2014年8月31日日曜日

日本の潜水艦建造技術とは(1):リチウム電池型隠密艦、オーストラリア導入の動向

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そうりゅう型潜水艦

2012/06/24 に公開
艦番号:SS-501
艦名:そうりゅう
建造:三菱重工業 神戸造船所


潜水艦 そうりゅう型 ずいりゅう SS-505 ヨコスカサマーフェスタ2014

2014/08/02 に公開
海上自衛隊 第2潜水艦群 そうりゅう型 ずいりゅう SS-505 シーンです。

潜水艦 じんりゅう SS-507 海上自衛隊 そうりゅう型

2014/10/08 に公開


本日、神戸にて進水したじんりゅうです。じんりゅう(ローマ字:JS Jinryu, SS-507)は、海上自衛隊の潜水艦。そうりゅう型潜水艦の7番艦。艦名「じんりゅ­う」は仁愛の徳を持つ龍に由来する。建造費は545億8千万円。

ロイター 2014年 08月 29日 11:46 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GT06220140829/

防衛省がより隠密性高い潜水艦建造へ、リチウム電池を搭載 


● 9月1日、潜水艦の新造を計画するオーストラリアが、川崎重工業と三菱重工業 に建造を発注し、完成品を輸入する方向で日本と協議していることが、複数の関係者の話で明らかになった。
写真は海上自衛隊の「そうりゅう型」潜水艦(2014年 ロイター/Japan Maritime Self-Defense Force/Handout via Reuters)

[東京 29日 ロイター] -
防衛省は、2015年度から隠密性のより高い潜水艦の建造に着手する。
鉛蓄電池に代えてリチウムイオン電池を搭載し、長期間の潜航を可能にする。
浮上回数が減ることで、これまでよりも敵に発見されにくくなる。

日本は中国の海洋進出をにらんで潜水艦を16隻から22隻体制に増強中。
14年度に続いて15年度も1隻建造する計画で、概算要求に644億円の費用を盛り込んだ。
14年度予算に計上した建造費517億円から100億円以上高くなる。

費用を膨らませる主要因は、新たに搭載するリチウムイオン電池。従来の潜水艦は、浮上中にディーゼルエンジンで航行して鉛蓄電池に充電、潜航中は蓄えた電気を動力源にしている。
さらに潜航期間を伸ばすため、空気を必要としない推進機関「AIP」を積んでいる。

鉛蓄電池とAIPを設置している空間に大型のリチウムイオン電池を積むことで、これまで最大2週間程度だった潜航期間が「格段に伸びる」(防衛省関係者)という。
建造費や維持管理費を含めた、15年間使用した場合のライフサイクルコストは、現行の1000億円よりも安くなる見込みだという。

日本のディーゼル潜水艦は静穏性や潜航能力に優れているとされ、オーストラリアが導入に関心を示している。



ロイター 2014年 09月 1日 18:17 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0GW1S020140901/

豪の次世代潜水艦を日本で建造、両国が協議=関係者

[東京/シドニー 1日 ロイター] -
潜水艦の新造を計画するオーストラリアが、川崎重工業 と三菱重工業 に建造を発注し、完成品を輸入する方向で日本と協議していることが、複数の関係者の話で明らかになった。
日本はオーストラリアの予算と仕様に応じた艦を造る意向で、両国は年明けにも合意する可能性がある。

日本の武器輸出は部品にとどまっていたが、実現すれば完成品を海外に売却する初のケースとなる。

■<開発リスクを敬遠>

オーストラリアは2030年代初めに潜水艦の世代交代を計画。
しかし、独力で設計・建造する能力に乏しく、
1).完成品を輸入、
2).他国からライセンスを取得して自国で生産、
3).エンジンだけを輸入して自国で生産、
4).他国の技術協力を仰ぐ
──のいずれかを検討している。

複数の日豪関係者によると、最有力案として議論しているのが完成品の輸入。
オーストラリア政府の依頼を受けた米ランド研究所は昨年、国内での建造には設計者と技術者1000人が必要との試算を報告した。
実際に動員できる5倍以上の規模だった。

財政支出の削減に取り組むオーストラリアは、最も効率的な手法で潜水艦を調達したい考え。
かねてから技術導入先として関心を寄せていた日本に建造を発注する案が優勢になりつつあるという。

オーストラリアは自国で開発して失敗するリスクを取りたくない
と、日豪間の交渉を知る関係者は言う。
完成品で最も良い潜水艦はどこかと探したら、日本のものだった
と話す。

