2014年12月26日金曜日

日本の潜水艦建造技術とは(2):『そうりゅう』は原子力潜水艦に匹敵する、「白パンツ」宣伝する意図とは

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そうりゅう型潜水艦

2012/06/24 に公開
艦番号:SS-501
艦名:そうりゅう
建造:三菱重工業 神戸造船所



サーチナニュース 2014-12-25 22:25
http://news.searchina.net/id/1555096?page=1

日本の潜水艦『そうりゅう』は原子力潜水艦に匹敵する=中国メディア

 中国のニュースサイト「環球網」は22日
 「中国の潜水艦の最大のライバルか?
 日本の『そうりゅう』の航続力は原潜(原子力潜水艦)に匹敵」
と題する記事を掲載した。
 「そうりゅう」について、航続距離だけでなくさまざまな技術が込められている、性能が極めて高い潜水艦と紹介した。

 主に注目したのは「航続性能」と「静粛性」だ。
★.「航続性能」といっても問題にしたのは「潜航航行」で、4ノットという低速ならば3週間程度の行動が可能との見方を紹介。
 「原子力潜水艦に匹敵」、
 「驚くべき航続距離は、戦術的運用に大きな弾力性をもたらした」
などと論評した。
★.静粛性については
 「騒音は潜水艦にとって最も致命的になる」と紹介した上で、
 「そうりゅう」は素材の研究から構造に至るまでの研究で、
 敵に探知される危険性を50-75%も低減と紹介した。
 さらに、日本の軍事専門誌「丸」の見方として、
 「(日本は)潜水艦の保有数を2018年までに、現状の16隻から22隻に増やす目標
を持っている。
 防衛相は『そうりゅう』の建造計画で、8隻(という当初予定)を突破するだろう」
と述べた。

 日本が「そうりゅう」型潜水艦をオーストラリアに売る意向があることには特に反発せず
 「建造費が高額であり、コストを引き下げるためには、外部への売却は必然的な選択」
と、理解を示した。

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 「環球網」は中国共産党機関紙の人民日報系の国際専門紙である環球時報が運営するニュースサイトだ。
 環球時報とともに、極端な愛国論調でファンを増やしてきたとされる。
  軍事面についても、中国軍や中国製兵器の優秀さを強調することが多かったが、最近では、日本の兵器のレベルの高さを紹介する記事が目立つようになった。
 中国では新華社も11月28日付で、自国軍や自国製兵器の優秀さを強調する論調を批判し、
 「世界のレベルより30-40年は遅れている」
と指摘する記事を配信した。
  さらに、中国の艦上戦闘機「殲15(J-15)」は航空母艦の遼寧から発進させる場合、搭載できる武器の重量が2トンであり、陸上基地から離陸する場合の12トンよりも極めて少ないとの記事も発表された。
 中国で、自国の兵器や軍事力を極端に賛美する論調は紅褲衩(ホンクーチャー=赤パンツの意)と呼ばれる。
 ローマ字の頭文字を取って「HKC」と書かれる場合もある。
 「HKC」派の人と、排他的な“愛国主義者”の層は、かなり重複している。
 逆に、自国軍や兵器の水準に対する悲観的見方は「白褲衩(白パンツ)」と呼ばれる。
  上記記事では「そうりゅう」に対する「敵」との表現を使ったが、現時点で「そうりゅう」と対決または対抗する可能性があるとすれば、「中国海軍」と考えるのが自然だ。
  つまり、上記記事を含め「白パンツ」系の情報は、
 「日本、ひいては米国に軍事力で対抗するのは難しい」
とのイメージを広める効果があると考えられる。
  自国軍や自国製兵器の能力の限界を紹介する記事が増えた背景には、中国当局が極端な愛国論調にブレーキをかけはじめたと解釈できる。
 そうだとすれば、習近平政権が対外との協調路線に傾きつつある可能性がある。



FOCUS-ASIA.COM 12月6日(土)7時58分配信
http://www.focus-asia.com/socioeconomy/photonews/403394/

到底できない戦術が・・と日本が実現しようとする新技術を紹介、
「恐ろしい現実」「日本軽視は愚かな選択」―中国ネット

 中国メディア・新浪軍事は3日、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)で
 「日本のリチウム電池潜水艦が中国に大きな脅威を与える」
とするツイートを掲載した。

