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サーチナニュース 2014-06-26 06:34
http://biz.searchina.net/id/1536016
「中国不動産バブル崩壊」はカウントダウン?
・・・「すでに兆候が表れている」の有識者見解=中国メディア
中国で21日に開かれた中国経済のモデル転換について話し合うフォーラムにおいて、上海社会科学院の王戦院長は
「2014年上半期の中国経済において、もっとも案じるべき問題は
1].不動産バブル、
2].地方政府の債務問題、
3].生産能力の過剰
という3つだ」
と指摘、特に不動産バブルの問題は「まだ最悪の時期を迎えていない」と論じた。
一財網が22日付で報じた。
記事は王戦院長が地方都市で見られる不動産価格の下落について
「中国沿海部が加工貿易によって遂げた発展のモデルを中部、西部地域にも適用しようとしたために起きた問題」
と指摘、
「中国が加工貿易によって成長したモデルはすでに終わりを迎えた」
と論じた。
さらに、
「不動産バブルが仮に崩壊すれば、地方政府の債務問題も悪化する。
さらに建材やコンクリート、仲介業者、家電メーカーに至るまで、不動産市場と結びつきのある業界での生産過剰問題が顕在化する」
と指摘、前述の3つの問題が密接にからみ合って銀行や金融システムを直撃するとの見解を示した。
続けて記事は、王戦院長が
「現在はまだ不動産バブルの崩壊までは至っていない」
と語る一方で、
「すでにその徴候が現れている」
と述べたことを紹介した。
また、
バブル崩壊の時期について「2016年」と見ている
ことを伝え、
現在は崩壊を抑えるため不動産市場や地方政府の債務問題の制御が必要であり、問題が起きてから対処しようなどと悠長なことは言っていられない
との見解を示したと紹介した。
また、王戦院長は問題の制御だけでなく、第3次産業の発展やイノベーションによる経済成長を推進することも重要との見方を示し、
「すでに14年上半期に第3次産業の付加価値および成長速度がはじめて製造業を超えたことは良い兆候」
との見解を示した。
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ソロスだったか
アメリカの投資家は数年前から中国のバブル崩壊は2015年
におきると予想していた。
今度は中国国内から、「バブル崩壊は2016年」という説が出てきた。
バブルが起こることは間違いないらしい。
要はそれがどれほどの規模になるのかだろう。
中国政府がうまく抑え込めるか、である。
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ウオールストリートジャーナル 2014 年 8 月 20 日 11:57 JST
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052970204162404580102603201164086?mod=WSJJP_hpp_MIDDLENexttoWhatsNewsThird
By ANDREW BROWNE 原文(英語)
改革の遅さ、中国指導部の楽観論の反映
【北京】林毅夫氏は、エコノミストとしては異例の経歴を持つ。
とりわけ、中国の最高指導者たちが彼の話に耳を傾けるという意味で希有(けう)な人物だ。
1979年、台湾陸軍の中隊長だった林氏(当時26歳)は中国に亡命した。この詳細は米誌ニューヨーカーのエバン・オスノス氏の著書「Age of Ambition: Chasing Fortune, Truth, and Faith in the New China」に記されている。
林氏はスニーカーを脱ぎ捨て、台湾の前線だった金門島をこっそり抜け出して海に飛び込み、短い距離を泳いで中国本土にたどり着いた。
捕まれば、処刑されるリスクを冒して亡命したのだ。
それはコントラリアン(人と正反対の行動)にほかならなかった。
冷戦中の亡命のほとんどは、中国から台湾に向かう亡命だったからだ。
しかし、彼は中国の経済見通しが明るいと強く信じていた。
それは今も変わらない。
林氏は依然として、中国経済には今後さらに20年間、8%前後の成長を維持できる能力があると確信している。
これは中国以外のエコノミストの平均的な予想よりずっと高い数値であり、一部の中国国内のエコノミストでさえ高過ぎるかもしれないと考えるほどの数値だ。
実際、国際通貨基金(IMF)は中国の経済成長率が2019年には6.3%に鈍化するとみている。
中国政府自身の今年の成長目標は7.5%だ。
林氏はまた、中国の増大する債務をそれほど問題視していない。
IMFやその他のエコノミストが大いに憂慮しているのと対照的だ。
林氏は、電子メールの質問への回答の中で、中国の政府債務はGDP(国内総生産)比で40%であり、世界で最も少ない部類に入ると指摘。
しかもほぼ全てが現地通貨(人民元)建てであることから、国際的な債務返済危機のリスクが排除されていると述べた。