今年7月に豪国防省がまとめた報告書は、潜水艦の建造計画について
「国内で建造すべきかどうか重要な議論が行われている。
この問題は利点だけでなく、コストやリスク、スケジュールも勘案しなくてはならない」
と、海外で建造する可能性を示唆している。

■<日本の関係者が施設を視察>

日本のそうりゅう型潜水艦はディーゼルエンジン型として世界最大。
潜航期間が2週間程度と長い上、静穏性に優れているのが特徴で、敵に見つかりにくいとされている。
オーストラリアは現有のコリンズ級よりも大きな4000トンクラス、海中での航行距離が長いディーゼル潜水艦を求めており、条件に一致する。

しかし、そうりゅう型は1隻およそ500億円と価格が高く、オーストラリアの予算を上回る。
日本側も、潜水艦という秘匿性が高い防衛装備品で全く同型のものを輸出することには海上自衛隊が難色を示している。

関係者によると、日本の防衛省はオーストラリアの予算と要求に合わせて仕様を変えた潜水艦を提案する見通しだという。

両国は現在、月に1度のペースで協議を重ねている。
8月中旬には防衛省幹部と川崎重工、三菱重工の関係者がオーストラリアを訪れ、アデレードにある関連施設などを視察した。

オーストラリアは来年前半に見直す国防白書に、建造する潜水艦のタイプや隻数を盛り込む予定。
関係者によると、協議が順調に進めば両国は年明けにも合意に至る可能性があるという。

「オーストラリアと日本の協議は加速している」
と、関係者は話す。

ロイターの取材に対し、日本の防衛省は
「二国間の防衛協力の強化に向け、装備技術協力についても様々な意見交換をしているが、具体的な回答は差し控えたい」
とコメント。
川崎重工と三菱重工は両社とも、政府が決めることであり、「コメントする立場にない」としている。
オーストラリアの国防省は「設計、建造についてまだ何も決まっていない」との見解を示している。

■<トヨタ撤退以上のインパクト>

問題は、海外で建造する案に対し、オーストラリア国内で反発が強いことだ。
潜水艦の整備施設がある南オーストラリア州のマーチン・ハミルトン・スミス防衛産業相は、フォード・モーター やトヨタ自動車、ゼネラル・モーターズ が生産から撤退した以上に政治的な議論を呼ぶと警告。
経済的な影響も大きいと指摘する。

同相によると、南オーストラリア州で防衛産業に携わるのは2万7000人。
うち3000人が造船業に関っている。
次世代潜水艦の建造は、30年間で2500億豪ドルの経済効果が期待できるという。
「海軍と連邦政府が決めることとは承知している。
しかし、日本、ドイツ、スウェーデン、どこの国と組もうが、ここで造ることは譲れない」
と、同相は言う。

一方、日豪の関係者によると、オーストラリア政府は整備を国内で手がけることを考えているという。

日本は4月に武器の禁輸政策を見直し、一定の条件を満たせば輸出や他国との共同開発を認める防衛移転三原則を導入した。
これまでに決まった主要案件は、米国へのミサイル部品の輸出と、英国との戦闘機用ミサイル共同研究。海難飛行艇US2の輸出や現地生産をインドと協議しているが、まだ最終合意に至っていない。

(久保信博、ティム・ケリー、マット・シーゲル 編集:田巻一彦)



サーチナニュース 2014-09-28 12:00
http://biz.searchina.net/id/1544477?page=1

三菱重工業と川崎重工業が製造する「そうりゅう型」通常潜水艦のオーストラリア向け輸出が年内にも正式決定か

■インド、ベトナム、インドネシア向けにも輸出が期待され、業績面での寄与が期待され株価を押し上げる要因に
三菱重工業 <7011> と川崎重工業 <7012> は、日本の通常潜水艦「そうりゅう型」の製造を手掛けている。
この潜水艦はスターリングエンジンを搭載し、静寂性や機動性、潜行性など、いずれも世界トップの性能を誇る。
この「そうりゅう型」潜水艦が年内にもオーストラリアに10隻輸出する可能性が高くなってきた。
これまでオーストラリア政府はドイツから通常潜水艦を購入する予定だったが、日本に変更することになったのは、
★.「そうりゅう型」の性能が群を抜いて優れていることと、
★.また日本の武器輸出三原則が緩和されたことによる。

潜水艦の技術力は原子力潜水艦ではアメリカがナンバーワンだが、
通常型潜水艦は日本の右に出る国はない。
原子力潜水艦は一度、潜航すると1年以上も浮上することはなく、作戦行動を展開できる。
一方、通常型潜水艦は数日間しか潜航できない
ところが、この「そうりゅう型」は最大で約2週間は潜航できる性能を持っており、戦略上の問題点は払拭されたという。