 記事は、
 「通常動力型潜水艦が水面下を20ノットで24時間以上航行することができる
などと想像したことがあるだろうか」
としたうえで、現在の非大気依存推進(AIP)技術では到底できない戦術を、日本の潜水艦部隊はリチウムイオン電池動力で実現しようとしていると紹介。
 「これは中国海軍にとって、水面下の新たな脅威だ」
と伝えた。

この記事に対して、多くのネットユーザーが以下のような反応をみせた。

「トヨタがリチウムイオン電池技術で世界をリードしているから、潜水艦に利用したとしても安全性はもはや問題にならないだろう。
 そして、原子力潜水艦とソナー設備を持ち、非常に信頼性のあるコントロールの自動化を実現した、排水量4200トンのそうりゅう型潜水艦が通常型動力潜水艦では最強だ」

「これは大変だ。
 原子力潜水艦に追いついてしまいそうだ」
「すべてリチウムイオン電池となると高すぎるんじゃないか。
 日本やインドといった金持ちにしかできない」

「日本はこれまでずっと軽んぜざる相手であり続けてきた」
「中国はリチウム材料の日本輸出を禁止すべき」
「日本を軽視するというのは今も昔も愚かな選択」
「リチウム電池は発火しやすいぞ」
「充電器が爆発するぞ」

「BYD(中国自動車メーカー)は今後造船業にチェンジしたらどうだ?」
「電池の技術については、中国はとっくに追いついている」
「怖くない、怖くない!」


サーチナニュース 2014-11-30 22:15
http://news.searchina.net/id/1551667?page=1

新華社コラム:
中国軍事「赤パンツ現象」を批判、
世界のレベルより30-40年は遅れている

 新華社傘下のニュースサイト「新華網」は11月28日、
 「中国の軍隊建設。
 パンツはやはり、赤すぎない方がよい
と題するコラム記事を発表した。

 中国では、自国軍や兵器のレベルを「絶賛」する現象が
 「赤パンツ」
と呼ばれている。
 文章は軍事レベルへの過大な評価を批判し、
 「世界のレベルより30-40年は遅れている」
との見方を紹介した。

  同社で軍事問題を専門にする陳虎主任記者の署名原稿。
 陳氏は自国の軍についての過大な評価ついて、メディア側にも問題があると指摘。
 自国軍の軍事演習を報道する際に
 「初めて」、
 「第一」、
 「最も」、
 「突破」
などの用語があふれるとして
 「ネットにおける『赤パンツ』現象と呼応しあっている」
と批判した。
  さらに軍側についても、
 「
  「戦える軍」、
  「勝てる軍」
の建設を懸命に進めていると国民に見せたいとの心理がある
と指摘した。

  陳氏は
 軍やメディアの行為の結果として「赤パンツ」現象が出現する
のも無理がないとした上で
 「しかしそのような『赤パンツ』現象は結局のところ、実際の状況とは異なる」
と指摘した。

  陳氏は分かりやすい例として、中国が進めている国防現代化で、2020年における目標が
 「機械化の完成・情報化で大きな進展を獲得」
であることを挙げた。
  「機械化」からさらに「情報化」へと発展する軍事力の流れを示した上で、米国が戦った初めての「情報化戦争」は2003年のイラク戦争だったと指摘。
   陳氏は2003年に米国軍がすでに達成していた水準と、中国が2020年に達成しようとしている水準を比較し、
 「現在の全体的な状況に対する評価の面から、比較的客観的な専門家は普遍的に、われわれ(の軍事レベルと)と世界の先進的な水準には、まだ30-40年の差がある」
と説明した。
  中国が進めている軍事力の現代化については
 「数年間内に、その(世界との)差を20年に縮めようとしている」
と論じ、そのこと自体は「すごいことだ」と説明。
 ただし、別の角度から見れば、
 「このような目標があること自体が、中国の国防建設と世界の最先端水準に相当な差があることをあらわしている。
 そしてまた、
 『赤パンツ』現象と現実の間には相当に大きな差があることを示している」
と指摘した。
  中国で軍事建設について成果を誇張し、
 『赤パンツ』現象に心を奪われることは、
 軍事建設に有害であるばかりか、
 国際的ないわゆる“中国脅威論”に口実を与えることになる
と指摘。
 文章の最後で
「パンツはやはり、赤すぎない方がよい」
と主張した。