地方政府の債務は、規制の緩い「影の銀行」セクターからの融資のブラックホールになっているが、同氏は、必要であればその再編は可能だと主張し、「システマチックな危機が生じるリスクは全くない」と述べる。
これは単なる無味乾燥な学術上の問題ではない。
中国の長期的な経済成長能力に対する評価は、あらゆるものに影響する。
例えば、中国の成長率を持続可能な水準に維持するため、当局が必要な厳しい改革をどれほど真剣に実行するか、融資をどれほど迅速に提供し続けるか、などだ。
このため、中国指導部が誰に耳を傾けるかが重要な事項になる。
現時点では、彼ら中国の指導者たちは、林氏と同様に、比較的楽観的な見方をしているようだ。
政府は、成長が鈍化するなかで「ミニ刺激策」に着手し、信用をテコにした投資という馴染みの手段に頼って経済の勢いを持続させようとしている。
この間、昨年発表された60項目に上る野心的な経済改革の進展ペースは遅い。
これは中国指導部が政策上の余地がかなりあって融通が利くと信じていることの表れだ。
林氏の強気の見方を、夢想家の希望的観測だとして簡単に無視することはできない。
彼は世界的な権威を持つエコノミストだ。
35年前に中国本土の海岸にたどり着いた後、華々しいキャリアを歴任し、世界銀行のチーフエコノミストにまで登り詰めた。
このおかげで、同氏は共産党の中央政治局常務委員会に近づけることになった。
同委員会は、同氏を他の中国の経済学者と並んで非公式な顧問に迎えた。
習近平国家主席の改革計画には包括的な方策が含まれている。
これは、国営企業を抜本的に改革し、民間部門を奨励するほか、土地改革や労働力の移動を通じて繁栄を喚起することが狙いだ。
中国指導部はまた、
「中所得のわな(経済が中所得国のレベルで停滞し、先進国入りできない状況)」
を十分認識している。
それは、先進国の仲間入りを目指す大多数の開発途上国の野心をくじかせている落とし穴だ。
しかし中国以外のエコノミストたちは、中国経済は、同国政府の考える以上に脆弱(ぜいじゃく)だとみている。
多くの国際的なエコノミストは、問題になるのは、
債務の絶対水準ではなく(ただ経済全体の債務残高は、社債を含めて、GDP比で200%を超えており、高いのは確かだ)、
むしろ債務の急速な増加ペースだとして心配している。
それは金融危機の前触れであることがほぼ常だからだ。
林氏は8%という自らの経済成長率予想について、政府が抜本的な改革を行うかどうかに左右されると話す。
彼の楽観的な見方は、「後発性という利点」という同氏の理論に基づく。
後発性の利点とは、先進国が膨大な費用をかけて開発した技術を使って、途上国が先進国に追いついていけることを指す。
これは同氏が2011年の著書「北京大学-中国経済講義(Demystifying the Chinese Economy)」の中で打ち出した理論だ。
より懐疑的なエコノミストたちは、中国経済が成熟するのに伴い、成長の主要なけん引役がいかに勢いを失っているかに注目している。
労働力は縮小している。
また工場からコンピューターのハードドライブに至るまで、設備投資に対する見返りが中国にとってどんどん小さくなっている。
彼ら懐疑派エコノミストはまた、技術的な革新を通じて生産性を向上させる中国の潜在能力をもっと悲観的にみている。
これら全ては世界にとって大きな問題となる。
もし中国が6%ないしそれ未満ではなく、8%の成長を維持できれば、例えば、オーストラリアの天然資源企業は違った戦略を取るだろう。
こういった資源企業の新しい鉱山や輸送施設への投資は、向こう何十年の世界需要の想定を反映しているからだ。
それは米国防総省の計画にも影響を及ぼすかもしれない。
軍事力は経済力に由来する。
このため、20年後の中国の経済規模がもっと大きくなると信じるならば、新たな兵器システムの構築を求める米軍幹部トップの主張が通りやすくなる可能性がある。
中国が従来の姿勢を変えて領有権の主張を強めたのは恐らく、
2008年の世界的な金融危機で米国の国力が萎え、未来は活力ある中国が握っているという展望が引き金になっている。
中国の発表する経済データには確かに問題が多い。
中国のように格差が極端な大陸サイズの国(例えば、一部が高級マンションに住む一方で、一部が洞穴のような住居に住んでいる)では、今日のアウトプット(経済の産出量、経済規模)を計測すること自体が難しい。
20年後にどうなっているかの予測が難しいことは言うまでもない。
ただ国際的なエコノミストの間では、中国にとって経済的に矯正できる時間は枯渇しつつあるとの見方がますます強まっている。
林氏が描くような比較的バラ色のシナリオが、中国の指導者たちの切迫感を希薄化するリスクはあるのだ。
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【描けない未来:中国の苦悩】
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