   また、オーストラリア政府が潜水艦増強に乗り出した背景に、最近の中国海軍の動きがある。
同政府は中国海軍の脅威に立ち向かう必要性から、早急に手を打つことにしたようだ。
こうした事情はインドやベトナムも同様で、両国の海軍、とりわけ潜水艦の増強に前向きだといわれている。
さらにインドネシアは韓国から潜水艦を購入したが、故障が多く、最新鋭の潜水艦の購入に乗り出しており、いずれの国も日本の「そうりゅう型」購入に強い意欲を示しているようだ。

また、安倍首相は東シナ海、南シナ海、さらにインド洋における中国の覇権拡大を抑制するために日本とオーストラリア、ハワイ(米国)、インドを結んだ「ダイヤモンドセキュリティ構想」を構築して、自由航行という海洋権益を保護すべきだと主張している。
   こうした流れから「そうりゅう型」潜水艦はオーストラリアにとどまらず、各国の戦略的ニーズに応えるため、輸出拡大の可能性が出てきた。
ちなみに日本の14年度国家予算で「そうりゅう型」10番目艦建造に約513億円が計上された。
一方、オーストラリア向け10隻の契約額は約2兆円と伝えられている。
もちろん、武器輸出に対して日本国内からの反発が予想されるだけに、単純な話ではないが、最近の中国海軍の強引な覇権活動を勘案すると、日本の潜水艦が世界で活躍するということが単なる「夢物語」と簡単に片づけることはできない。

いずれにしても、この潜水艦を製造している三菱重工業の業績は絶好調で推移。
2015年3月期は前期比19.4%の増収、同25.6%の経常増益が見込まれ、経常利益は史上最高益を更新する見通しである。
株価は先週752円まで買い進まれ、1月26日の730円に急接近する場面があったが、目先目標達成感が出て、結局706円で引けた。
一方の川崎重工業も三菱重工業ほどの伸び率ではないが、同0.9%増収、同8.9%経常増益が見込まれ、経常利益は史上最高益を更新する。
株価は先週449円まで上げ、引けは445円と頑強な動きに終わった。
   PERは三菱重工業が約18倍、川崎重工業は約17.5倍と、超割安とはいえないが、「そうりゅう型」潜水艦の輸出という材料は株価に依然、織り込まれておらず、上値余地は充分あると見られる。
当面の目標はPER20倍として三菱重工業が770円前後、川崎重工業510円を目指すものと期待される。


もしオーストラリアが日本への潜水艦発注を行うなら、中国は高速鉄道の購入を迫ってくるだろう。
オーストラリアはおそらくこれをこばめない。
高速鉄道の方が金額は大きくなる。
日本が政治軍事をとり、中国が経済をとるという図式はありえる選択である。
オーストラリアはその運営を自国でする形になるだろう。
さすれば安く建設してくれる中国に発注することに文句はない。
メンテナンスなどは自国で行うであろうから、あくまで建設するだけ、ということになる。
なら安い方がいいに決まっている。


ロイター 2014年 11月 12日 07:48 JST
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKCN0IV0TM20141111

日本からの潜水艦建造計画、豪政府に入札求める圧力強まる

[シドニー 7日 ロイター] -
オーストラリアの次世代潜水艦の建造計画をめぐり、日本から完成品を輸入することを検討しているアボット豪首相に対し、入札実施を求める声が州政府や労働組合、与党内部から強まっている。

ロイターは9月、オーストラリアが最大12隻の潜水艦を日本から購入する方向に傾いていると報じた。
米国も3カ国の海軍の連携が強化されるとして、オーストラリアが日本から輸入することを支持している。

しかし、欧州メーカーが強い関心を示しているオーストラリアでの建造案は、豪国内の産業支援につながる上、労働組合からの批判もかわせる選択肢であることから、海外から購入する案を厳しい立場に追い込もうとしている。

南オーストラリア州のマーク・ハミルトン・スミス防衛産業相は、日本からの潜水艦購入計画は、アボット首相が次の選挙で権力を維持することを難しくする可能性もある、と指摘する。
同州では造船関連の3000人を含む2万7000人が防衛産業で働いている。

今年アボット首相の自由党から離脱し無所属となった同相は
「18カ月以内に選挙があるのに、こうした多くの雇用を生み出すであろうプロジェクトを海外に発注するとは何と勇敢な政府だろう」
と述べている。

日豪の交渉過程を知る匿名の2人の関係筋は、
 潜水艦を割安で建造する戦いに巻き込まれるなら、日本は入札には参加しない
だろうとみる。
日本のディーゼルエンジン型潜水艦は、唯一オーストラリアのニーズに沿った規模のもので、オーストラリアが望めば、日本側は協力の用意が整っているという。
別の関係筋は、オーストラリアが入札を実施するなら、どのような潜水艦が求められているかを見た上で入札に参加するかどうか決めるだろうという。

