録を打ち出した。資料写真。



ロイター 2014年 09月 24日 13:14 JST by James Saft
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKCN0HJ07J20140924

コラム:アリババ上場と中国経済減速の深い関係=サフト氏


 9月23日、アリババが米上場したが、中国当局が減速する経済をテコ入れする気がないとすれば、これまで経験したことのない環境での事業展開を迫られるかもしれないと、ジェームズ・サフト氏は指摘する。

[23日 ロイター] -
 中国の電子商取引会社アリババ・グループ・ホールディングが途方もない高値での上場を果たした折も折、
 同社を育んだ中国の高成長経済が「がた」のきた中年期への移行に満足
しているように見えることは、果たして
(1)滑稽
(2)心配
(3)関係ない
──のどれなのだろうか。

 アリババの上場に金を投じた投資家の大半は気付いていないようだが、
 中国は本当に変身しつつある。
 成長が鈍化しても支援に乗り出さず、より慎重かつ受動的な姿勢に転じている。
 最近発表された鉱工業生産統計は2008年以来で最悪の数字となり、景気が明らかに減速していることを示した。

 楼継偉・財政相は21日、
 「中国は単一の経済指標の変化に応じて大規模な政策調整を行うことはしない」
と述べ、公的支出頼みでインフラ投資を加速させることはできないと付け加えた。

 これはどう考えてもアリババ株を買った投資家に疑問を提示している。

 アリババを支持した投資家らは次のような論戦を張るだろう。
 つまり
 「中国経済はまだ好調だ。少なくとも相対的には」
として景気減速そのものを否定するか、
 「アリババは中国経済とは無関係に成長できる」
と言って景気減速は問題ないと主張するかだ。
 しかし当然のことながら、金融市場が正しいとは限らない。
 市場には不確実性も反映されているのだから。

 懐疑的な見方をする投資家はこれまでのところ、アリババの外部ステークホルダーが直面し得る2つの弱みに注目してきた。
 1つ目はコーポレートガバナンス(企業統治)の問題に集約でき、
 2つ目は政治だ。

 アリババの馬雲(ジャック・マー)会長は自らの価値基準における株主の順位について、顧客、従業員に次ぐ第3位だと率直に述べている。
 これは良い戦略かもしれないが、投資家にとってより不利なのは、経営陣を外部圧力から実質的に隔絶する企業構造だ。

 新規株式公開(IPO)を果たしたのがケイマン諸島を登記地とする持ち株会社であり、
 この会社がアリババの利益を得る権利は契約で決まっているだけという事実、
 そしてこうした契約には中国の法律をめぐる不透明感が付きまとうという事実
を考え併せてみよう。

 すると政治的な視点が浮かび上がる。
 つまり
 中国企業は、いかにグローバルに有名な企業であっても、
 権力者のお気に召さなければ事業展開できない
ということだ。
 法律もその執行方法も変わり得る。
 馬氏が中国一の大富豪であり、明らかな影響力を有していることは明るい側面だが、暗い側面もまた、彼が中国一の大富豪だという事実にある。

■<成長織り込みに危うさ>

 確かにアリババは米アマゾン・ドット・コムと異なり在庫をほとんど持っていないため、資本効率が素晴らしく、利ざやは極めて厚い。

 こうした利ざやは経済成長率に左右されないが、投資家が付けるバリュエーションは成長率次第で変わる。
 現在のバリュエーションは一言で言って巨大だ。
 非常に高いバリュエーションは、一つには将来の成長を織り込むことで導き出される。
 特にアリババが支配する中国の電子商取引産業においてはそうだ。

 そこにはおなじみのストーリーがある。
1].すなわち中国は立派な小売りインフラを欠いているため、電子商取引が市場シェアを獲得している。
2].その上、中国当局自体が国内消費主導型へと経済構造の転換を図っていると。
 いずれもその通りだ。
 しかし同様に着目すべきは、
3].アリババが繁栄を築き、繁栄を許された理由の1つが、
 輸出と投資から消費へという移行を同社が加速させたこと
である点だ。

 問題は、
 アリババの成長が一部、中国経済自体の成長に基づいて予想されていることであり、市場はそれをなかなか認識できない
かもしれない。
 中国の今年の成長率は7%程度と、先進国の基準で測れば高成長を遂げるのは間違いないが、この水準は当初予想や最近の実績に比べると相当低い。

 鉱工業生産統計を見ると、コンクリート、鉄鋼、不動産といった投資主導セクターが急速に鈍化していることが分かる。
 これらの事実はエネルギー生産と消費の統計によっても裏付けられる。
 中国の成長率はみるみる減速しているし、
 最近の当局者の発言を踏まえれば、
 彼らはそれについて大した対策を打つ気がない。

 景気減速と、それに対するおうような構えが大きなサプライズであることは、強調しておかねばならない。
 私の見るところ、アリババのIPO株を売買する投資家はこの二つのサプライズにあまり重きを置いていないようだ。

 中国経済が減速しており、当局者にそれをテコ入れする気がないとすれば、アリババはこれまで経験したことのない環境での事業展開を迫られるかもしれない。

 アリババ株の投資家は、将来の成長に基づく高い株価バリュエーションが、あらゆる種類のレバレッジに酷似していることに気付くかもしれない。
 成長をめぐる前提が少し変わるだけで大きなインパクトがもたらされるということに。

(筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)



レコードチャイナ 配信日時:2014年9月28日 14時45分
http://www.nissen.com/home/shop/00/00/11/?gclid=CKbZzJitg8ECFdR8vQodoTwAtA

アリババ上場、社員1万人以上が億万長者に?―中国メディア

  2014年9月25日、ネット通販大手のアリババ(阿里巴巴)はニューヨーク市場上場で、米国史上最大規模のIPO(新規株式公開)記録を打ち出した。
  中国人にとっては世界進出した自国企業の誇りとなり、世界にとっては中国の台頭のシグナルとなり、中国を世界にアピールする機会となった。

 アリババが米証券取引委員会(SEC)に提出した資料によると、アリババは1999年の創立以来、ストックオプションやインセンティブなどの形で、
 現従業員や元従業員に計26.7%の株式を与えている。
 評価額1749億ドル(約19兆円)で計算すると、
 アリババ社員は株式の売却で466億ドル(約5兆円)を超える現金を手に入れることができることになる。
 これはこれまでにIPOしたすべての中国企業を上回る。

 もちろんこの株式のほとんどは、
 アリババの30人のパートナー
の手中にある
 アリババのパートナー制度は、一人ひとりが一定比率の株式を保有することを規定している。
 公開資料では、具体的な株式保有状況は明らかにされておらず、パートナーが14%のアリババ株を保有することだけが示されている。
 30人のパートナーのうち20%は技術者で女性は9人、70年代以降生まれは21人。

 正確なデータはないが、株式保有社員の規模と保有比率でアリババは、中国のインターネット企業で最大を誇ると見られる。
 アリババがB2B開始前に香港で上場した際のデータによると、
 アリババグループの株式保有社員の比率は少なくとも65%以上。
 またアリババでは、
 勤務5年以上の社員と経営層のほぼ全員が株式を保有しているという。
 ここから推算すると、
 アリババ社員の少なくとも半数は株式を持ち、保有比率は13%近くと見られる。
 株式公開の説明書によると、2013年12月31日時点でアリババの全従業員は2万884人
 約233億ドル(2兆5000億円)の株式を1万人余りの社員が共有することとなり、
 平均で一人100万ドル以上を保有することとなる。

 アリババの最初の株式公開説明書では、今回のIPOが株式を保有する社員に巨額の財産をもたらすことへの懸念が記されていた。
 「これらの社員を引き止めたりさらに奨励したりするのが難しくなる可能性がある。
 この財産は、これらの社員が引き続き社内に残るかの決定に影響することになる」。

 だがアリババ内部の情報によると、大部分の社員の株式とオプションはすぐに現金化することはできない。
 半年前後の売却禁止期がある上、4、5年にわたって連続的に売却や行使を続ける必要がある。
(提供/人民網日本語版・翻訳/MA・編集/武藤)



 OECDはいつも最も楽観的な予想を立てる。


レコードチャイナ 配信日時:2014年9月25日 7時50分
http://www.recordchina.co.jp/a94664.html

2014~15年のGDP成長率、中印は高水準持続
=日米欧は下方修正―OECD事務次長が最新見通し

 2014年9月22日、OECD(経済協力開発機構)の玉木林太郎・事務次長兼チーフエコノミストは日本記者クラブで記者会見し、最新のOECD経済見通し(中間審査レビュー)を説明した。
 それによると、2014年、2015年の各実質GDP成長率(カッコ内は前回5月の予測)は、
 米国=2.1(2.6)%、3.1(3.5)%、
 日本=0.9(1.2)%、1.1(1.2)%、
 ユーロ圏=0.8(1.2)%、1.1(1.7)%。
 先進国はそろって下方修正された。
 これに対し新興国は、
 中国=7.4(7.4)%、7.3(7.3)%、
 インド=5.7%、5.9%
と高い水準を持続する。
 カッコ内は前回5月の予測。

 玉木氏は
 「世界経済は上下しつつも緩やかな回復傾向にある」
とした上で、
 「先進国は下振れしている、ブラジルを除く新興国経済において経済が安定化する兆しが出ている」
と分析。
 「労働生産性向上が実質賃金上昇に直結しておらず、労働市場の停滞は先進国で依然顕著だ」
と強調した。
 「貿易と投資は依然として低迷し、リーマンショックのあった2008年以前の水準に戻っていない」
と問題点を挙げた。
 その上で、世界経済の持続的発展に向け
(1)各国の事情に応じた金融政策発動、
(2)財政の持続的な可能性の確保、
(3)日本と欧州は低インフレからの脱却
―などが必要との考えを明らかにした。

 玉木氏は最近の円安傾向が日本経済に与える影響について、
 「円高にせよ円安にせよ、為替相場は経済の一つの変数にすぎず、得をする人もいれば損をする人もいる」
と言明。
 円安の進行にもかかわらず輸出が伸びない現状に関し、
 「輸出の最大の説明変数は、為替相場ではなく相手国の景気だ」
と指摘した。
 玉木氏は
 「中国や米国など日本の輸出相手国の景気がどう回復していくかが、これからの輸出の最大の変数である」
と強調した。





【描けない未来:中国の苦悩】




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