**********

◆解説◆
   陳氏が指摘するように、中国では自国軍の演習などが、きわめて「勇ましく」発表されることが多い。
 自国製政府を外国軍が制式採用した話題も、大きく報道される。
  しかし最近では、自国軍や兵器の実力が、世界のトップレベルとは大きな差があるとの報道も目立つようになった。
  陳虎氏は、海軍工程学院、石家荘陸軍学院、石家荘高級歩兵学校、国防大学に学んだ。
 国防大学で教育に8年間携わった経験もある。
 軍における階級は大校(上級大佐)。
 現在は新華社の主任記者として、軍事評論などを盛んに発表。
 また、「世界軍事」誌の執行編集長を務めている。



「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年12月2日
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2014-12/02/content_34209198.htm

 米紙:日本の「いずも」の進水はアジア太平洋の情勢を変える

 オーストラリア海軍はこのほど最新にして最大の戦艦の使用を開始し、日本や中国のように空母(準空母)保有国になった。
 これはアジア諸国の海軍・空軍の実力が日増しに拡大していることを示した。
 ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が伝えた。

 人々の注意の多くは、中国の遼寧艦に引き付けられている。
 この旧ソ連の空母を改造した中国の空母は全面的な使用まであと数年かかるが、これは中国が地域内の各国・地区を上回る軍事投入能力を手にしたことを意味している。

 日本のヘリ空母「いずも型」の進水により、この情勢に変化が生じた。
 同艦の主な任務はヘリ艦載で、排水量は遼寧艦の半分にも満たない。
★.現在アジアで最もガードの甘い機密情報は、
 日本が2隻のいずも型を間もなく改造し、
 垂直離着陸のF-35戦闘機を艦載できる空母にするという計画だ。
 これは航空自衛隊の実力が、釣魚島及びその付属島嶼(日本名・尖閣諸島)に及ぼうとしていることを意味する。
 危機が到来した場合、米海兵隊のF-35もこの空母を使用できる。

 オーストラリアのキャンベラ級は、実際にはヘリの離着陸に使用できるヘリ空母だ。
 オーストラリアの関係者は、
 「同艦は緊急の人道主義に基づく援助や、起こりうる戦闘で使用される」
と述べた。
 オーストラリアがF-35の共同開発に参与していることから、キャンベラ級が改造によりF-35を艦載する可能性もある。
 日豪および米日豪の防衛関係の強化を考えると、将来的により多くの世界最先端の軍機・戦艦が合同演習に参加する可能性がある。

 中国政府は少なくとも3隻の空母を建造し、Su-33を艦載した上で新たな戦闘機を開発する予定だ。
 米国の軍事観測筋が最近発表した論文によると、中国の次世代戦闘機の性能は、米国のF-15やF-18に匹敵するという。
 これらの戦闘機が海に配備された場合、米国の軍艦とパイロットは数十年前より厳しい安全問題を迎えることになる。

 中国が米国と同等の軍事力を形成するには、まだ時間がかかる。
 しかし米国のアジア太平洋における同盟国は、間もなく中国の軍事的な優勢に直面することになる。
 ゆえに
 日本は自国の軍事力を強化し、グローバルホーク、ティルトローター機のMV-22「オスプレイ」、先進的な早期警戒機の購入を決定した。
 同じくオーストラリアもこのほど、日本と先進的な潜水艦技術を共同開発することに同意した。
 ベトナムはロシアから新たな潜水艦を購入し、
 インドネシアと韓国は独自の潜水艦を開発した。
 日本政府はベトナムやフィリピンに巡視船を提供した。

 アジアでは現在、中国の外交力が十分に発揮されていない。
 しかし海軍・空軍の実力の変化に伴い、理性が歓迎されるようになる。
 行動規則が制定され、領土問題を巡る意義ある協議が行われる可能性もある。
 各国が戦争の影を恐れていることから、平和の花が咲くことだろう。


 中国の外交力とは「中国の脅し」ということであろう。
 これは、なかなか成果を上げることは難しい。
 脅しをかければ、相手は単にビビルだけでは収まらない。
 弱者は弱者なりに対応策を考える。
 その策を潰そうとさらなる脅しをかける。
 とすれば、それに対抗する策を考えだす。
 堂々めぐりになる。
 特に日本は中国の脅しを屁にも思っていない。
 それだけの歴史を有し、十分は戦争経験も持っている。
 この差は大きく中国レベルの脅しに屈すること永久にない。
 とすれば、中国としては日本を叩きのめすしか道はない。
 しかし、中国には将来的にそれができるとは思えない。
 軍事力の比較もあることながら、それよりももしそんなことをしたら、国内が動乱化し、共産党政権が崩壊する、ことになりかねないからである。