関係筋によると、オーストラリアは老朽化したコリンズ級潜水艦6隻の代替として、川崎重工業)と三菱重工業が建造する4000トンクラスのそうりゅう型潜水艦の導入を検討している。

日本は4月に武器の禁輸政策を見直し、一定の条件を満たせば輸出や他国との共同開発を認める防衛移転三原則を導入した。
日本の武器輸出は部品にとどまっていたが、日本が潜水艦をオーストラリアに輸出することになれば、完成品を海外に売却する初のケースとなる。

アボット首相にとっては、自前でゼロから開発するリスクやコストを避けることにつながる。
オーストラリア製のコリンズ級潜水艦が、音が大きく容易に探知されてしまうと酷評されたという事情もある。

<欧州勢も関心>

潜水艦を自国あるいは海外で建造することも含め、オーストラリアでは幾つかの選択肢が検討されている。
防衛上の観点から検証を重ねた上で、最終決定は来年の初めと予想されている。

オーストラリアのジョンストン国防相は先月、入札を実施する時間的な余裕はなく、早急に新たな潜水艦を導入できなければ「防衛能力の空白期間」ができてしまうと述べている。

アボット首相はかつて、潜水艦は失業率の比較的高い南オーストラリア州で建造されると述べていたが、7月に方針を変えたようで、コストとスケジュールが最優先だと示唆し始めた。

この変化は日本との閣僚レベルの度重なる意見交換や、日豪経済連携協定(EPA)合意や防衛装備品および技術の移転に関する協定に調印した時期と一致する。

ドイツ、スウェーデン、フランスなどはまだそうりゅうクラスの大きさの潜水艦を建造した経験はないが、多大な関心を示している。

ドイツのティッセンクルップ・マリン・システムズは先月、キャンベラに代表団を派遣したが、広報担当者によれば、HDWクラス216潜水艦を基にした潜水艦をオーストラリアで建造することを希望している。
また、入札があれば参加の意思を示している。

スウェーデンの防衛企業Saabはまだ入札への参加を表明していないが、おそらく参加しそうだ。

フランス国営の造船会社DCNSは、バラクーダ級原子力潜水艦を基にした潜水艦をオーストラリアで建造したい意向を確認した。
広報担当者は「ブラジルやインドで実施済みだ」と話す。

匿名のオーストラリア海軍関係者は、政府はあらゆる選択肢を検討するよう非常な圧力を受けていると指摘し、
「すべての選択肢が非常に綿密に検討されている」
と述べている。

<与党内からも異論>

オーストラリアの製造業は、フォード(やトヨタ、GMが2016年までにオーストラリアでの生産から撤退すると決定したことの衝撃からまだ抜け出せていない。
オーストラリア戦略政策研究所のシニアアナリスト、アンドリュー・デービス氏は
「海外から潜水艦を購入すれば造船業、あるいは製造業全体でみても、影響は計り知れないほど大きいだろう。
オーストラリアの造船所にはマイナスの影響を及ぼすし、すでに経営が苦しい企業をさらに追い詰めることになるだろう」
と述べる。

オーストラリア製造業労働者組合の幹部は、
「英BAEシステムズが所有するビクトリア州のウィリアムスタウンの造船所や、ニューサウスウェールズ州のフォーガックス造船所など、など大手の造船所に打撃を及ぼすだろう」
と指摘する。

アボット首相の与党自由党に所属する南オーストラリア州の3人の上院議員も、先月入札の実施を求め、党内から異論が出始めた。

2議員がシドニー・モーニング・ヘラルド紙に反対意見を表明し、もう1人の議員は上院で発言した。

南オーストラリア州のニック・セノフォン議員(無所属)は、こうした反対意見はアボット氏へのさらなる圧力になっているという。

同議員は
「潜水艦の建造は産業政策ではないと政府は何度も言ってきた。
その通りだと思う。
しかし、国益に基づくべきであり、国益には戦略的な利点や経済的な利益も含まれる」
とロイターに述べた。

<米国は日本支持>

米海軍の高官は、オーストラリアがそうりゅう型潜水艦を日本から購入することに支持を表明する。
米国は日本とオーストラリアとそれぞれ安全保障条約を結んでいる。

米海軍のロバート・トーマス第7艦隊司令官は10月24日に東京で記者団に対し、そうりゅう型潜水艦はディーゼルエンジン型としては世界で最も優れていると説明し、オーストラリア軍にとっても非常に快適だろうと述べた。

「同盟国、パートナーや友人の間で共通の装備を持てば、いちいち修正を加えたりする必要がなく、連携は極めて容易になる」
と指摘した。

しかし、前出のセノフォン議員は、軍事技術なども絡むため、日本との協力で合意すれば、オーストラリアの最大の貿易相手国である中国を刺激する可能性があるとみている。
同議員は
「日米豪という同盟上の理由から決定が下されようとしているようにみえる。
それは狭い視点だし、オーストラリアの国益には合致しないだろう」
と指摘した。

*第一段落目の表現を修正して再送します。



日本経済新聞     2014/11/12 23:28
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS12H3A_S4A111C1PP8000/

 日豪首脳会談、防衛装備品協力を強化 TPP早期妥結を確認

【ネピドー=中山真】
安倍晋三首相は12日、ネピドー市内でオーストラリアのアボット首相と会談した。
両首脳は環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の早期妥結に向けた連携を確認し、日本の潜水艦技術の豪州への移転を含む防衛装備品開発での協力強化で一致した。
両首脳は16日にオーストラリア・ブリスベンでオバマ米大統領と日米豪首脳会談を開く。

安倍首相はアボット首相との会談で、10日に実現した日中首脳会談について「戦略的互恵関係に立ち戻り、関係改善の第一歩となった」と説明。
アボット首相は
「今回の首脳会談は氷を砕く会談だった。
これをきっかけにさらに対話が進むことを期待する」
と語り、日中関係改善の動きを評価した。

日豪間で進めている経済連携協定(EPA)に関しては、アボット首相が「数週間以内に協定批准のための議会の手続きが終わることを期待している」と説明し、両国で早期発効に向けた手続きを急ぐ方針で一致した。
日本や中国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)は2015年末までの交渉完了を目指して連携することを確認した。

安全保障協力では防衛装備品での協力のほか、自衛隊とオーストラリア軍が共同訓練などを円滑にするための新たな協定の交渉を急ぐ。
同協定は共同訓練をする場合に持ち込む手続きを簡単にする内容だ。

エネルギー分野では、安倍首相が安定的で競争的な液化天然ガス(LNG)市場の構築に向けた協力を要請し、アボット首相が関係部局に検討を指示すると応じた。
両首脳は首脳の相互訪問の実現に向けて、アボット首相が来年の都合の良い時期の来日の調整を進めることも申し合わせた。



ロイター 2014年 11月 19日 06:50 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0J22HD20141118/

豪が最新鋭艦の建造を日本に打診、潜水艦の輸入検討=関係者

[東京 19日 ロイター] -
日本から潜水艦を輸入することを検討しているオーストラリアが、リチウムイオン電池を搭載した最新鋭艦の建造を日本側に打診したことが明らかになった。
ドイツなども自国の潜水艦を売り込もうとしているが、オーストラリアは隠密性に優れた自衛隊の潜水艦を評価。
両国は合意に向けて協議を進めている。

日本の現行潜水艦は鉛蓄電池を使用している。
しかし、複数の日豪関係者によると、オーストラリアはより高性能の潜水艦を希望。
日本が来年度から建造するリチウムイオン電池を積んだ最新鋭艦に「高い関心を寄せている」と、関係者の1人は話す。

日本とオーストラリアは10月に東京で防衛相会談を開催。
ジョンストン国防相は江渡聡徳防衛相に対し、オーストラリアの潜水艦建造計画への協力を要請した。
さらに11月12日にミャンマーで会談した安倍晋三首相とアボット首相は、防衛装備品の協力を進めていくことをあらためて確認した。

複数の関係者によると、両国は実務者レベルで月1度以上のペースで協議を重ね、現在は推進機関など技術的な仕様の議論にも入りつつあるという。

 日本側には、潜水艦という機密性が高い防衛装備品の輸出に慎重な声もある
関係者によると、オーストラリアの予算と要求に合わせ、自衛隊の潜水艦とは仕様を変えたものを提案することになりそうだという。
リチウムイオン電池を搭載した艦が輸出可能かどうかは検討中だが、別の関係者は
「結構性能の高い潜水艦を出すことになるだろう」
と話す。

複数の米軍関係者は、3カ国の海軍の相互運用性が高まるとして、オーストラリアが日本から潜水艦を調達する計画を歓迎している。
16日の主要20カ国・地域(G20)首脳会議の際に会談した日米豪の首脳は、合同演習や防衛装備品で協力を深めることで一致した。
関係者によると、武器システムは米国製を搭載する見通しだ。

<リチウム電池の優位性>

海上自衛隊のディーゼル潜水艦「そうりゅう」は、エンジンで発電した電気を鉛蓄電池に充電。
潜航中は蓄えた電気を動力源にしている。
数日ごとに海面近くまで浮上して充電する必要があるため、空気を必要としない推進機関AIP(非大気依存推進)も積んで連続潜航期間を2週間程度まで伸ばしている。

一方、来年度から建造するそうりゅうは、
 「鉛蓄電池とAIP」から「大容量のリチウムイオン電池に切り替える」
ことで、潜航期間が「格段に伸びる」(防衛省関係者)という。

海上自衛隊の潜水艦隊司令官だった小林正男・元海将は
「安全に、かなり長い期間オペレーションができるようになる」
と語る。
AIPは使い切ったら基地に帰還しないと機能が回復しないが、リチウムイオン電池は
「安全なエリアまで移動して再充電すれば能力が回復し、すぐに作戦海域に復帰できる」
と、同海将は指摘する。

建造費は1隻およそ640億円と、現行型に比べて100億円以上高くなるものの、防衛省関係者によると、電池寿命が長く、15年間使った場合のライフサイクルコストは現在の1000億円よりも安くなるという。

<欧州勢が売り込み>

 6隻の潜水艦を保有するオーストラリアは、2030年ごろに世代交代を計画。
最大12隻の調達を検討しているが、独力で建造する能力に乏しく、日本に建造を発注し、完成品を輸入することを最有力の選択肢としている。

しかし、オーストラリア国内では産業の活性化や雇用の増加につながらないとして、国外で建造する案には与党内からも反発が強まっている。
ドイツやフランス、スウェーデンも自国艦を売り込みたい考えで、入札にすべきとの声が広がっている。
ドイツメーカーのティッセンクルップは8月、キャンベラを訪問してオーストラリア国内での建造を提案した。

ただ、日本以外はオーストラリアが求める4000トンクラスの大型ディーゼル潜水艦を造った経験がないうえに、いずれも現行そうりゅうと似た推進システムを採用している。
さらに関係者の1人によると、
各国の潜水艦の中で、日本のそうりゅうがトン当たりのコストが最も低いという。

アボット首相はかねてから
「最も重要なのは、最高の能力を持った潜水艦を納税者にとって妥当な価格で調達することだ」
と語っている。

日本は4月に武器の禁輸政策を見直し、一定の条件を満たせば輸出や他国との共同開発を認める防衛移転三原則を導入した。
オーストラリアへの輸出が実現すれば、完成品を海外に売却する初のケースとなる。 
中国が南シナ海、東シナ海への進出を積極化する中、日本は装備品の協力を通じ、オーストラリアとの安全保障関係を強化したい考え。

日本の防衛省は
「オーストラリアとは防衛装備品の協力でさまざまな協議をしているが、詳細は差し控える」
とコメント。
オーストラリアの国防省は「日本が電池の能力向上を検討していることは報道で承知しているが、潜水艦の推進機関について具体的なコメントはしない」
としている。

(久保信博、ティム・ケリー)



レコードチャイナ 配信日時:2014年11月25日 16時30分
http://www.recordchina.co.jp/a97973.html

オーストラリアが日本から潜水艦購入を計画、
安倍内閣後の軍需産業は発展の機会を模索中―中国メディア

2014年11月24日、オーストラリア政府高官は今月19日、次世代潜水艦に装備する日本の新型動力設備を購入する方針を示した。
この情報は、日本が近くオーストラリアの潜水艦製造者になることを意味する有力な内容と言える。

▼動力設備に照準をあてる

ロイター通信は先ごろ、オーストラリア政府は三菱重工及び川崎重工業が建造する12隻の「そうりゅう」型潜水艦を調達し、6隻の老朽化した現役「コリンズ」型潜水艦と取り替えると報じた。

オーストラリア高官1人と日本の高官2人がロイター通信の記者に説明した内容によると、オーストラリア政府は9月に日本の潜水艦を購入する計画を表明して以来、オーストラリア側は潜水艦にリチウム電池を導入することを考慮している。

日本はリチウム電池技術の研究開発分野でトップクラスにある。
日本企業が製造する「そうりゅう」型潜水艦は、世界で初めてリチウム電池を導入した推進システムのある潜水艦になる。
一部の潜水艦専門家は、ディーゼルエンジン搭載の通常潜水艦と比べて、リチウム電池を導入した推進システムのある潜水艦は水中の活動範囲がより拡大し、スピードがさらに加速したと分析している。

あるオーストラリア高官の見方では、オーストラリア政府はリチウム電池を導入した推進システムに「高い関心を示している」という。

「そうりゅう」型潜水艦は、日本の海上自衛隊の最先端の潜水艦で、2009年から日本の海上自衛隊に使用されている。
この潜水艦の最大の特徴は、ディーゼルとリチウム電池の2種類のエンジンを搭載していることだ。
空気がない条件で稼働できることから、通常の動力潜水艦と比べて浮上回数が減ることで、敵に偵察及び追跡されにくくなる。

▼オーストラリアは自国のみの製造困難

オーストラリア政府が策定した長期防務戦略に基づき、政府は「コリンズ」潜水艦を他の潜水艦と段階的に交換し、2015年3月に建造する新型潜水艦の規格・サイズと数量を最終的に決定する。
プロジェクト全体への投資額は370億ドル(約4兆4000億円)と推計される。

オーストラリア政府は新型潜水艦の建造はすべて国内で完成することを目指していた。
しかし、一部のアナリストは、オーストラリアには新型潜水艦を設計・建造するエンジニアが不足しているため、外国政府、または企業と提携し、設計と建造を共同で行うことが最も現実的な方法だと認識している。

オーストラリア政府は、独自に建造する方法と比較した上で、日本から「そうりゅう」型潜水艦の購入を選ぶ可能性が高い。
デビッド・ジョンストン国防相は先ごろ、「そうりゅう」型潜水艦は、現時点で世界で最も優れた通常動力潜水艦であり、オーストラリアと日本が軍事技術協力に関する「枠組み協定」に調印することを希望すると明確に述べた。

また、多数の欧州企業がオーストラリアと協力して潜水艦を建造する意向を表明している。
スウェーデンの軍需企業Saabはオーストラリア国防省のプロジェクトに応札し、オーストラリアに潜水艦の完成品を輸出することも可能で、オーストラリアと共同で建造することもできると提起している。

ロイター通信は、日本がオーストラリアに「そうりゅう」型潜水艦技術を輸出する場合は、日本が戦後初めて大型軍事工業技術を輸出、あるいは譲渡することになると分析している。

安倍内閣は今年4月に日本が戦後に固守してきた「武器輸出三原則」に代わる「防衛装備移転三原則」を正式に採択した後、長年にわたりひっそりとしていた日本の軍需産業が活性化を始め、輸出や自国のアピールを相次いで行い、発展の機会を模索している。

一方で、潜水艦技術をオーストラリアに輸出することについて、日本の軍需産業の技術が漏洩し、軍事の安全性に影響を及ぼすとの認識を持つ日本の一部高官が反対意見を固持している。

(提供/新華網日本語版・翻訳/謝艶・編集/武藤)



ロイター 2014年 12月 2日 10:12 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKCN0JG00F20141202/

豪次世代潜水艦の入札はない見込み、日本企業の受注可能性高まる


●12月2日、複数の豪政府高官は、次期潜水艦建造計画で、競争入札は行わないと発言した。日本企業が受注する可能性が高まったと言えそうだ。写真は日本の海上自衛隊が保有する「そうりゅう」型潜水艦。海上自衛隊提供(2014年 ロイター)

[シドニー 2日 ロイター] -
複数の豪政府高官は2日、次期潜水艦建造計画で、競争入札は行わないと発言した。
日本企業が受注する可能性が高まったと言えそうだ。
ロイターは9月、関係筋の話として、豪政府が、日本企業に建造を発注し、完成品を輸入する方向で日本と協議している、と伝えている。

関係筋によると、豪政府は、三菱重工業・川崎重工業が建造する「そうりゅう」型の潜水艦の導入を検討している。

ただし豪国内では、国内企業による建造を求める声が強く、次期潜水艦を海外に発注することについては慎重意見も根強くあるという。

ホッキー財務相はABCとのインタビューで、入札を行っているような時間はない、と指摘。
「今、決定する必要がある」と強調した。

ジョンストン国防相の報道官も、入札は実施されないことを確認した。
ただし、潜水艦建造の発注先は決まっていない、ともしている。



ロイター 2014年 12月 3日 16:29 JST
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKCN0JH0HQ20141203

焦点:中国の潜水艦に苛立つインド、
海面下で進むアジアの軍拡競争


●12月3日、中国の潜水艦増強に近隣諸国が警戒感を強めるなか、インドは海軍の近代化プログラムを加速させている。写真はインド東部のビシャーカパトナムの軍港に停泊する、同国海軍のアリハント潜水艦(2014年 ロイター/R Narendra)

[ニューデリー 3日 ロイター] -
中国の潜水艦増強に近隣諸国が警戒感を強めるなか、インドは海軍の近代化プログラムを加速させている。
同時に、中国のインド洋進出を食い止めるべく、インドはスリランカなどの周辺国に圧力をかけている。

インドと中国の係争地カシミール地方で両国軍がにらみ合う事態に発展した直後の今年9月、中国の潜水艦がインドの南に位置するスリランカに初めて寄港した。
中国はまた、インド洋に浮かぶ島国モルディブとの関係も強化している。

こうした動きは、インド洋での存在感拡大を狙う中国の強い意志を映し出しており、南シナ海の領有権問題が緊迫化するのと時を同じくして進んでいる。

インド海軍の元司令官アルン・プラカシュ氏は
「我が国の潜水艦規模縮小は憂慮すべき問題だが、中国がヒマラヤや南シナ海、そして今やインド洋でも圧力を強めていることを考えれば、なおさら懸念すべきことだ」
と指摘。
そのうえで
「幸運なことに政府はこの危機に目覚めた兆しはあるが、再建には時間がかかる。
中国との対決に巻き込まれないないよう、外交や同盟が抑止力になるよう願う」
と語った。

モディ首相が率いるインド政府は現在、ムンバイ港で
フランスの造船企業DCNS製の通常動力型潜水艦6隻の建造
を進めているほか、推定5000億ルピー(約9600億円)を投じて別の通常型潜水艦6隻の建造も計画している。

★.インド初の国産原子力潜水艦は今月に海上試運転を行い、2016年後半に就役が予定
されている。
また複数の海軍当局者はロイターに対し、
★.ロシアとは2隻目となる原子力潜水艦のリースで協議中
だと明かした。

事情に詳しい関係筋によると、さらにインド政府は同国最大級の工業・建設会社ラーセン・アンド・トウブロ(L&T)に対し、追加で2隻の原子力潜水艦の建造を打診しているという。

アジア・太平洋地域では、
オーストラリアが日本から最新鋭ステルス潜水艦を最大12隻購入することを検討しており、
ベトナムはキロ型潜水艦の最大4隻の追加(現在は2隻保有)を計画している。

また尖閣諸島問題などで中国と対立する日本は、今後約10年をかけて、ディーゼル潜水艦の数を現在の16隻から22隻に増強する。

<規模で劣勢のインド>

インド海軍が現在保有するディーゼル潜水艦は老朽化した13隻のみ。常時修理の必要があるため、そのうち実際に稼働できるのは半分に過ぎない。
昨年には1隻がムンバイで停泊中に爆発炎上事故を起こした。

一方、中国は通常型潜水艦を60隻、原子力潜水艦を10隻保有しているとみられ、そのうち3隻は核兵器を搭載していると推測される。

中国戦略研究センターの馬佳氏は、インド洋をめぐる中国政府の最大の関心は、石油をはじめとする資源の輸送ルートであるシーレーン(海上交通路)防衛にあると指摘。
「インド国内ではインド洋は自国のみに属するという声が多いが、当然ながらそうではない。
中国とインドの間で対話や協議があるべきというのが我々の考えだ」
と語った。

インドが空母2隻を含む約150隻の艦艇を持つ海軍を作ろうとする一方、中国は約800隻の海軍能力を持っており、軍当局者や専門家らは、双方が鉢合わせする公算は比較的大きいと指摘する。

オーストラリア国立大学の客員研究員デビッド・ブリュースター氏は、
★.インドはインド洋での支配的な地位を回復させるためには何でもするだろう
と指摘。
それには、日本やオーストラリアとの海軍面での協力模索のほか、マラッカ海峡から140キロの距離にあるアンダマン諸島の軍基地拡大などが含まれるという。

同氏は
「インドは中国海軍の艦艇の存在を侵入と見なしている。
中国艦の存在感は大幅に増しており、明らかにインドにメッセージを送る意図がある」
と指摘する。

中国の潜水艦の存在をめぐり、インドはスリランカとの間で激しい外交を行っている。
9月の中国艦寄港については、今年モルディブを含む3国で締結した協定に基づき、インドに事前に知らせるべきだったとしている。

インドはまた、バングラデシュが開発を望んでいるベンガル湾ソナディアでの80億ドルに上る深水港プロジェクトへの関与も強めている。
同プロジェクトは中国港湾工程有限責任公司(CHEC)が入札で先頭に立っているが、インドのアダニ・グループも10月に開発案を提出した。

ブリュースター氏は「もし中国がやり方を変えず、インド洋での存在感も今の水準を維持するなら、インドは対応の必要を感じるはずだ」と語った。

(原文:Sanjeev Miglani and Tommy Wilkes、翻訳:宮井伸明、編集:新倉由久)







【描けない未来:中国の苦悩】




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